水無神知宏・鋼鉄の虹
グランドマイスターインタビュー(前編)

鋼鉄の虹終了後の1996年6月、相模原市にて。

【劣】「それではまず、鋼鉄の虹ご苦労様でした。質問表は見ていただけましたか?」
【水無神】「うん。随分質問考えたね」
「ええ、何個か答えてもらえないだろうから多めに」
「答えられないようなモノは無かったはずだよ」
「そうですか?それと、このインタビューは夏コミでそちらの『商品展開大作戦』の反応をまとめたものと合わせて『鋼鉄補完計画』(笑)という小冊子の形で出しまして、そして98年を目処にTV化と。夢は大きい方がいいですから」
「煙草いいですか」
【R・藤沢洋】どうぞどうぞ。そして2000年には映画化?(笑)確かに今まで遊演体がやったゲームの中で鋼鉄の虹が一番映像化してインパクトがあるというかわかり易いとは思うんですよね。スポンサーに売れそうなおもちゃも作れる」
「でもね。最近リアルロボットも流行らないしね。TVあんまり見ないから良く分らないけど」
「ですが、甲斐甲賀が『水無神はガンダムとか好き』と光栄の『メイルゲームガイド』で言ってましたけれど」
「昔は−中高生の頃はよく見てたんだ」

「作品でいいますと
「それは歳がばれるから。まあ、やっぱりサンライズの、ガンダムからエルガイム、Z辺りまでかな」

Q1.商品展開大作戦の感想と注文及び批判の願い
遊演体では、蓬莱以外の周辺展開というと鋼鉄RPGですがログアウト休刊でどうなるんでしょう。

「うん、でもね鋼鉄の虹の商品寿命ってのがもう終わっちゃってるからね。ログアウトも無くなっちゃったし。富士見の方も『続編は無理』って言って来てるし」
「売れなかったんでしょうか」
「売れなかったんだろうねぇ(笑)。だから、出版とかで展開してくのは無理じゃないかなーと僕は思ってる」
「そんな、このインタビューの目的をいきなり否定しなくても
「遊演体の『鋼鉄の虹』としてネットゲーマーに売っていくのは無理でも、全然別な層ならどうでしょうか」
「もし僕がもっと売れてる小説家で、他の出版社持って行けるような物ならね。でもそうでも無いでしょ
「ああ。すごく話が暗くなっていく
「まあまあまあ」
「まあ、今からだとどっかでもう一度ムーブメント作らないとね。まず。具体的に誰かがやるってのなら協力するにやぶさかではないけれどね」
「いきなり蓬莱FCみたいなのは厳しいだろうから、まず定期同人ですか」
「あれは遊演体側主導で作ったような所があるから、もし同人誌本当に作るなら協力するからぜひやってっていう
「こっち(カンプフリーガー下巻)の方に書いときましたけど、ナハトフルーク中心に、まだみんなプラリアとか作ってんですよ。同人誌も」
「コミケのカタログ、鋼鉄のサークルが随分有るなと思って見てたんだけれど。(参加サークル)募集の時にはまだ鋼鉄の虹やってたのかな」
「いえ、終わってました。完璧に。でも、特に空が緑土も硅国もひっくるめてみんなまだ盛り上がってるんですよ【1】。陸軍は知りませんけど。後、真ん中の国かな」
「真ん中の国は残ってるっていうかメンツのつながりが生きてるんだ」
「『自由の旗』みたいに集会とかは開いてないんですか
「直接はないけど、そういう話が持ち上がったら絶対乗ってくると思うけどね」
「だ、そうです」
「主催者さんが声掛けてやるよーって言えば出来なくは無いんだろうけどね」
「まあ、こうもり城終わるまでに動かさないと、今度はこうもり城の総集編に飲み込まれるでしょうし」
「あとね、ネットゲーム専門誌が成り立つかって話だけど、この業界って横のつながり無いからね。何社かで出資しようといっても、やりたがるかっていうとね。それにこんなに増えちゃったからね。もう、最近のゲームって良く解んないんだけど
「話聞く限りでは、那由他とかクレギ系のシステムが多いようですね。で、ストーリーを入れ替えたようなものみたいですけど」
「大手のHJなんかは自力で商品展開できる力があるから、あれ(一年戦争PBM)は置いとくとして、M2のマルチメディア展開が頑張ってますね。じつは『卒業』やったんですけど、面白い事は面白いけど枠が多くて(無茶できなくて)物足らないってのはありますね。遊演体経験してると。世界観的にもそうなんだけど。あれは」
「原作ついてるからじゃない。アルダインは盛り上がったって聞いたけど
「らしいですね。でもやってないから自分でははっきりは言えませんね。今までプレイしたのは遊演体の那由他からと、ホビーデータのクレギオン#2、#3、#4、それに朧月だけですけど。佐藤さんは?」
「俺は(遊演体の他は)、卒業と朧月だけ」
「今、PBMやってる所は、3〜4000人行ってるのが、一番大きいのでホビーデータで」
「あああ、抜かれてる抜かれてる」
「不動館と、M2と…
「一寸待ってください。(ノートを取り出す)えっと、ミントが2500(募集定員)で」
「ゲムルが500いかなかった」
「ガデスはいったでしょ。朧月の方。後3つぐらい増えたんですよね。大阪のプロムナードと、パソ通使ったのと、あと電話と。今走ってるのが、合わせて…12本か。めちゃめちゃ多いですね。ここまで増えるとこの先どうなるのかね」
「鋼鉄の始めの頃で8本くらい行ってて、うわぁー増えたなって思ってたんだけど」
「Sネットの頃はまだ3本(遊演体Sネット、ホビーデータ・アラベスク#1、コスモエンジニアリング・サイコマスターズ)ですね。で、鋼鉄始まった時に7本(ホビーデータ・A#1+クレギオン#4、不動館・退魔戦記&クオヴァディス、M2・R−DYNE、ガデス・朧月都市)です。Sネットが終わってから鋼鉄が始まるまでの間です」
「参入し易い物だからね (かつてのOVAやテーブルトークの業界を見るようで、このまま乱立期を過ぎて淘汰されて、安定期に入るか衰退期に入るのかが分かれ目 拡散して消えちゃわなきゃいいけどね」
「シミュレーションゲームでいえば、SPIが路線対立で分裂した頃ですかね。今は」
「ビクトリーじゃなくて?」
「ビクトリーは倒産してからアバロンヒルがスタッフ引き抜いて作った会社です。でその後で両方潰れちゃったんです」
「(苦笑)テーブルトークも拡散しちゃってずいぶん元気無いけどね。HJはなんか一生懸命仕掛けてるみたいだけど
「熱血専用とか?
「あれは面白いけど3回やると性も根も尽き果てて死ぬぞ。今のRPGは、インパクトだけはあるけど長続きしないのがネックになってるんだ。だからこの夏出るかもしれないセブンフォートレス。あれがどうなるかだね。俺はそう見てる」
「コミケのカタログでも見たらオリジナルRPGが3、40サークルであるんですよね。あれに含まれちゃうのは嫌だなあ、と。折角みんなが集まれる核はNGの場合ある訳で、それをどう使うか。という事で考えているんですけど。テーブルトーク自体はここ8年やってないんで、後で佐藤さん頼みますね」
「俺も、業界の話わかんないよ

Q2.鋼鉄の虹はガンダムなのか。それともダンバインか
今まで見た中で最も好きなロボットものは何ですか。この前ダンバインを初めて見ました。確かに似てますが、あれなら鋼鉄の方がなんぼかましですね。

「そう言われてもね。全く真似したつもりはない」
「真似がどうしたって訳じゃなくて『ガンダムがすき』とは聞いたんですけど」
「うん、軍隊の中に量産のロボットが有るというのが一番はっきり出たのがボトムズじゃないかと思ってる」
「俺見てないんだ。すいません基礎知識も無いのに変な質問して」
「あれは壊しては新しいのに乗り、壊しては乗りの繰り返しだったから」
「じゃあ次に」
「この楽しい質問は後回しにしましょう。

Q4.小説について
続きは出るのでしょうか。また執筆時に、何か特に気を付けたことはありますか。
小説の感想ですが、『哀歌』は少々文章がマニア受けだなとは思いますが、自分は売り上げ気にしないでいい立場ですので堪能させてもらいました。ただもう少し野郎臭さが欲しかった気もします。
『彗星城』は、“馬鹿旦那”が馬鹿なうちは甲斐甲賀のリアクション並みに面白かったんですが、それ以降は甲斐甲賀の小説並みに興奮も意外性も無いようです。
この際、次の鋼鉄小説は皆からリプライ募りませんか?

「続きが出る…のは駄目でしたね」
「個人的に同人レベルでもいいから続けていこうとかそういうのは」
「それも無いなあ。また何かやりたいとは思うけど。折角作ったんだから。でも誰かに任せるしか無いかな。仕事もあるし結構小説書くのって体力使うからね」
「でもオフイベで劉マスがホストで、水無神さんがその経営者って話、とあるマスターから聞いたんですが」
「そんな話は知らない(笑)」
「夜のお仕事だからやはり昼は空いてるのかと(笑)。彗星城は置いといて、『哀歌』の方ですけど、あの後の話はありますか」
「一つ二つプロットは立ててたんだけど。前の主人公は脇役にして、また別の新しい話をね。ネットゲームプレイしてた人には辛いだろうけれど、開始時点から書き直さないと小説にならないから。ゲームと違って主人公が馬鹿な事しても、読者は許してくれないしね。話にリアリティが無くなっちゃうから、ゲームはモトネタ程度にしておかないと。最近の蓬莱見てても、昔PCがした事に縛られすぎちゃって、他の人が入って来れなくなってきてるのをずいぶん感じるから。もし、戦後史だけじゃなく圭緑内戦からなら全部作り直しだね。とりあえず 、鋼鉄RPGのイェーガーハンドブックとキャラクターはPCで魅力的な人沢山居るからその人達を使うとして」
「ハンドブックって、あのガマウービルト使うんですか(笑)。やめてほしいな。絶対本編の方がデザイン良いですよ」
「いや、他はともかくあのガマウービルトだけは捨て難いぞ」
「デザイン的な物は、別に幾らでもやり直せるから」
「じゃあ、ネットゲームのプロローグ小説として特に気を付けたことは」
「まあ小説に関しては世界観を解り易く説明する事と、ゲームの大テーマと重なるようなテーマを立てた位かな」
「あと、遊演体の小説は、なぜか必ず正体隠してる奴がいて、で最後はそいつが裏切って終わりと(笑)
“初恋”の公安委員からずっと。これについては」
「あんまり気にしてかったな。でも参考文献リストにも在るけど『昔話の形態学』って本を元にして、童話の筋立てで小説書いてみたってのがある」
「その本●うっとこ。であとで読んどこ」
「で、“男臭さ”ってどういう意味?」
「チャウチャウ野郎とか、爺さん博士とか、シャーフの見せ場が欲しかったかなって事なんですが」
「最初は有ったんだけど長くなりすぎたんで大分削ったんだよね。それでも富士見ファンタジアにしてはずいぶん厚いでしょう?それとリプライ募るとね。どうしてもリアクションに成っちゃうんですよ。主役立てないといけないから」
「それは解ります。あれはキャラクター活躍させるためでなくて、甲斐甲賀なんかのケツ叩き用や話作りに詰まった時の道具か仕掛けのモトネタくらいの使い方を想定して書いたんです。リアクションとは発想切ってますから。サービスとは別で」
「甲斐甲賀はね。小説書いてるときよく『俺にリプライを呉れ』って叫んでるけどね(笑)」

Q5.フェルネラントの構造について
鋼鉄の虹RPGでは、こちらの世界しか扱われていません。ですから、これを鋼鉄全部を扱うものにするにはフェルネラントの詳しいルールが要ります。それと硅緑戦SLGをほんとに作ろうかと言いだした人もいるので、本編では抜け落ちたり、ただ単にこちらが知らなかった事についてお教えいただきたいと思います
まず、フェルネラント(と、緑硅)の性質ですが、
一、相互補完的である。また、両世界に起こる出来事には対応関係がある。しかし、象徴という言葉は使われていても、因果関係をはっきり特定できない。

二、集合無意識は民族の影響を受けるが、民族的に独立したものではないはず。しかし、この世界では“英雄”が国境を越えようとするだけで飛行が不可能になるなどの影響がある。
三、他の諸国にはフェルネラントに相応するものが観測されない。(波津野市におけるエルフェアラントを除く)これは、世界自体が無いか、フェルネラントのようなアクティブな異世界は特殊なものであるという事である。
四、千年以上前からその存在が確認されるわりには、フェルネラントの国の性質や数が、第一次大戦後になってようやく確定した州分けに対応しすぎている。かといってノルトケルン民族に対応するにはブリクシア人や移民などの存在と矛盾する。
五、エルダは現実世界の未来に手を伸ばしながらフェルネラントの未来を見通せなかった。 以上の事から
仮説A
三位一体式世界観 つまり、じゃんけん型世界観。フェルネラントはある程度精神世界から独立した存在であり、 しかし無意識の支配を受けているのではないか。そして、心理界・物理界との間にそれぞれ 右図のような関係が成立します。「支配」とは、その世界が被支配世界の生殺与奪の権を握 っているということであり、体を失えば意識は死に(集合無意識は生きるだろうが人類が絶 滅すれば意味を持たない)、意識の変化がフェルネラントを消し、オーディンの死がレーベ ンスのマリアーネ大佐を消滅させ、エルダの森を出現させた事から想定されます。 魔法がすべてフェルネラントを通過する事もここから説明できますが、ユングの理論には心 理から独立した心理世界が想定されているのか未確認です。若し、されていないならやはり 突然変異的または外部に期限を持つ世界だといえるかもしれません
仮説B
二元照応型世界観 フェルネラント世界(集合無意識を含む)と、現実世界では物質と心の関係が逆であり、妖精や神々は物質・現象の心と、心で出来た体を持つ。紅天女的世界観。割とポピュラーな解釈ですが、三以外がほぼ説明できます。エルダ化等はこちらの方がすっきりしているかもしれません。
仮説C 直交時間軸 四・五から想定。これは、両世界が同一の時間軸を共有していないのではないか、それも、時間軸はお互いに直行しているのではということで、こう考えると、両世界はお互いの世界の全時点と交点で接していることになります。ですから、こちらの世界から見ると、時間の進展に合わせてフェルネラントでは“歴史がそのたび作り替えられている”事になります。ですから現在のケルンテン国家とのみ対応した過去も矛盾はなくなり、また、五についても、向こうにしてみればこちらの過去も未来も関係無いので解決します
いくつか考えてみましたがいかがでしょうか。

「鋼鉄世界の特徴といえばフェルネラントですよね。それが十分な説明も無いまま消えちゃったんで。イェーガーも内戦も原因の元はといえばフェルネラントですよね」
「まあ、ガンダムにミノフスキー粒子があるようなもんだ(笑)」
「わかりやすいぞ(笑)。こちらでサプリメント作る時フェルネラントの事聞いとかないと出来ないんで」
「ログアウトに、次のサプリメントはフェルネラントにしようかなって云ってはいたんだけどね」
「無くなっちゃいましたからね。後、この仮説集は違うでしょう」
「うん。ここまで難しく考えなくてもいいんじゃないかと思うけど」
「これ書いた時点では共時性って考え方がいくら本読んでも分かんなかったんですが、因果関係とは別物なんだって事なのでこういうSF的な物とは違うかなと」
「共時性って言ってもユングがフェルネラントなんて言った訳じゃないから。只のネタなんだから。ま少し長くなるけど、ファンタジーとか好きでよく読んでたんだ。今多い奴は別だけど、ファンタジーって昔から心理学的なアプローチってよくやってたんだよね。ゲームでもBローズ(『ビヨンドローズトゥロード』)なんか、もろにユング派心理学使ってるでしょう。魔法システムあたり。そういった一つの流れを入れた事と後、フェルネラントがケルンテンにしか無いのはゲーム的な要請だよね。ブリクシア人は少し前まで独立はしていたけど、元々文化圏が同じだし、公爵家に対する忠誠も高いからケルンテンと共同体としては同一だから矛盾はしてない。それと、近代は第一次世界大戦で終わったって言われているけれど、この時代ってまだその前に生まれて価値観確立した人たちが生きてる時代だよね。だから現代的な感覚とは少し違うわけで。移民の存在については、実は彼らが増えたのでエルダやオーディンが危機感を持ったって裏設定が在るんですよ」
「おお、それはびっくり。なるほど。発想が逆だったんだ」
「で、今までケルンテンって言うちっちゃい中に固まってきたのが交流とかで拡散し始めて行くそういう時代だったし、エルダやオーディンが自分達の存在に危機感を持って、それがああいう事になっていくというような話なんですよ」
「つまり、新しい時代に反発していたケルンテン人の心の具象化だと」
「そういう事でもあるし、民族的純血を保ちたいというような気持ちでもあるんですよね。それが悪くなって出ちゃうと他民族の排斥?そういう事に繋がったって事かな。あと、フェルネラントが出来たって事ではここでも一つ元ネタがあって、道原かつみの『ノリメタンゲレ』【2】って話、この言葉は聖書の言葉で『私に触れてはいけない』って意味で、キリストが復活した時に触ろうとした人に言った言葉なんだけど。私はまだ神の元に召されていないのだからってね。まあ、この漫画に非常に面白い事が書いてあるのでそれ見てください」
「あと、難しく考えるというか、折角ゲームに矛盾があるからへ理屈でつじつま合わせて楽しもうって事なんですけど。C#理論みたく」
「へ理屈過ぎると他の人付いてこれなくなるから、やりすぎないようにね。僕も思考ゲームが好きなんだけど、あれはかなりスゴいからね。それに、物理学と違って心理学だから実験とか出来る事じゃないしね」
そうですね。実際ユングぜんぜん解りませんでした」
「臨床精神医の人たちが書いた本なんかも、それはそれで面白いんだけど」
「鋼鉄の虹に出てきたのはユングだと、元型、投射、あと集団無意識ですか。アニマ・アニムスはエルダ・オーディンと関係無いんですか。ローゲなんかも大賢者とはズレがあるみたいですけど」
「無いと云えば無い。結局、整理されている物じゃないし、下手に使うと収集つかないから雰囲気の良い処だけ使ったってだけだからね」
「ゲームに使うにはこういったのは難しすぎますかね。3項対立にしたのは、意識と現世から対岸の関係が見えないとすれば、科学がフェルネラントを発見できなかった事の説明になると思ったんですが」
「うん、最初に考えたのは、現実とエルダの対立のほかに科学と魔法ってのもあったんだけど、でも一年引っ張るにはありきたりすぎるので止めたんだ。 数値管理も最初考えたんだけど、数値使うとプレイヤーがそこから出てくれないんですよ。新しい事をやって呉れなくなる。最初にこうですよってやっちゃうと、枠の中でいろいろやる動きは出てくるんだけど、それだけだから。突き抜けた物が出てきて欲しかったんだけど」
「ミシュランみたいな星マーク程度でも駄目ですか」
「それでも、みんな星の増減ばかり気にして、エルダ・オーディン倒すって処までは行かなかっただろうね。まあ、決めても良かったんだけど、でもネットゲームってもっと自由な物だと思うから」
「スタートの最初の状況だけ管理して、後は話が動くたびに止めていく方式でも同じでしょうか」
「今後、展開するなら数値は良いと思うよ。ただ95の時はこう考えてたよって事。それと、展開していくならだよ、フェルネラントと現実の関係なんてどんどん変えていっちゃっていいんじゃない」
「ゲームやっている時ですが、ドイツと、フェルネラントと、ケルンテン(PC)の力の関係と評価が全員違ったんですね。それがものすごくもめまして。みんな自分の希望的観測に走っちゃって。もう少し客観的な評価できなかったのかな。と」
「ボードゲームならね。でも折角マスターがいるゲームだがら、力や関係なんてリプライ次第で変わっちゃっていいし。そこが好い所なんだしね。あと、フェルネラントの未来をエルダが分からなかったのは、ローゲのせいだね」
「ですが、なぜ、未来から人を呼んでくる時に未来もついでに見てこれなかったのか、って事なんですが。まあ、共時性は使ってないからなんですが」
「うん、時間の質が違うとは考えていたけど。過去から未来への時間の流れはある。集合無意識だって人間の一部なんだから。でも、それに意識は縛られていない所があって、こっちの時間は向こうでは無視できるってトコでしょう」
「では、フェルネラントに人間は体ごと行ってますが、それを入れる空間はなんで出来てるんですか」
「考えてませんでした。それに考えても意味無いでしょう。プレイヤーさんがゲーム中で調べたなら何んかやろうとは思ってたけど、誰もやって来なかったしね」
「みんな、ただのファンタジーだと思ってそれで納得しちゃったですからね」
「初期段階で、真ん中の国で地図作ろうとしてどうしてもできなかったんですよ。誰かはある村まで一時間で着いたけど、別な人は一日かかったり」
「それは心理的距離って奴ですよね(つまり、主観的経験が客観的時空の代替をしている)」
「それで、あるプレイヤーから、フェルネラントは宇宙空間に浮かぶでっかいカメの背中に乗ってるんじゃないかって話が出たんですよ(笑)」
「ビューティフル・ドリーマーか。で、カメのはしっこにオーディンの狼がいて追っ払うと(笑)」
で、みんなであそこは夢だからご都合が起こるんだと納得してたんで」
「実際そんな所ですね。まあ、ご都合も過ぎるとやる気が殺がれちゃいますから。もしこれからやるならこれでもいいけど、もう一寸練り込んでね」

 

【1】未だ健在らしい。

【2】人類が脳の潜在能力を解放し、精神を過去にとばす技術を身につけた時代。時空研究の異端科学者シグマ・サイが監視の目をくぐり抜け、イエス・キリストの無意識に潜り込んだ。「歴史がどれだけ変更可能なのか証明してみせる」と言い残して。そして、歴史改変を防ぐべくエージェントも過去へ飛び、シモン=ペテロの中へと潜り込む。「キリスト教」とはどこまでがイエスのものなのか?歴史を守る『神』は実在するのか?そして、未来人に匹敵する潜在能力を持つ少年、ユダは何を思うのか・・・
多分今となっては入手不可能。古本屋かマンガ図書館で。