バーンデッキはなぜ勝てるのか
執筆者:はやし

この記事はまつもと氏のリクエストを受けサークル誌「しーしー Vol7」から転載されたものであり、
1998年5月17日付で作成されたものです。
当時のスタンダードは、5E, MI, VI, WL, TE, STでした。
古い記事ですが、デッキ構築の参考として、何より読み物のとして、お楽しみください。


にしか分からない赤バーン講座

CCC 7th Winner はやし

 1つひたすら火力をツモる、2つファルコン気にしない、3つ見事にCoPを避ける…というわけで、幸運にもCCC7thを制させて頂いたわけだが、せっかくであるこの機会にバーンデッキが勝利を得るためには何を成すべきか、知られているようで意外に見落としがちな基本についていくつか語らせていただこう。

バーンデッキはなぜ勝てるのか

 まず最初にいっておく。
 マジックにおいて相手の持つ1枚のカードに対抗するためには、自分も1枚カードを消費しなければならないと考えている人間は永遠に弱者である。
 クリーチャーを除去するためにDiabolic Edictを入れ、アーティファクトを破壊するためにDisenchantを入れる。それはそれでいい。しかし、それだけではお話にならない。確かに相手の繰り出すカードの1枚1枚に丁寧に対応はできるだろう。
ただ、それは相手も同じことであなたの用意した決定力はすべからく葬り去られていくはずだ。
 この世の全てのデュエリストがそんながぶり四つに組むことだけを考えてデッキを構築しているのならマジックはただの運ゲ─である。勝負は適切な数だけ土地を引いたものが勝ち、逆に事故ってしまったものは負ける、なんとも陳腐なものになってしまう。
 従って強者はその事態を避けるための努力をする。

 わかりやすい例を出そう。
 Wrath of Godというカードがある。いうまでもなく場にいる全てのクリーチャーを除去するカードだ。これを使って相手のクリーチャーを2体除去する。そうすることによって、自分は相手に比べて1枚カードアドバンテージを得たことになる。なかなか良い。
 また、Nevinyrral's Diskというカードもある。この回転に巻き込みクリーチャーとアーティファクトを2枚ずつ破壊したとしよう。この時、得られるアドバンテージはなんとカード3枚分にものぼる。文句のつけようがない(そらーそーだろー)。ほぼそのデュエルを取れたと言ってしまって問題ない数字だ(編註:ただし、こういうものは負けてるときに使う方が多い)
 もちろんここまで劇的な効果があがることはそうそう起こるものではないが、
相手より優位に立つために多対一除去を目指すのは、マジックの基本のひとつである。

 さて、以上のことを踏まえた上でバーンデッキの話に移ろう。
 バーンデッキは通常のデッキに比べて、よりカードアドバンテージが必要とされるデッキである。なぜか、と問う人はよもやいまい。
 例えば7ターンで勝つバーンデッキを思い浮かべてみてほしい。
 それまでに引いているカードは14枚、そのうちに土地が5枚あったとしよう。カード1枚あたりが与えられるダメージを3点と仮定すると、20点のライフを削りきるためにはライブラリーから引いてきた9枚の戦力のうち、7枚を本体に叩き込まねばならない。これが何を意味するかというと、つまり場を制圧するためのカードがたった2枚しかないということなのだ。これは苦しい。
 なに? 場など見なければいいとあなたはおっしゃるか。
 7ターン目とは2マナで出た2/2クリーチャーに5回は殴られている計算になる。
言い換えればこれは2マナ10点火力から目を背けろということだ。ありぇねぇ。
あなただってボーライ(Ball Lightning)が突撃してくれば焼くだろう。場はやはり最低限制圧しなければならない。勇敢であることと野蛮であることは違うのだ
 そうはいっても、相手と真っ向から闘うつもりでデッキを組んでしまえば、2枚のカードで7ターンに渡って場を押さえ込むことはまず不可能だ。マジックは接待ではなく勝負である。相手とて万策を尽くして勝ちにくる。こちらにはカードを使ってマスデストラクションをかける余裕はそうそうない。

 どうするか。
 答えはわりあいに簡単である。ようは、カードを使うことなく相手のカードを除去すればいいだけなのだ。
 わかりにくい? よろしい、わかりやすく言おう。つまりは、相手に多量の無駄カードを作らせればいいわけだ。
 なんだ、という人はいるだろう、そんなことぐらい知ってるよ、と。あなたは間違っている。あなたは知ってなどいない、知っているつもりになっているだけだ。
 あなたはバーンデッキにNevinyrral's Diskを入れてはいないか?Disenchantは?壁は?たいして役にも立たないアーティファクトやエンチャントは?さらに極論させてもらえれば通せる手段のないBall Lightningを入れてはいないか?
 そんなものはギリギリの勝負を綱渡りのように続けるバーンデッキにとって百害あって一利ない、ただの害虫である。隊を全滅に追いやる愚兵といってもよい。
 確かに赤単を殺すカードは多い。対策カードをメインボードから投じたくなる気持もわからないではない。しかし覚えておいてほしい、結局のところバーンデッキにおける勝敗は、覚悟の量で決まるのだ。

 具体的な例を挙げてみよう。
 土地24枚と直接火力のみでデッキを構築したとしよう。トーナメントで一般的なデッキとあたったとする。一般的なデッキとは、きちんとマジック・ザ・ギャザリングをするデッキである(バーンはマジックでは断じてない)。その構成要素は通常のデッキに対応してデュエルをするためのカードが中心となるだろう。
 便宜的に土地を24枚として、残りの36枚のうちには、クリーチャー除去8、アーティファクト・エンチャント対策3、リセットカード2、終盤戦を優位に闘うためのカード6枚程度が含まれているはずである。
 これらのカードは36枚の直接火力を有するバーンデッキと闘うとき全てなんの意味もなさない。このデッキは実質17枚のカードで36枚のカードに対抗せねばならないことになるのだ。どちらが勝つかはまさに火を見るより明らかであろう。
 これがつまりバーンデッキにおけるカードアドバンテージであり、バーンがデッキとして成立する原因の全てともいえる。

 ただここで取り違えてほしくないのは、直接火力のみのデッキがあくまで極端な例だということだ。それこそが最強と主張しているわけではない。
 ファナティック(Mogg Fanatic)やランサー(Suq'Ata Lancer)は強い。OrggやCursed Scrollがデッキに必要だ、という人もいるだろう。それは否定しない。
 ただ、そうしたカードの強さに酔って相手と真っ正面から叩きあうデッキを作った時、バーンデッキの優位は崩壊する。そこにあるのはデュエルが終わってみるまで
勝負の帰趨が判然としない、ただの不安定なデッキである。どうしても運ゲーになってしまう。
 やはりバーンデッキは(勝てる相手には)試合の席に着いた時点ですでに勝っていなければ意味がなかろう。
 勝負は目に見えないStuporを試合前に何発打てるかでもう決しているのだ。デッキを構築するときは肝に命じてほしい。

デッキの中身はスーパーウェポン

 ではデッキを組んでみよう。
 もちろん、もっとも大切なことは事故らないように組むことだ。
 いやいや当たり前のことをと笑うなかれ。バーンデッキにとって初戦は単なる3分の1以上の意味を持つのだ。2戦目以降のことを考えてみたまえ。CoPやWarmthが火力をさいなみ、Bottle Gnomesはダンスする。地獄である。
 初戦で1敗地にまみれたバーンデッキが残る2戦を連取できるほどマジックは甘いゲームではない。何があってもとりあえず初戦だけはものにしなければならないのだ。
 言ってしまうのは簡単だが、これはなかなかに難しい。
 事故るというのは、なにも土地を引かなかったときだけの形容ではない。土地を引きすぎてしまうこともまた事故の1つの形である。土地をふんだんに入れたとてそう易々と防げるものではない。
 では、どうするか?
 確かな答えが1つだけある。
 自分の構築したデッキを極めて事故率が少なくなるまで使い込み続けることだ。
 事故を事故として片付けず、常にマナバランスに気を配り手を加え、いつも同じ方法でシャッフルし、ひたすらデュエルを重ね続ける。そのデッキが滞りなく展開していくさまを体に覚え込ますのだ。信じ込ますと言ってもよい。
 あなどりがちだがマジックはシャッフルひとつで全く別のゲームになる。自分が信じられるシャッフルの方法を見つけたとき、あなたの勝率は間違いなく上昇するはずだ。もしおろそかにしている人がいたならば、改めてみてほしい。
 バーンデッキにおけるマナバランスの重要性は理解していただけたろうか? …たいへん結構だ。安心して次のステップへ話を進めることにしよう。

 マナの次は戦力の話である。
 デッキに投入するにふさわしいカードとは何か。
 とりあえず直接ダメージ呪文を入れなければ話にならないじゃないか、という声に反対はしない。ただしコストに比べて明らかに壊れた効果を持つのがその条件だ。
 敵対するデッキの中にはたった2マナで召喚できる2/2でありファーストストライクとプロテクションまで持っているクリーチャーや、2/1でリジェネとランドウォークを兼ね備えたクリーチャーなど、明らかにマジックのバランスから考えて異常な能力を持った連中がゴロゴロしている。それに対抗するのだ、半端なカードに用はない。
 Thunderboltあたりが実戦レベルで通用する最低ラインであろうか。少し高いハードルのような気もする。その微妙な見極めをセンスと言ってしまえばそれまでだが、
ファナティックとボーライのどちらがより壊れているか(やれやれ)を即答できる程度の判断力はやはり必要だろう。
 トーナメントデッキとは壊れたカードの塊である。我々のデッキもいっさいの無駄を廃して、厳選されたカードでチューニングさせてもらおうではないか。

 さらにもうひとつ大切なことがある。
 いかにしてデッキの息切れを防ぐか、ということだ。
 手札にいきなり20点分の火力がきて、適当に相手の本体に叩き込んでいるうちに勝ってしまう。それはそれで理想である。しかしもちろん、そんな展開ばかりではないのだ。相手だってあがく。時にはこちらが守勢に立たされることもあるだろう。
 カードをほとんど使ってしまったのに相手のライフはまるで減っていない、そこからどうやって勝つか?
 攻撃の手が休まるバーンデッキほど使っていてつまらないものはない。丸裸同然になってしまってもなお、敵のライフを削り続けられる手段はやはり必要であろう。
 たとえばクリーチャーである。Suq'Ata LancerやTalruum Minotaurは優秀だ。召喚酔いすることなく攻撃し、時には数ターンに渡って相手を殴り続けてくれる。コストパフォーマンスも問題ない。むしろお釣りがくるぐらいだ。
 またOrggやViashino Sandstalkerも文句なく強い。赤や緑が相手ならOrgg1枚で戦況は一変するし、Sandstalkerが見せ球に隠れて生き残ったとき、勝利は彼が5回アタックするだけで確定したりもする。
 アーティファクトではCursed Scrollがずば抜けている。どうせ手札などなくなるのだ。ほとんどカードを捨てる必要のないStormbindである。ディッチ(Disenchantの俗称ね)の的になることを差し引いても投入する価値があろう。マナロックしてこない相手にたいしては無敵といってもよい。多少落ちるところでScalding Tongsか。
 そしてやはりハンマーである。Hammer of Bogardan、グレイブヤードから手札に戻ってくる火力。なんじゃこりゃあ、とうれしい悲鳴をあげたくなるほど強力だ。3マナ、3点であるのもイカス。ぜひ4枚集めることをお勧めする。難しいことではない。
なぜなら、バーンデッキにはラスゴもゲドンもいらないのだ。

天国から地獄へ、サイド後の世界はあるんです

 圧倒的な力で相手を攻める。攻勢ではなく大攻勢だ。
 相手はなすすべもなく焼かれ、死んでいく。あなたは勝利を手にするだろう。しかしここで、めでたしめでたしといかないのがマジックの厄介なところである。
 トーナメントは60枚のデッキ同士の闘いではない、75枚のデッキ同士の闘いなのだ。サイドボードから相手は、当然のように対策カードを投入してくるはずだ。視界は暗転する。この先の2戦に待つ勝利への困難な道程に比べれば、初戦などピクニックである。気合いを入れ直して臨んでほしい。

 覚悟はできたか?
 では聞こう、相手の用意した対策カードのうち、絶対に排除しなければならないものはなんだろうか?
 CoP:Redとあなたは言うか、WarmthやChillも致命的だ、と。
 思いきって丸をあげたくなるが、その答えはやはり正解とは掛け離れている。バーンデッキにおいて絶対に除去せねばならないカードなど、実はこの世に1枚たりとて存在しないのだ。
 なぜか。
 その対策カードを引かれる前に勝ってしまえば何の問題もないからだ。たとえCoPとWarmthを4まいずつサイドしたデッキがあったとしても、それらが全てライブラリーの底にたまっているのなら恐れる理由など何もない。楽勝である。
 甘い、とおっしゃるか。もちろん甘い。しかし全ての対策カードにすべからく対応できると考える方がもっと甘いのだ。

 例えばフルカウンターでCoPを守り切るデッキにどう闘う? 確かに闘いかたはないでもない。エンチャント除去やアーティファクトダメージソースを山ほど入れて渡り合うのも良かろう。
 ただ残念なことにその場合の勝率は、対対策カードをギリギリまで絞り込んだ攻撃力をほとんど下げないデッキを用いたときとそう大差はない。ならばサイドボードのスペースを大量に割かなければならない分、前者の方が損であろう。
 バーンデッキは必ずしも特定のカードに対応する必要はない。それよりも攻撃力をサイド後も高いレベルで維持できるかに腐心すべきである。切り捨てることには切り捨てることの強みがあるのだ。

 そうは言っても破壊することが可能な致命的な対策カードを、のこのこと生き残らせる道理はない。壊せるものはありがたく壊さしてもらうことにしよう。
 まずChillである。これはパイロ(Pyroblast)で弾ければ問題ないはずだが、なかなかそうはいかない。こちらのパイロは相手にハイドロ(Hydroblast)されるのがおちである。最も除去がたやすそうに見えて場への生存率は意外に高い。
 しかしChillは張られてからが勝負なのだ。
 確かに2枚張られれば死ぬ、1枚とて相手に馬鹿にならないターンアドバンテージを与えてしまう。それでも奴の能力はしょせん赤呪文のコストが2マナ余計にかかるだけなのだ。4マナでインシネ(Incinerate)を、5マナでハンマーを本体に叩き込み、すきを突いてのブラスト(Fireblast)で勝負を決めればいいのだ。大切なのは相手のライフ以外には目もくれないことである(ヘビ(Ophidian)…ヘビねぇ…)。たいした問題ではない(ほんとか、おい)

 それに対してCoP:RedとWarmthに関しては、剥がせないと即死である。
 CoPは全くダメージが抜けなくなり、Warmthを張るデッキは大概アクティブにこちらのライフを攻めてくる。
 由々しきじたいといえよう。状況を改善せねば勝利はない。
 なにを使うか?
 赤単でトーナメントにのぞんだ場合はかなり苦しい。結局はディスク頼みになってしまうからだ。4マナをも払って場にセットした最高級アーティファクトは、それはもうおもしろいように割られてしまうのだ。役に立った場合は幸運である。決して計算できるシロモノではない。
 かといってもう1つの選択はといえば、これもかなり苦しい。Apocalypse・・・さすがにどうにかなるとは思えない。相手とのめくり勝負に持ち込んで「さあ、仕切り直しだ刃クン」と決めれば絵にもなろうが、そうそう世の中自分に都合良く回ってはくれない。逆にアポカリ1枚が無駄なために相手を焼き切れず、ジェラード(Gerrard's Wisdom。ダメージデッキの敵!)をつもられ、「あ、ライフ20点、仕切り直しだね、プッハー」などと言われるのが関の山だろう。悲しすぎる。

 当たり前の話だが白いエンチャント群を駆除するには、素直にサイドボードを白か緑に散らすのが賢明だろう。そうするのが奥ゆかしく確実である。
 メインボードの性能が下がることを嫌う人は、赤以外の色マナが出る土地をサイドに落としておけばいい。ディスクを見越して投入される相手のディッチを無駄カードにできるなどの効果もある。
 サイドボードのスペースは減るがディッチやドメイン(Tranquil Domain)を使える利点は非常に大きい。必ず壊せるとなってしまえば逆にCoPやWarmthをサイドしてもらったほうがやりやすいのだ。
 対赤用のエンチャントを4枚以上入れる人間はそうはいない。ならばこちらの投入したカードで1枚ずつ剥がしていってやれば、初戦と同じ条件で闘えるのだ。Gerrard's WisdomやHonorable Passageを突っ込まれるより遥かに闘いやすい。

 だから心しておいてほしい。バーンデッキの敵は適当にCoPを突っ込んでくるチキンな連中ではない。最善のタイミングで狙い済ましたパッセージをかましてくる強者なのだ。そこであなたは、それに対応して本体にFireblastを叩き込めねばならない。場合によっては2発、3発。
 その程度の荒技さえ使いこなせない人間に、バーンデッキを使う資格はないと思っていただきたい。

デッキ解説、1998年5月17日付クレージーバーン

[土地] 22枚

16枚 Mountain
2枚 Karplusan Forest
4枚 Quicksand

 Quicksandを4枚入れてあるのは、クリーチャーの除去に火力を割かずにすますためである。条件が許さない限り一定数以上の土地はゴミになるので、それを有効に利用できるのは割りに大きい。また同キャラ対決において、相手の繰り出すクリーチャーを土地1枚立てておくだけで除去できる強みがある。緑相手に効果が薄いのが少し悲しい。
 Karplusan Forestはなるべくセットランドせずに使う。緑マナの存在は隠しておくに越したことはない。

[アーティファクト] 4枚

2枚 Mind Stone
2枚 Cursed Scroll

 Mind Stoneは主に事故を防止するためのカードである。基本的にマナが揃えばすぐにサクってカードに変える。オーブやゲドン対策の意味も若干ある。速攻をかける必要のあるときや、サルを想定してサイドをするときは、しばしば土地と差し替えたりもする。
 Cursed Scrollは見せ球である。相手のディッチを無駄にさせるため、よくサイドに落ちていく。マナロックにも脆い。ただしなんの対策もしていない敵に対しては鬼神のごとき強さを発揮する。ここぞとばかりに回しまくるととても楽しい。

[クリーチャー] 8枚

4枚 Mogg Fanatic
4枚 Suq'Ata Lancer

 ファナティックにはいったい、いくつぐらいの役目があるのだろうか。まず1マナ1/1クリーチャーとしての働きをする。序盤に敵のライフを削るわけだ。次に1マナ1点火力になる。バーパラやレンジャーを葬り相手の立ち上がりを遅らせ、オーダー(Order of the White Shield)やストームガルド(Knight of Stromgald)などの主力も殺す。また、終盤には大型クリーチャーをブロックしてターンを稼ぐ。素晴らしい。
 ランサーの性能も見事だ。ナイトやリバボアなど2マナ域の優等生達を全て無視して突っ込んでいく。だからこそ適当に召喚してはいけない。出ればまず間違いなく殺されるのだ。黒マナや赤マナが2つ待ち構えているときには耐え、相手が動きマナを使った後に転がすのだ。もちろん次のターンには生きてはいまい。しかし、即死しなかったことにより2点余分に相手のライフを削っている計算になる。最後にはその2点が効いてくるのだ。

[ソーサリー] 6枚

4枚 Hammer of Bogardan
2枚 Earthquake

 ハンマーはデッキが息切れした後に、残った最後の数点を削りきるために使う。ゲドンを撃ってこないとみたら遠慮はいらない。土地を8枚並べて毎ターン回転させるのだ。青に対してはディシュペ(Dissipate)で弾かれない限りこれだけで勝てることすらある。
 Earthquakeはウィニー対策として投じている。デッキの性質上、守勢に回ることは禁物である。早いターンにリセットをかけられる多対1除去は、最低限必要なものであろう。

[インスタント] 20枚

2枚 Shock
4枚 Incinerate
4枚 Kindle
4枚 Thunderbolt
2枚 Lightning Blast
4枚 Fireblast

 Shockは1ターン目に出たクリーチャーや、召喚酔いのないクリーチャーを焼くために使う。デッキに2枚程度入っていると便利である。
 IncinerateとKindleは序盤の戦線を維持するために用いている。プリースト
(Soltari Priest)を除く大概のクリーチャーを除去できるコストパフォーマンスに優れたカードである。デッキの主力といえよう。おおむね適当に使ってしまってかまわないが、相手もKindleを搭載している場合には細心さと覚悟が要求される。
 ThunderboltとLightning Blastには、敵のライフを削る役目を課している。手札に残すことなく連射していくのが望ましい。むろん、Islandを見たときはこの限りではない。若さ故の過ちも、そうそう繰り返していてはただの
バカである。Fireblastは……言うまでもないだろう。

[サイドボード] 15枚+1枚

2枚 Karplusan Forest
2枚 Mogg Hollows
1枚 Undiscovered Paradise
4枚 Pyroblast
4枚 Tranquil Domain
1枚 Cursed Scroll
1枚 Earthquake

+1枚 そんなデッキとはあたらない、そんなカードは引かれない、そんなコストはそろわない!!!

 サイドボードは主に、敵対するエンチャントメントだけに対抗するつくりになっている。パイロでChillを、ドメインでCoPを剥がして、後はスピードで押しきってしまうのがコンセプトである。
 土地は緑マナが出る以外にも、ランデスやオーブやPoxの対策として投入でき、サイドの3分の1を占めていることにあまり不自由を感じない。
 Cursed ScrollとEarthquakeとは、メインのデッキを微調整してより柔軟に焼殺を遂行するためのカードである。
 16枚目のサイドボードには異論のある方もいらっしゃるだろうが、私はこれが最強だと信じている。あたらないデッキや引かれないカードにおびえていては、勝てるデュエルまで落とすことになりかねない。バーンデッキをつくる時、あなたは攻めに出ることを決めたはずである。ならばドカン!と一発、攻めに徹してみようではないか。結果は後からついてくるはず、だ(といいな)。

はやし


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異論・反論お待ちしています。
こんなシチュエーションはどう?という疑問もお受けします。


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