≪コスモスBBSの句≫


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  2003年

 12月
<31日>
 帰るはずの子の晦日蕎麦余しけり   百花
 傘ささず三度往復大晦日       東天
 冬靄を里の郵便配達車        一輝
 前書きも後書きもなき師走かな    一輝
 大根洗う母に似ていし手の形     一輝
 数へ日の爪切るまるくなりながら   園生
<30日>
 くたびれて夜の雲見る小晦日     百花
 生き生きと逝きし大正朴念仁    美代子
<29日>
 凍星へひと思ふ眼の定まらず     百花
<28日>
 旅立ちの兵は静かに息白し      一輝
 極月の雑木林に火の匂ひ      眞理子
<27日>
 何を隠そうか暗夜の雪野原      一輝
 初雪や疾風怒濤悉皆空         等
 初雪の土黒々とありにけり      百花
 白足袋に附く生と死と冬の虹    美代子
 梟の鳴くは秘密のあるところ     一輝
<26日>
 跪き台の昔や足袋白し        百花
 クリスマス終われば二日酔いの朝   一輝
<25日>
 点滴の針の探れる真冬の血      百花
 冬薔薇や背中を青き血が走り     一輝
<24日>
 スルメの足噛めば噛むほど門徒宗    等
 酸素マスクと毛布の着用救急車    百花
 親元にいてクリスマス・イヴである  一輝
<23日>
 預言者の十歩啼きたり梟は       等
 明日からの生もまぼろし寒椿     一輝
 白菜の外葉の畑へ残さるる      百花
 白菜を割けば真昼が綻びる     美代子
<22日>
 白菜に隠されているはずの恋     一輝
 白菜のうす暗き世へ囲はれぬ     百花
 きざまれた白菜すらも元どおり    東天
<21日>
 生首のごとく白菜転げおり      一輝
 白菜を攻め立てている第九かな   美代子
 まふたつの白菜元にもどりをり    東天
<20日>
 抜けているおでんの足を探しをり   百花
 珈琲のすこし苦くて庭枯るる     一輝
<19日>
 想像が二つに割れし隣り人       等
<18日>
 勾玉の根付けを仕舞ふ夕時雨     百花
 川原にて春風受けるとなりびと    東天
 日向ぼこしており我は無一物     一輝
<17日>
 歯磨きの順の昔や山眠る       百花
 外(と)つ国の細き銃声冬籠      一輝
 口中になにものかある冬至粥     秀彦
<16日>
 ひとつづつ菜の括られて霜の畑    百花
 波風の立てば天皇誕生日       一輝
 雪晴の眩しき町の客となる     美代子
 のせてゆく冬の華やぎ最終バス    東天
<15日>
 冬の旅古きものみなゆらめけり    一輝
<11日>
 皇紀二千六百六十年を農学校     百花
<10日>
 C席に鶴の羽音のする喜劇       等
 冬あたたかひとのことなど忘れゐて  百花
 冬満月公民館ははにかむもの      等
<9日>
 ユトリロの冬木立へと旅立ちぬ    一輝
<8日>
 石庭の筋目や耳朶痒くなる       等
<6日>
 ウシ目のジラフの角の雌雄冷     百花
 木枯や人も糞する鳥も糞する      等
 下葉欠くポインセチアや褪せやすき  百花
<5日>
 団栗を蹴り失ひし一年や      美代子
 柿落葉わがふるさとに汎神論    眞理子
 大根煮の醤油で止む宗旨かな      等
<3日>
 大神へ大マスクして献茶かな     百花
<2日>
 一葉忌透き通るまで菊を煮る    美代子
 小春日の遅き昼餉や子の試験     百花
<1日>
 萬福寺に足穂の褌乾いており      等
 漆喰のちいさな寺や冬夕焼け     百花
 12月

 11月
<29日>
 モノクロの三鬼懐手の渚       秀彦
<28日>
 鍵さすと心にせつな冴ゆる音     一輝
<27日>
 さくら木の枯れ極まりて小鳥の座  美代子
 観音の十一次元や冬に入る      百花
<26日>
 木枯の十一面に虫の穴         等
 冬木の実踏んで観音降りてゆく    宙虫
<25日>
 つめたさや左右の耳へ左右の掌    百花
<24日>
 黒牛の巨体例えば霧襖         彩
 真人間の莫迦の念力烏瓜        彩
<22日>
 温めては痛む臓腑や原霧子      百花
 病院の屋根に十字架雪催い      一輝
<21日>
 ポルトガルふうせんとうわたの青残る  彩
 ボリュームをしぼる義太夫虎落笛   秀彦
 秋の夜やバッハ子のこゑ聞き分けて  百花
 雨粒が軒を走れるブラームス    美代子
 脇腹に穴ありそうな時雨かな     一輝
<20日>
 冬銀河をんなの血もて続くもの    百花
 乳呑児の見えざるものを見て微笑ふ  美代子
 霊柩車過ぐ冬晴の鉄工所       一輝
<19日>
 凩や煙草折りゆく指の腹       秀彦
 二階から下りぬ闇かは修司おわす    等
 二分半後の沈黙冬茜         百花
 なにものの立ちて窺ふ冬日かな    秀彦
 涅槃まで三分眠り冬の虹       一輝
 屍をあまた越えゆく聖夜あり     一輝
<17日>
 冬日差すまでの間のある窓ひとつ   百花
<15日>
 木枯に目覚めては寝る字(あざ)ふるさと  美代子
 戸袋に神道挟まれており木枯      等
<13日>
 初冬や階段閉づる戸のすきま     百花
 雪起しごつりと語尾の闇の中     秀彦
<11日>
 咲き上る紅葉も柿の梢ちかく     百花
 灯の内に匂い有りけり夕時雨     麻子
<9日>
 冬の雨フードに重ね傘低く      百花
<8日>
 恋愛映画のあとの洗顔冬はじめ    宙虫
<7日>
 柿落葉いちまいづつの星の色     百花
 魔法ビンと寝癖のやうな烏瓜    美代子
 11月

 10月
<30日>
 秋深し数学の解怪にして       百花
 夕日に立つ捨て自転車の沽券かな  美代子
<29日>
 一ページコピー飛んでる夜寒かな   百花
 言い切ればなほおそろしき秋の蝶   秀彦
<26日>
 受けてゐる指へ挟まり黒い種     百花
<25日>
 針葉樹林砲撃音が抜ける秋      宙虫
 秋寒し総ての塵の吹かれては     百花
<24日>
 白菊にまたも吃りて昭和なる      等
<22日>
 聖堂の無音や銀杏散り初むる     百花
 紅葉寺深き祈りの人と逢ふ     美代子
<21日>
 本丸のなかの深井戸天高し      百花
 てのひらの罪を逃れし雪蛍      秀彦
<18日>
 蛍追う一歩一歩を地につけて     水脈
 何時知れず与え与えて求める手    水脈
 口ひらき溢れる音に安らぎが     水脈
 言葉出ずぽつんと浮かぶ「ありがとう」 水脈
   賢治忌や街灯川をきらめかせ     百花
<17日>
 残る蚊のやたらと家の裂けにけり   天気
<16日>
 神経ヲ流ルル芒死後ノ夢       一輝
 捨身シテ塩ノ柱ヤ鬼城ノ忌      一輝
 電網ヲ急ゲヤ急ゲ病蛍        一輝
 哀れ蚊へ少し吸はせて叩きけり    百花
<15日>
 猫のぞく百花の扉貴船菊       猫髭
 春は先ず不意打ちに聞く丁子かな   猫髭 
 階段は裾摘み上げ菊日和       百花
<14日>
 見る聞くは香ることなり菊日和    二健
<10日>
 ほどほどのほどの完璧十三夜     百花
 出来立ての栗名月のホームベージ   二健
<8日>
 十三夜耳無山はお元気か       等
 秋雨やトタンの屋根の色変はり    百花
 鯖雲のいまが見ごろの国立公園    宙虫
<7日>
 棺桶と修道服の夜寒かな       百花
 色落ちのそぞろに寒きものの嵩    百花
 なんでらろうと赤いトレパン秋の声  南山
 哭くことに理由などなし秋桜     美代子
<3日>
 桔梗やクルスでつつむ遺骨箱     百花
 来年は百万一本の曼珠沙華      南山
<2日>
 秋光や鬼門へ向きし厨窓       百花
 10月

 9月
<30日>
 部屋の灯を落としてからの鶏頭    宙虫
<24日>
 秋霖の常盤木蒼き莟もつ       百花
<23日>
 霽れてのち霊は上がりぬ曼珠沙華   牙城
<22日>
 蚯蚓鳴く形見の二胡を出す度に    百花
<21日>
 長月の雨に召されて逝きにけり    二健
<20日>
 掌に葡萄の房を載せていん今宵涙の零るるかろも  迷子
 曼珠沙華黙すまつすぐ川流れ     みよこ
 慈しみ残して大きい糸瓜の忌     麻子
 父の見た尾根咲きそろわない芙蓉   宙虫
<19日>
 獺祭忌梯が空気傾ぎゆく       振り子
 目の前に大き糸瓜のひとつあり    園生
 獺祭忌さしみの残り晩に食い     等
 会心の死に顔つくる天高し      百花
 テーブルに塩と黙ある子規忌かな   秀彦
<18日>
 死んだらそなへてねといひつつ食むぶだう   百花
<17日>
 街は秋人垣越しに聞く蹄       宙虫
<16日>
 秋の山親の背見つつ呼吸す      百花
 猫塚にペットボトルや露の玉     きっこ
<15日>
 秋風の三点セットに鼻の穴      等
 柄が好きでバッグの底の秋扇     百花
 鼻の穴広げて簾名残かな       きっこ
 喜雨のなか人目を避けて泣くことも   百花
 赤とんぼ全速力で止まりたる     等
 夜の雨や朝シャン子供を真似てして  百花
 流星の生まるる里や濃竜胆      等
 コスモスの百の花芯の宇宙かな    きっこ
<14日>
 古池も飛び込む昼の曼珠沙華     振り子
 コスモスに寝て夜空見る野分あと   百花
<13日>
 コスモスをおんなばかりで束にする   宙虫
<12日>
 グラウンド・ゼロてふ残る暑さかな   百花
<11日>
 水槽のくぐもる二百二十日かな    きっこ
 阿蘇山の裾野隈なき月夜かな     園生
<10日>
 秋麗や牛の背毎の名前読み      百花
<8日>
 寄り添ひて秋草窪に濃く淡く     みよこ
<6日>
 蜘蛛の囲にかかる朝日と翅と君    百花
 カルデラに沈むものあり葛なだれ   宙虫
<5日>
 夜なべして言の葉綴るは仕合わせや? 娘1
<4日>
 スイングのリズム木犀の香を呼べり  みよこ
<3日>
 幻やいつも左の肩あたり       百花
 遠山に蔦を見に行く男かな      等
 遠山の秋の夕べや鳥の群       百花
 古池を蛙見ている三句体       等
<2日>
 藁積んで二頭の個室馬肥ゆる     百花
 秋ひでりギイと踏み出す土不踏    みよこ
<1日>
 夕立に女ことばの厠かな       等
 9月

 8月
<31日>
 閉じこもる車にテレビ夕立かな    百花
 馬追がまつすぐに鳴く厠かな     みよこ
 寝太郎の三年のちの足袋黒々     等
<30日>
 秋光や病棟の窓閉ぢられて      百花
 あれが火星か病むときは病むしかないか  みよこ
<29日>
 一秒の蘇生を鴫が埋め尽くす     天気
 この星の水はめぐりて秋の雲     南山
<28日>
 小芋ひとくち末期の水はまだ飲まず   百花
 流星や80年の途中下車       南山
 蛇口から永久を引き出し芋洗ふ    みよこ
<27日>
 蛇口より百年前の雨を飲む      百花
 久遠なるこの秋風は蛇口から     みよこ
 ミントガム噛んで届かぬ秋の雲    宙虫
<26日>
 ありの実のでことふくらむ茎のそば   百花
 晩夏かな雑巾しぼりしまま乾く    みよこ
<25日>
 風いれて残暑の籠の鳥とゐる     百花
 ひとづまよ灯火親しく籠の鳥     みよこ
<24日>
 秋の夜のとなりが先に灯を消しぬ   百花
 半身を研ぎて待つらむ湖の月     秀彦
<23日>
 なめくじに縫い目探して熟年期    等
 秋蝶の音階で来る熟年期       みよこ
 蜩やゆふべの風を部屋へ入れ     百花  
 百花のカももんがのガ蚊の蛾の我   等
<22日>
 川蜻蛉群れる渓流足を置き      宙虫
<21日>
 地域通貨の企画会議にいぼむしり   南山
 父祖の地に立ち透明な傘ひらく    みよこ
 黒鍵の黴そのままに送盆       百花
<20日>
 鍵盤に指を躍らせ初秋かな      みよこ
<18日>
 ゆるゆると盆路行くか東京発     百花
 東京の扉に入るそぞろ寒       麻子
<16日>
 上向き下向き向日葵の混み合ふて   百花
 向日葵にそっぽ向かれて朝の粥    みよこ
 向日葵の溺れておりぬ古本屋     等
 冷ややかや見取りのひとの夜の寝息  百花
<14日>
 眼の澄みし婆つぱから買ふ梨三個   みよこ
 瑠璃蜥蜴に歩き廻らる亡母の家    等
<13日>
 秋暑し顔不揃ひに立つ紙幣      百花
 ゴキブリに押されている阿呆の目   等
 秋の夜のまだおきてゐる痴呆の目   百花
<11日>
 義手の画家とらえた阿蘇は秋へゆく  宙虫
 颱風の筋書き厠で書いており     等
 秋暑し三次会にて言へること     百花
<10日>
 台風の途中遊ぶや揚羽蝶       等
 朝雀台風去りし話から        百花
<9日>
 猫の尾の飛んで八分歩いてシオン   等
 今朝秋のソファーへ猫のゆたかな尾  百花
 旧約や黒猫蛇口を舐めており     等
<8日>
 黒猫とユダ後ろ向き木下闇      百花
 帚木が完璧に見えサイゼリア     等 
 立秋や葉揺れに見入る朝の窓     百花
 台風過ぐおんぼろ雲に茜さす     みよこ
 とうさんは詩人ほら蟹が走るよ    天気
 釣り銭を山のあなたにため込んで   等
<7日>
 雷来よと詩人の臍を舐めてゐる    秀彦
 詩人にて左手へ受ける青林檎     百花
 詩人なり古釘ばかりの領土なり    等
<6日>
 新涼や詩人になれる椅子探せ     みよこ
<5日>
 夕立や北の空から掻き曇り      百花
 日めくりを余分にめくろうかなかなかな みよこ
 太陽と暦がずれて「お暑さです」   麻子
<4日>
 人のくちひらきなほりし暑さかな   百花
 蛍翔つとき明滅をはげしくす     みよこ
<3日>
 川上へもどる蛍のじぐざぐと     百花
 真夏日が首絞めに来て「暑いね」と言ふ  園生
<2日>
 足袋替へて踊り明かせる輪に戻る   みよこ
<1日>
 焦げ跡の渦失せにけり蚊遣香     百花
 大日本防虫菊株式会社こけこっこお  等
 蚊遣火の燃え尽きるまで燃えんとす  みよこ
 蚊遣火の赤く残れるひとところ    百花
 8月


 7月
<31日>
 頭の中は土砂降りならん銀やんま    等
 ぎやまんの傷を隠すやくすりゆび   百花
 ガラス屋を出て大河へと繋がれり  みよこ
<30日>
 涼しさやひとおもふとき天あふぐ   百花
 成就するまでが恋なり百日草    みよこ
<29日>
 西にゲーテ葉のいろ濃ゆき七変化   百花
<28日>
 大河へとつながる音の桃すする    宙虫
 コロラドの月哭哭と死の谷へ    みよこ
 南中の月アラバマにひび割れて     等
<26日>
 句会果てゆるき歩入るる梅雨の闇   百花
 生半ば畳のへりの金亀子       秀彦
<25日>
 草茂る水際ひそかに鯉の恋     みよこ
<24日>
 静かなるひとりの昼を草茂る     百花
 雨音の絡まる夜の花鋏       みよこ
<23日>
 街路灯さけて花火を囲みけり     百花
<22日>
 駅ベンチ男ふたりが夕焼けて    みよこ
 初蝉や十一時からランチメニュー   百花
<21日>
 ごりごりと刑事が泳ぐ神田川     振り子
 石神井の池に傘さす妾かな       等
 かんざしはおつたの情け我孫子宿   みよこ
 我孫子とは何と読むやら冷房車     二健
 孫の手で引き寄せてゐる氷菓かな   michiko
<19日>
 居留守してあいすくりーむを食べ終る   百花
 留守電にして火星で昼寝してきたの  みよこ
<18日>
 烏賊の皮きれいに剥けてスパゲティー  百花
 東京のきしめん怖し強しかな     みよこ
 おちょぼ口赤のまじれるひやさうめん  百花
<17日>
 ちんとんと御神酒が唄う五臓かな     等
<16日>
 どろどろと甘酒ながすおちょぼぐち   百花
 忌を修し皆帰りたる蝉時雨      みよこ
    活き締めの時価に硬直夏料理      南山
 四万六千日鉄女も入院したなんて    〃 
 梅天やかすかに濃ゆき屋根の色     百花
 夏の宵馬上シェーンのボディー(死体)なる   南山
<15日>
 埃立つ人いかづちに共振し      みよこ
<14日>
 長梅雨の忘れられたるほこりかな    百花
 青りんご東京ぼん太はもういない     等
 雨つづくなにか言いたい青林檎    みよこ
 敦煌へ逃げいし桃を抱きしめる      等
 桃むかれ大きな口の型ひとつ      百花
<13日>
 花合歓までのさすらいだった雨がきて  宙虫
 桃かつて人を殺めしうぶげかな      等
<12日>
 青時雨葉ばかりしげる柿の木の     百花
 少年を擦り抜けてゆく青時雨     みよこ
 咒をひとつ置き去るものや青時雨    秀彦
<11日>
 素泊まりの揚羽翔ちたる黍畑     みよこ
 玉葱のやうな少女の人みしり      南山
 新じゃがのエクボのとこのほろ苦く   南山
 曖昧な臍下丹田茗荷の子        南山
 包丁が抜けず南瓜が憎くなる     みよこ
<10日>
 身をかけて南瓜を刺すと握るもの    百花
 タイマーではじまる相撲瓜漬ける    宙虫
 夏大根シェーンは馬上死といふ話    南山
 ばかばかと西瓜をたたく織女星    みよこ
 とまと切りいつでも死んでやると思ふ  百花
 ピーマンの青き言い訳聞いてやる   みよこ
<8日>
 ほんととも嘘とも辣韮むいてゐる    百花
 掌のなかに小さき嘘とさくらんぼ   みよこ
<7日>
 子へ赤き夫へ浅黄のさくらんぼ     百花
 多感なる桃てのひらをつると逃げ   みよこ
<6日>
 桃の肌てふ痛かりき剥きにけり     百花
<5日>
 落日や桃芳しく売れ残る       みよこ
<4日>
 男友達メリケンチェリーといふ硬さ   百花
 裸電球ポツンとイカ焼四百円     みよこ
 立ち食ひの気後れの背へ夜店の灯    由紀
 七夕が来る露店より焦げ醤油      麻子
 破れ網で五匹めを追う金魚釣り     麻子
<3日>
 さくらんぼ駅舎にお婆さん一人     園生
<2日>
 七月や大き葉の揺れ影にみて      百花
 青葡萄寡黙に太る父のくに      みよこ
 道の端の零るる桃も甲斐路かな     百花
<1日>
 帆柱をたたみ甲斐路をかたつむり    天気
 7月

 6月
<30日>
 軍用機の長き機音や半夏生       百花
<29日>
 少しだけ重い夕凪米を研ぐ       宙虫
<28日>
 桃買ひに洗ひざらしの街へ出る    みよこ
<26日>
 にきびかと問へばあせもといらへあり  百花
<21日>
 夏痩せてはたち三十路はうつくしき   百花
<20日>
 ゆりかもめ運河はひそとなくところ  みよこ
 水母湧く運河のつたりのつたりと   きっこ
<19日>
 粥満たす砂の器や負の女       みよこ
<18日>
 天気図の風死すかたちあすの服    百花
 片蔭やわが身の洞もしづまりて    秀彦
<17日>
 紫陽花や美白のための天然水     百花
 夏山を撫でれば歩く杉檜        等
 吹かれ行く死に場所のない空蝉か   みよこ
 こめかみに生きる刻印四方の蝉    秀彦
<16日>
 天金の小さな句集カニ走る       等
 薔薇の香を召しませお茶に二三片   みよこ
 竹婦人召しませ本に栞して       百花
 梅雨深しUVカット乳液減らぬ     みよこ
<15日>
 空梅雨やUVカットの柄の長き    百花
 久々の電話のくせに態度がでかい    それは私・娘1
 好きだけど、みんなの所在と近況知らぬ それも私・娘1
 中七で蝿打ち殺す鷹女かな       等
 宵の雨荷ほどくなかの竹婦人     百花
 気まぐれに出ていく南風吹きをれば  園生
<14日>
 ががんぼは想像妊娠して飛びぬ    等
 蠅を追ふ賑やかに追ふ熟女かな    みよこ
 梅雨晴れ間ひとの引越し見てをりぬ   百花
 梅雨寒の蝋人形館にて屁が一つ    等
 自画像にヘソを描き足す梅雨曇    等
 引越しの荷を積み上げて梅雨晴れ間   百花
<13日>
 夏空にむせて道連れなくしおり   宙虫
 ハマナスや愛されずして沖遠く   AQ@削除
 夏の水とはウダッサイみづのこと   AQ@削除
 羅をゆるやかに著てハシタナシ   AQ@削除
 亀の子の無い物ねだり空を飛ぶ   痾窮@アーカイブスへ
<12日>
 はまなすや砂の女は孤好き     みよこ
<11日>
 砂の手で砂を掴みし日の盛り     等
<10日>
 駆付けのビール中りといふべきや   百花
<9日>
 木下闇とびつく吾子をしかと受く  みよこ
 母老いるばかりの絵筆柚子の花   みよこ
 入梅や浮き葉の旅のはじまれり   みよこ
<7日>
 梅雨の雷機械のなかの機械鳴く   百花
 嵐が来るぞと棒立ちの花十薬    みよこ
 史跡掘る友六月の花嫁に      迷子
 花南天あぐらに具合いい史跡    宙虫
<6日>
 アルバイト決まる芒種の末子かな   百花
 まぶしかり半醒の柿の花の白    みよこ
 夏服や女子高生の背の眩し     迷子
<5日>
 中天や月見ず月の星ひとつ     百花
 曇天の田植え寡黙な尻ふたつ    みよこ
 朝曇土鳩鳴くより日の差しぬ    百花
 不良になろうか土竜の尻見えて   等
<4日>
 悪友ら網戸の穴を出入りして    園生
 干梅のざるへ小分けの日差しかな   百花
 本気だと云ひ大蜘蛛が歩み寄る   みよこ
<3日>
 喰はれてののちの手立ての網戸かな   百花
 どくだみの天狗の立つ瀬ほかならず  二健
 6月

抜けてしまいました。申し訳ありません。

 5月
<10日>
 朝の窓柿の若葉の迫り来る     百花
 野狐駆け去る昼行灯の山本家    等
 静けさや立夏の夜の雲流れ     百花
<9日>
 中年の独(どく)しばらくは白タイル  振り子
 青野抜けまぶしい傷をもつ少年   宙虫
<8日>
 驟雨なか目覚めて見入る雲の色   百花
 かたかごの花うつむいてゐる矜持  南山
<5日>
 かたかごの花より雄蘂濃かりけり  百花
 胃が痛む頭抱えて胃が痛む     等
 胃の痛み復活祭の日のあとの    一輝
 かげろうの音がけだるい入植碑   宙虫
<4日>
 靴擦れの踵のミュール夏初     百花
 ゆく春のミュールの踵ぱたぱたと  きっこ
<3日>
 五月富士膝に日のある展望台    百花
<2日>
 ニュートンの鼻くそ三年句十年   等
 男衆が鼻くそ穿り風は死す     影童子
 5月

 4月
<29日>
 若芝や子犬弛めの首輪して     百花
 すずらんのほころんだ嘘またついて  宙虫
<27日>
 春の夜の静けさにゐてひとおもふ   百花
<26日>
 湖面たたけば藤棚こわしくるアメリカ   宙虫
 折り鶴を開きゆく爪花時雨     秀彦
<25日>
 ほほに付く髪黒々と花篝      百花
 四月尽変らぬ頬の髭を剃る     秀彦
<24日>
 乗換の列変へてみる四月尽     百花
 さらさらと新たなページ四月尽   麻子
<22日>
 春鰯さらさらの血の共白髪    百花
 はこべらや食むための人配られる  振り子
 釈迦牟尼の臍の温さの餅配     等
 春陰や山より下りる釈迦の杖    百花
<21日>
 桜蘂つめたき魚をまな板に     園生
 散り散りに桜蘂降るころの子ら   百花
 関節へ春夕焼けは散らばりぬ    振り子
 春菊の茎の手応へ我関せず     michiko
<18日>
 お父さんの最後の転勤野春菊    百花
 食進み職の後退お父さん      二健
 春暑し早起きにして食進み     百花
 月山にのらぼろ朧とどきけり    振り子
<16日>
 山吹や裏口に傘忘れられ      百花
 一年生の下校実習著莪の花     南山
 水温む休み時間の一輪車      〃
 春服やドッジボールの転ぶ影    〃
 繚乱の姥桜まで駈けあがる     二健
 春の雲三階建の裏に住み      百花
<15日>
 春寒や箒いつでも怒り肩    園生
 細くつよき仮名の臨書を春の夜   百花
 百円ショップの品数の増え春眠し  南山
 鉄橋や春のきしみが耳慣れて  宙虫
<14日>
 夜桜や天蓋として空ひとつ   百花
 温泉の黒いお湯なり花疲れ   二健
<13日>
 たるむものたるませ春の風のなか  百花
 固まって気絶中なり桜草    等
<11日>
 桜草朝の散歩の犬が嗅ぐ    百花
 春風や縄跳びジャンケンのあいこ  南山
 あさり売るショッピングモールに空があり  宙虫
 柿芽吹く私服に戻る吾子の顔   百花
<10日>
 桜蘂たまつてゐたる馬穴かな   きっこ
 葉桜のどうも頭の悪きかな   等
 葉桜やヘモグロビンは海へ帰る  振り子
<9日>
 花の夜はアンドロイドの泪かな  園生
 紫の走る車窓や花大根      南山
 蚕豆の癒しカーブに坐りたし   〃
 春光やみんな笑顔に見ゆる朝   〃
 山桜死者の時間のうすみどり   〃
 ふらここを降り立つ一瞬の真顔  〃
<8日>
 うすうすと目の覚めてくる春の宵   百花
 ドイツ車の剥げた塗装や山桜  南山
 廃屋に主の気配桜咲く      〃
 花吹雪犬の肉球と爪と      〃
 頓挫した斜面開発花白し     〃
 花の雲人は死んだら山に往ぬ   〃
 すっぴんの好きな血筋や夕桜   〃
 花の塵こんなところに金次郎   〃
< 7日>
 花屑となるひとひらを皿の上   百花
 スカートの丈が長くて花日和   二健
< 2日>
 春の夜の雨の気配に身を入るる   百花
< 1日>
 くだるしかない坂阿蘇の野を焼いて  宙虫
 陰翳のなきも孤高か諸葛菜   南山
 4月

 3月
<31日>
 花見酒だけど悲しいいろやねん   園生
 夜桜や信号ひとつやり過ごし    百花
 左手にあふるるばかり蝶生まる   紫野
 他誌の名は憚れ河馬は花の下   二健
 麗らかや新聞のまづ漫画から   百花
<30日>
 TOKYOが故郷だから鳥雲に   園生
 うすずみの樹の内に焚く紅頭巾   振り子
 赤子容るるほどの擂鉢つばくらめ   百花
<29日>
 賛美歌や軒を駈けゆく蒼き馬  等
<28日>
 風光る特急列車の二重窓   百花
 猫の子は心を読めば嬉しがり  影童子
<27日>
 古都の春笑顔のリレーする車輌  南山
<23日>
 ひととせを背中合はせにをさめ雛   百花
<19日>
 入り彼岸地蔵の由緒忘らるる   百花
 花粉マスク防毒マスクに変はりけり  きっこ
<18日>
 戦争はやめてください種案山子   百花
 大相撲疑心暗鬼を電車道  影童子
<17日>
 海風やミモザをこぼす日の照りに   百花
<16日>
 草餅のあざやかにあり遠戦(とおいくさ)   秀彦
<15日>
 愛憎を離れて春の傘の中        一輝
 鳥曇めがねはずすか瞑るか      百花
<14日>
 卒業子杉の花粉をまとひ来し      きっこ
<13日>
 風光るモスの日だからくれる種     百花
 沈丁や神楽坂には夫を置き      未知子
 啓蟄を昨日に俳を語りゐき      牙城
 鳥帰るみな戰爭へ行きしのち     牙城
 蟻穴を出て置く土の湿りかな     百花
 三代目の作の取っ手がねじれ春の水  宙虫
<10日>
 わたくしのいなくなる朝鳥曇      一輝
 杉玉の錆をかさねる雪解風      由紀
 春泥のわだちきわだち中仙道     二健
 春の夜や愛語ひとつをくりかへし   百花
< 9日>
 句座果ててささめく闇の雪解かな    秀彦
 良く食べて良く寝て春の土を踏む   きっこ
 杉玉の色変はりたる芽吹きかな    百花
< 8日>
 木の芽雨家系のところどころに狂者   等
< 7日>
 カーテンにまろき雨音花を待つ     きっこ
 木の芽時雨垂れの音とぎれがち    百花
< 6日>
 法という暴力もあり復活祭       一輝
 春昼のしつぽが生えてくる予感    きっこ
 春炬燵のんどの渇く処方にて     百花
 池普請子供いつから影の中      一輝
< 5日>
 老梅や頭骸に閉じ篭る自由       一輝
 打掛の刺繍の銀糸夜の梅       百花
 優しさを閉じ込む人の金瘡小草    影童子
< 4日>
 上向けば春の空ある春の道       きっこ
 春疾風黄不動の索ゆれてをり     百花
 三寒と四温の間に未来かな      影童子
< 3日>
 野ざらしの木乃伊に花の咲くもあり   影童子
 猟銃や類句類想狂いそう       断臂
< 2日>
 雛壇に鳩の爆弾隠し居り        影童子
 東風ふいて母なる海の匂ひかな    百花
 獣道に桃の蕾の落ちて居り      影童子
 紛らして狙ふ獲物も蜃気楼      影童子
 赤ちやんの眠れば重たくなる朧    きっこ
 元にもどす推敲の句や春愁ひ     百花
 古傷や胸の辺りを風の蝶       百花
 ゆっくりとS字カーブを春愁い    一輝
< 1日>
 つっかけや朝日のなかの桜草      百花
 雲もなく青き風さへ暖かき      影童子
 3月

 2月
<28日>
 すゐーとぴー言はずに秘めること少し  百花
 動脈と静脈光り合う雪間       一輝
<27日>
 春風に白髪の下の黒き髪        百花
 春水に浮くランジェリーネットかな  きっこ
 往く春の冴え返りたり少しだけ    影童子
<26日>
 残月の淡き火の色春の空        麻子
 蛇穴を出づお試しのコースあり    麻子
 蛇苺の花と天地と愛し合ひ      影童子
<24日>
 裏道や片目の猫の冴え返る       一輝
 目覚めては雨垂れの音春の風邪    百花
<23日>
 活き活きと生死二法に水中花     影童子
 水中花読み手の儘に任し居り    影童子
 鳥の巣を見上げてセブンスターをふう きっこ
 靴軽く歩む暗渠の春を聞き      秀彦
 方円にそひ春の水いきいきと     痾窮
 方円にそひつやつやと春の水     痾窮
<22日>
 息吸って急にねむたい春の暮     天気
 地に人にリズムを紡ぐ春の雨     影童子
 <21日>
 春の夜のうがひおろろろあろおろろ  百花
 春昼を猫の恩返しと思う       一輝
<20日>
 火花散るパンタグラフや春の雪    きっこ
 春雨の触れたき肩をそのままに    百花
 春荒を押し返し舞ふ鴉かな      影童子
 顔写真付きで堂々茶雉啼き      影童子
<19日>
 春夕焼学童保育の子等帰る      百花
 <18日>
 本命と義理二本立て藪椿       百花
 中ほどの莟こぼれて桃の枝      百花
 春炬燵麻雀卓となりにけり      きっこ
<17日>
 義理チョコと本命の間春霞      百花
 風花に沈む地球や巡礼者       一輝
 枯園の大罪人や日は真白       一輝
<15日>
 中華丼をすくって夜逃げの案内書   宙虫
 春日や遠きへ帰る塵芥車       天気
<14日>
 バレンタインの日の朝出しのゴミ袋   百花
 梅ヶ丘駅北口に梅の地図       天気
<13日>
 東京都緑地指定区梅ひらく      百花
<12日>
 じゃんけんのまづはあいこでヒヤシンス  天気
 ヒヤシンスマッスほぐるる日和かな  百花
< 8日>
 春昼や歯の無い母のレアチーズ    百花
< 5日>
 弁当をひらけば雨がくる立春     宙虫
 風光り百花を天の愛でるかな     影童子
< 3日>
 鬼やらひ闇は光を鏤めぬ       百花
 節分や無職の友の家無くし      影童子
< 1日>
 待春のたそがれあすのありにけり   百花
 青空の隅をこわした雪玉あり     宙虫
 2月

 1月
<27日>
   冬の星暗渠の道のうねりつつ     百花
<26日>
   腕時計はめて凍えし手首かな     秀彦
<23日>
   しづり雪ショートケーキのやうな家   百花
<22日>
   五分五分が七三となる鴎の死     百花
<21日>
   仰臥して微熱のユーラシアなりき    等
<20日>
   幼児にひとつ雪降る窓のあり      百花
<19日>
   子供にはヤンチャでも好い権太でも  影童子
<18日>
   けふひとひ本読むことも風邪心地   百花
<15日>
 山茶花の蜜を豊かに夕暮れぬ      百花
 べツレヘム冬菜に塩を擦り込むとき   等
<14日>
 寒九郎模試の成績見せに来よ      百花
 けあらしやユダ緩慢に靴を履く       等
 カバの鼻まだ開いている成人式      等
<13日>
 ひとポーズ加へる写真成人式       百花
 守護霊ハ虚空蔵菩薩発桜餅        等
 虚空蔵菩薩へ参る夕ごころ        百花
<12日>
 冬の蛾の窓を叩きし良寛忌        等
 枝折戸へ雪積む夜や良寛忌       百花
<11日>
 結跏趺坐してゐるなり毛糸絡む     振り子
 昨日まで赤き戒名今日は鶴        等
<10日>
 戒名のひとつは赤き墓囲ふ       百花
 模様替亭主の好む隙間風        百花
 大海に 万河の注ぎ 淑気満つ     影童子
 冬空に靴六文の笑顔かな        等
 冬空や色指定値の数迷ひ        百花
 冬なりの青空家族に迎えよう       宙虫
<9日>
 角煮よくとろけてをりしスキー宿     百花
 松過ぎの角の肉屋のどんぶり勘定    等
 松過の忌中のひとのたよりかな     百花
<8日>
 喧嘩して 泣かしちゃ駄目よ 子守なら   とんぼ
 きさらぎの轟音封じ雄蕊かな       等
 山茶花の蜜を離れぬ雄蘂かな      百花
 山茶花の目蓋腫れいし洪水前      等
<5日>  土鳩来る五日の風を強しとも       百花
 葉牡丹のカオスや嘘とわかる嘘     一輝
<4日>
 末吉やひと待つひとの初御神籤     百花
 スリッパを間違へてゐる年始客     天気
 初夢の地球滅亡前の恋         一輝
<3日>
 初夢や千手観音手を伸ばす       百花
 初夢を忘れちまつてひぢり橋       振り子
 初夢を見るの忘れて電子網       娘1
<2日>
 泊まる子のゐてはやばやと初湯かな   百花
 日のありて淋しくはなし鏡餅        秀彦
 冬桜途方にくれる旅となり         一輝
 初日待つミクロコスモス膨らみぬ     天気
<1日>
 会へぬ手を取りて関越え去年今年    百花
 1月

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