アニメXの感想

 全体的な感想を一言で言いますと、
 大満足です。
 皇姉弟以外アウトオブ眼中な私にとっておいしいところいっぱい♪だったということも大きいのですが。
 絵もいいです。朝の刃隠神社なんかオーラが滲み出ているようです。平和な日常風景をも丁寧に書き込むとは。話のテンポもほとんど無駄がありません。ネッ トであれこれ情報を見たところ、監督自らが毎回脚本や作画に関わっているそうです。CLAMPに劣らぬ職人技で絵と話しが動いています。客観的に見ても、 TV放送でこのレベルは奇跡的では?
 CLAMPに思い入れのない人がアニメXを高く評価しているのを見て嬉しくなりました。
 
 第一話 天の竜メンバーを全員、それぞれのバックグラウンドとともに活写しています。一人一人の時間は短いですが、原作を知っている身には個性と環境を よく表現していると思いました。空汰くんと嵐さんの旅立ちは、湿っぽすぎずに思いをしっとり描いてかなりいいです。ひょっとして監督さんは空汰くんお気に 入りでしょうか?彼がお亡くなりになる回の完成度といったら尋常でないレベルです。皇姉弟じゃない人に反応しまくってしまいましたよこの私が!

 はい、お待ちかねの東京陰陽師の人。彼がいる電話ボックス周辺は原作の「START」 の公団を思い出させます。限りなく事務的な電話連絡に愛情いっぱいに語りかけるおばあちゃまが切ないです。電話が切れたときの表情も。

 話題にすでに北都ちゃんが出たのも嬉しい。「7回忌」ですか・・・。電話が切 れた後のおばあちゃまの表情、失った北都ちゃんと、失った昴流くんの優しい笑顔をかみ締めているように見えます。昴流くんが限りなく事務的なのは、「本当 の望み」のためにもっと悲しむことになるであろう祖母に自分を愛してほしくなくてそっけない態度をとっているのでしょう。

 ちなみに、原作知らない人はおばあちゃまのことを「老母親」と書いたりしてます ね・・・。しょうがないですけど・・・・。 
 昴流以後出た人はほとんど見てません。(こればっかりは堂々と言うオレ)
 
 ところで、もう一人第一話で注目した天の竜がいます。

 そう、ほかならぬ埼玉県民代表天 の竜(微妙に違)である猫井譲刃ちゃんです。
 三峰神社の描写はいいです。畳敷きのお社の一室が、適度に今どきな女の子の 部屋になってるのも「神社の子」としてリアルで好感です。アニメXはあちこちの描写で「本物」を感じてとても満足なのです。
 そして、天の竜である前に
14歳の女の子である譲刃ちゃんが真っ先に思ったのが
「東京に行けるんだあ〜!」
というところもまた好感なのですが。
 でも。

 
 
秩父は正丸峠出身の5代前の先祖を持つ埼玉県民として私、どうしても言いたいことがあります。
 
 西武秩父駅からなら特急秩父号に乗れば約
45分で池袋に着きますよ。
 まあ、片道1000円軽くいくでしょうから中学生が一人で思い立って行くわけには行かないでしょうけ ど・・・。
 秩父は正丸峠出身の先祖を持つ身としては、「三峰ってどこの山奥?」と思うであろう全国のみなさまに主張せずにはいられないのでありました。
 いや、山奥って好き ですけど!私はささやかに狭山丘陵育ち。トトロの森2号のふもとが住処さ!(本当)


 さて私の基本である皇姉弟ですが、二人ともトリをしめるに等しい活躍ぶりで大満足で す。 
 昴流くんたら神威役の声優さんに「昴流はいい役だな〜」とか言われてます!気がついたら
10年来のファンとしては、昴流くんが天才少年(神威)に兜を脱がれたことが素直に嬉しいで す。
 特に北都ちゃんの扱いがX原作を上回っています。北都ちゃんいなかったら昴流のおいしい役どころも不可能で(地の竜の神威の太鼓判つきですぜ!)したし トリを飾ったも同然です!最後の最後で小鳥ちゃんの声のみ出演で締めを取られちゃいましたが、小鳥ちゃんは本職ヒロインですからしょうがあるまい。
(何様自分)
 
「生と死と選択」それが「運命」?
 それにしても、アニメXという物語を動かしていたのは二人の死せる少女でした。
 言うまでもなく小鳥ちゃんと北都ちゃんですが、両者に共通しているのは、愛する人が生きることを願って、その選択の付随として起こる己の死を自らの意志 により受け入れたこと。
 だから死後に現れる彼女たちのイメージは、悩める生者たちをはるかに凌駕する光にあふれ、生者よりずぅーーーーっと前向きです。しっかりしろよ男の子た ち!
 物語り終了後、死後の世界で星ちゃんは北都ちゃんにどつかれ放題されて小鳥ちゃんに心配してもらってそうです。そして後から加わった神威は星史郎好き じゃないから傍観。でも北都ちゃんが次に矛先というか、関心を向けるのは神威ちゃん?神威ちゃんは「昴流のお姉さん」には無条件降伏しそうだなー。北都 ちゃんは神威ちゃんにはあれこれ世話焼きそう。そして神威ちゃんは北都ちゃんにネクタイ結んでもらってはっとするの!
 
 死後の世界の方がずぅーーーーーーーーっと楽しそうです。
 でも彼女たちは「生きること」こそに価値を置きながらも、自分がそれを享受することは「諦めた」んですよね。自分が享受することを放棄してまでも愛する 誰かが生きることを願った。
 それは彼女たちの愛の行為だった。かれんさんがつぶやく聖書の言葉「地にまかれる麦」という行為。
 愛が彼女たちを輝かせる。でもやはり死は死で。死の悲痛を負うのは、これまた生者だったりする。彼女の死を過去のものにすることを決して自分に許さな い、愛された弟。昴流。そしてその彼を救おうとするのは、やはり、死してなお愛し続けることで光を失わない姉。
「私も星ちゃんも、あなたの心の中にいるんだよ」
 北都ちゃんは昴流にそう語り掛けました。そしてその言葉を、昴流に導かれる存在だった神威は物語のキーワードとして口にします。そして彼もまた受け入れ るのです。愛する者を生かすために付随して起こる己の死を。

()これが俺が選んだ未来だ」
 そして神威が張る最初で最後の結界。

 そして世界は守られました。
 死を受け入れる、ということがアニメXのテーマのひとつなのかもしれません。
 
最終回の直前回では空汰と嵐の愛し合う両者が「相手を生かすために自分はどうなってもいい」という行動を互いにぶつけ合います。「愛する女のために命を落 とす」と幼いころに予言された空汰。その予言を覆すために、空汰を死なせないために天の竜を裏切った嵐。
 しかし予言は成就されました。空汰は嵐に対して振り上げられた封真の神剣に貫かれながらも最後の力で彼を退け、嵐の腕の中で死んでいきます。そして死の 間際に空汰は「死の予言」を肯定する言葉を口にします。
「やったぜ、じっちゃん。じっちゃんの言うたとおりに、神威を守って、ほれた女を守って・・・」
 死の予言を受け入れていた彼にとって、予言された死は自己実現となるまで昇華されていたようです。
「じっちゃん」の言うことだから空汰は死の予言を受け入れることができたのでしょう。死の予言は師の教えでもあった。
 自分が予言した空汰の死を悟り、愛し育てた彼の死に涙を見せずにただ一言「空汰」と口にする「じっちゃん」こと星見の僧。この二人の絆の描かれ方もすご く好きでした。空汰の命を暗示する星が流れた後、死の予言への覚悟を語る幼い空汰と、天の竜としての堂々たる姿で
23話「天地 EARTH」は締 められます。
 この死は、いや空汰のみならずアニメXで死んでいった彼らの死はまさしく彼らの生の延長でした。
 生きる意味と死ぬ意味の同価性。空汰は幼くして死の予言を最も信頼と尊敬を向ける相手から受けた為、これを最も高い純度で表現する人間になった・・・?


・・・空汰、いい男です! 

 今まで気がつかなかった私を許してください!という かあなたは@年前から嵐さん以外はアウトオブ眼中ですね。だから私も許されますね。(どういう理屈 じゃ)
 
 しかし死後の北都ちゃんが昴流に会えて話せるなんてご都合主義(昴流くんはまたもや引きこもりで無反応ですが^^;)、原作では絶対許さないでしょう な・・・。本編ではないとわかっているからサービスとして素直に嬉しいです。


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