発表するということ
●著作権を知っていますか?(2002/09/30)

親しい自称着物リメイク作家さんから一通のメールがきてめまいを覚えました。
「菊乃さんの作品をパクリました。それも含めて展覧会に出したので感想ください。」
というモノでした。
で、今は削除されていますが、その展覧会の模様がその人のWebショップに載っていて「菊乃さんの作品をパクッたものです。」というコメントはなし。(さすがに書けないですよね。)
どうやらこれがヒトを馬鹿にした、さらには著作権侵害になる行為にもなるかもしれないことも知らないみたいでした。
その人が自分の展覧会にパクリを公表せず、デザインを含め自分が創ったようにみせてしまったことに平気な感覚にショックを受けました。
本人にさえ言ってしまえば、いいという悪意さえ感じてしまったのですが、そう私が感じたことに逆に驚かれているみたいでした。
そして自分は創作性のない複製屋ですよと宣言してしまったことも。
このようなメールが一人だけではないから驚きです。

もともとWebショップの掲示板に「素敵ですね!パクらせてもらいまーす!」なんて書き込みを他のWebショップの作家さんが何人か書き込んでいるのを何度か目にしたことがあって、その感覚にびっくりしたことが何度かありました。(自分で楽しむモノなら問題はないです。ここらへん詳しくは著作権を調べてみてください。私は著作権の専門家ではないし、まずWebは自分で調べる文化なんですから。)

このサイトで気軽に作品発表できるノウハウを載せてしまったことも、その功罪なのでしょうか?
私はこんな事を書く立場の人間ではないと、すごく思いながら書いていますが、仕事上、一般知識として著作権とか意識しているので、知らないで活動されている方を見るとハラハラしてしまいます。私がそれを助長してしまったのなら尚更。

Webショップの掲示板に他の作家さん(Webショップ)が「素敵ですね!パクらせてもらいまーす!」と書くのが、どこがいけないかわからないヒトもいるでしょう。(これが信じられないことなのだけれど)
専門家でないのあやふやなんですが範囲ですが、少なくとも私は以下のように感じてしまいます。

1.作家さんがパクル(複製する)は著作権侵害をしている可能性があります
2.掲示板のは、ここはパクっても(複製)いいサイトですよ〜と、Webショップの営業妨害になっているのではないでしょうか?
3.他のヒトも読んでいる掲示板で「私はパクリ屋です!」と叫んでいるようなもの。その人の作品のファンは悲しくならないでしょうか?
 (個人使用のものなら問題はないです。)

作家さんが使う「パクル」とか「真似る」とかの言葉に、いい印象ありますか?
私は「パクる」という言葉から、音楽でよくパクリの曲とか紹介されると「才能のないヤツが複製してるよぉ」みたいな馬鹿にされているニュアンスを感じませす。パクリは、コピー&ペーストで、どこにもその人の創作がない言葉に響きます。試しにヤフーで検索してもみましたが、いい意味で使っていません。

今はWebで自分の作品を簡単に大勢のヒトに発表出来るようになりました。で、そもそも作家とはなにか?をパクルことに抵抗のない作家を名乗りたいヒトは考えたことがあるでしょうか?
Webって大手のブランドさんも、個人のWebショップ作家さんもPCでは同じ大きさの画面に映るのですよ。それが面白いところでもあるし、Webで発表することで責任の出てくるところでもあると。だから個人だからいいでしょと思うのは大きな間違いだと思います。大人は注意されることはないでしょ?無知でも責任はとらなきゃならないと思います。

私が作家さんに求めているものは、「その人しか作れない世界観を見せて欲しい」というモノです。
だからパクリ(複製)の作品に興味がないです。だってその作品のもとになっている素敵な作品を見ればいいから。
その人しか創れない世界を見せてくれる作家さんは、本当に応援していきたいです。
展覧会というのは、その作家さんの世界観を発表できるとても大切な場だと思いますし、見に行くのも期待してしまいます。
そこでパクッた作品を飾るのはその会場に足を運んで見るヒトをも馬鹿にしていると思うのです。

洋服とか手芸品とかどうしても基本のカタチがあるので、パクっているのか、自分の作品なのかを判断するのは私を含め難しい部分もあるかと思います。私の作品だってパクってると見られているかもしれない。でも、ひとつひとつ「ここはこういうふうに表現したい」と気持ちを込めている。
そういう風に作っていくうえで自分なりの創意工夫を込めているでしょう?
(余談ですが、伝統的な細工モノを復刻したいとうのは立派なコンセプトを持ったこれまた作家だと思います。それはパクリではなくて「復刻」という創意なのだから。)
例えばある作品を見て、触発されて自分らしさで作った作品は、パクリとは言わず、その人の作品だと思うのです。

実際、その人が作っていた作品は、複製じゃなかったと思います。でも自分の作品を「パクリ」と表現してしまった。これからどんどんいい作品を作っていけるヒトだし、本にも載り始めて社会的責任も出てき始めているから、そのことに今気がついて欲しいです。
だから尚更、自分の作品を「パクッた」とか言ってしまうことに何の疑問も持ってなかったことがすごく残念で悲しい。

ネットは所詮「言葉」です。
相手に伝える「言葉」を、もっとデリケートに考えた方がいいのではないでしょうか?

彼女は私の言葉に理解してくれ謝罪もしてくれました。
でも彼女一人だけではないパクりに抵抗のなかった若手作家さん、そして作家さんになりたい方の為にも、この文章を捧げます。


※私の書いたことが大げさだと思うヒトはtezukuri.comのtopの下にある
「手づくり作品をめぐって弁護士さんとの会話」を参考に読んでみてください。