任天堂のフィロソフィー

スーパーマリオブラザーズ



    サードパーティの参入によって、ファミコンは日本中を席巻し大ブームになる。
    そんな中、任天堂の中から、日本中・世界中で遊ばれる普遍的傑作が生まれる。



【 スーパーマリオブラザーズ 】


1985年(昭和60年)9月13日、ファミコン人気を爆発させるソフトが登場。 「ドンキーコング」「マリオブラザーズ」に続いて宮本茂が手掛けた 「スーパーマリオブラザーズ」である。


(C)Nintendo 多くのワールドによって構成されたゲーム世界には、独創的なキャラクターが沢山いて、 不可思議な仕掛けがマリオに次々と挑んでくる。プレイヤーはアスレチックに動き回って遊ぶ。

宮本はこのゲームに「視覚」「聴覚」に加え、原体験から得た「心感覚」−わくわくやドキドキ−をふんだんに取り入れた。 そして、映画や文学やアニメと融合させ、それをゲームに昇華させた。


このソフトは発売とともに圧倒的な人気を得、子供から大人、 素人からマニアまでが虜になった。 やがて日本中で社会現象と言われるほどの大ブームとなっていく。



ファミリーコンピュータのソフトウェア(’87〜)
マイクタイソンパンチアウト
(C)Nintendo

個性溢れる対戦相手を 倒し、マイクタイソンとの一騎打ちへ。 ボクシングゲームの傑作。
MOTHER
(C)Nintendo

糸井重里による心のRPG。 舞台は現代アメリカ。武器はバット。 お父さんが電話のカタチの物語。
スーパーマリオブラザーズ3
(C)Nintendo

全てがパワーアップ。 マップ形式でルート選択、アイテムストック。 タヌキや長靴マリオも登場。



    「触っているだけでうれしい」

    宮本は「スーパーマリオ」が売れた理由に(自身の見解として)
    「触っている人が気持ちよかったから。僕はいつも、触っているだけでもうれしい ゲームをつくりたいという思いがあります。 『インベーダー』が登場した頃から僕が大事にしているのは、 『触っていて居心地がいいから何度も触りたいようなゲーム』をつくりたい ということでした。お客さんが『1ステージ目の一番最初の画面しか見たことがないけれど、 このゲームは大好き』と言ってくれるようなゲームにしたかったんです」

    なにが触っていて気持ちよくさせるのかに関して
    「対話性、インタラクティブということ自体が楽しいということなんでしょうね。 だから、どれだけ共通に納得できる架空の自然をそこに作っているかという。 今後64ビットを使っていろんなことができるようになったとき、 僕が思う自然と言うやつと、ユーザーのほうがこうあって欲しいと思うものが、 うまく生理的に合うかどうかですよね。 それができるとユーザーが触っているだけでもインタラクティブで楽しい、 というものができると思うんです。」

    尚、今年(98年)金沢で行われた講演で、宮本はTVゲームを他メディアと比較し、
    (TVゲームは)『触れる映像』との発言をしている。この言葉が宮本の考える本質だろう。





【 アメリカでNES発売 】


1985年末からNOAはアメリカでの「ファミコン」発売を始める。
アタリショックで家庭用ビデオゲーム機市場は冷え切っていたから、 NOAはビデオゲーム機としてではなく、 「NES(Nintendo Entertainment System)」 −TVを使った新しい玩具−として売り出すことにした。

その際セールスポイントとして付属させたのが、横井が作った「光線銃システム」と、 光線銃技術を応用したロボットシステム「ブロック」「ジャイロ」だった。 これが「今までにない面白いもんだな」との評価を得、徐々に消費者の関心を引いていく。

そんな折り日本で開発された「スーパーマリオブラザーズ」をNES本体に付録して売り出した。 すると「NES」の人気が沸騰、1988年までに700万台を販売することになる。
(子供たちは「Let's play Nintendo!」を合い言葉に「NES」でゲームを楽しんだ。)


こうしてアメリカでも「ファミコン(NES)」は猛烈な勢いで売れていき、 NOAの当初年間1億ドルだった売り上げは、100億ドルへと飛躍的に激増、巨大企業へと名乗りを上げた。



    「キーシステム」

    アメリカでは、NESの成功から、膨大な量の海賊版ソフトが出回る事が明らかだったという。
    NOAは、前述のライセンス供与システムだけでは市場を守ることができないと判断する。

    そこでNOAではソフトの偽造を防ぐセキュリティシステムを開発する。 ゲームカセットには「鍵」に見立てたメモリを内蔵、ハード側には「錠前」に見立てたマイコンを内蔵し、 もしも、ノーライセンスでカセットを作っても、ハード内に 組み込んだ「鍵前」が開かずソフトが動かない仕組み。
    そして任天堂はこのシステムを特許権と著作権によって守った。

    ライセンス契約をしないと、カセットには「鍵」チップが内蔵されないのから遊べない仕組み。




ファミリーコンピュータのソフトウェア(’90〜)
Dr.MARIO (C)Nintendo

ビンの中の黴菌にカプセルをくっつけ、 色を縦横4つ並べて消していく。 横井さんのアイディア。
ファイアーエムブレム (C)Nintendo

シナリオ仕立てでストーリーが進行する RPGの要素を持ったSLG。 劇場風の戦闘場面も良い。
ジョイメカファイト (C)Nintendo

対戦型の格闘ゲーム。 多関節で出来たキャラクターが動きまくる。 ファミコン性能を巧く活かした。





    こうして「ファミコン(NES)」は日本・アメリカでTVゲーム市場を完全に制覇した。
    (日米のTVゲーム市場はファミコンによって一挙に拡大・発展していく。)

    業界の支配権を手にした山内は、新たな構想の実現に向かい挑戦を始める。






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