それは自分探しからはじまったのです・・・
少しずつですが、その理由のあれこれを連載します。

麗しのジャポニスム

●はじめに(2001/10/11)

着物をお洋服にすることの歴史をちょっと調べたくなりました。
実はある着物愛好家の方のHPの掲示板に「着物リメイクをしています。」と書き込みをしたところ、エライ怒られてしまいました。
いわく、着物として着られるモノを(しかも今では着られるモノが少なくなっている昔の着物とか)をなぜ洋服にするのか。つまり着物の着付けという伝統あっての着物だろうという意味だったと思う。

そうだなー、となんだか自分のやっていることが邪道のような気にさせられた、それと同時に「着物を洋服にすること」について歴史的に調べたくなった。

●つまり着物リメイクの原点とは?
私が着物リメイクの原点が、よくありがちなファッションのトレンドには程遠い、いかにも趣味で作りましたという、なんだかなーのチグハグなものだったら、どーしようという危惧もあった。あれはまさに邪道。(うわーここらへんかなり辛口ですが、あのモンペちゃん着物ファッションは私の敵なのです。ってくわしくは「着物ファッションあれこれ」コーナーで書かせてもらっています。)

●それはファッションにおけるジャポニスムを調べること
西洋が日本に魅せられている「ジャポニスム」というモノを調べること。よくファッション用語に「ジャポニスム」とか使われるし、なんとなくわかっている言葉だけれど、もっと輪郭をくっきりと知りたくなった。で、このコーナーではそこのところを展開したいと思います。

●ルイ・ヴィトンとジャポニスム


着物における、西洋のファッションへの影響は、以前ともさんが話してくれたのだけれど、ルイ・ヴィトンのモノグラムの発想は「日本の紋」からきているとのこと。実際ヴィトンのHPにjジャポニスムの影響があるという記入がありました。そう言う目で見てみるとまさに紋。シンプルだけど印象的なのが日本的な要素のひとつみたいだ。

http://www.vuitton.co.jp/va/hpa/paghpa/hp896a.html

そう知ると今どきの女の子達がこぞって街で身に付けているのって、モノグラムはいかにも日本好みとなるのでしょうか?(^ ^)きっと本人達すら知ってないのが、また面白いところです。

●次回、予告
ファッションにくわしい人もこのHPを見ている方も多いでしょう。で、このうっとりするような素敵な本をご存知の方も。
で、言われちゃう前にこのコーナーの種あかしです。着物リメイク・ファン必読?次回はこの本の感想などを予定です。

 「ジャポニスム イン ファッション 海を渡ったキモノ 」平凡社 深井晃子:著

●ジャポニスム・イン・ファッション (2001/10/31)

いやあ、素敵な本でした。「着物が洋服に与えた影響」を研究している人が絶対にいると思っていました。ジャポニスムがファッションにどうかかわっていたのかは、ずっと知りたいテーマでした。それまで、ジャポニスムがファッションになった例というのは、モネやゴッホなどや印象派のモチーフになったことぐらいしか知識がなく、ファッション用語でも「ジャポニスム」と使われていても具体的にどこの部分を指しているのか、(うっすらと着物をさしていることはなんとなくわかっていたけれど)、知りたいなーと思っていました。

表紙を見た時、ピンときたのが、「ガウン」ってひょっとして着物からきているのかな?と思ったのです。そういえば、ただ紐を腰で結ぶ、V字ラインのネックはかなり着物ですよねー。

そんな予感を秘めながら読み進んでいくと、いかに着物が西洋に人たちを熱狂させていったのかが、興味深くえがかれています。

着物リメイクの視点でいえば、長崎の出島時代にすでに着物からドレスを作っていたとのことです。鎖国時代ですよぉ。思わず、歴史の教科書を思い出しました。しかも、当時のジャポニズム・ブーム中、日本人が輸出用に着物地で鹿鳴館に着ていたようなお尻がふっくらとしたドレスを作っていたらしいというから驚きです。今は伝統にしばられていると嘆いている呉服業界がですよ!フットワークの軽いこと!
しかも当時からかなり、オシャレに作られています。それは、今、書店に売られている着物リメイクの本の服があまりに情けなくみえるぐらいに。

着物リメイクは何も昨日今日からはじまったのではなく、ジャポニズムの誕生とともに生まれていたのですね。


パリ万博の西洋と東洋の文化の出会いの箇所はホントにドキドキする場面でした

この本を読んでさらに知りたくなったのは、こうも西洋をジャポニスムとして熱狂させ、私達をも魅了している着物の柄をデザインした人たちのことです。着物として着ることを前提に、地に織りをつけて、染めて、その構成力、想像力に天才デザイナーともいうべき意匠の達人がいたに違いないと思うのです。その人達がどういう過程で職人としての技術を磨き、デザイナーとしてのアイデアをえる方法を体得していったのか。歴史のなかでは、職人という身分では、無名のままになっているのでしょうか?

うーん。今後の好奇心の課題が増えました。


●アール・ヌーボ、アール・デコへとつながって(2001/11/15)

掲示板で、らふさんも書いてくれましたが、着物の柄のモチーフは、さらに西洋のデザインへ、アール・デコ、アール・ヌーボへと影響を見せてくれていたのも、また大きな発見でした。
ちょうど、遺伝子の分子構造のように互いに螺旋を描いて西洋と東洋が影響しあった蜜月の時期だったのでしょう。

また、驚いたのは、モガのあのストンとしたチャールストンなんかの似合うドレスも、着物の影響が見られる資料もあって、あの時代が好きな私には、えー!そうなのという感じでした。


●お菊さん(2001/11/15)

ちょっと、おまけとして、ヨーロッパで典型的日本人女性のイメージ「芸者」。そのなかでヨーロッパで大流行した小説ででてくる有名な芸者さん名前が「お菊さん」!!!
ちょっとした、偶然になんだかうれしい菊乃でした。

●著者「深井晃子」さんとはどんなヒト?(2001/11/15)

ジャポニズムのファッションの視点からみた研究をされているヒトが絶対いるとは思っていましたが、どんなヒトなんだろうと思って調べてみました。着物も伝統としての面だけでなく、こうして世界に影響を与えたという視点で私達に見せてくれるのは、ほんとうは重要なのではないかなと思うのです。案の定、とても素敵な女性でした。

で、「徹子の部屋」に96年出演されていました。
http://www.tv-asahi.co.jp/tetsuko/backno/html/960912.html

ジャポニズムについての公演されていました
http://www.japandesign.ne.jp/KUWASAWAJYUKU/KOUZA/3/FASHION/FUKAI/


服飾研究家の深井晃子さんは、「ジャポニスム・イン・ファッション」など著作があるだけではなく、京都服飾文化研究財団のチーフ・キュレーターとして「モードのジャポニスム展」など素敵な展覧会の企画などもされています。

●行きたかったぁ!モードのジャポニスム展(94年)(2001/11/22)

1994年4月〜6月に京都国立近代美術館で「モードのジャポニスム展」が開催されました。
が、私はその頃は、まだ着物リメイクに目覚めていない時期なので、その展覧会があったことは最近知ったぐらいです。
内容は、ずばり「ジャポニスム・イン・ファッション」の本のなかに出てくる、着物ドレスの展示!!
この展覧会は、かなり大好評だったらしく(もちろん!そうに決まってますが)、1996年4月〜8月にはパリ市立衣装美術館、1996年東京TFTホール(ちなみに徹子の部屋に深井さんが出演したのも96年のこと)、1998年4月〜6月にはロサンジェルス・カウンティ美術館、1998年12月〜1999年2月にはニューヨークのブルックリン美術館と、本当に世界をかけまわった展覧会となったのでした。

↓会場の様子が少しわかります。素敵ですよぉ〜♪
http://www.kci.or.jp/activity/exhi.html


●「モードのジャポニスム展」のカタログGet!
ここからが、ネット時代の便利なところ!
94年の展覧会でもカタログは手に入ります。ネットを通じて入手方法をゲット!京都に住んでいるヒトは、京都国立近代美術館に行けば手に入りますよ。

http://www.momak.go.jp/shop_i.html

さて、中身はというと、もぉ着物のガウンとか素敵ですよぉ。写真が大きく綺麗なので手仕事の素晴らしさ、日本の着物のうっとりと引き込まれる世界。しばし、時を忘れてしまいます。
世界に影響を与えたというのが、見るだけで体感できるのです。
古くは1700年代のヤポンセ・ロッケン(男性用室内着)にはじまり、着物お洋服がまさに世界中で一番最先端に輝いていた1920年代の洋服が掲載されています。

着物リメイクの服の誕生は、そのまま世界のデザインに大影響を与えた(アールヌーボー、アールデコ)ということって、単純にスゴイナーと思ってしまうのです。
もともと1920年代からアートの世界に興味を持ったのですが、西洋のデザインだからいいのだと思っていたのが実は、着物という日本の文化から発信だったなんて、本当に「青い鳥」のようなデザインを巡る話なのでした。


●【番外】GEISHAはガイジンにおまかせ(2003/04/15)

キモノ本を読むのは楽しいけれど、だんだん身体の中にしきたりや、決まりごとが蓄積してしまって、やっぱりアチキには遠い存在、ダメかも・・・と正直うんざりしてくる面もあって、そんな時ふらっと寄ったのが洋書売り場。

←まずこの表紙にガツーン!良いねーポップな感じが
お値段(2000円ぐらい)の割には写真は少ないけれど、充分楽しめました。他にもGEISHA本がありましたよ。日本にはなかなか無いキモノ絵本と言う感じ。まず英語なので、漢字と違い眺めいるだけでは文章の意味がわからないので、キモノ姿をただ眺めていたいだけなのぉ〜という気持ちを充分満たしてくれます。

昔の実際の芸者さんの写真もあり、着付けなど特徴には、半襟たっぷり出すために、上前ははだけているに近い帯ギリギリで合わせてたりします。今売られている着物本には、きちんとし過ぎる着付だったり、ファッションとして着くずしすぎてたりは、さすがに食傷気味な私めには愉快愉快。

洋書を見ていて、なんだか芸者という職業をココまでビジュアル的にくわしく取り上げている本は見たことないなーと。さすが、ガイジンには「JAPAN=ゲイシャ・フジヤマ・ハラキリ」が有名なだけありますね。

ガイジンにゲイシャを決定的に印象づけたのは、日本初のカリスマ女優第一号の貞奴さん。パリ万博でのお披露目からというのは試験にでまっせ〜。(笑)貞奴さんについても、洋書の方が簡単に見つかったりして。ちなみに、貞奴さんの話はかなり昔、松坂慶子主演でNHK大河ドラマでやっていました記憶が。

話しはズレますが、なぜ日本初の女優さんなのかは、有名な話ですが、それまでは女形を含め役者は男だけだったんですね。しかし外国では、その女形文化はないものだから、興行主の音二郎の妻、貞奴さんが成り行きで女優になってしまったという面白さ。

幕末・明治の時代は未知のものに向っていくワクワクしたエネルギーを感じずにはいられません。

もともと明治の洋館とかも好きなのですが、よくよく調べると日本人棟梁作の洋館なんかもあるのですが、それが作られたのは、これからは西洋の時代だと地方の和風建築の大工の棟梁が、西洋の家ってこんな感じだろうと見よう見真似で作った偽洋風建築なのです。なので西洋の家ではありえない引き戸があったりして、すごく面白い。(ここらへんは、藤森照信の建築探偵シリーズにくわしいです。)

時代の転換期に柔軟に対応しているチャレンジ魂の人間の幅の広さ!


また古い写真ですが、これがまた日本の写真の父「上野彦馬」さんがいたからあるようなモノです。この頃の写真に撮られることは「写真に魂を吸い取られる」と言われて敬遠されてたりするのですが、確かに当時のカメラは確か絞りがなく、シャッタースピードが長く(40秒?)、そのため動かないように「首押さえ」という固定する器具まであったくらいなので、撮影が終わったらさぞかし魂を吸い取られたようにぐったりと疲れたことでしょうね。

それを考えるとお座敷遊びのポーズで手を万歳のように上げている写真があるのですが、顔は固まってます。きっと腕はプルプルだったことでしょう。まわりのゲイシャさんも、もちろん顔の表情はカチンコチンです。
てなこと想像しながら昔のキモノ写真は楽しめます。

実は日本でも、その手の写真集があることを知り、現在取り寄せ中。
キモノだけでなく、洋書の日本を取り上げた本には面白い視点があって結構見るの好きです。
キモノ本の穴場、GEISHAはガイジンにおまかせです。

着物リメイクの原点探しの旅