桜花賞の展望!!

4月8日 阪神 11R 芝1600m 定量 サラ3才OP(GI)

桜花賞レコード 1;34.0 ファレノプシス

(レースの歴史と傾向)

本場英国のクラッシックレースに倣い1000ギニーにあたる
牝馬クラッシック第1戦として施行されている歴史あるレース。
平成3年の阪神競馬場大改修以前は平坦な馬場と特殊な
コース形状を利したスピード任せの逃げ、先行馬の優勢が
目立ったようだが、ゴール前に急坂が設定された事によって
近年は差し、追い込み脚質の馬の台頭が目立つ。

「魔の桜花賞ペース」という言葉の通り、レース経験の浅い
若駒が馴れない大レースのムードに呑まれて暴走ぎみの
ハイペースを作り出す事が多いため、波瀾が起きやすく
過去10年間の平均配当は枠連時代を含めて7485円。

これは安田記念、天皇賞(秋)に次ぐ高さで、それを示す如く
1番人気が連対したのは10開催中たったの3回しかない。
ただ、連対した3頭はニシノフラワー、べガ、キョウエイマーチ
と1番人気で勝っており、傾向を探る上でカギになりそう。

(連対馬のデビュー時期)

デビュー時期に関しては、ほとんどの馬が2才秋以降。
中でもべガ、ワンダーパヒューム、ダンスパートナーの3頭は
3才1月以降になってからの遅咲きデビューでの連対である。
今年の1番人気が予想されるテイエムオーシャンのように
2歳夏の函館や札幌でデビューした馬は、期待を背負って
惨敗というケースが目立つ。

(デビュー戦の成績)

20頭の連対馬のうち地方馬2頭を除く18頭中で17頭が
新馬勝ちを決めており、うち15頭はデビュー勝ちである。
初勝利まで4戦を要したフサイチエアデールは例外的存在。
デビュー戦でも人気にならなかったような馬は厳しい。

(距離、コース経験)

20頭の連対馬のうちで芝コースの経験がない馬はゼロ。
うち19頭は芝レースで連対経験があり、さらに20頭中で
16頭がマイル戦を経験済みで、13頭が連対実績がある。

芝のマイル戦で連対できなかった3頭中で、地方馬だった
オグリローマンは2着に入ったチューリップ賞が、この年は
中京競馬場開催で、距離が1700mになっていたために
オグリローマンの芝1600m戦の経験はデータの上では
同馬の中央デビュー戦のエルフィンS(9着)になっているが
これを無視すると芝1600の経験があった連対馬16頭中
14頭が連対実績がある事になる。

阪神コース未経験馬もユキノビジン1頭に過ぎない事からも
芝レースも阪神コースもマイル戦も未経験の馬は厳しい。

(3才女王の信頼性)

記憶によると、暮れの阪神3才牝馬S(GI)で優勝した馬が
翌年の桜花賞で連対したのは92年のニシノフラワー(1着)と
97年のメジロド−ベル(2着)の2度しかなく信頼は置けない。
過去9回中出走権のなかった2頭の外国産馬を含む3頭の
不出走馬を除く4頭は、桜花賞では着外に終わっている。

しかし、着外に終わった4頭の中で桜花賞当日も1番人気に
支持されていたのはスティンガー(99年)ただ1頭に過ぎず
それ以外の馬は順調度や成長力などの面で疑問符が付き
レース前に主役の座から滑り落ちていた事がわかる。
以上の事から、今年の大本命馬、テイエムオーシャンが
当日も1番人気に支持されるようならさほど心配はない。

(ステップレース)

チューリップ賞出走組が圧倒的に好成績を収めている。
チューリップ賞組が1頭も連対しなかったのは過去10年で
ファイトガリバー(10番人気)が勝った96年の1度だけ。

昨年の桜花賞馬チアズグレイス(チューリップ賞10着)を除く
全ての連対馬がチューリップ賞で1〜4着の成績を残しており
過去10年間の連対馬、全20頭中10頭を占めている。

チューリップ賞に続くのが四歳牝馬特別(GII)組の5頭いる。
このレースに出走した馬の成績は確実に1〜4着が条件。
それ以外のレースではクロッカスS、アネモネS、クィーンCが
1度づつ連対馬を輩出、こちらは最低でも連対が条件。

(キャリア)

地方馬を除く連対馬18頭中17頭がキャリア3〜7戦を経験。
べガ、ワンダーパヒュムー、ダンスパートナーのような年明け
デビュー組ですら、3戦を消化して本番に臨んでいる。
全勝とはいえ、キャリア2戦のフローラルグリーンは要注意。

(ニシノフラワー、べガ、キョウエイマーチとテイエムの共通点)

過去10回の開催のウチ、1番人気で勝利を収めた3頭と
今回の1番人気が予想されるテイエムオーシャンの共通点は
まず第1に「圧倒的に高い連対率」が挙げられる。

馬名           戦績     連対率

ニシノフラワー    5戦4勝    10.00

べガ          3戦2勝    10.00

キョウエイマーチ   5戦4勝    8.00

過去10年間の連対馬のうち、桜花賞までの連対率が
8割を超える馬は、この3頭以外ではシスタートウショウと
ダンスパートナーしかおらず、桜花賞連対馬の中でも
この3頭は、特に優秀な成績であったと言えるだろう。

第2に「トライアルを順調に消化した事。」が挙げられる。
ニシノフラワーとべガはステップにチューリップ賞を選び
2着と1着、キョウエイマーチは4歳牝馬特別を勝って
本番に臨んでいる。トライアルで大敗して本番で連対したのは
昨年のチアズグレイスだけ、デリケートな牝馬だけに資質より
順調にレースを消化している事の方が重要と思われる。

テイエムオーシャンはキャリア5戦4勝、連対率8割に加え
昨年暮の阪神3才牝馬S(GI)とチューリップ賞(GIII)に優勝と
上記3頭と比べても優秀な成績である。

(まとめ)

今年のテイエムオーシャンのように阪神3才牝馬Sの勝ち馬が
チューリップ賞も勝って桜花賞に臨んだ事は過去1度もない。
最もよく似ているのが札幌デビューで阪神3才牝馬Sを勝ち
チューリップ賞は2着だった桜花賞馬ニシノフラワー(92年)。

ちなみに、92年の2着はチューリップ賞1着馬アドラーブル。
1番人気が連に絡む年は当然ながら配当は低めになっており
古い順に1510円(92年)1960円(93年)510円(97年)と
桜花賞としてはかなりの低配当を記録している。

過去の傾向から考えてキャリア3〜7戦、阪神の芝コースか
芝1600を経験済み、前走がチューリップ賞、4歳牝馬特別で
1〜4着以内、それ以外のレースなら1〜2着している事で
以上の条件を当てはめてみると以下の通りになった。

◎本命 テイエムオーシャン(栗東 西浦厩舎)

これまで5戦して4勝1敗、唯一の敗戦は札幌3才Sだが
ジャングルポケットとタガノテイオーの3着では仕方なし。
実績的には、過去に例がないほどパーフェクトな成績で
桜花賞馬エルプスの孫にあたる血統も魅力たっぷり。
事故でもない限り勝つのはこの馬で決まり。

○対抗 ダイワルージュ(美浦北 上原厩舎)

こちらもこれまで4戦して3勝1敗という好成績を残している。
唯一の敗戦は昨年の阪神3才牝馬Sでのテイエムの2着。
テイエムオーシャンとの実力差はかなりありそうだが
安定感ではテイエムに次ぐものがあり2着の筆頭候補。
この馬も名牝スカーレットブーケの血を引く良血馬。

△連下 ポイントフラッグ(栗東 須貝厩舎)

一応チューリップ賞2着なので有力候補だがコンマ7秒も
ちぎられた2着では対抗には押しづらい。1勝馬ながら
2着が4回もあり、特別戦でも重賞でも2着という堅実馬。
乱ペースになってもしぶとく伸びてきそうなワイド馬券向き。

▲単穴 リワードアンセル(美浦北 田中清厩舎)

阪神3才牝馬Sではダイワルージュから僅差の3着。
福島のデビュー戦ではレコード勝ちを決めており
スピードは非凡なものがありそう。テイエムは別格として
好調ならばダイワルージュとの差はほとんどないと見る。

×爆弾 フローラルグリーン(栗東 音無厩舎)

菊花賞馬ナリタトップロードの妹にあたる良血馬。
1月のデビュー戦を1番人気で勝った後、エルフィンSでは
ポイントフラッグらを一蹴して非凡な資質の片鱗を見せた。
とはいえ、阪神コース未経験、キャリア2戦が引っ掛かる。
連に絡むか2ケタ着順のどちらかになりそうなタイプの馬。

 

 

桜花賞の結果

4月8日 阪神 11R 芝1600m 晴れ 良馬場

 1着  8番 テイエムオーシャン  本田優  1:34.4
 2着 13番 ムーンライトタンゴ   四 位   3馬身
 3着 12番 ダイワルージュ    北 村    ク ビ
 4着 16番 ハッピーパス      岡 部   ハ ナ
 5着  3番 マイネカプリース   安藤勝   ク ビ
 6着  1番 オイスターチケット  秋 山   ク ビ
 7着 15番 サクセスストレイン  木 幡   3/4馬身
 8着  7番 テンザンデザート   和 田   ハ ナ
 9着  5番 リワードアンセル   後 藤   1/2馬身
10着  6番 リキセレナード    福 永  1 1/2馬身
11着  9番 ネームヴァリュー  松永幹    1馬身
12着  2番 タケイチイチホース 佐藤哲   1/2馬身
13着 14番 ポイントフラッグ   武 幸    ク ビ
14着 11番 フローラルグリーン 河内洋  1 1/4馬身
15着 10番 タシロスプリング   池 添    ク ビ
16着 17番 ツァリーヌ       小池隆    2馬身
17着  4番 フィールドサンデー  藤 田   ハ ナ
18着 18番 ビッグエリザベス   村 本    大 差

ラップ 12.4 - 11.3 - 11.7 - 12.3 - 11.8 - 11.4 - 11.4 - 12.1

(レース展開)

2番人気ダイワルージュが枠入りを嫌い、尻っぱねをして
後ずさりするので仕方なく目隠しをして強引にゲートイン。
波瀾を感じさせる幕開けだったが1頭も出遅れる事なく
すべての馬が横一線の綺麗なスタートを切る。

まず先頭に立ったのはテンザンデザート、タシロスプリング
オイスターチケットあたりの集団だったが、スタート後まもなく
先頭集団の直後につけたテイエムがフローラルグリーンに
外から被されて掛かり一気に2番手までポジションを上げる。
馬場アナが思わず『おっとっとっと!』と叫んでしまったように
やや持って行かれぎみの様子で、鞍上の本田騎手は馬上で
懸命に足を突っ張って、これ以降しばらく引っ張りどおし。

ネームヴァリュー、リワードアンセルあたりが中段を形成し
有力馬ダイワルージュは12〜13番手、ムーンライトタンゴ
ハッピーパスらはさらに後方で足を溜めて追い込み体制。
馬群はそのままの体制で3〜4コーナーへ向かうが
前半のペースがかなり遅く、テイエムは手綱を絞ったままで
馬群の真ん中で4コーナーを廻り直線へ向かって走る。
後方の馬達は徐々に内、外に広がり直線の進路を睨む。

直線を向いても本田騎手は手綱を持ったまま余裕の手応え。
引っ掛かってバテるどころか一間歩ごとに後続を突き放し
直線でも本田騎手が殆どステッキを使う事なく、坂の途中で
完全な独走体制になり、チューリップ賞と全く同じ展開に。

スローペースを利して先行したマイネカプリースあたりが
内で粘っていたが、大外に進路を取ったダイワルージュと
ハッピーパスがようやく追撃を開始して2着確保を狙う。
ところが、さらに外からムーンライトタンゴが飛んで来て
2着はダイワ、ハッピーパス、ムーンライト3頭の争いとなり
勢いに優るムーンライトがわずかに抜け出した所がゴール。

3才女王がパーフェクトな成績で桜花賞馬の栄冠に輝いた。
スローペースに掛かり、オークスへ向けて不安も覗かせたが
他馬にケタ違いの能力を見せつけ、3馬身差の圧勝だった。

(レース回顧)

3才女王が順調にトライアルレースを消化し、本番でも圧勝。
単勝支持率も50パーセントを越え、単勝オッズは1、3倍。
2着には伏兵ムーンライトタンゴが飛び込んだが、それでも
馬連オッズは1080円と非常に本命サイドの結末だった。

今回も圧倒的な実力差を見せつけた格好のレースだったが
スローペースの中で、向こう正面でベテラン河内騎手騎乗の
11番フローラルグリーンに外から被せられて引っ掛かるなど
ペースに対する対応力と精神面の成長に不安を覗かせた。
オークスは昨年のように道中12〜13秒台のラップが連発
される事もあるので11秒台のペースでかかるようでは不安。

祖母で桜花勝馬のエルプスが完全な短距離馬だった事や
同じ父を持つキョウエイマーチがオークスで2ケタ着順に
破れている事からもオークスも万全とは言えない気がする。

今日の所はベテラン河内騎手の仕掛けた罠をはね返した
テイエムのケタ違いの能力を素直に賞賛しておくべきか?
行きたがる馬をなんとかなだめた本田騎手もお見事だった。

2着に飛び込んだムーンライトタンゴは、前走500万下戦で
阪神の芝1600mでメンバー中最速タイムを記録していた。
今日は直線の勝負に徹して4コーナーでも後ろから2番手。
1月のデビュー戦から3戦続けてダート1800mを使われ
デビュー2戦は勝ち馬から1秒以上離された惨敗を喫した。
3戦目で勝ち上がり4戦目の500万条件を今日の桜花賞と
同タイムで優勝し、オープン戦をすっ飛ばして桜花賞で2着。

戦績から考えると晩成型で、ようやくレースに出せる状態に
仕上がった時期にはダートしか使えるレースがなかったため
仕方なくダート戦を何度か使ったが実際は芝向きなタイプで
デビュー当時は、まだ身が入っていなかったのだろう。
桜花賞よりオークスの方が期待出来そうな血統ではあるが
果たして勝ち負けまではどうか?といったところ。

ダイワルージュはゲートインで完全に舞い上がってしまい
スタート前にだいぶ余分な力を消耗してしまったようだ。
スローペースにもかかわらず外から追い込んで来たように
力はあるのだが、ゲート入りを嫌って余分な力を消耗したり
ポジション取りもスローペースのワリには後ろ過ぎたりと
今日は不運な面があった事も否めない気がする。

きわどい4着に入ったハッピーパスは非凡な素質の片鱗を
垣間見せる事は出来たと思う。さすがシンコウラブリィの娘。
とはいえ、やはり上位入線馬とは現時点での力の差はある。
どうやらオークスには向かわないようなので別路線で期待。

前走、フィリーズベスト(GII 旧4歳牝特)とクィーンC(GIII)で
仲良く14着だったマイネカプリースとオイスターチケットが
5、6着に食い込み、前走までの実績を考えると大健闘だが
今後、これ以上の結果が望めるタイプではないと思う。

その他の注目馬の中では、チューリップ賞で2着と健闘した
ポイントフラッグが13着、ナリタトップロードの半妹、無敗で
桜花賞に挑んだフローラルグリーンが14着と共に惨敗。
フローラルグリーンに関しては、経験不足を露呈した感じ。
ポイントフラッグはポジション取りが後ろ過ぎた感じがする。

先行馬が揃っていたため、ハイペースを予想した騎手が
多かったのか有力馬のほとんどが中段以降にポジションを
取ったが、結果的には超がつくほどスローペースだったため
直線だけの競馬になり切れる脚のない馬には不向きだった。

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