
2003年
12月
<31日>
帰るはずの子の晦日蕎麦余しけり 百花
傘ささず三度往復大晦日 東天
冬靄を里の郵便配達車 一輝
前書きも後書きもなき師走かな 一輝
大根洗う母に似ていし手の形 一輝
数へ日の爪切るまるくなりながら 園生
<30日>
くたびれて夜の雲見る小晦日 百花
生き生きと逝きし大正朴念仁 美代子
<29日>
凍星へひと思ふ眼の定まらず 百花
<28日>
旅立ちの兵は静かに息白し 一輝
極月の雑木林に火の匂ひ 眞理子
<27日>
何を隠そうか暗夜の雪野原 一輝
初雪や疾風怒濤悉皆空 等
初雪の土黒々とありにけり 百花
白足袋に附く生と死と冬の虹 美代子
梟の鳴くは秘密のあるところ 一輝
<26日>
跪き台の昔や足袋白し 百花
クリスマス終われば二日酔いの朝 一輝
<25日>
点滴の針の探れる真冬の血 百花
冬薔薇や背中を青き血が走り 一輝
<24日>
スルメの足噛めば噛むほど門徒宗 等
酸素マスクと毛布の着用救急車 百花
親元にいてクリスマス・イヴである 一輝
<23日>
預言者の十歩啼きたり梟は 等
明日からの生もまぼろし寒椿 一輝
白菜の外葉の畑へ残さるる 百花
白菜を割けば真昼が綻びる 美代子
<22日>
白菜に隠されているはずの恋 一輝
白菜のうす暗き世へ囲はれぬ 百花
きざまれた白菜すらも元どおり 東天
<21日>
生首のごとく白菜転げおり 一輝
白菜を攻め立てている第九かな 美代子
まふたつの白菜元にもどりをり 東天
<20日>
抜けているおでんの足を探しをり 百花
珈琲のすこし苦くて庭枯るる 一輝
<19日>
想像が二つに割れし隣り人 等
<18日>
勾玉の根付けを仕舞ふ夕時雨 百花
川原にて春風受けるとなりびと 東天
日向ぼこしており我は無一物 一輝
<17日>
歯磨きの順の昔や山眠る 百花
外(と)つ国の細き銃声冬籠 一輝
口中になにものかある冬至粥 秀彦
<16日>
ひとつづつ菜の括られて霜の畑 百花
波風の立てば天皇誕生日 一輝
雪晴の眩しき町の客となる 美代子
のせてゆく冬の華やぎ最終バス 東天
<15日>
冬の旅古きものみなゆらめけり 一輝
<11日>
皇紀二千六百六十年を農学校 百花
<10日>
C席に鶴の羽音のする喜劇 等
冬あたたかひとのことなど忘れゐて 百花
冬満月公民館ははにかむもの 等
<9日>
ユトリロの冬木立へと旅立ちぬ 一輝
<8日>
石庭の筋目や耳朶痒くなる 等
<6日>
ウシ目のジラフの角の雌雄冷 百花
木枯や人も糞する鳥も糞する 等
下葉欠くポインセチアや褪せやすき 百花
<5日>
団栗を蹴り失ひし一年や 美代子
柿落葉わがふるさとに汎神論 眞理子
大根煮の醤油で止む宗旨かな 等
<3日>
大神へ大マスクして献茶かな 百花
<2日>
一葉忌透き通るまで菊を煮る 美代子
小春日の遅き昼餉や子の試験 百花
<1日>
萬福寺に足穂の褌乾いており 等
漆喰のちいさな寺や冬夕焼け 百花
12月
11月
<29日>
モノクロの三鬼懐手の渚 秀彦
<28日>
鍵さすと心にせつな冴ゆる音 一輝
<27日>
さくら木の枯れ極まりて小鳥の座 美代子
観音の十一次元や冬に入る 百花
<26日>
木枯の十一面に虫の穴 等
冬木の実踏んで観音降りてゆく 宙虫
<25日>
つめたさや左右の耳へ左右の掌 百花
<24日>
黒牛の巨体例えば霧襖 彩
真人間の莫迦の念力烏瓜 彩
<22日>
温めては痛む臓腑や原霧子 百花
病院の屋根に十字架雪催い 一輝
<21日>
ポルトガルふうせんとうわたの青残る 彩
ボリュームをしぼる義太夫虎落笛 秀彦
秋の夜やバッハ子のこゑ聞き分けて 百花
雨粒が軒を走れるブラームス 美代子
脇腹に穴ありそうな時雨かな 一輝
<20日>
冬銀河をんなの血もて続くもの 百花
乳呑児の見えざるものを見て微笑ふ 美代子
霊柩車過ぐ冬晴の鉄工所 一輝
<19日>
凩や煙草折りゆく指の腹 秀彦
二階から下りぬ闇かは修司おわす 等
二分半後の沈黙冬茜 百花
なにものの立ちて窺ふ冬日かな 秀彦
涅槃まで三分眠り冬の虹 一輝
屍をあまた越えゆく聖夜あり 一輝
<17日>
冬日差すまでの間のある窓ひとつ 百花
<15日>
木枯に目覚めては寝る字(あざ)ふるさと 美代子
戸袋に神道挟まれており木枯 等
<13日>
初冬や階段閉づる戸のすきま 百花
雪起しごつりと語尾の闇の中 秀彦
<11日>
咲き上る紅葉も柿の梢ちかく 百花
灯の内に匂い有りけり夕時雨 麻子
<9日>
冬の雨フードに重ね傘低く 百花
<8日>
恋愛映画のあとの洗顔冬はじめ 宙虫
<7日>
柿落葉いちまいづつの星の色 百花
魔法ビンと寝癖のやうな烏瓜 美代子
11月
10月
<30日>
秋深し数学の解怪にして 百花
夕日に立つ捨て自転車の沽券かな 美代子
<29日>
一ページコピー飛んでる夜寒かな 百花
言い切ればなほおそろしき秋の蝶 秀彦
<26日>
受けてゐる指へ挟まり黒い種 百花
<25日>
針葉樹林砲撃音が抜ける秋 宙虫
秋寒し総ての塵の吹かれては 百花
<24日>
白菊にまたも吃りて昭和なる 等
<22日>
聖堂の無音や銀杏散り初むる 百花
紅葉寺深き祈りの人と逢ふ 美代子
<21日>
本丸のなかの深井戸天高し 百花
てのひらの罪を逃れし雪蛍 秀彦
<18日>
蛍追う一歩一歩を地につけて 水脈
何時知れず与え与えて求める手 水脈
口ひらき溢れる音に安らぎが 水脈
言葉出ずぽつんと浮かぶ「ありがとう」 水脈
賢治忌や街灯川をきらめかせ 百花
<17日>
残る蚊のやたらと家の裂けにけり 天気
<16日>
神経ヲ流ルル芒死後ノ夢 一輝
捨身シテ塩ノ柱ヤ鬼城ノ忌 一輝
電網ヲ急ゲヤ急ゲ病蛍 一輝
哀れ蚊へ少し吸はせて叩きけり 百花
<15日>
猫のぞく百花の扉貴船菊 猫髭
春は先ず不意打ちに聞く丁子かな 猫髭
階段は裾摘み上げ菊日和 百花
<14日>
見る聞くは香ることなり菊日和 二健
<10日>
ほどほどのほどの完璧十三夜 百花
出来立ての栗名月のホームベージ 二健
<8日>
十三夜耳無山はお元気か 等
秋雨やトタンの屋根の色変はり 百花
鯖雲のいまが見ごろの国立公園 宙虫
<7日>
棺桶と修道服の夜寒かな 百花
色落ちのそぞろに寒きものの嵩 百花
なんでらろうと赤いトレパン秋の声 南山
哭くことに理由などなし秋桜 美代子
<3日>
桔梗やクルスでつつむ遺骨箱 百花
来年は百万一本の曼珠沙華 南山
<2日>
秋光や鬼門へ向きし厨窓 百花
10月
9月
<30日>
部屋の灯を落としてからの鶏頭 宙虫
<24日>
秋霖の常盤木蒼き莟もつ 百花
<23日>
霽れてのち霊は上がりぬ曼珠沙華 牙城
<22日>
蚯蚓鳴く形見の二胡を出す度に 百花
<21日>
長月の雨に召されて逝きにけり 二健
<20日>
掌に葡萄の房を載せていん今宵涙の零るるかろも 迷子
曼珠沙華黙すまつすぐ川流れ みよこ
慈しみ残して大きい糸瓜の忌 麻子
父の見た尾根咲きそろわない芙蓉 宙虫
<19日>
獺祭忌梯が空気傾ぎゆく 振り子
目の前に大き糸瓜のひとつあり 園生
獺祭忌さしみの残り晩に食い 等
会心の死に顔つくる天高し 百花
テーブルに塩と黙ある子規忌かな 秀彦
<18日>
死んだらそなへてねといひつつ食むぶだう 百花
<17日>
街は秋人垣越しに聞く蹄 宙虫
<16日>
秋の山親の背見つつ呼吸す 百花
猫塚にペットボトルや露の玉 きっこ
<15日>
秋風の三点セットに鼻の穴 等
柄が好きでバッグの底の秋扇 百花
鼻の穴広げて簾名残かな きっこ
喜雨のなか人目を避けて泣くことも 百花
赤とんぼ全速力で止まりたる 等
夜の雨や朝シャン子供を真似てして 百花
流星の生まるる里や濃竜胆 等
コスモスの百の花芯の宇宙かな きっこ
<14日>
古池も飛び込む昼の曼珠沙華 振り子
コスモスに寝て夜空見る野分あと 百花
<13日>
コスモスをおんなばかりで束にする 宙虫
<12日>
グラウンド・ゼロてふ残る暑さかな 百花
<11日>
水槽のくぐもる二百二十日かな きっこ
阿蘇山の裾野隈なき月夜かな 園生
<10日>
秋麗や牛の背毎の名前読み 百花
<8日>
寄り添ひて秋草窪に濃く淡く みよこ
<6日>
蜘蛛の囲にかかる朝日と翅と君 百花
カルデラに沈むものあり葛なだれ 宙虫
<5日>
夜なべして言の葉綴るは仕合わせや? 娘1
<4日>
スイングのリズム木犀の香を呼べり みよこ
<3日>
幻やいつも左の肩あたり 百花
遠山に蔦を見に行く男かな 等
遠山の秋の夕べや鳥の群 百花
古池を蛙見ている三句体 等
<2日>
藁積んで二頭の個室馬肥ゆる 百花
秋ひでりギイと踏み出す土不踏 みよこ
<1日>
夕立に女ことばの厠かな 等
9月
8月
<31日>
閉じこもる車にテレビ夕立かな 百花
馬追がまつすぐに鳴く厠かな みよこ
寝太郎の三年のちの足袋黒々 等
<30日>
秋光や病棟の窓閉ぢられて 百花
あれが火星か病むときは病むしかないか みよこ
<29日>
一秒の蘇生を鴫が埋め尽くす 天気
この星の水はめぐりて秋の雲 南山
<28日>
小芋ひとくち末期の水はまだ飲まず 百花
流星や80年の途中下車 南山
蛇口から永久を引き出し芋洗ふ みよこ
<27日>
蛇口より百年前の雨を飲む 百花
久遠なるこの秋風は蛇口から みよこ
ミントガム噛んで届かぬ秋の雲 宙虫
<26日>
ありの実のでことふくらむ茎のそば 百花
晩夏かな雑巾しぼりしまま乾く みよこ
<25日>
風いれて残暑の籠の鳥とゐる 百花
ひとづまよ灯火親しく籠の鳥 みよこ
<24日>
秋の夜のとなりが先に灯を消しぬ 百花
半身を研ぎて待つらむ湖の月 秀彦
<23日>
なめくじに縫い目探して熟年期 等
秋蝶の音階で来る熟年期 みよこ
蜩やゆふべの風を部屋へ入れ 百花
百花のカももんがのガ蚊の蛾の我 等
<22日>
川蜻蛉群れる渓流足を置き 宙虫
<21日>
地域通貨の企画会議にいぼむしり 南山
父祖の地に立ち透明な傘ひらく みよこ
黒鍵の黴そのままに送盆 百花
<20日>
鍵盤に指を躍らせ初秋かな みよこ
<18日>
ゆるゆると盆路行くか東京発 百花
東京の扉に入るそぞろ寒 麻子
<16日>
上向き下向き向日葵の混み合ふて 百花
向日葵にそっぽ向かれて朝の粥 みよこ
向日葵の溺れておりぬ古本屋 等
冷ややかや見取りのひとの夜の寝息 百花
<14日>
眼の澄みし婆つぱから買ふ梨三個 みよこ
瑠璃蜥蜴に歩き廻らる亡母の家 等
<13日>
秋暑し顔不揃ひに立つ紙幣 百花
ゴキブリに押されている阿呆の目 等
秋の夜のまだおきてゐる痴呆の目 百花
<11日>
義手の画家とらえた阿蘇は秋へゆく 宙虫
颱風の筋書き厠で書いており 等
秋暑し三次会にて言へること 百花
<10日>
台風の途中遊ぶや揚羽蝶 等
朝雀台風去りし話から 百花
<9日>
猫の尾の飛んで八分歩いてシオン 等
今朝秋のソファーへ猫のゆたかな尾 百花
旧約や黒猫蛇口を舐めており 等
<8日>
黒猫とユダ後ろ向き木下闇 百花
帚木が完璧に見えサイゼリア 等
立秋や葉揺れに見入る朝の窓 百花
台風過ぐおんぼろ雲に茜さす みよこ
とうさんは詩人ほら蟹が走るよ 天気
釣り銭を山のあなたにため込んで 等
<7日>
雷来よと詩人の臍を舐めてゐる 秀彦
詩人にて左手へ受ける青林檎 百花
詩人なり古釘ばかりの領土なり 等
<6日>
新涼や詩人になれる椅子探せ みよこ
<5日>
夕立や北の空から掻き曇り 百花
日めくりを余分にめくろうかなかなかな みよこ
太陽と暦がずれて「お暑さです」 麻子
<4日>
人のくちひらきなほりし暑さかな 百花
蛍翔つとき明滅をはげしくす みよこ
<3日>
川上へもどる蛍のじぐざぐと 百花
真夏日が首絞めに来て「暑いね」と言ふ 園生
<2日>
足袋替へて踊り明かせる輪に戻る みよこ
<1日>
焦げ跡の渦失せにけり蚊遣香 百花
大日本防虫菊株式会社こけこっこお 等
蚊遣火の燃え尽きるまで燃えんとす みよこ
蚊遣火の赤く残れるひとところ 百花
8月
6月
<30日>
軍用機の長き機音や半夏生 百花
<29日>
少しだけ重い夕凪米を研ぐ 宙虫
<28日>
桃買ひに洗ひざらしの街へ出る みよこ
<26日>
にきびかと問へばあせもといらへあり 百花
<21日>
夏痩せてはたち三十路はうつくしき 百花
<20日>
ゆりかもめ運河はひそとなくところ みよこ
水母湧く運河のつたりのつたりと きっこ
<19日>
粥満たす砂の器や負の女 みよこ
<18日>
天気図の風死すかたちあすの服 百花
片蔭やわが身の洞もしづまりて 秀彦
<17日>
紫陽花や美白のための天然水 百花
夏山を撫でれば歩く杉檜 等
吹かれ行く死に場所のない空蝉か みよこ
こめかみに生きる刻印四方の蝉 秀彦
<16日>
天金の小さな句集カニ走る 等
薔薇の香を召しませお茶に二三片 みよこ
竹婦人召しませ本に栞して 百花
梅雨深しUVカット乳液減らぬ みよこ
<15日>
空梅雨やUVカットの柄の長き 百花
久々の電話のくせに態度がでかい それは私・娘1
好きだけど、みんなの所在と近況知らぬ それも私・娘1
中七で蝿打ち殺す鷹女かな 等
宵の雨荷ほどくなかの竹婦人 百花
気まぐれに出ていく南風吹きをれば 園生
<14日>
ががんぼは想像妊娠して飛びぬ 等
蠅を追ふ賑やかに追ふ熟女かな みよこ
梅雨晴れ間ひとの引越し見てをりぬ 百花
梅雨寒の蝋人形館にて屁が一つ 等
自画像にヘソを描き足す梅雨曇 等
引越しの荷を積み上げて梅雨晴れ間 百花
<13日>
夏空にむせて道連れなくしおり 宙虫
ハマナスや愛されずして沖遠く AQ@削除
夏の水とはウダッサイみづのこと AQ@削除
羅をゆるやかに著てハシタナシ AQ@削除
亀の子の無い物ねだり空を飛ぶ 痾窮@アーカイブスへ
<12日>
はまなすや砂の女は孤好き みよこ
<11日>
砂の手で砂を掴みし日の盛り 等
<10日>
駆付けのビール中りといふべきや 百花
<9日>
木下闇とびつく吾子をしかと受く みよこ
母老いるばかりの絵筆柚子の花 みよこ
入梅や浮き葉の旅のはじまれり みよこ
<7日>
梅雨の雷機械のなかの機械鳴く 百花
嵐が来るぞと棒立ちの花十薬 みよこ
史跡掘る友六月の花嫁に 迷子
花南天あぐらに具合いい史跡 宙虫
<6日>
アルバイト決まる芒種の末子かな 百花
まぶしかり半醒の柿の花の白 みよこ
夏服や女子高生の背の眩し 迷子
<5日>
中天や月見ず月の星ひとつ 百花
曇天の田植え寡黙な尻ふたつ みよこ
朝曇土鳩鳴くより日の差しぬ 百花
不良になろうか土竜の尻見えて 等
<4日>
悪友ら網戸の穴を出入りして 園生
干梅のざるへ小分けの日差しかな 百花
本気だと云ひ大蜘蛛が歩み寄る みよこ
<3日>
喰はれてののちの手立ての網戸かな 百花
どくだみの天狗の立つ瀬ほかならず 二健
6月
抜けてしまいました。申し訳ありません。
5月
<10日>
朝の窓柿の若葉の迫り来る 百花
野狐駆け去る昼行灯の山本家 等
静けさや立夏の夜の雲流れ 百花
<9日>
中年の独(どく)しばらくは白タイル 振り子
青野抜けまぶしい傷をもつ少年 宙虫
<8日>
驟雨なか目覚めて見入る雲の色 百花
かたかごの花うつむいてゐる矜持 南山
<5日>
かたかごの花より雄蘂濃かりけり 百花
胃が痛む頭抱えて胃が痛む 等
胃の痛み復活祭の日のあとの 一輝
かげろうの音がけだるい入植碑 宙虫
<4日>
靴擦れの踵のミュール夏初 百花
ゆく春のミュールの踵ぱたぱたと きっこ
<3日>
五月富士膝に日のある展望台 百花
<2日>
ニュートンの鼻くそ三年句十年 等
男衆が鼻くそ穿り風は死す 影童子
5月
4月
<29日>
若芝や子犬弛めの首輪して 百花
すずらんのほころんだ嘘またついて 宙虫
<27日>
春の夜の静けさにゐてひとおもふ 百花
<26日>
湖面たたけば藤棚こわしくるアメリカ 宙虫
折り鶴を開きゆく爪花時雨 秀彦
<25日>
ほほに付く髪黒々と花篝 百花
四月尽変らぬ頬の髭を剃る 秀彦
<24日>
乗換の列変へてみる四月尽 百花
さらさらと新たなページ四月尽 麻子
<22日>
春鰯さらさらの血の共白髪 百花
はこべらや食むための人配られる 振り子
釈迦牟尼の臍の温さの餅配 等
春陰や山より下りる釈迦の杖 百花
<21日>
桜蘂つめたき魚をまな板に 園生
散り散りに桜蘂降るころの子ら 百花
関節へ春夕焼けは散らばりぬ 振り子
春菊の茎の手応へ我関せず michiko
<18日>
お父さんの最後の転勤野春菊 百花
食進み職の後退お父さん 二健
春暑し早起きにして食進み 百花
月山にのらぼろ朧とどきけり 振り子
<16日>
山吹や裏口に傘忘れられ 百花
一年生の下校実習著莪の花 南山
水温む休み時間の一輪車 〃
春服やドッジボールの転ぶ影 〃
繚乱の姥桜まで駈けあがる 二健
春の雲三階建の裏に住み 百花
<15日>
春寒や箒いつでも怒り肩 園生
細くつよき仮名の臨書を春の夜 百花
百円ショップの品数の増え春眠し 南山
鉄橋や春のきしみが耳慣れて 宙虫
<14日>
夜桜や天蓋として空ひとつ 百花
温泉の黒いお湯なり花疲れ 二健
<13日>
たるむものたるませ春の風のなか 百花
固まって気絶中なり桜草 等
<11日>
桜草朝の散歩の犬が嗅ぐ 百花
春風や縄跳びジャンケンのあいこ 南山
あさり売るショッピングモールに空があり 宙虫
柿芽吹く私服に戻る吾子の顔 百花
<10日>
桜蘂たまつてゐたる馬穴かな きっこ
葉桜のどうも頭の悪きかな 等
葉桜やヘモグロビンは海へ帰る 振り子
<9日>
花の夜はアンドロイドの泪かな 園生
紫の走る車窓や花大根 南山
蚕豆の癒しカーブに坐りたし 〃
春光やみんな笑顔に見ゆる朝 〃
山桜死者の時間のうすみどり 〃
ふらここを降り立つ一瞬の真顔 〃
<8日>
うすうすと目の覚めてくる春の宵 百花
ドイツ車の剥げた塗装や山桜 南山
廃屋に主の気配桜咲く 〃
花吹雪犬の肉球と爪と 〃
頓挫した斜面開発花白し 〃
花の雲人は死んだら山に往ぬ 〃
すっぴんの好きな血筋や夕桜 〃
花の塵こんなところに金次郎 〃
< 7日>
花屑となるひとひらを皿の上 百花
スカートの丈が長くて花日和 二健
< 2日>
春の夜の雨の気配に身を入るる 百花
< 1日>
くだるしかない坂阿蘇の野を焼いて 宙虫
陰翳のなきも孤高か諸葛菜 南山
4月
3月
<31日>
花見酒だけど悲しいいろやねん 園生
夜桜や信号ひとつやり過ごし 百花
左手にあふるるばかり蝶生まる 紫野
他誌の名は憚れ河馬は花の下 二健
麗らかや新聞のまづ漫画から 百花
<30日>
TOKYOが故郷だから鳥雲に 園生
うすずみの樹の内に焚く紅頭巾 振り子
赤子容るるほどの擂鉢つばくらめ 百花
<29日>
賛美歌や軒を駈けゆく蒼き馬 等
<28日>
風光る特急列車の二重窓 百花
猫の子は心を読めば嬉しがり 影童子
<27日>
古都の春笑顔のリレーする車輌 南山
<23日>
ひととせを背中合はせにをさめ雛 百花
<19日>
入り彼岸地蔵の由緒忘らるる 百花
花粉マスク防毒マスクに変はりけり きっこ
<18日>
戦争はやめてください種案山子 百花
大相撲疑心暗鬼を電車道 影童子
<17日>
海風やミモザをこぼす日の照りに 百花
<16日>
草餅のあざやかにあり遠戦(とおいくさ) 秀彦
<15日>
愛憎を離れて春の傘の中 一輝
鳥曇めがねはずすか瞑るか 百花
<14日>
卒業子杉の花粉をまとひ来し きっこ
<13日>
風光るモスの日だからくれる種 百花
沈丁や神楽坂には夫を置き 未知子
啓蟄を昨日に俳を語りゐき 牙城
鳥帰るみな戰爭へ行きしのち 牙城
蟻穴を出て置く土の湿りかな 百花
三代目の作の取っ手がねじれ春の水 宙虫
<10日>
わたくしのいなくなる朝鳥曇 一輝
杉玉の錆をかさねる雪解風 由紀
春泥のわだちきわだち中仙道 二健
春の夜や愛語ひとつをくりかへし 百花
< 9日>
句座果ててささめく闇の雪解かな 秀彦
良く食べて良く寝て春の土を踏む きっこ
杉玉の色変はりたる芽吹きかな 百花
< 8日>
木の芽雨家系のところどころに狂者 等
< 7日>
カーテンにまろき雨音花を待つ きっこ
木の芽時雨垂れの音とぎれがち 百花
< 6日>
法という暴力もあり復活祭 一輝
春昼のしつぽが生えてくる予感 きっこ
春炬燵のんどの渇く処方にて 百花
池普請子供いつから影の中 一輝
< 5日>
老梅や頭骸に閉じ篭る自由 一輝
打掛の刺繍の銀糸夜の梅 百花
優しさを閉じ込む人の金瘡小草 影童子
< 4日>
上向けば春の空ある春の道 きっこ
春疾風黄不動の索ゆれてをり 百花
三寒と四温の間に未来かな 影童子
< 3日>
野ざらしの木乃伊に花の咲くもあり 影童子
猟銃や類句類想狂いそう 断臂
< 2日>
雛壇に鳩の爆弾隠し居り 影童子
東風ふいて母なる海の匂ひかな 百花
獣道に桃の蕾の落ちて居り 影童子
紛らして狙ふ獲物も蜃気楼 影童子
赤ちやんの眠れば重たくなる朧 きっこ
元にもどす推敲の句や春愁ひ 百花
古傷や胸の辺りを風の蝶 百花
ゆっくりとS字カーブを春愁い 一輝
< 1日>
つっかけや朝日のなかの桜草 百花
雲もなく青き風さへ暖かき 影童子
3月
2月
<28日>
すゐーとぴー言はずに秘めること少し 百花
動脈と静脈光り合う雪間 一輝
<27日>
春風に白髪の下の黒き髪 百花
春水に浮くランジェリーネットかな きっこ
往く春の冴え返りたり少しだけ 影童子
<26日>
残月の淡き火の色春の空 麻子
蛇穴を出づお試しのコースあり 麻子
蛇苺の花と天地と愛し合ひ 影童子
<24日>
裏道や片目の猫の冴え返る 一輝
目覚めては雨垂れの音春の風邪 百花
<23日>
活き活きと生死二法に水中花 影童子
水中花読み手の儘に任し居り 影童子
鳥の巣を見上げてセブンスターをふう きっこ
靴軽く歩む暗渠の春を聞き 秀彦
方円にそひ春の水いきいきと 痾窮
方円にそひつやつやと春の水 痾窮
<22日>
息吸って急にねむたい春の暮 天気
地に人にリズムを紡ぐ春の雨 影童子
<21日>
春の夜のうがひおろろろあろおろろ 百花
春昼を猫の恩返しと思う 一輝
<20日>
火花散るパンタグラフや春の雪 きっこ
春雨の触れたき肩をそのままに 百花
春荒を押し返し舞ふ鴉かな 影童子
顔写真付きで堂々茶雉啼き 影童子
<19日>
春夕焼学童保育の子等帰る 百花
<18日>
本命と義理二本立て藪椿 百花
中ほどの莟こぼれて桃の枝 百花
春炬燵麻雀卓となりにけり きっこ
<17日>
義理チョコと本命の間春霞 百花
風花に沈む地球や巡礼者 一輝
枯園の大罪人や日は真白 一輝
<15日>
中華丼をすくって夜逃げの案内書 宙虫
春日や遠きへ帰る塵芥車 天気
<14日>
バレンタインの日の朝出しのゴミ袋 百花
梅ヶ丘駅北口に梅の地図 天気
<13日>
東京都緑地指定区梅ひらく 百花
<12日>
じゃんけんのまづはあいこでヒヤシンス 天気
ヒヤシンスマッスほぐるる日和かな 百花
< 8日>
春昼や歯の無い母のレアチーズ 百花
< 5日>
弁当をひらけば雨がくる立春 宙虫
風光り百花を天の愛でるかな 影童子
< 3日>
鬼やらひ闇は光を鏤めぬ 百花
節分や無職の友の家無くし 影童子
< 1日>
待春のたそがれあすのありにけり 百花
青空の隅をこわした雪玉あり 宙虫
2月
1月
<27日>
冬の星暗渠の道のうねりつつ 百花
<26日>
腕時計はめて凍えし手首かな 秀彦
<23日>
しづり雪ショートケーキのやうな家 百花
<22日>
五分五分が七三となる鴎の死 百花
<21日>
仰臥して微熱のユーラシアなりき 等
<20日>
幼児にひとつ雪降る窓のあり 百花
<19日>
子供にはヤンチャでも好い権太でも 影童子
<18日>
けふひとひ本読むことも風邪心地 百花
<15日>
山茶花の蜜を豊かに夕暮れぬ 百花
べツレヘム冬菜に塩を擦り込むとき 等
<14日>
寒九郎模試の成績見せに来よ 百花
けあらしやユダ緩慢に靴を履く 等
カバの鼻まだ開いている成人式 等
<13日>
ひとポーズ加へる写真成人式 百花
守護霊ハ虚空蔵菩薩発桜餅 等
虚空蔵菩薩へ参る夕ごころ 百花
<12日>
冬の蛾の窓を叩きし良寛忌 等
枝折戸へ雪積む夜や良寛忌 百花
<11日>
結跏趺坐してゐるなり毛糸絡む 振り子
昨日まで赤き戒名今日は鶴 等
<10日>
戒名のひとつは赤き墓囲ふ 百花
模様替亭主の好む隙間風 百花
大海に 万河の注ぎ 淑気満つ 影童子
冬空に靴六文の笑顔かな 等
冬空や色指定値の数迷ひ 百花
冬なりの青空家族に迎えよう 宙虫
<9日>
角煮よくとろけてをりしスキー宿 百花
松過ぎの角の肉屋のどんぶり勘定 等
松過の忌中のひとのたよりかな 百花
<8日>
喧嘩して 泣かしちゃ駄目よ 子守なら とんぼ
きさらぎの轟音封じ雄蕊かな 等
山茶花の蜜を離れぬ雄蘂かな 百花
山茶花の目蓋腫れいし洪水前 等
<5日>
土鳩来る五日の風を強しとも 百花
葉牡丹のカオスや嘘とわかる嘘 一輝
<4日>
末吉やひと待つひとの初御神籤 百花
スリッパを間違へてゐる年始客 天気
初夢の地球滅亡前の恋 一輝
<3日>
初夢や千手観音手を伸ばす 百花
初夢を忘れちまつてひぢり橋 振り子
初夢を見るの忘れて電子網 娘1
<2日>
泊まる子のゐてはやばやと初湯かな 百花
日のありて淋しくはなし鏡餅 秀彦
冬桜途方にくれる旅となり 一輝
初日待つミクロコスモス膨らみぬ 天気
<1日>
会へぬ手を取りて関越え去年今年 百花
1月