
2004年
6月
6月
5月
<29日>
涼風や本寺にはある由緒書 百花
<26日>
あいの風この名を告げる未来あり 東天
<24日>
二人目も男の子でありしらいてう忌 百花
風光る日々育ちゆく蕾かな 麻子
<23日>
譲られし席濡れてをり走り梅雨 百花
<22日>
青い鳥狭庭に憩ふ「君の名は?」 美代子
<21日>
初夏の洗濯物を鉢の上 百花
散らかした積み木とをりしついりかな 鯉幟
植替へてフランスよりの薔薇の土 百花
<20日>
娘から母となりゆく初夏の午後 鯉幟
聖五月赤子の泣くに寄る(^○^) AQ 痾窮
満身を捨身に裸子泣きにけり 痾窮
更衣新生児みな白衣なる 百花
<19日>
また一つ命の増えて衣替え 鯉幟
<18日>
麦星にをのこ産声あげにけり 百花
待ち人は待ち人のまま梅雨の空 鯉幟
りら冷えの便り北国より届く 百花
<17日>
聖五月大地まどろみ墨を磨る 東天
清水掬べばキリストの笑顔ある 百花
キリストも吐き出しさうな日永かな 慈留
柿若葉窓の日毎のもの想ひ 百花
<16日>
ゴキブリやホストになると文集に だんぴ
曼荼羅や切子の杯の影動く 百花
<15日>
母さんのゆっくり諭すびろーど草 麻子
<10日>
走り梅雨行きに帰りに出会ふ猫 百花
翅出して仕舞って壁の天道虫 麻子
<9日>
海桐咲く島のどこにも星満ちて 百花
リラ冷えや肉体を待つ白ベンチ 美代子
子の夢に沿ふて伸びゆく鯉幟 鯉幟
<8日>
こどもの日奈良の大仏墨と筆 東天
<3日>
蘆若葉十日見ぬ間の鷭の雛 百花
ただ椋鳥の遊ぶのみ春惜しむ 東天
5月
4月
<29日>
四月尽水面に葉裏光りつつ 百花
行く春やランプあかりて遺品解く 東天
<28日>
お札流して人生をもう一度 百花
梅雨空は梅雨空のまま告白す 鯉幟
乾く地に色濃く寄りぬ花の塵 百花
<27日>
きみが撒く鳥のごちそう春の土 東天
葱坊主育ち盛りの葱嫌ひ 百花
ここだよと男がまねく藪の薔薇 東天
<26日>
行く春を子の置き去りの化粧水 百花
<25日>
言いかけてやっぱりやめて心太 鯉幟
<24日>
春風や髪をかわかす鏡の間 百花
ふれたくてあふれさうなり百合の蜜 東天
<23日>
緊張の糸針穴を行く暮春 美代子
<22日>
春林へ遠近両用眼鏡かな 百花
公園のベンチのワイン苜蓿 麻子
<19日>
晴女の主宰に美濃の春の空 百花
初音かな遠き眼をして嬰児(みどりご)は 美代子
<16日>
風わたるウグイスの声まろきかな 東天
<13日>
桜蘂降るなかに解く転居の荷 百花
冴返りはなみずきすずやいでゐる 東天
<11日>
差し出す手受ける掌復活祭 百花
澄み渡るオルガンの音イースター 慈留
<8日>
錆色の寛にたゆたに紫木蓮 百花
<7日>
紫木蓮散つて正気の空戻る 美代子
紫木蓮廃病院の裏口に 一輝
カーテンが内へ外へと春の風 百花
まだ散らぬ大阪を去る夜のさくら 東天
<6日>
ごみ袋はじける音す暮の春 百花
<5日>
ユダやはり大足であり花の雨 等
<4日>
雨しとど地のはなびらの皆ひらく 百花
花の雨遊びせむとて生まれけり 園を
四月馬鹿わたしのこゑの雄と雌 百花
<2日>
芽柳の下で待ったばかりをする 等
<1日>
ヴィオロンの芽柳揺らす夕ごころ 百花
花散るはハバロフスクの水辺まで 等
水辺より咲き上りゆく桜かな 百花
4月
3月
<31日>
うららけし赤蟻透けて瓶のなか 美代子
<30日>
花の雨コルクの栓の壜透けて 百花
フェニックス球路のさくら甲子園 東天
<29日>
霞草や大駐車場照り通し 一輝
<28日>
飼鶯と思ひしが飛んでこゑも飛ぶ 百花
うぐいすの気儘に過ごす日曜日 園を
聖母子や光り輝く御告祭 慈留
昼下がりくしゃみうぐいす三度ずつ みづほ
<26日>
乾きさうなものだけ洗ひ花三分 百花
花の雨洗濯ものを山と積み 青羅
<25日>
春雪の里の冷気を持ち帰る 百花
<24日>
春の雪佐久の火照りを鎮めつつ 青羅
ゆび先もしなやかとなり春の坂 鯉幟
拍子木を仕舞ふ抽斗春の雪 百花
箱膳の中の百花のぬくとしや 牙城
<23日>
携帯で確認しあう春の雨 三亀
折りたたむ傘の軽さも弥生かな 百花
<22日>
この雨も春雨と呼ぶひとびとよ 未知子
雀の子田中学校支校跡 百花
深酒や春分ならば許さるる 一輝
春分のここは何処の雑踏や 麻子
啓蟄の賑やかである千曲川 園を
<19日>
もうすこし遊んでいたき仔猫かな 百花
あじさいの新芽せつない転居かな 東天
<18日>
花の雨三十路となりし子がふたり 百花
<17日>
余生へと仕舞ひ忘れし雛の笑む 園を
回転して流れに乗りし紙雛 美代子
七人囃子育ち盛りの雛の夜 百花
<16日>
残り香は石鹸のやう春一番 東天
うら若き土鳩のひとみ水温む 百花
<15日>
ふわふわと亀が泳ぐよ入彼岸 一輝
<14日>
故郷は紙漉きの町紙絵雛 麻子
貝寄風に辿り着けない故郷あり 鯉幟
<13日>
西行忌すんすん泳ぐ赤ん坊 等
滴らす春の雫や割れ大根 美代子
大空に根を張る大樹西行忌 百花
<11日>
ぽつかりと独り言あり春の雲 鯉幟
美少年春のプールに足垂らし 一輝
春嵐緊急車まだ車庫にあり 百花
捨てられた子ら集まれやイースター 東天
<10日>
コロッケの浮上にユダの目つきかな 等
コロッケのうまき肉屋の風信子 一輝
蛇出でてまだ会はざりき風のエワ 百花
<9日>
機体ひからす野梅の上の一航路 美代子
<7日>
植木屋の敷地の角の野梅かな 百花
待ちぼうけ聖書研究春の宵 慈留
神学生ズボンの下に梅の花 等
<6日>
新入生ズボンの下にトランクス 慈留
ハルウララ雨のち風邪となりにけり 麻子
<5日>
ペンキ屋の昔語りや地虫出づ 美代子
啓蟄や鉢をこぼてば蚯蚓ゐて 百花
日の当たる二階一階初蝶来 一輝
<3日>
冴返る夜の耳たぶが良く喋る 美代子
耳たぶに一ミリほどの穴朧 一輝
春愁や働き蟻も停止する 慈留
春の夜や携帯電話の出す光 百花
処女奪う初夜権いずこ処女懐胎 慈留
<2日>
処女懐胎代理出産山笑ふ 百花
処女懐胎と告げて三月霙かな 園を
春の雲ボクにも出来る処女懐胎 等
指折って年月数え申告期 東天
処女懐胎壁に白球打ち返す 等
<1日>
処女懐胎は一度きりあとはあうむむふ 美代子
非処女非非処女非非非処女はるのゆき 等
ゆるゆると交はる斜線牡丹雪 百花
大山椒魚むふむふふ春の水 一輝
ふむふむと体内時計遅春かな 麻子
3月
2月
<29日>
ふむふむと初蝶きたり午後零時 美代子
処女の子の子を生さざりき木の芽時 百花
<28日>
草臥れて帰る園児を春二番 一輝
春の日やひとつところの葉の光 百花
<27日>
春の闇二重に光る三角錐 慈留
春の夜の百花百景ひかりけり 未知子
屋根わたる猫の歩みやあたたかし 一輝
春寒や寝癖のかたち風の形 百花
まだ酔うてゐる肝臓へ春の雪 牙城
<26日>
ベランダの布団は団子春あらし 慈留
のどけしやランドセルから笛伸びて 一輝
<25日>
春の雲なり千年前も千年後も 美代子
春の夜の階下のこゑや途切れたる 百花
買い求む目覚まし二つ受験生 慈留
笑み浮かべ生成りの布の春の夜 慈留
渋滞の工事に思う納税日 慈留
<24日>
紅梅や四軒寺てふ辻にして 百花
<23日>
生き生きと漕ぎ出してゐる春の櫂 園を
春の風入れたるパイプ椅子の穴 牙城
赤い目に赤い星ある春の風 百花
サムライの床を踏み抜く春嵐 青羅
春一番道路工事のひるやすみ 百花
<22日>
長々と吟行の列猫柳 一輝
嗚呼嗚呼と烏鳴きけり日の短か 麻子
<21日>
恋猫の行きに帰りに鉢倒す 百花
春爛漫カラスの好きな五味袋 園を
<20日>
雨水かなハローハローと鳴く鴉 美代子
猛虎図の毛並さはってみたきかな 百花
<19日>
晴ればれと雨水の橋を渡りけり 一輝
水を吸ふ仕様の舗装春の雪 百花
<18日>
峠から誘いのメール梅日和 園を
玄海の大波菜の花の小波 青羅
恙無く菜の花集う昼餉かな 一輝
サムゲタン食して後の鳥雲に 麻子
<17日>
新宿の眠る明け方鳥雲に 園を
石まろき笛吹川や下萌えぬ 百花
乾きゐる石に春水したたらす 青羅
のちの世は鬼と生まれん竹の秋 一輝
<16日>
あんこうの肝ほどのほらふいてゐる 百花
梅日和その大空へ手を伸ばし 一輝
<15日>
坂の上の雲金色や菜の花忌 百花
うずくまつて落ちてゐるなり皮手袋 美代子
<14日>
梅ひらくベンチいづれも池へ向き 百花
春疾風畦へ鶺鴒落ち来たる 一輝
牡丹雪浮く重からず軽からず 秀彦
<13日>
春星や猫が窓から外を見て 百花
<12日>
自転車に晴雨兼行春日傘 麻子
<11日>
自転車のサドルへ浮かす春の服 百花
農民は寓話を信じ耕せり 一輝
<10日>
風邪に効く薬いろいろあたたかし 園を
探梅や仰ぎて額の皺ふやし 百花
キャラメルは仕舞ってチョコのキャラであり 麻子
<9日>
キャラメルの紙で鶴折る浅き春 美代子
二分咲きの梅近づくやほのかな香 一輝
<8日>
キャラメルを手に手に散れり土筆の野 百花
<7日>
キャラメルは買い忘れたの目借時 一輝
いそがなきゃらめーるおぼろおぼろかな 百花
焦げ臭きキャラメル・ソース春隣 園を
キャラメルを蹴りとばしたる遍路道 一輝
<6日>
キャラメルの箱からナイトはねうらら 東天
キャラメルを手に早春の図書館へ 一輝
つげの櫛銜(くわ)えていたり雪女 麻子
<5日>
木瓜咲けり悪想念は捨てませう 美代子
幽霊の引き目鍵鼻春の虹 百花
立春の起床十分前の床 麻子
<4日>
立春の雪はらはらと掃除跡 一輝
春寒や家人見送る曲がりかど 東天
立春や光の中の籠の鳥 百花
<3日>
豆撒いて去年の鳥と会いにけり 鯉幟
枯葉降り地下の自転車置場まで 一輝
子のタオル干す節分の曇空 百花
<2日>
新雪へ百歩の一歩から始む 牙城
ラブホテル春燈ひとつひとつ消え 一輝
寒風やオーシャンフロントラブホテル 麻子
<1日>
ラブホテルの朝の裏口寒雀 百花
東には春田西にはラブホテル 一輝
2月
1月
<31日>
海風や三十三才ゐる分離帯 百花
<30日>
ふゆ生るる虻一匹の羽音かな 園を
深水面をゆく冬鳥の還る場所 一輝
梅やうすうす暮るる空の色 百花
トンネルを抜けるとそこは春の海 一輝
トンネルの両側に有る春隣 麻子
<29日>
冬ざれて三十路男の耳に壁 一輝
気持ちよく嬰児のおなら春隣 美代子
掃除機を買ひ替へてみる春隣 百花
<25日>
参道の小石へ冬日とどかざる 一輝
がちがちの脳みそ融かす冬の虹 東天
水鳥に鍵束鳴らしおいでおいで 美代子
<24日>
大空に根を張ることも枯木立 百花
仕舞い湯にひみつの素を春隣 麻子
父母と暮らす悲しみ雪の果て 一輝
はちみつの秘密を舐める春隣 園を
<23日>
冬の駅去りゆく君にキスをする 東天
<22日>
自転車の音へ寄る鴨パンの耳 百花
風花や井桁に組みし若き骨 等
思い出のなき地を去れば一月尽 一輝
大阪の黒き夜空や水仙花 一輝
風花や猫の通り道を通る 一輝
会うほどに別れのつらさ積もる雪 東天
<21日>
水仙は無口娘を持たぬ家 美代子
曇天の無言へひらく黄水仙 園を
冬耕や通い合いしは智にあらず 東天
<20日>
蒲団干す結跏趺坐の仏らも 等
凍てる夜悲しみひとつききたくて 東天
ふとん干して夢の続きのはや来たり 百花
途切れなき列車が耳に冬の雨 麻子
<18日>
あるはずの密会何処冬の陣 東天
<17日>
手袋のなかの密会白い夜 美代子
細雪窓のかたちに降りて消ゆ 百花
<16日>
冬雲雀帝都の深きところから 一輝
<15日>
秒針を秒読みしたる寒夜かな 百花
<13日>
またひとつ円盤増えて寒夜かな 一輝
寒夜ひとりストーブの音にぎやかに 百花
<12日>
あのままでいるあなたとぼくの烏瓜 宙虫
瞬かぬ眼の輝きへ初円盤 百花
<11日>
円盤の飛ぶ村のっぺ汁美味し 等
円盤のよしなく飛んで冬の空 麻子
<10日>
円盤の消えたるところ冬の星 百花
愛がいっぱい円盤からのテレパシー 美代子
円盤を待つ小寒の星の下 一輝
短日や駅ビルを出て風の音 百花
<9日>
小寒やどん兵衛という犬の猛者 等
小寒や円盤楽しふわふわと 東天
テレビはいつも円盤特集のっぺ汁 一輝
<8日>
のつぺいの口を封じよ葛溶いて 美代子
のっぺ汁四角四角に生きて来て 百花
うなだれたカラスさんとのっぺかな 東天
寒晴れに烏わきたつ神の島 一輝
<7日>
一合の玄米分けて七日粥 百花
大旦潜水艦は黄色なり 一輝
円盤も飛行機雲も初御空 美代子
ポラロイド・カメラを出入りする寒鴉(かんあ) 振り子
<4日>
ケイタイの根付けの猿の御慶かな 百花
嫩葉谷そつと覗けり雪女 美代子
初烏ぴしりぴしりと木から木へ 一輝
<3日>
元朝の笑い声あるなつかしさ 東天
<2日>
初御空ふあそらふあみそら全休符 園を
年暮るる太く明るき尼の声 一輝
元日の海に輝く鳥居かな 一輝
温まりゆく尾てい骨河豚汁 一輝
道なりのなんの並木の初日かな 百花
犬黒き目をして来たる御慶かな 秀彦
<1日>
【 反・三猿 】
見尽くして「無」の盛り上がる鏡餅 等
聞き尽くし屠蘇の絶叫嗚呼「存在」 等
言い尽くし「意味」の孔明く寶船 等
1月
2004年