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中国語翻訳者になるための勉強方法

「中国語には文法はない」のか

そんなことはありません。ある人が話したり、書いたりした言葉を、別の人が聞いたり、読んだりして、意味を受け取るためには、その間を橋渡しする「きまり」がなければなりません。それを理解することなくして、言葉の伝達はありえないのです。翻訳とは、ほつれあった糸をそうした「きまり」に従って細心にほどくような作業であって、決して「感性」や「慣れ」だけに頼ってできるものではないのです。もちろん翻訳者はこうしたことをいつも意識的にしているわけではないのですが、必要があれば自分の解釈について合理的な説明ができるくらいの文法力は備えていなければなりませんし、そうした文法力がなければ、必ず行き詰ってしまうのです。
 ですから、翻訳者をめざすなら、文法や語法をまずしっかりみにつけなければなりません。自分の水準に合わせて、何冊かの文法の参考書を買い、何度か繰り返して読みましょう。できれば、例文などもすっかり憶えてしまうとよいと思います。

通信講座などを受講したほうがよいのでしょうか

私自身、翻訳学校に通ったことがないので、翻訳学校についてはわかりませんが、通信講座については、あまり必要がないように思います。
英語の場合は、大手の翻訳会社などがそれなりに資金も人材も投入して教材を作成しているのでしょうが、中国語の場合、受講料に見合うだけの内容となっていないものがあります。特に、「登録後、優秀者には仕事の機会を与えます」などという謳い文句に踊らされずに、内容の充実したものを選んだほうがよいでしょう。どうしてもそういう謳い文句に魅かれるなら、「どういう基準で優秀者を選抜するのか」、「実際にどれくらいの人が受講後に仕事を出してもらっているのか」などを問い合わせてからにしましょう。いずれにしても、実際の仕事に耐えうるだけの実力があれば、受講しようとしまいと登録させるはずですし、他の翻訳会社のトライアルを受けても合格するはずです。

私個人は、通信講座などを受けるよりは、東方書店「中日対照ビジネス文書大全」などを買って、じっくりと自分で勉強したほうが力がつくと思っています。(特に「十、契約書」の項」はお勧めです。実際に仕事をするようになってからも役に立ちます。)

しっかり作文の訓練をしよう

文法事項を一通り勉強したら、次は作文の勉強をしましょう。実際に作文をしてみると、文法事項がどれくらい身についているかがわかります。
私の場合、学生時代に、長谷川寛先生の中国語作文のテキスト(正確な名前が思い出せません。それにもう出版されていないようです。)正・続と輿水優先生の「やさしい中国語の作文」を繰り返して勉強し、その後、例文と練習問題の答えを丸暗記しました。


精読と多読、どちらも大事

多読については、自分で好きなものを読みましょう。最終的には、200〜300ページ位のあまり難解でない小説が3日位で読めるようになるとよいと思います。たくさん読めば自然に語彙も増えますし、だんだんと勘が養われていきます。精読には、上に紹介した「ビジネス文書大全」やいろいろな中国語学習雑誌などにのっている対訳などを利用するのもよいと思います。単語の用法などについて、疑問がある場合は、そのつど面倒がらずに、「漢語八百詞」などでチェックしておきましょう。こうしたことの繰り返しが知らないうちに力となって蓄積されていくのです。文の「かかり」がほぼ完全に読み取れるようになったら、トライアルに挑戦してみるとよいでしょう。

意外な落とし穴…文章記号

かなり実力を付けているのに、文章記号をよく理解していないために、誤訳をする人がいるようです。「、」、「,」、「;」、「:」などの用法の違いを憶えておきましょう(こうした記号をきちんと使い分けない中国人もいますが、原則的な用法は理解しておかなければなりません)。また、中国語の文中で使われている“”や≪ ≫などのカッコ類をそのまま日本語の訳文の中で使用するのも避けたほうがよいと思います。