プラタパスについて

 

卵生哺乳類(egg-laying mammal)!?

 

 

 

オーストラリア・シドニーへきて、タロンガ動物園で初めてプラタパス(和名:かものはし)を見たときの驚きといったら! 体長約30センチ程、アヒルのような愛くるしいくちばし、水かきで得意げにスイスイと泳ぐ様子、太くてふわふわ思わずつかみたくなるようなしっぽ、まったく「一目ぼれ」状態でした。その後、本などで彼らの特徴について知ったときの衝撃! なんてったって「哺乳類なのに、卵を生む動物」なんですから!!! 最初はプラタパスに、その姿形からかわいらしさを感じていただけでしたが、この驚くべき「卵生哺乳類」(egg-laying mammal)という特徴を知ってから、寝ても冷めてもプラちゃんのことばかり…

というわけで、日本初公開?! プラタパスの生態について、紹介していきます。プラタパスの魅力が少しでも伝われば、と思っています。

 

 

 

<プラタパスのすみか>

 

プラタパスはオーストラリアの東部海岸沿い、および南オーストラリとタスマニア州に生息しています。川や湖の水際に住んでいて、穴の中で暮らしてます。体長は約40センチ(メス)から55センチ(オス)、体重は小さいメスで約0.7キログラム、大きなオスで約2.1キログラムです。冬の間は穴で冬ごもりすると考えられています。冷たい水中では、32度に体温を保つように体温調節ができます。メスは卵を生み、赤ちゃんはお乳のでるお腹のくぼみで育ちます(乳首はありません)。赤ちゃんには歯がありますが、離乳すると無くなります。オスの鍵爪には、毒があります。

 

   

<プラタパスの卵と赤ちゃん(生後8週間)>

 

 

鳥類のように腸も尿道も卵管も一つの穴に集まっているため、正式には「monotrems;単孔(こう)目」と分類されています。この仲間は他には「echidna(エキドゥナ);和名はりもぐら」がいるだけで、世界でも珍しい卵生哺乳動物です。プラタパスはニューサウスウェールズ州の州動物に指定されていて、20セント硬貨にも登場しています。エキドゥナも5セント硬貨にデザインされています。どちらも保護動物です。

 

 

<硬貨;左:エキドゥナ 右:プラタパス>

 

200年前に初めてプラタパスの毛皮がヨーロッパに渡り紹介されたとき、当時の科学者達はそれを「ニセモノ」だと考えました。(最初、クチバシ部分を外そうと試みたそうです) 長く平べったいクチバシ、茶色の毛におおわれた体、5本のかぎ爪のある水かき… さらに「卵生」だなんて!!!
科学者たちが最後にプラタパスを「本物の動物だ」と認めたとき、彼らはこう言ったそうです。

「Ornithorhynchus anatinus (paradoxus)」(アヒルのようなくちばしの奇妙な動物!)

 

プラタパスは、水中で小動物・子えびやみみずなどを食べます。最近の研究で、水中にもぐるときには目・鼻・耳を閉じてエサをとっていることがわかってきました。水中小動物から発せられる電磁波を、クチバシの特殊な感知機能でキャッチするという方法でエサを採ります。およそ1分間、水中にもぐり続けることができます。水中で採った獲物はまずほお袋に入れて、水面にあがってから両あごでかみくだくようにして食べます。

プラタパスの毛は暖かく水をはじき、色は美しい茶色で下側はクリーム色又は金色です。このため、戦前までは毛皮目的で捕獲されたりしていましたが、現在は保護動物に指定されています。陸上で歩行するときには、水かきを閉じます。前足が前進する機能を持ち、後ろ足で方向などをコント−ルします。しっぽには脂肪分をたくわえています。

 

<水中にて>

 

<陸上にて>

 

 

 


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