今月の『エクゾスカル零』(零歌〜十歌)

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2010年10月19日(12号)
地獄編 第零歌

 シグルイ終了から3ヶ月、早くも新作がはじまった!
 その名は『エクゾスカル零』だッ!
 エクゾはよくワカりませんが、スカルは頭蓋骨だろう。
 思いっきり意訳すれば"ガイコツ"になる。
 つまり、強化外骨格「零」のことだったんだ!(な、なんだって〜〜〜!?)

『これは地獄を旅する少年と鎧の物語』
『覚悟(かくご)と零(ぜろ)の地獄篇』


 二十一世紀末、都市そのものを恒温化するためのエネルギーシステムが原因で世界は壊滅状態となった。
 人間は地下に逃げこんでいる。
 わずかに備蓄された食料と共に……
 ここが覚悟と零が流れついた地獄なのだろうか。

 島泰三の『はだかの起原』によれば、体毛のない動物は体温調節などの対策ができていないと生きられないらしい。
 裸の動物である人間は衣服と住居という武器を持っていたから生きのびることができた。
 つまり、人間はごく初期から環境を恒温化させる動物だったのだ。
 などというような事を島氏は主張している。
 でも、進化は最初は元からあった体の機能を別の用途に使うというパターンで発生することが多い。
 裸だから服と家を作ったってのは、都合よすぎ。
 島氏は他説を否定するときは鋭く突っこむんだけど、自説に甘いんだよな。

 話がそれた。
 説の信憑性はともかく、人間に服と家が必要なのはいうまでもない。
 都市を失った人類は生きのびることができるのか?
 そして、この世界で一人の少年が覚醒しようとしていた。
 なぜか全裸で。

 体に鉄球が埋めこまれている少年が目覚めた時、閉ざされた部屋にといっしょだった。
 全裸美少年 vs. 豹のスペシャルマッチが開催だ!
 動物の戦闘能力が人間をはるかに凌駕しているのは、刃牙読者であれば常識である。
 しかも、少年は裸だ。ちょっと引っかかれただけで血だらけになるぞ。
 この難局をどう乗りこえるのか?

 豹が飛びかかる。
 少年は後方に倒れながら、豹のタックルを受けとめた。
 総合格闘技におけるガードポジション様だ。
 少年は豹の頭を抱えこんでいる。
 攻撃の空間がないので豹は噛みつけない。

 だが、まだ豹には爪がある。
 少年の腕力が落ちたら拘束を振りほどかれて噛みつかれるだろう。
 ここから、どう逆転するのか?
 というかすでに出血していた。大ピンチだ。

 少年が豹の首に押しあてていた足を上に抜く。
 足甲に刃が出現していた。
 この刃で豹の首は切断されていた。
 出血は少年のものではなく、豹が流したものだったようだ。

『少年の肉体に埋まった8個の鉄球が』
『体内に融解し
 メタルスキンとなって現象したのだ』


 攻撃の刃だけではない。
 メタルスキンは少年の下腹部を守っていた。
 下腹部というか、股間だ。
 これなら全裸でも対応できる。
 肉体も規制も、どっちも安心だ。

 豹を倒して一安心する間もなく、新たな挑戦者が入ってくる。
 今度の相手は防爆服で身を守り、サブマシンガンで武装した人間だ。
 これは間違いなく豹よりも強い。
 野生の強さを倒したら、今度は科学の強さに出くわした。

 戦いは無言のまま始まった。サブマシンガンが火をふく。
 少年は抵抗もできずに銃弾をあびる。
 だが、無傷だった。
 メタルスキンが少年の半身をおおい、銃弾をはじいていた。

 第二射が始まると同時に少年は銃を蹴り飛ばす。
 そのまま力のこもった左掌底を防爆服の腹に叩きこむ。
 相手が防具をつけていなければ急所である肝臓への打撃となり、大ダメージが期待される。
 だが、対戦車地雷ですら防ぐといわれる防爆服だ。
 素手の攻撃が効くのだろうか?

 効いてる! 中の人が口から臓物(なかみ)を出した!
 掌打による波紋で内臓が逆流したらしい。
 地雷を防ぐことのできる防爆服だが、波動が伝わるのは防げないようだ。
 全裸でありながら、猛獣を斬りさく刃をもち、銃弾を弾く鎧をもち、防御できぬ技をもつ。

『少年の名は葉隠覚悟』
『彼の一族は代々「牙を持たぬ人」を守るため』
『世界征服を企む超能力者や科学者 カルト教団と闘ってきた』


 葉隠覚悟ッ!
 『覚悟のススメ』(AA)の主人公と同姓同名だ。
 でも、髪がちょっと長かったり色がついていたりと、外見がちょっとちがう。
 世界観も微妙に違うし、パラレルワールドなのだろうか?

 新たな扉が開いた。
 そこには無人にして無音のアーマーサイクルと、デカい鞄にはいった「零」がッ!

 『覚悟のススメ』の最終回でのっていたバイクと、荷台につけられた零に状況はにている。
 だが、なぜ覚悟は全裸で戦闘力を試されるようなコトをされたのだろう。
 そして、なぜ零が一時的にでも覚悟から引きはがされていたのだろうか?
 地獄へやってきた覚悟と零を待ちうける運命やいかに。
 次回へつづく。


 状況は不明すぎますが『覚悟のススメ』のリメイクっぽい感じだ。
 ただ、子供時代から素手で核汚染異能熊と戦っていた覚悟とちがい、こっちの覚悟はすこし常人に近い。
 充分に超人的な強さをもっているが、豹相手に武器を必要としている。

 それにしても、豹が相手でもガードポジションは有効なんだな。
 『覚悟のススメ』の連載時は、まだ総合格闘技が立ちあがったばかりだった。
 次回作の『悟空道』では足を取るタックルなど総合格闘技の技術がすでに取り入れられている。
 そして『エクゾスカル零』では総合格闘技の技術も踏まえた格闘術になるのだろうか?

 生き残った人間は地下で息をひそめ、食料を食い尽くそうとしている。
 地上は電磁嵐によって無線が通じない。
 覚悟と零はどこを彷徨い、何と戦うのか?
 地獄篇というからには、待つものは苦行であろう。

 だが、そこは葉隠覚悟と強化外骨格・零だ。
 いかなる地獄だろうと、胸すわって進むなり。
 新たなる覚悟のススメがはじまろうとしている。


2010年11月19日(1号)
地獄編 第二歌

 覚醒した葉隠覚悟はナゾの設備の中を歩いて行く。全裸で。
 着るものがないからしかたがないか。
 当面のミッションは服を探せ! だな。
 ハレンチとかそういうコトでなく、裸だと寒いから体力消耗するし。

 覚悟のあとにつづくのは機械化軍用犬モートンヴォルフだ。例のバイクです。
 中身は犬だったのか!?
 すると先端が開いて噛みついたりするのか?
 犬だけに覚悟に対する忠誠心もあつそうだ。

『正義を行う者たちは世界の破滅を阻止し人類に安息をもたらした後』
『恒久の眠りに赴くことを強いられた』
『役割を果たした刃は鞘に納まるべき』
『それが指導者の判断であった』


 戦うだけ戦って用がすんだら、解雇状態かよ。
 派遣社員よりキビシいな。
 でも平和な世になると戦士は身の置き場がなくなるのも事実だ。

 優秀な戦士ほど、その力を権力者に恐れられる。
 韓信は「狡兎死して良狗煮られ」と自嘲し、主に斬られた。
 明の創設者朱元璋は幼馴染で名将の徐達に毒入りガチョウをおくり、徐達は毒入りと知りながらあえて食べて死んだといわれる。

 『葉隠』には、斎藤佐渡と用之助親子が平和な時代に対応できず窮迫するエピソードがある。
 戦うことしかできない戦士は、平和な時代に不要とされるのかもしれない。
 この話は隆慶一郎の小説『死ぬことと見つけたり』(AA)でも使用されている。
 葉隠の元ネタを読むとリアリティーも増すって寸法だ。

 強制冬眠(?)となった覚悟は気の毒だが、それが両者のためかも。
 とりあえず覚悟は気にしていないようだ。
 気にしているのかもしれないが、覚悟は無表情で無口なので表にでてこない。
 シグルイの藤木源之助を超えるかもしれない無口キャラだな。

 施設内をあるく覚悟は、餓死者と生存者を発見する。
 だが、生存者と見えたものは生ける屍だった。
 高性能な人工臓器が死してなお体を動かし栄養を求めているのだ。
 生存者同士で共食いはしないのか?
 あ、人工臓器同士が認証しているからお互いに攻撃する事ないんだろうな。
 そうすれば意図的な殺人もなくなるかも。

『聖者であるなら』
『飢えた者たちに自己の肉を与えるであろう』
『だが少年は"正義を行う者"である』


 瞬着!
 正義のエクゾスケルトンスーツ・強化外骨格 零を身にまとい、すみやかに行動を起こす。
 いきなり猛毒散布の戦術神風だ。
 生ける屍は、完全な屍となって活動を停止した。
 正義の行動に躊躇はない!

 この葉隠覚悟はまったく容赦のない少年だ。
 鉄の意志で正義を行う。
 まさに地獄篇といえる行動だ。

 やがて覚悟は自分が眠っていたカプセルを発見する。
 ちなみに、いつのまにか服を着ていた
 白ランを着ているのだが、途中で見つけたのだろう。

 カプセルは6つあった。
 うち、4つが開いている。
 のこりの2つには、ひからびて死体(?)となった戦士が眠っていた。
 覚悟以外にも戦士が3人、外に出ているというコトになる。

 カプセルの傍に覚悟の愛刀が置かれていた。
 だが、その刀身はさびて朽ちている。
 覚悟が眠りについてから、そうとうな時間が経過しているようだ。
 保存がよければ江戸時代の刀は美しいままのこっている事を考えると、……最低でも100年以上寝てたのか?

『かつて少年が愛した友や歌は』
『ここにはもう存在しないのだ』


 地獄と化した都市に覚悟は取り残された。
 強化外骨格 零と機械化軍用犬モートンヴォルフを友として、地獄めぐりが始まるのだろうか?
 敵の姿も守るべき仲間の姿も見つからない。
 葉隠覚悟の明日はどうなる!?
 とりあえず、餓死者だらけの施設で食料をどうするんだろう。
(更新 10/12/20)


2010年12月18日(2号)
地獄編 第二歌

 鉄がくちるような長期の眠りから目覚めた葉隠覚悟は原因をしらべるべく冷凍装置の基部に侵入する。
 機械化軍用犬「月の狼(モーントヴォルフ)」は上でお留守番だ。
 ちょっとさびしそうに鳴いています。
 このバイク、萌えキャラかッ!?
 油断すると高いフィギュア代を払わされるかもしれない。

 覚悟は6基のカプセルが1年以内の異なる時期に開いていた事を知る。
 6名の戦士はすべて目覚めていたのだ。
 ミイラとなっていた二つの死体は偽装らしい。
 偽装せねばならない事態があったのか?
 戦士のうち2名には注意したほうがよさそうだ。

「エクゾスカル震電(しんでん)」
「エクゾスカル禅(ぜん)」
「エクゾスカル雷電(らいでん)」
「エクゾスカル鱗(りん)」
「エクゾスカル霹(ひゃく)」
「エクゾスカル零(ぜろ)」


 六体の強化外骨格が世に解き放たれた。
 覚悟が読みあげた名前は目覚めた順番どおりであろうか?
 零が最後だし。

 強化外骨格・雷電は特別編に登場したことのある名前だ。
 同一の強化外骨格かもしれない。
 震電雷電、そしては戦闘機の名前が由来だろうか。

 は仏教のひとつであり、武士道に通じる思想とも言われている。
 ちなみに私の宗派は禅宗の臨済宗(一休さんの宗派)で、葬式とかがちょっと面白かった。
 武術で有名な少林寺も禅寺だ。
 禅ってのは、仏教のなかでは武闘派なのかも。

 鱗はまったく意味がわからん。
 ただのウロコってことは無いだろうし。
 強化外骨格の装備である『超脱水鱗粉』に特化しているのだろうか?
 6つの名前ではズバぬけて弱そうだよな。
 ジャイアントロボの九大天王でいえば大塚署長のポジションだ。
 今後は鱗の存在に注目せねばなるまい。

 霹(ひゃく)の字は「青天の霹靂(へきれき)」で知られる。
 霹靂は雷(カミナリ)のことだと「おまかせ! ピース電器店」(AA)で言っていた。
 「霹」の字義は『(1)かみなりの神。雷神。(2)雷が落ちる。』(漢語林)とある。
 なお、読みの「ひゃく」は呉音で、「へき」が漢音だ。
 呉音は仏教用語につかわれる傾向がある。「霹」は「禅」と同系統なのかもしれない。

 拳銃を手にとり覚悟は地上を目指す。
 覚悟が銃器を使うのはめずらしい。
 それだけ強敵の存在を意識しているのだろう。
 地上にはなにが待ち受けているのだろうか?
 零とモーントヴォルフを供として、覚悟の地獄めぐりがはじまろうとしている。

 ところでモーントヴォルフって、ホイールから爪がでて階段も登れるようだ。
 車輪のような円運動はとても効率のいい運動機構なのだが、大きな弱点がある。
 直径の4分の1以上ある障害を乗りこえられないのだ。
 整地された道でないと使えない。
 だが、モーントヴォルフは単独で不整地でも移動可能なようだ。

 地上にでた覚悟は、白ランを着たナゾの少年と一頭のヒョウに出くわした。
 あまりにタイミングが良すぎる。
 覚悟のことを待ちかまえていたのかもしれない。
 ならば、彼が覚悟を目覚めさせた者だろうか。

「僕は」
「エクゾスカル霹(ひゃく)」
「君と共に眠っていた"正義を行う者"だ」


 零式同士の接触は禁じられているそうで、二人に面識はない。
 霹は覚悟を獣に襲わせ力を試したと言う。
 聞いた瞬間、問答無用で覚悟が発砲した。
 だが、霹は飛んでくる弾丸を噛んで受けとめる

 高速で飛ぶ弾丸を見切って、噛む。
 視覚による認識、噛む動作の反応速度、そして歯と歯茎の強度、どれも超人レベルの行動だ。

(零式の戦闘法ではない
 生物学的にあり得るのか…)


 覚悟が常識的なツッコミをした!
 というか、君もじゅうぶんに生物学的にあり得ない強さをもっているぞ。
 さすがに生身で銃弾を噛み止めることはできないだろうけど。
 ……つまり、霹の強さは覚悟以上なのか?

 霹はとつぜん白ランを脱ぎ、上半身ハダカになる。
 さらに自ら生皮を脱いで(?)中身をみせた。
 金属の肋骨と、生きた内臓が見える。
 改造はしているけど、生身の人間ってことか?

 自分の身体を犠牲にして牙なき者たちを守ってきた。
 覚悟は霹の身体を見て、それを理解する。
 でも骨を金属にするのは、なんか零式とちがう気もするのだが??
 強化外骨格ならぬ強化内骨格だもんな。

 骨が金属で強化されているのは、アメコミのウルヴァリンが有名だ。
 霹も同じように強化されたのだろうか?
 ただ、はもともと生きるのに必要なカルシウムの貯蔵器官だ。
 破骨細胞と骨芽細胞によって新陳代謝もしている。
 金属でおおってしまったら死にそうなんだけど。
 生物学的にあり得るのか…

「エクゾスカル零」
「僕は君を殺すんだ」


 霹が静かに宣言する。
 寝ている所を殺すわけでもなく、覚醒し強いとわかってから殺す。
 戦士の誇りなのだろうか?

 そして正義を行う者どうしが、なぜ殺しあう。
 いきなり零式vs.零式の超バトルが勃発しそうだ。
 覚悟のともが機械化軍用犬なら、霹はヒョウなのか?
 エクゾスカル同士の対決が始まろうとしている。


 新生・覚悟のススメ『エクゾスカル零』第三回だ!
 だが、前回につづき今回も「地獄編 第二歌」だった。
 初回が、第零歌だったので今回の第二歌が正しいのだろう。
 話数がおかしくなるのはシグルイからの伝統になっておりますな。

 そして、世界情勢がわかる間もなくバトル開始か?
 装着前の技量だと覚悟より霹のほうが強そうだが……
 始まったばかりと言うコトもあるけど、ナゾばかりだ。
 今後どうなるのか、まだサッパリわかりません。

 霹の足には覚悟とおなじくエクゾスカルの足部分が装着されているようだ。
 彼は本当にエクゾスカル霹の装着者なのだろう。
 絶対の正義など無いのだから、二つの正義がぶつかる事もある。
 だが覚悟と霹はおなじ陣営でおなじ正義のために戦ってきたはずだ。
 それとも犬派と猫派の争いなのだろうか?

 モーントヴォルフは思ったより犬だった。
 ありゃ棒を投げたら拾いに行きそうなぐらい犬だよ。
 いかん。ヤツは読者をたぶらかそうとしている。
 早くも、たぶらかされそうだッ!

強化外骨格・零&覚醒式強化外骨格・雷電
MANGA REALIZATION 覚悟のススメ 強化外骨格・零&覚醒式強化外骨格・雷電
 ちなみに雷電はこんな感じの強化外骨格です。


2011年1月19日(3号)
地獄編 第三歌

 6人の超戦士が世に放たれた。
 そのなかの、エクゾスカル零(ぜろ)とエクゾスカル霹(ひゃく)が対峙する。
 霹は零=葉隠覚悟を殺すと宣言したが……

 殺すといわれた覚悟だが、相手の真意がワカらない。
 ガンダムWヒイロなみの電波ゼリフですよ。
 覚悟は拳銃を相手に向けず誤射しないようにもっている。礼を尽くしている形だ。
 でも、霹は覚悟への殺意を消していない。

「私を殺したければ」
「私が眠っている間に実行できた筈だ」


 覚悟が当然の疑問を口にする。
 まったくもって、その通りだ。
 なんで わざわざ目覚めさせて強さを確かめてから殺すのだろう。

 霹の話しぶりは、どうも浮世離れしているというか夢見がちという気がしてならない(婉曲表現)。
 長期の人口冬眠(?)で脳になにかの問題が起きているんじゃなかろうか?
 宇宙からナニカの電波を受信していたりしそうな感じだ。

「確かめたんだ…」
「君が救世主(メシヤ)なのか」
「悪魔(サタン)なのか」


 ヤバ……
 この人、やっぱりソッチ系かも。
 気違いに刃物どころではなく、狂信者にエクゾスカルですよ。
 精神が残念な人は大多数の人とは論理が違っちゃっているので、理性的な会話がしにくいらしい。
 話をいきなり救世主と悪魔という百万光年のかなたに飛ばしちゃった。
 霹のロジックはワープ航法すぎる。

 いきなり救世主などといわれて、さすがの覚悟もこまる。
 なんのことだと質問するのだが、霹は池上彰とちがいワカりやすい解説をしない。
 とりあえず外を見ろと言うので、覚悟はガラスの無くなった窓から外を見る。
 覚悟は素直ですね。ダマされないように気をつけたほうがイイぞ。

 そこにいたのは、銃創のある裸の巨人だった。
 巨人と目があった覚悟は思わず銃を撃つ。
 だが、巨人の姿は消えた。
 どうも幻覚だったらしい。

 さらっと流したけど、幻覚を見たのならけっこう問題が大きい気もする。
 有害なガスか、覚悟自身に問題があるのか?
 いずれにしても不安定な状態で戦うのは危険だ。

 それと、覚悟がいきなり発砲したのも気になる。
 覚悟は巨人を危険な相手と認識したようだ。
 なにをもって判断したのか?
 かなり衝動的な行動だったように思える。
 ひょっとして、覚悟も長期の眠りで脳になんらかのダメージを……

「九十九猛(つくも たける)という少年は生まれた時」
「クラゲみたいに内臓や脳が透けていたんだよ」
「メタルペインという人口骨格を入れなければ噛むことも歩くことも出来なかった」


 九十九 猛。それがエクゾスカル霹の名前のようだ。
 施設内にいた生ける屍のような人たちと同じく鋼の骨をもっている。
 『覚悟のススメ』には、こんな技術はなかったと思う。
 ならば、エクゾスカル霹=猛は覚悟よりだいぶ後の時代の人間なのだろうか?
 もっとも今作の覚悟が『覚悟のススメ』の覚悟とは限らないのだけど。

 覚悟たちが守るべき「牙を持たぬ人」は、世界を瓦礫にかえた。
 守るべきモノが自滅した場合、守人はどうすれば良いのだろう。
 などと覚悟は内省しない。
 戦士は悩んでいるヒマがあったら戦うのだ。……たぶん。
 これ、本気で悩んじゃったら精神を病むかもしれない。
 もしかして猛は、ここで悩んじゃったのか?

 猛は弱き人間たちの骨格となって支えようと思っている。
 表現はちがうが、思想が覚悟と同じだ。
 しかし、猛は覚悟が救世主じゃないから殺すつもりらしい。
 やっぱり、猛の考えはどこかゆがんでいるような気がする。
 言葉が通じているようで通じてない感じで、不気味だ。

 その時、上空から鳥型の機械がまいおりる。
 機械の胴が開き、猛をつつみこむ。
 同時に羽から金属音を鳴らしはじめた。

『無人外殻移送機が照射するマイクロ波のもたらす振動ににより』
『少年の細胞内の水分子が高温に上昇していた』

『このマイクロ波は』
『九十九猛がエクゾスケルトンスーツを着装する際』
『周囲の妨害行動を制圧するために照射されている』

 変身中への攻撃は変身ヒーローの最大弱点といわれている。
 そこをカバーしやがった。
 エクゾスカル霹はあなどれない。
 零は装着速度をあげることでスキを減らしている。
 霹は逆転の発想で弱点を克服した。

 でも、マイクロ波の対策をされたら霹はスキだらけになりそうだ。
 電子レンジと同じ原理だから金属でかこっておけば大丈夫なハズ。
 それと、精密照射ができないようだ。
 覚悟だけでなく、お供の豹まで苦しんでいるように見える。
 まさに「ウヒョー」って感じのもだえかただ。……いや、すいません。
 とにかく、無差別ですよ。強い動物は守らんでも良いってコトか?

(まるで中世の魔女狩りじゃないか)
(こ…こんな理不尽な行為は)
(認めるわけには いかないんだ!)


 一方的に悪魔と決めつけられ断罪される。
 暴力を背景にした理不尽な行為だ。
 これを容認すれば、牙なき者も同様に狩られる恐れがある。
 覚悟は正義のために戦う決意をしたようだ。

 問答無用の攻撃ではなく、話し合う姿勢が大事ってことでしょうか。
 でも、覚悟も襲ってきた住民を容赦なく倒していた。(2歌(1歌?)
 覚悟だけが圧倒的に正しいというワケでもなさそうだ。

 マイクロ波攻撃で動けない覚悟を助けたのは機械化軍用犬モートンヴォルフだった。
 モートンヴォルフは我が身を盾にしてマイクロ波を防いでくれる。
 このチャンスに瞬着だ!
 零の装着と、霹の装着はほぼ同時に終わった。

『装甲電獅子 霹(ひゃく)

『その装甲の輝きはレーダー波を反射し』
『隠行(ステルス)化して目標に侵入するためであり』
『その戦力は敵を目視可能な距離まで接近した場合』
『いかなる防護手段をも攻略し 任務を遂行する』


 強化外骨格ではなく、装甲電獅子か!
 頭部には『悠久』の文字があった。
 機械の獣を強調するかのように霹の胸には獅子の顔がついている。
 目がおおわれたデザインだが、外部映像は別位置のカメラから得ているのだろうか?
 トゲが要所にある零にくらべると柔らかなフォルムかもしれない。

 ステルスの鎧をまとい任務を遂行する。
 戦争などで敵部隊を破壊する兵器ではなさそうだ。
 個人や小部隊を狙う暗殺に近い行動が、エクゾスカルの任務のようだ。
 忍びよって襲いかかるスタイルはネコ科の肉食獣ですな。

 エクゾスカル同士が向かいあう。
 話し合いでの解決は不可能だ。
 なにしろ猛がとにかく話を聞かない。
 そのうえ猛の説明は説明になってないし。

「エクゾスカル零」
「君の正義が」
「悪魔の矛と化すのだ!」


 正義の価値観なんて人や地域・時代でかわる。
 だから、エクゾスカル零の正義も悪魔の武器になる可能性があるってコトだろうか?
 覚悟はほとんど悩まずに正義を行使して、住民を倒しちゃったし。
 強すぎる力は使いかたをあやまれば危険なのだ。
 って、コトを言いたいのだろうか?

 けっきょく最後までわかりにくい事を言う猛であった。
 そりゃ、覚悟じゃなくたって問い詰めたくもなる。
 このまま戦いが始まってしまうのか?
 次回へつづく。


 情報が少なすぎて、今後の展開が読めない。否、読めなさすぎるッ!
 とりあえず、このまま覚悟と猛が戦うのだろうか?
 改造人間で名前が『猛』だなんて、まるで仮面ライダー本郷猛みたいですね。
 読みかたはちがいますが。

 前回の描写をみるかぎり、猛の実力は覚悟と互角以上だ。
 最初の相手でいきなり大苦戦しそうな気がする。
 のこった4人の戦士の動向も気になるところだが……
 とにかく先が読めない。

 掲示板で田中さんから「エクゾスカル震電(しんでん)」の情報をいただきました。
 『鉄拳6』で山口先生がデザインした強化外骨格が震電なのです。
 参考:http://blog.livedoor.jp/overmask/archives/51397738.html
 『鉄拳6』のことをすっかり忘れていました。
 名前が同じだし、ひょっとしたら同タイプのエクゾスカルが出てくるかもしれません。

 また、強化外骨格・霊さんから『エクゾスカル鱗は、もしかすると水中戦に特化した強化外骨格なのかも。』 という指摘を受けました。
 地表の7割は海であり、海上輸送の重要性を考えると水中専用タイプってのがあってもおかしくない。
 水中用が出てくる可能性もありますね。
 その場合、鱗のパートナーはシャチだろうか?

 ところで、霹のマイクロ波をあびた豹は無事なんでしょうか?
 苦しんだだけの豹に対し、機械化軍用犬モートンヴォルフが覚悟を助けるみごとな働きをした。
 そんなワケで今回の犬猫対決は、犬派の勝ち。
 次回は電獅子・霹が逆襲するか!?


・ 鉄拳6(PS3 / Xbox360)
鉄拳6(通常版)(特典無し) 鉄拳6(通常版)


2011年2月19日(4号)
地獄編 第四歌

 廃墟と化した都市に葉隠覚悟=エクゾスカル零はよみがえった。
 覚悟の前に立ちふさがるのは、九十九猛=エクゾスカル霹だ。
 だが、猛も好きで覚悟のジャマをしているワケでもないらしい。
 今回は猛の過去語りからはじまる。

 死都(ディストピア)に目覚めた猛は下僕の豹2頭とさまよっていた。
 豹はどこで仲間にしたのだろう。
 一緒に冷凍カプセルに入っていたのか?
 だとしたら、カプセル内ギッチギチだな。

 豹の入手場所は本筋じゃないから置いとこう。
 問題は管理維持だ。つまり豹のエサがない。
 ネコ缶もいっしょに冷凍保存しておけばよかったのに。
 ちなみに猛は錠剤で栄養補給しているので問題ない。
 味気ない生活をしていると、生きる喜びに疎くなりそうだ。
 猛が庶民の生活をちゃんと理解できるのか心配になってきた。

 肉食動物はエサにありつけないこともあるので、多少食わなくても生きていける。
 とはいえ、限界も近かろう。
 猛も人助けができなくて心の飢餓に陥っているようだ。
 なにしろ猛は"正義を行う者"である。
 正義を行わないと、存在理由(レーゾンデートル)にかかわるのだ。

 ある日、猛は7人の少年少女を見かけた。
 彼らはビルから飛び降り集団自殺する。
 どうやら「鬼」を恐れ、追いつめられて自殺したようだ。

『病弱な九十九猛は過酷な投薬と手術の中でも』
『決して死にたいとは思わなかった』

「どんなに苦しくたって」
「生きることをあきらめてはいけないんだ」


 猛は号泣する。
 守るべき者を見つけたのに救えなかったのだ。
 使命を果たせなかった無念と、なぜ少年たちは自殺したのかという疑問が猛を苦しめた事だろう。

 猛の苦悩とは無関係に豹たちが新鮮な肉に喰らいつく。
 しょせん獣だから、食欲には勝てないのだ。
 猛は豹たちを制止して鞭打つ。
 だが「この制裁は正義なのか?」と自問してしまう。

 生きるために食うのはあらゆる生物にとっての正義だ。
 もちろん、食われないように自衛するのも正義だけど。
 死体だったら良いんじゃね? と思ってしまうのは、冷たい感想なんだろうか?
 もちろん、死体を猛が食ったり、食って太った豹を猛が食うのは問題だけど。

 キリスト教だと人間は神に似せてつくられた唯一絶対で至高の生き物だから、絶対食っちゃダメってなりそうだ。
 猛は名前からすると日本人だろう。
 日本人なら、人間も豹もおなじ生物だから平等と考える可能性もある。
 その後、豹たちはどうやって栄養補給をしたのだろうか?

『「眠り」に赴く前の九十九猛は』
『悪の秘密結社が送り込む超神と戦うのが使命』
『そいつを倒せば』
『みんなの笑顔が待っていた』
『でもここでは』
『そんな単純(シンプル)な世界観は通用しない』


 猛の目覚めた世界には、倒すべき敵もいないし、守るべき人々もいない。
 逆の意味でシンプルだ。
 それにしても、昔の猛はなんかスゴい世界で戦っているな。
 ガンダムぐらいありそうな巨大な超神に可変翼イリスに乗って戦っている。

 昔のヒーロー作品のような構図だ。
 こういう風景はいつの世界であったのだろうか?
 現代でも、こういうシンプルな話で良いと思うのだが、最近はリアリティーを望んでいるんだろうな。
 いつも敵に事情があって本当は良い人でしたってオチがあるほうが非現実的って気もするけど。

 目覚めたからには、自分にも何らかの使命があるハズだ。
 猛は自分に言い聞かせるように咆える。
 うっかり自分探しの旅にでてしまいそうな勢いだ。

 猛は廃墟の都市から出ていく。
 郊外は建物のほとんどない荒地だった。
 そこで猛は人を喰らう鬼を発見する。
 まるで岩でできたような肌をもつ、異形の人間型生命体だ。

(シンプルな世界観が蘇った時)
(僕の魂は興奮に震えた)
(ついに)
(「輝き」を着装(まと)う瞬間が訪れた)

「大帝進化」
「装甲電獅子」
「光臨」
「摂理に背く捕食を行う者よ」
「獅子の名に於いて…」
「汝を淘汰する」
「大帝錨!(レオ・アンカー)


 恋愛モノに必要なのが、キャッキャウフフする恋人ではなく、間を邪魔する障害であるようにッ!
 ヒーローには敵が必要なのだッ!
 猛は大喜びしている。
 相手の殺意とか事情とか確認する間もなく、戦闘開始だ。

 可変翼イリスから強化外骨格『エクゾスカル霹』をまとう。
 名乗りをあげる間も惜しいのか、簡単に自己紹介をすませて向かっていく。
 省略するなら「装甲電獅子」の方じゃないかとも思うのだが……
 だが、猛の言動はライオンにこだわっている
 強化外骨格よりも獅子のほうが重要なのだろう。

 ライオンが大帝なのは『ジャングル大帝』(AA)からのネタだろうか?
 そうなると肉を喰らい生きのびるというシーンにも別の意味が生じてくる。
 なにが正しいコトなのかを判断するのは難しい。

 とにかく猛は戦う。
 獅子の名に於いて!
 なんで淘汰するのが獅子なのか、よくワカらないが興奮している人間に道理は通じない。
 たぶんアレだ。食物連鎖の頂点にいるから淘汰なんだろう。

 そして、必殺技が「大帝錨!(レオ・アンカー)」だ。
 胸のライオンが光って唸る。
 てっきりライオンの口からビームでも出すのかと思ったら、ライオン部分が飛んでいった!
 実体兵器かよ! しかも鎖ついている。
 錨(いかり)だけに、大帝の怒りがこもっているのだろうか?

 これ、イッパツで仕留められなかったら鎖がジャマになって後で苦労しそうだな。
 腕ならともかく、胸につながっているから本当にジャマっぽい。
 まさに必殺を狙わないと使えない兵器だ。
 とりあえず今回はみごとに一撃で必殺できた。

 猛は充実感につつまれて倒れこむ。
 気持ち良い汗をかいた。
 使命を果たし生きている実感がこみあげているんだろうな。

 ところが、鬼の腹から幼児が這いでてきた。
 人間と同じ姿の…
 この瞬間に猛はすべてを理解する。

「人間だったんだ…」
「過酷な環境に適応するために」
「母親は皮膚を硬質化させてあの姿に…」

「彼こそ新しい人類なんだ」


 鬼は進化した人類だった。
 生まれたばかりの赤子は野生動物のように自力で這っている。
 たしかに、これはホモ・サピエンスじゃない。
 ホモ・サピエンスは大きな脳を持つため、産道に頭がつまって死ぬ可能性をもっている。
 だから胎内で成長しきらず、未熟児として生まれるのだ。

 生まれてすぐに動けるということは、おおむね完成品ってことだ。
 つまり、脳はこれ以上おおきくなりにくい。
 たぶん、この鬼の種族は知性が低いだろう。
 もっともホモ・フローレシエンシスは脳容積が380ccていど(現代人女性が1400ccぐらい)でありながら、石器を使い集団で狩りを行っていたらしいなど知性も高そうだという話がある。(ヒトの進化 七〇〇万年史
 鬼もけっこう賢いのかもしれない。

「聞いたかエクゾスカル零」
「僕は"生きようと願う者"を守る」

「エクゾスカル霹」
「零式防衛術は牙なき人の剣(つるぎ)
「人を喰らう怪物ならば」
「粛清するより他あるまい」


 まるっきり正義の方向性がちがう二人だった。
 これは戦うしかあるまい。
 正義をかけた戦いは陰惨になると歴史は教えてくれる。
 エクゾスカル同士、最初の戦いから妥協できない戦いになりそうだ。
 次回、死闘開始か!


 ちゃんと外部にも人間がいたんですね。
 それ以外に鬼もいましたが。
 人間や鬼はなにを食べて、どこで寝て居るのだろう?
 畑とか作っているのだろうか?
 人間は生物として弱いから、衣食住がちゃんとしていないと生きていけない。
 集団で暮らす動物だから、ある程度の人数がそろわないとダメだし。
 少年たちは、親が鬼に殺されて食われたので絶望して自殺したのだろうか?

 猛は"自殺する人間"よりも"生きようと願う鬼"を守ると決意した。
 覚悟はあくまで"弱い人間"を守ろうとする。
 これは保守派と革新派の対決だな。
 そもそもホモ・サピエンスが、それなりの生存競争を生き抜いてきた。
 新しい種に敗れたとしても、それは人類の運命かもしれない。

 ところで上に書いた『ヒトの進化 七〇〇万年史』に面白いことが書いてあった。
 ホモ・サピエンスとネアンデルタール人は同一時間と地域を生きた近縁種だ。
 母系に伝わるミトコンドリアの研究では両者に混血はなかったと言われていた。
 しかし、DNAの解析により中東あたりで混血したことがわかる。
 アフリカの人間には混血がなかったので中東あたりと解釈されたそうだ。

 これはつまり、女性ネアンデルタール人から現代人は生まれていない。
 男性ネアンデルタール人がホモ・サピエンスに生ませた。
 ネアンデルタール人はガッシリした体格だったそうだ。
 ってコトは力でムリヤリだったのだろう。
 ならば、鬼も人間と心温まる交流なんてないんだろうな。

 種同士の生存競争は相手を滅ぼす壮絶な争いになる。
 今回も覚悟は人類存亡を背負って戦うことになりそうだ。
 しかし、守るべき人類はどこにどれだけいるんだろう。
 なんか観客不在で戦っているようなものだよな。


2011年3月19日(5号)
地獄編 第五歌

 人類が絶滅寸前の未来に、守護者の二人がよみがえった。
 滅びようとする人類を守ろうとするのはエクゾスカル零=葉隱覚悟だ。
 勢力を伸ばす新人類を守ろうとするエクゾスカル霹=九十九猛だった。
 立場のちがう正義を信じる二人の対決は必然といえる。

 強化外骨格エクゾスカル零と 装甲電獅子エクゾスカル霹。
 正義のために戦う者である二人は、本来なら戦うはずはない。
 だが、世界は変容してしまった。
 あり得ない戦いが始まろうとしている。
 この戦いの行方は神であろうと予測できまい。

 覚悟は機械化軍用犬モーントヴォルフに乗ったままだ。
 犬といってもバイクです。
 バイクに乗ったまま戦うのか?
 内蔵以外の兵器に頼るのは、ちょっと覚悟らしくない気がする。
 やっぱり目覚めてスグだから調子がイマイチなんだろうか。

 タイヤからスパイクが飛びだすモーントヴォルフは不整地をモノともしない。
 瓦礫をのりこえ、霹にせまる。
 霹は左の手刀を叩きこんで迎撃した。
 モーントヴォルフの前面が砕かれ、吹っ飛ぶ。
 やはり覚悟は不調なのか?

「対戦車 炸薬弾 投擲」

 モーントヴォルフの後部から4発の弾丸が撃たれた。
 戦車の熱い装甲も破る成形炸薬弾らしい。
 後部についているってコトは、戦車に追われたとき、背後の敵に撃つためだろうか。
 モンゴル帝国の騎馬弓兵は退却すると見せかけて、背後に矢を放ち敵を倒すことを得意としていた。
 モーントヴォルフの背後攻撃も同じ理由かもしれない。
 『機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズ』のリック・ディアス(赤)の背中のビームピストルも同じ原理だろうか。

 まあとにかく、ダメージを受けた覚悟は後方に攻撃することで安全に逃げだした。
 炸薬弾は爆発する!
 爆発かよ!?
 思ったより範囲の広い攻撃だな。
 まあ、エクゾスカルには通用しないと思いますが。

 体勢を立て直した覚悟はモーントヴォルフに軍刀と声をかける。
 すぐに後部収納部から刀が出てきた。
 鞘は内部にあるらしく抜き身です。
 これでは鞘を捨てることで、相手を強敵と認めるパフォーマンスができないな。

「斬魔挺身刀」


 覚悟が刀をかまえる。
 う〜む。刀自体はカッコイイのだが、強化外骨格の上に武装するのは過剰かもしれない。
 やっぱり覚悟は不調かも。

「モーントヴォルフ」
「おまえは戦火の及ばぬ位置にて待機」
「私の生命反応が途切れたら」
「自決せよ」


 けっこう厳しいことを命じる覚悟だった。
 でも、機密情報のことを考えるなら、データを消すのが最良の選択かもしれない。
 つねに最悪の状況を考えて対策を立てておく。
 それが葉隱覚悟の戦いなのだろう。

 覚悟は単騎で炎上する爆心地へと向かう。
 炎の中には豹の生首をだき涙するエクゾスカル霹=九十九猛がいた。
 とうぜん猛は無傷だ。
 しかし豹はそうもいかない。
 下僕を殺され猛の怒りも燃えあがっている。

「エクゾスカル零」
「獅子の名に於いて汝を淘汰する」

「その言葉 宣戦布告と判断する」
「当方に迎撃の用意有り」


 斬魔挺身刀をかまえて覚悟が宣言した。
 一世を風靡した名台詞が決まっているぜ。

 刀を上段に構える覚悟は攻めの姿勢だ。
 しかし動かない。
 豹の頭を地においた猛は無造作に前進する。
 構えのある敵に向かっていくのは危険という気がするのだが、なにを考えているのだろう?

(金属装甲に覆われていない部位なら)
(充分に斬り込める)
(腕と脚)
(狙いはそこだ!)


 覚悟はそう考えているが、少し危うい気もする。
 防御に使われやすい腕と脚が無防備なのは解せない。
 敵方に対応の用意有りだろう。

 猛も装甲に覆われていない部分が狙われているのはワカっているハズ。
 それでも近づく。
 これは覚悟に考えさせる時間を与えない作戦だろうか?
 明建国時の天才軍師劉基も強敵・陳友諒と戦うとき、あえて敵を引きよせ急戦を挑ませた。
 戦いは主導権を握ったほうが有利なのだ。

 猛が間合いに入った。
 反射的に覚悟が斬りつける。
 だが猛は中段廻し蹴りでカウンターだ。
 霹のつま先から刃物が出ていた。
 ただの蹴りではない。立派な斬撃だ。
 まるで、抜き胴のような一撃である。

「金属装甲の隙間を狙う」
「君のやりたかったことだろう」


 覚悟はわき腹を斬られていた。
 けっこう深刻なダメージだぞ。
 しかも装甲がまったくない部分を狙った覚悟とちがい、装甲のスキマを斬られた。
 力量は猛のほうが上か!?

 ツメが出し入れ自由なのはネコ科の特徴だ。
 刃が飛びだすのは電獅子らしい装備なのかも。
 ネコ科は前足を攻撃と移動の二つの目的につかう。
 だから前足が移動に特化した犬ほど走るのが得意ではない。
 電獅子も隠し武器を装備することで、どこかに弱点が生じているのだろう。

 倒れた覚悟は、倒れたまま刀で斬りつける。
 刀は深く霹の太ももに喰いこんだ。
 否ッ、違う!
 刀は溶けて真ん中でちぎれた。

『装甲電獅子のボディを走る高電流が盾となり装着者に到達する前に弾丸や刃を蒸発させてしまうのだ』

 なんだって〜〜〜!
 いくらなんでも高電流すぎやしないか?
 スゴい防御力だな。
 でも、消費電力もスゴそうだ。
 長時間の防御はできなさそう。

 あと、塩水みたいな伝導体を浴びせられると電気が全部外に流れて電力低下しそうだ。
 長所は見方をかえると短所にもなる。
 装甲電獅子といえど、恐るるに足らず。
 いや、水ぐらいならかけられた瞬間に蒸発させられるか。
 接触して電流攻撃されても、かなり痛いだろうし。

(零とはちがうらしいな)
(ならば良し)
(装甲の上から衝撃を与え)
(内部の装着者を損傷させる)
(古来 鎧とはそうやって攻略するものだ)


 直接、殴ンのかよ!?
 感電が怖くないのか?
 さすが覚悟だ。
 強酸の体液をもつ核汚染異能熊だって、恐れずに素手で殴る男だもんな。

 ところで、霹は装甲という物理的な強さで防御する零とはちがう。
 装甲の重さを減らすことで軽量化=敏捷性の向上ってことだろうか?
 そのかわり電源の重さと活動時間の短縮という問題が生じるのだろうけど。

 の歴史は製鉄の歴史でもある。
 丈夫で薄い鉄板が作れるようになると、鎧も強くなる。
 すると、刃物で斬りつけても効かなくなっていく。
 そこで棍棒のような打撃系の攻撃で中の人にダメージをあたえる戦法が生まれた。
 強化外骨格による未来の戦闘も同じような状況になっているようだ。

 なんか零より性能の高そうな霹だけど、覚悟は絶望していない。
 それでこそ葉隱覚悟だ。
 でも、セコンドからのアドバイスが欲しい。
 今作の零はしゃべらないのだろうか?

 猛が飛びあがって廻し蹴りだ。
 また刃物か!?
 覚悟はよけもせず、前に進んで右正拳を打ちこむ。
 そのため体には猛のスネにが当たった。刃物は不発だ。
 相打ち!?
 いや、両者とも打撃を空いた手で止めている。
 覚悟は浅く蹴られたような感じで、片ヒザついていますが。

(すごい右クロスだ)
(カウンターでもらったら危ない)


 猛は受けた右手の痺れから、覚悟の攻撃力を感じとってきた。
 取りあえず覚悟は感電はしていないみたいだ。
 省エネのため切っているのだろうか?
 『覚悟のススメ』で毒魔愚郎の電撃でダメージを受けていたから、電気は強化外骨格であろうと有効だと思うのだが。(1巻 19話)

 覚悟のカウンターを恐れた猛は攻撃パターンを変えたようだ。
 また蹴り、と見せかけて違う。
 下段の蹴りに見えた動きで、そのまま覚悟の脚を刈り寝技に引きこむ。
 覚悟を転がしながら脚関節を極めていく。
 膝十字かッ!? いや、アキレス腱固めかッッ!?
 とにかく硬質な音が響き、折れるか切れるかしてしまったようだ。

 鎧の破壊ではなく、中の人を狙う。
 またもや、猛は覚悟の一歩先を行ってしまった。
 この男、強い!

 試合であれば折れた時点で勝負アリのドクターストップだ。
 しかし、これは試合ではない。
 正義の名のもとに行われる殺し合いだ。
 猛は止まらずに、今度は覚悟の右腕を狙いにいく。

「これが野生のスピードだ」
「大帝磔(レオクロス)


 腕十字にしか見えないが、名前つきの必殺技だ!
 猛は、なんでも「大帝(レオ)」をつければ良いとか思っていそうだな。
 もしかしたら大帝固め(レオコブラツイスト)とかもあるかもしれない。

 猛は野生を強調している。
 しかし、本人は科学の力で生きている身体だ
 なんか矛盾しているな。
 科学に頼っているからこそ、野生にあこがれているのかも。

 脚のダメージで反応が遅れたのか覚悟の腕はあっさりと伸びてしまった。
 折られる!

『肘靭帯 断末の音を響かせた時』
『零の瞳が蒼く輝いた』


 もう折れかけているんだけど、零が逆転の秘策をだしてくれそうだ。
 この状況から、零はどう返すのか!?
 次回へつづく。


 『覚悟のススメ』時代に比べると、総合格闘技の影響が濃くなっているな。
 強化外骨格でグラウンドの攻防をするとは思わなかった。
 一騎討ちをするのならグラウンドの攻防も重要だ。
 強化外骨格を着ていれば地面が岩だろうと安心して戦えるし。
 これが未来型の武術なんだろうか。

 九十九猛は野生を主張しているが、その動きは訓練されたものだ。
 思いつきで動いていないから、野性的じゃないよね。
 どうも猛は相反する二つの思いが体内にありそうだ。

 そして、強化外骨格・零の隠された能力が発揮されそうだ。
 普段は赤い目をしている零だが、蒼くなった。
 寒色だけに氷系の技でも出すんだろうか?
 ライオンはサバンナの動物だから寒さには弱い!
 大帝危機(レオピンチ)だッ!


2011年4月19日(6号)
地獄編 第六歌

 激突ッ! エクゾスカル零 vs. エクゾスカル霹!
 強化外骨格をまとった二人の戦鬼が廃墟の都市で死闘を繰りひろげる。
 ルールはなく、審判もない。
 敗北が死につながる、文字通りのデスマッチだ。

 前回のつづきでエクゾスカル零=葉隱覚悟が、エクゾスカル霹=九十九猛に腕十字をきめられていた。
 エクゾスカル霹は腹に獅子の顔がついている。
 そのでっぱりが当たって、ヒジはバッキボキに折れていたらしい。
 折れてたのかよ!
 普通、腕が伸びきる直前で止まるもんだろ。
 胸を刺されても心臓から1mmずれていたからセーフみたいな感じで助かるよ、普通。
 この世界にはセーフティーネットがないのか?

 腕が折れても死闘は終わらない。
 猛はまだ腕をねじあげている。
 右腕が折れたんだから、今度は右腕以外を攻撃すれば良さそうだが……
 ちょっと猛は狭い視点にとらわれているのかも。
 自分の正義感だけで動いている男だけに視野がせまい、のか?

 利き腕を破壊された覚悟だが、まだ目は死んでいない。
 覚悟の肉体に埋めこまれている零式鉄球が光って動く。
 強化外骨格の中でナニかするつもりらしい。

(我が身は牙なき人の剣…)
(私が"眠り"から覚めたのは)
(この崩れた世界のどこかで)
(私を呼ぶ者がいるからだ!)


 葉隱覚悟は使命感に燃える。
 このへんの圧倒的な使命感は猛とおなじだ。
 なんか救世主症候群(メサイア・シンドローム)だよな。
 誰かを救っているコトに自分の存在理由を感じる。
 悪く言えば、覚悟も猛も正義の狂信者だよな。

 動機はともかく、戦闘意欲は高い。
 右腕が砕けた程度で覚悟の心は折れぬ。
 覚悟は零式鉄球をメタルスキンにかえて、肘靭帯としたのだ。
 これで一時的に右腕が動く。

 だが、猛は腕十字から三角絞めに技を変化させた。
 総合格闘技でよく見られる変化だ。
 王道の技は破られにくいから良く使われる。
 まさに百獣の王がつかうにふさわしい技だ。

 名前はなんだ?
 大帝絞(レオ・クラッチ)、大帝絡(レオ・グラップ)、大帝三角(レオ・トライアングル)、あたりか?
 と考えていたが、猛は技名を叫ばない。
 どうやら、技名を叫ぶほどの余裕がないようだ。
 肉食獣のライオンっぽく、捕らえた獲物は逃がさないと必死になっている。

 ここで、覚悟が三角絞めをきめられたまま、猛を持ちあげた。
 頭より高くに持ちあげて、地面へ落とす。
 オマケに背部の噴射口からジェットを出して加速しながら!
 地面にくぼみができるほどの一撃だ。

 技をかけられながらも、相手を持ちあげて叩きつける。
 クイントン・"ランペイジ"・ジャクソンや、ボブ・サップのような怪力系の選手がたまにみせる偉業ですね。
 ランペイジ・ジャクソンが桜庭を持ちあげて叩きつけた時は、バキに現実が追いついたと思ってしまった。

 まるで千尋の谷に落とされたような衝撃で電獅子が流血する。
 覚悟はさらに追い討ちをかけた。
 猛の顔に手をかざし、至近距離で最大出力の一撃を放つ。

「昇華」

『プラズマ昇華弾は 強化外骨格零 最大の火器であり』
『人体が直接 被弾した場合 跡形もなく消滅する』


 一瞬で獅子が炎につつまれた。
 覚悟はここで最強の一手を打ちこんだ。
 昇華弾で倒しきれなければ、ちょっと痛い。
 炎上する電獅子を観察する覚悟はいまだに汗を流している。

 熱にもだえ苦しむ猛は、頭部を強制排出してなんとか冷却した。
 冷却したんだよね? 理屈はイマイチわからんが。
 とにかく、思ったより元気そうだ。
 覚悟は必殺技をつかうタイミングを早まったかもしれない。

「あれが君のエクセレントなんだね」
「一度きりの…」
「あのレベルの火力なら二発目は不可能だ」


 汗はかいてないけど、けっこう効いてるな。
 あのレベルと言うからには、かなり強力だったのだろう。
 やっぱりライオン=獣だけに、火はニガテか。
 とにかく、零の最大攻撃をしのいだ猛は勝利を確信したハズだ。

 覚悟は右腰のユニットから拳銃をとりだす。
 左手で銃をかまえる。
 頭部を失った電獅子ならば拳銃で充分だ。
 などと覚悟は言っていますが、猛は生身でも銃弾を噛みとれる男だ。(二歌
 拳銃が通用するようには思えない。

 やっぱり猛も自信マンマンだ。
 なぜか鼻と口にマスクをつけて元気イッパイだぜ。
 マスクをつけたのは、外気に問題があるのだろうか?
 それとも酸欠になっていてヤバイとか?

 エクゾスカル零の撃った銃弾はただの鉛弾ではない。
 霹の指を弾き飛ばす威力がある。

「零式徹甲弾だ」

 理屈はワカらんが、零式とつくだけで強そうだ。
 銃弾のサイズは変わらないどころか、むしろ小さい。
 となると、劣化ウラン弾みたいに比重の大きい金属をつかっているのかも。
 そして、火薬量もハンパなく多くて、生身では扱えないぐらいの反動がありそうだ。
 ……あいかわらず、銃器に頼る覚悟というのはイマイチ馴染めません。

 とにかく、零式徹甲弾はエクゾスカル霹の装甲ごしにダメージを与えている。
 電気式の防御をする霹だが、銃弾を防御できていない。
 昇華のダメージが大きく、電気防御が使えないのかも。
 もしくは弾丸が溶けているけど、液体のまま速度と質量でぶつかるのでダメージになっていたりして。

 覚悟は銃撃で猛を壁際においつめる。
 そこで顔面キックだ。
 しかし猛の頭は原型をとどめていた。
 さすがメタルペイン製の骨格をもつ男だな。硬い!
 その硬さを知った覚悟は、拳銃の銃口を猛の口につっこむ。
 口蓋から脳幹を狙う。確実にしとめる気だ。

 だが、これは装甲電獅子エクゾスカル霹にとって、起死回生のチャンスでもあった。
 猛は覚悟の左カカトをつかむ。
 覚悟は目前に巨大な獅子が出現したのを感じた。
 そうエクゾスカル霹には、もうひとつ顔がある。
 胸につけられた獅子の意匠、射出もできる必殺の武器だ。

「大帝錨(レオアンカー)!」
「僕の切り札(エクセレント)さ」


 重たい一撃が直撃した。
 覚悟は吹っ飛ぶ。
 猛につかまれていた覚悟の左足は、腿の部分でちぎれてしまう。

 ボディーへの一撃だけなら覚悟の無事を確信できた。
 しかし、脚を失ったのでは話がちがう。
 これは確実に死ぬ。主人公じゃなかったら絶対死んでる。
 はたして覚悟は無事なのか?
 生きていたとしても、ここからどうやって逆転または逃亡するのだろう。

 エクゾスカル零、初戦で右肘を破壊され、左脚を失う。
 だが、それでも立ちあがるのが葉隱覚悟だ。
 ……たぶん、立ちあがる!


 銃器に頼ったのが良くなかったのだろうか?
 覚悟は再起不能かもしれないダメージをうけた。
 せっかく銃をもっていたんだから、近づかずに撃ったほうが良かったのかも。
 利き腕を折られ、昇華で倒しきれなかったので、覚悟もあせっていたのかもしれない。

 折れただけならともかく、脚を失ったのは厳しい状況だ。
 待機中のモーントヴォルフにたすけられたとしても、再起は難しいだろう。
 こうなると、他のエクゾスカルに介入してもらうしか助かる道が見えない。
 それとも覚悟が守ろうとしている生き残った人類が、逆にたすけてくれるとか。

 しかし、仮面ライダーのパロディであるセンチネルが登場した『フランケン・ふらん』(AA)を『エクゾスカル零』の前に配置したのは、編集部のギャグなんだろうか。


2011年5月19日(7号)
地獄編 第七歌

 至近距離で大帝錨(レオアンカー)を喰らい覚悟は吹っ飛び、左足だけが残っていた。
 だが、九十九猛に勝利の喜びはないらしい。
 幼いころから戦闘訓練をうけて、一人前になったらエクゾスカルを供に戦いへ向かう。
 正義を行う者の人生は殺伐としている。

 おなじ不幸を共有している稀有な二人がであったのに戦うしかない。
 親友となりえたかもしれない戦友を自ら屠ってしまった。
 のろわれた戦士の宿命に九十九猛は涙する。
 って、猛はちょっと精神的に弱すぎないか?
 戦士として、あまり感情的になるのはよろしくない気がする。
 猛は、どこか狂っているいるンじゃなかろうか?

 それとも、思い切り感情を発散させることで気持ちを切り替えているのかも。
 あまりストレスを溜め込むよりも、適度に放出したほうが身体にいいかもしれない。
 つーか、戦士たちのメンタルケアは一切なかったンでしょうか?
 心身を癒してくれる場所がないと、いつか消耗しちゃいそうなんだけど。
 基本的人権をガン無視してるよ。非民主主義な国で生まれ育ったんだろうか?
 でも、あまり居心地の良い場所があると引きこもるだけになっちゃいそうだし、バランスが難しい。

 霹(ひゃく)の電磁装甲はもうすぐ切れる。
 前に予想したとおり、強力な防御だけに稼働時間が短いようだ。(地獄編 5歌
 時間が迫っているが、猛は覚悟の死を確認しにいく。
 取れてしまったエクゾスカル霹の頭部もそのままに、眼下の廃墟へ飛びおりる。
 かなり急いでいますな。覚悟の死を確認しないと、おちついてエクゾスカルの修理もできないのだろうか。

 覚悟の左足はうばったのだから、覚悟が生きていようと優位が続きそうな気もする。
 でも、相手が弱っている時に追い討ちをかけるのは兵法の常道だ。
 やはり、ここはトドメを刺すのが正しいのだろう。
 川に落ちたヤツは ほぼ100%生きていて後で邪魔をするというのが平成ライダーの法則だし。

「聞こえないよエクゾスカル零」
「心臓の音が」
「そうだよね」
「タンカーの船底だってぶち破る大帝錨(レオアンカー)を喰らったんだから」


 左足のないまま壁にもたれて座っているエクゾスカル零に、猛は語りかけた。
 ……魚雷攻撃を想定していた昔の軍艦とは違い、タンカーの船底は意外と薄いハズ。
 と思って調べたら、大型タンカーの外板は6cmという情報があった。(謎のタンカー爆発事件 テロリストによる自爆攻撃か?
 6cm、通っぽく言えば60mmが厚いのか薄いのかわからんので、戦車と比べてみる。
 こちらによれば、戦車前面の装甲は70〜102mmだ。
 船底とちがい戦車装甲は角度をつけて丈夫に作ってあるので、数字以上に強いだろう。
 大帝錨(レオアンカー)は戦車を破壊できるほどの攻撃力は無さそうだ。

 ただ、これでエクゾスカル霹が弱いというコトにはならない。
 兵器には役割がある。戦車・砲兵・歩兵には求められる性能がちがう。
 強化外骨格は歩兵の強化版だ。
 もっとも柔軟な運用ができ、地域を占領確保し維持することができる唯一の部隊である。(戦術と指揮
 エクゾスカルを最強の歩兵と考えれば戦略・戦術上の意味は大きい。

 話それましたが、猛は大帝錨(レオアンカー)で殺したという自信がなかったので覚悟を探しにきたのだろう。
 そして、トドメに徹甲弾をゴーグルに三発撃ちこむ。
 これで内部にいる覚悟の脳は破壊されたハズ。
 だが、猛は背後から裸締め(チョーク)を受けるッ!
 覚悟は生きていた。猛の背後から襲いかかる。

(安息せよ我が抱擁の中で)
「零式棺」

『猛の背後をとるために』
『鎧を偽装し"囮"に使用したのである』

 おかげで葉隱覚悟は全裸でござる。
 全裸で裸締めだ。まさに捨て身の攻撃だった。
 武器も防具も投げだした最後の攻撃だ。

 痛みも殺意もない優しい締め技で猛はたちまち まどろんでいく。
 このパターンはアレだ。良い夢みながら沈むタイプだ。猛の正義執行にみんなが喜んで ささやかな家庭も持てて 母親が抱きしめてくれる夢を見ながら落ちていく。
 そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。
 だが、エクゾスカル霹の自動防衛システムがはたらき、鎧から刃が飛びだす。
 密着していた覚悟は全身切られた!

 覚悟は、とっさに零式鉄球で傷をふさぐ。
 良く見れば左足もありますな。
 大帝錨(レオアンカー)を受けたときに、零の脚を分離させたのだろう。
 猛はのこった左足の断面をしげしげと観察すべきだった。
 実はグロい物がニガテなんだろうな。やっぱり精神的に弱いのかも。

 負傷した覚悟の前に"鬼"たちがあらわれる。
 猛いわく『甲殻霊長類』だ。
 武器も使わず襲ってくる彼らに知性はあるのか?
 覚悟は全裸で戦うが、甲殻霊長類がけっこう強い。こりゃ、けだものだ。ビーストだ。
 オマケにモビルスーツぐらいありそうな巨大タイプまでいやがる。

 零を脱いで捨て身の特攻をかけた覚悟にまだ逆転の力は残されているのか?
 牙なき人を守る。使命に燃える瞳はまだ死んでいない!
 でも、もう現実的にズタボロなんですけど。

 いっぽう、遠くから覚悟と猛の死闘を見守る三人の姿があった。
 彼らがまとうのもエクゾスカルだ!
 中央に立ち、ひときわ大きい鎧は『エクゾスカル震電』かッ!?(地獄編 3歌
 彼らは覚悟の敵となるのか、味方となるのか?
 次回へつづく。


 壮絶な死闘だった。
 そして、葉隱覚悟の戦いかたがずいぶんシビアだ。
 エクゾスカル零を道具のように使っている。
 なんか、刀が折れたら平然と投げつけて飛び道具にしているような感じだ。

 覚悟の戦いはそれだけ きびしい物だったのだろう。
 同志とか相棒ではなく、あの扱いは道具だよな。
 機械化軍用犬モーントヴォルフへの命令も冷酷だったし。

 正義を行うものたちは、もうちょっと愛情をうけて育ったほうが良かったんじゃなかろうか。
 『覚悟のススメ』の葉隱覚悟は父・朧からきっちり愛情を受けていた。
 しかし、今作の覚悟はどこまでも乾いている感じだ。

 一歌(二歌)では『かつて少年が愛した友や歌は』『ここにはもう存在しないのだ』と語られていた。
 だから、まったく無味乾燥なワケではないのだろう。
 隠しているだけで、イロイロな感情をかかえているんだろうな。

 逆に九十九猛はよく泣く。かなり感情的な人間だ。
 守る対象だけでなく、感情の出しかたも覚悟とは対照的ですね。
 この戦いがおわれば覚悟も笑い、泣くことができるのだろうか?
(更新 2011/5/23)


2011年6月18日(8号)
地獄編 第八歌

 エクゾスカル零=葉隠覚悟とエクゾスカル霹=九十九猛の死闘はまだつづいている。
 二人の戦いを遠方から見ている男たち三人がいた。
 エクゾスカル震電=動地 憐(どうち れん)だ。

 震電は二人の部下を従えていた。
 なぜか二人とも坊主頭で額に、それぞれ「六」と「七」の数字がはいっている。
 二人は震電七部衆だそうだ。
 なぜか、ずっと目を閉じたまま。
 容貌に女性的なものがある。震電をささえる尼僧なんだろうか?

 震電七部衆の装着するエクゾスカルは同一デザインのようだ。
 つまり、量産型ってことだろうか。
 覚悟たちと同時に目覚めた六人の戦士ではなさそうだ。(二歌
 震電は文明の崩壊した世界で、エクゾスカルを生産する技術を有していると言うことだろうか。
 だとしたら、震電の勢力はおそろしく強大ということになる。

「見守るしかあるまい」
「勝った者は知るだろう」
「我ら"正義失格者"の」
「この世界に目覚めたる理由を」


 震電は意味深な発言をする。
 目覚めた六人の正義を行う者たちが、すでに"正義失格者"だというのか?
 それって人類はすでに絶滅しているから、防衛ミッションに失敗したってことかも。
 覚悟と猛は勝負がつく前から、敗北宣言されてしまったな。

 しかし、失格者であっても目覚めた理由があるらしい。
 何らかの理由があって、戦士たちは目覚めたようだ
 戦士たちを軍鶏のように戦わせたいと思っている誰かがいるのかも?
 それとも、もっと世界に関わる問題だろうか?

 覚悟と猛の正義をめぐる戦いは決着に向かおうとしていた。
 鬼のような外見と装甲をもつ甲殻霊長類に囲まれ、なおかつ全裸の葉隠覚悟は大ピンチだ。
 しかし、あせらずに堂々とした態度をとるのが覚悟である。
 まさに腹の据わった男だ。
 前も隠さない。

 覚悟は、甲殻霊長類も人間だと認める。
 急に覚悟と価値観が一致した。
 猛は感動する。オフ会で「好きな漫画は?」と質問して「エクゾスカル零」と返された時のように、かたい握手を求める。
 たいする覚悟は、掌底で猛の下腹部を打つ。

「螺旋」

 ひねりの加わった一撃は、装甲も筋肉も通過し、内臓に直接ダメージをあたえる。
 超一流がつかえば、内臓が口から飛びだす。
 覚悟の攻撃はそこまでの威力がない。だが猛は悶絶してダウンしたままだ。
 すかさず覚悟はエクゾスカル零を起動させる。

 零は霊長類の三半規管を狂わせるストロボ光をだした。
 装着中のスキをカバーする機能がエクゾスカル零にもあったようだ
 覚悟は鍛えているので、平衡感覚が狂っていても立てる。
 すかさず装着だ!
 右目は破損し、左足は失われているが、エクゾスカル零が復活した。

 鋼鉄につつまれた全身は最強の防具であり、そのまま武器でもある。
 殴るだけでも鉄のハンマーでの打撃に相当する威力になるだろう。
 甲殻霊長類はたちまち無数の肉片になった。
 猛は仲間をたすけようと、立ちあがる。

「獅子吼(レオハウル)

 音波兵器か!?
 と思ったら、強力な空気噴射だったようで。
 獅子錨(レオアンカー)と同じく胸部からだしている。
 つまり、本来は獅子錨を射出させるたの機構なのかも。

 不意打ちを受けた覚悟は吹っ飛んで、外に落ちる。
 外に待ちかまえるのは、ガンダムぐらいはありそうな大型甲殻霊長類だ。
 巨大な手で握られて、さすがの覚悟も汗をかく。
 ここで覚悟はモートンヴォルフを呼ぶ。
 すかさず重機関銃を取りだした。

『零式連装機銃「残月」』

「進化にあぶれ淘汰されゆく人間たちの声が」
「俺の胸には聞こえるんだ」


 牙なき者を守るために戦ってきた覚悟は、強い者の側に立つことに違和感があるのだろう。
 車を数秒でスクラップにできそうな大型機関銃で、大型甲殻霊長類を穴だらけにする。
 どんなに肉体を強化した進化でも文明の力には勝てない
 進化の方向性を間違えているような感じだ。

 餓えた甲殻霊長類は仲間の死体にもむらがり喰ってしまう。
 共食いは良くない主義の猛は、甲殻霊長類を止めようと叫ぶ。
 そんな猛は全裸だった。エクゾスカル霹は電池切れで装着が解けてしまったのだ。
 この時点で、覚悟の勝利は確定したと言っていいだろう
 覚悟の粘り勝ちといったところか。

 猛の姿を見て甲殻霊長類が食欲をたぎらせる。
 まるで猛の勝利と帰還を喜んでいた、かつての民衆みたいだ。
 猛は民衆の願いにしたがい、身を投げた。

『愛する者の切なる願いに』
『自己の生命を捧げる』
『その魂の行き先は』
『地獄とは永遠に無縁であろう』


 対象はちがっても、同じ正義を行う者同士だ。
 最後に自らの血肉まで捧げた九十九猛の姿に、覚悟は無言で敬礼をする。

 エクゾスカル同士の戦いに、かろうじて覚悟は勝利した。
 猛がもっと慎重だったら敗北していたかもしれない。
 実に危うい勝利だった。

 そして、地獄はまだはじまったばかりだ。
 守るべき存在のいない世界で、覚悟はなんのために戦うのだろう
 今回、エクゾスカル震電=動地憐は去っていった。
 彼の発言からすると、覚悟は正義を行えない存在になっているらしい。
 やはり、ここからが真の地獄篇がはじまるのだろう。

 前回感想でいただいたコメントがあります。
『戦車の装甲についてなのですが、現行の90式戦車は複合装甲を用いており、均質圧延鋼装甲1500mm程度の防御力を持っているとされています。』
 とのコトです。情報ありがとうございました。

 そうなると、やっぱり獅子錨(レオアンカー)は戦車に通用しないと思われます。
 まあ、別の戦いかたがあるのでエクゾスカルが戦車に負けるとは思いませんが。
 必要以上の火力をつむと重くなって機動性やらに問題が出るだろうし。
 今回登場した零式連装機銃「残月」も戦車装甲を破れなさそうだ。

 どっちにしても、この世界には戦車が動いていないだろう。
 戦車って重い物をムリヤリ動かしているから壊れやすく、整備が大変なのだ。
『パンターのエンジンは平均して2000km(50時間?)の寿命で、1500km(75時間?)以上の耐久能力はなかったという。』
『T-55戦車のエンジンは150時間でオーバーホール、500時間でお払い箱だったそうだ。』
戦車謎解き大百科

 この世界では、エクゾスカルが最強の兵器かもしれない。
 まあ、それ以前に人間がどれだけ生きているのかも不明なんだけど。
 葉隱覚悟は誰がために戦うのか?


2011年7月19日(9号)
地獄編 第九歌

 廃墟と化した都市に目覚めた葉隠覚悟は強化外骨格(エクゾスカル)零と機械化軍用犬モートンヴォルフを供に荒野をゆく。
 九十九猛=エクゾスカル霹を倒したものの、覚悟は次の目標を見つけられずにいる。
 たすけるべき人がいない世界で、救世主はなにをすれば良いのだろう。
 バトル漫画の主人公なんてニートと紙一重だもんな。

 バイク型の機械化軍用犬モートンヴォルフで幾昼夜も道なき荒野をゆく。
 不整地走破性が高いバイクだ。いや、犬だ。いやいや、犬なら不整地もお手の物か。
 水から有害物質を除いて飲料水を作る事もできるし、実に便利な犬ですね。
 でも、コイツの燃料は何なのだろう?
 補給はできるのだろうか?

『零の細胞維持装置が精製する液体は』
『細胞賦活剤「桜」』
『任務遂行中の戦士の非常食だ』


 非常食といいつつ、注射です。
 経口ですらない味気ない栄養補給だ。
 タマゴだけで一週間すごすよりもキツい。
 点滴だけで栄養をとると、消化器官をつかわないので体力が落ちていくと聞いたことがあります。
 覚悟もやつれていきそうだ。

 それでも覚悟は進んでいく。
 生身では生きられない汚染地帯を越えて、黒い雨の中をぬける。
 血涙を流しながら覚悟は同胞を求めてさまよう。
 心身ともに鍛えている覚悟であっても、この孤独はこたえるようだ。
 だが、こんな時にこそ、モートンヴォルフの犬機能で癒しの効果を求めろ!
 硬いからダメですか?

 久々に動くものを見たと思ったら、奇怪な巨大生物だった。
 戦術神風で瞬殺しようとした覚悟は、うなだれる。
 無益な殺生は好むところでなく、人助けがしたいのだ。
 倒すべき敵よりも、たすけるべき人が欲しい。
 島本和彦が『週刊少年「」』(AA)のインタビューで無人島に持っていくものは? と聞かれて「ノート、鉛筆と……読者(笑)。」と答ている。
 やっぱり、人間はパンだけじゃ生きられないんだよ。ジャムを塗りたいとかそういう意味でなく。

 どん底の精神状態になった覚悟は拳銃を抜いて口につっこむ。
 確実な死を得るには脳幹を撃ちぬく必要がある。
 口にくわえて撃つのがイチバン確実だと、映画『リーサル・ウェポン』(AA)で言っていた。
 だからか、正義を行う者たちは銃を口に突っこむ傾向がある。趣味ってワケじゃないんだぞ。

 引き金にかけた指に力をこめようとした時、覚悟は零を呼ぶ声を聞く。
 幻聴かもしれない。
 だが、今の覚悟はそんな怪しげなモノにもすがってしまう。
 こんな覚悟なら振り込め詐欺でもあっさり引っかかってしまうだろうな。
 もっともお金もっていないだろうけど。

 助けを求める声は幻聴なのか?
 つーか、なんで零のことを知っているのだろう。
 今度こそ覚悟は読者……じゃなくて牙なき人を見つけられるのだろうか?
 見つけたのが、北斗の拳に出てくる ならず者みたいのだったら、気まずいだろうなー


2011年8月19日(10号)
地獄編 第十歌

 葉隠覚悟は今日も廃墟の土地を放浪中だ。
 今回のイメージは氷漬けのコーキュートスだろうか。
 夏真っ盛りの8月だから、せめて漫画の中だけでも涼しい感じに。

 いっぽう、ヴァールハイト精神城には神造歩兵「震電」がいた
 エクゾスカルのシリーズは零が強化外骨格で、霹が装甲電獅子だ。
 規格不統一の一品物ばかりなんだろうか。
 コストとかメンテナンスが大変そうだよな。
 活動する時代がちがうから共通部品が使えなくても問題ないのかもしれないけど。

 なお、ヴァールハイト(Wahrheit)はドイツ語で「真実」だ。
 エクゾスカル零の世界はドイツ語が多い。
 ドイツから技術提供を受けているのだろうか?

 精神城とは、どんな城なのだろう。
 やや崩壊している部分もあるので、既存の小さい城を改築して使っていそうだ。
 思いきってヴァールハイト浦安みたいに地名とセットにすれば普通の物件っぽくなって親しみやすいんだけど。
 ティロ・フィナーレ行徳のとなりにあっても違和感なし。

 震電=動地 憐(どうち れん)はシミュレーションでエクゾスカル零と闘っている。
 いきなり震電が右ハイキックを放つ。
 相手の動きをさぐるジャブ的な動きをしない。けっこう豪快な人だな。

 零は蹴りをかいくぐって、震電の背後にまわりこむ。
 そして、裸締め(チョーク)だ。
 これぞ必殺の「零式棺」である。痛みの無いまま、安らかに眠れ!

 だが、震電は両拳を背後にいる零の頭に打ちこむ。
 震電の手にはメリケンサック状の武器がついている。
 この両拳でハサミこむように殴られ、零の頭部がクルミのように割れた。
 震電の圧勝だ。パワーがまるでちがう。

「何度仮想戦闘しても」
「結果は変わりません」

「強化外骨格の戦力では」
「神造歩兵を傷つけることは不可能なのです」

「敵を原子レベルで破壊するまでは」
「怯え続けねばならぬ」
「それが俺の零式防衛術だ」


 震電挺身隊は憐の勝利を保障する。
 だが、憐は覚悟を倒すまで油断しないらしい。
 敵としては非常にやっかいな相手だ。
 九十九猛はヒョウっぽい気まぐれな所が敗北につながった。
 だが、憐に油断はない。覚悟に勝機はあるのだろうか?

 震電グループはシミュレーション装置を動かすだけの技術と組織をもっている。
 食料はどうしているのだろう。
 そして、部下以外の人間は何人いるのか?
 ヴァールハイト精神城の周辺も廃墟だ。
 とても大人数を養えるとは思えない。
 なにか事情がありそうだ。

「我々がこの世界に目覚めたのは人間を守るためではないのだ」

 やっぱり、この世界は正義を行うものに優しくないらしい。
 覚悟は、それでも人間を守るというだろう。
 二人が出会えば戦うのは必然といえる。

「俺は人間を飼い馴らす」
「そうだろうメデューサ」


 燐はメデューサ像に人間飼育を誓う。
 奴隷制度の復活ってコトか? どんな状況なんだろうか。
 なお、メデューサ像の台座にはみょうな管がついている。
 ただの芸術作品ではなく、なんらかの機能をもっているのだろう。

 メデューサといえば、アテナより自分の髪が美しいと言って、アテナの怒りをかい髪を蛇にかえられた女だ。
 アテナは戦いの女神として有名だ。
 あと、聖闘士のボスね。サーシャ様、マジ女神。ちなみにカーチャ様は、マジ女王様。声が同じだけど間違えないように。
 そんな勇ましいアテナだけど、美人コンテストに参加するぐらい美人だったりする。(参考:パリスの審判〜女神たちの美人コンテストと「究極の選択」〜
 ちなみに全裸で参加だ。宗教的なイベントだからエロ目的じゃないぞ。

 話がそれましたが、メデューサは人間の傲慢さと異形への変貌を意味していそうだ
 人類は傲慢ゆえに滅びかけている。
 そして、生き残るために異形の怪物に変化した。
 九十九猛との戦いで、似たような光景があったが、悲劇は繰りかえされるのだろうか。

 その九十九猛だが、原形をとどめている上半身は震電グループが回収していた。
 両腕は喰われ、腹からしたも失っている。でも脳は無事っぽい。
 もしかして、復活の可能性があるのだろうか?

 震電挺身隊「一」「澪」は、無言で猛の遺体を見ていた。
 たぶん女性だ! 美人だ!
 他の挺身隊はハゲばっかりだ。しかし澪には髪がある。
 「一」と言うだけあって、特別な地位にありそうだ。


 そのころ、廃墟を旅する覚悟は不意打ちの銃弾を浴びていた。
 撃ったのは国境警備のロボットだ。ビルなみにデカい。
 強化外骨格を装着していたとはいえ、こんなヤツの銃撃を受けてよく死ななかったな。
 やっぱり肉体の鍛えかたがハンパじゃないのだろう。

 ロボットは無音銃でつづけて攻撃してくる。
 警告も威嚇もなしに無音で銃撃だ。
 かつて在った国の理念が透けてみえる。
 おそろしく残酷で排他的な国だったのだろう。

 無慈悲なロボットが連射する。
 覚悟は機械化軍用犬モーントヴォルフに攻撃を命じた。
 ロボットを攻撃して、モートンヴォルフが単機で勝利する。

 モートンヴォルフ、強ェェッッ!
 なんか覚悟と零が不要になってしまいそうな強さだ。
 震電に負けそうなときは、モートンヴォルフに応援をたのめば勝てるぞ。
 なお、今回の覚悟はとくに活躍しませんでした。

 そんな覚悟を慰めてくれたのは天からふってきた雪だ。
 花に似た可憐な結晶を見て、覚悟は新たな希望を持つ。
 自分以外の誰かも、きっとこの花を見ているだろう。できれば美人がイイ。
 人恋しくお疲れ気味の葉隠覚悟であった。


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