ドラえもん
1〜45巻
藤子・F・不二雄
小学館

渡部シンイチと「ドラえもん」

僕が初めてドラえもんを知ったのはおそらく
幼稚園のおっきい組(年長組)の時だと思う。

ちょうどそのころ僕は寝違えたかなんだかで首が
明後日の方向へ向いたまま動かせなくなって
1週間ほど入院することになってしまったのだ。
しかしそこは幼稚園児(!?)。何を思ったか
アツアツご飯に水銀体温計(まだデジタル体温計はない)
を突ッ込んでご飯の温度を計ろうと試みて、
熱で体温計を割って水銀かけ御飯を作ってしまい
看護婦さんにお叱りを受けるほど退屈を持てあましていた。

そんな時今は亡き父方の祖母が持ってきてくれたのが
単行本「ドラえもん」だったのだ。
おそらく10巻?だったと思う。
このドラえもんが僕が生まれて始めて手にした漫画本だと思う。

もしこのとき祖母が買ってきてくれなくとも
いずれどこかでドラえもんに出会っていたことと思うが、
それでもここまで漫画が好きになり、漫画家になろうとまで
思うようになったこの情熱の出所が、このとき祖母が持ってきてくれた
ドラえもんとの出会いから来ているのではないかと考えると、
運命的な何かを感じずにはいられない。
祖母と藤子・F・不二雄氏には大変感謝している。(98/07/10)

良い意味でのマンネリズム

ドラえもんは、一話完結型の漫画で、(映画原作となる「大長編ドラえもん」は除く)
登場人物もほぼ固定で、舞台も自宅、空き地、裏山などがほとんどです。
話の展開も毎回大体同じで、基本的なものに、

  のび太がジャイアンにいじめられる
→ どらえもんに泣きついてひみつ道具を出してもらう
→ 道具を使ってジャイアンに仕返しをする
→ 調子にのって道具を悪用しようとする
→ 使い方を誤りしっぺ返しをくらう

と言うものがありますが、大概がこれの類に入るものが大半です。
ドラえもんという漫画は起承転結がハッキリしており、
あの「水戸黄門」のように、かなりパターン化されているのです。

それなのに、読者は退屈することがありません。
それはやはり、毎回出て来るひみつ道具が面白いものだからでしょう。
誰もが子供の時「こういう物があればいいのに」と考えたような
夢いっぱいの道具がドラえもんには数多く出てきます。

のび太が泣きながら「ドラえも〜ん」と家に帰って来る時点で、多くの人が
「ドラえもんにジャイアンをやっつける道具を出してもらうんだな」と
話の流れを予測していることでしょう。
しかし読者はそんなことは承知の上で、「今回はどんな道具が出てくるんだろう」
「またジャイアンに道具を奪われたな」というふうに、物語を楽しんでいるのです。

長い連載の間に沢山のひみつ道具がドラえもんのポケットから出てきましたが、
それらの中には以前の道具と似たような効果を持つ物も少なくありません。
それでも楽しく読ませるのは、藤子先生の演出の力なのでしょう。(98/8/25)

国民的(世界的?)キャラクター、ドラえもんの魅力

ドラえもんの魅力について語ろうと思います。
いきなりですが、ドラえもんはナイスデザインだと思います。
円を主体に構成されていますから、全体的に丸みを帯びていて
ポッチャリしてて可愛いです。
(連載当時のドラえもんは、「ポッチャリ」というより「おデブ」ですが。
そういえば、今流行りのピカチュウも、ころころ丸っこくて太めですね。)
性格がどうこう言う前に、すでに外見からして魅力的です。
だから膨大な量のドラえもん関連グッズが出ているんですね。
しかし、予備知識無しだと、ドラえもんが「猫型」の「ロボット」だと
分かる人はまずいないでしょう。
ドラえもんには昔、耳があったのですが、それを見てもとても「猫」には
見えませんから(^ー^)
ちなみに、ドラえもんが耳を失い、黄色だった体の色が青色になり、
今の姿になったいきさつには2通りの設定があります

・昼寝の最中にネズミに耳をかじられ、そのショックで体が真っ青になった
・工作用ネズミロボットに耳をかじられ、三日三晩泣き震えた振動で
 塗料がはげ落ちて鋼鉄の青いボディがむき出しになった

前者はみんなよく知っている設定で、単行本11巻の巻末に載っているものです。
後者は1995年春に上映された劇場用アニメ「2112年ドラえもん誕生」で
明らかにされたもので、現在ではこちらの方が公式設定になっているようです。(98/10/13)


・本

・リンク