あ・そ・ぼ 

常用漢字全??字
・・・三字詠み込み句会です・・・

毎週三字を提示。 季は問いません。いつでも・無しでも。 ご一緒に どうぞ。
(俳句・川柳・つぶやき・・なんでも)

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下にあるのが最初の句です。下からご覧下さい。☆ 


  ・61≪ 今・歩・頭 ≫

      今生の頭(かしら)をイエス麦雨の歩     百花
      頭の雪や今生の歩を運びゐて      秀彦
      今年はや歩切れ将棋や頭金       痾窮
      今歩頭や年々闇に入りにけり      小鳩
      今日もまた遍路歩くや頭陀袋      小鳩
      頭頂を今年の歩兵靴の音        痾窮
      シリウスを頭上に今年歩き初む     百花
      今様の頭に雪のせて闊歩せよ      振り子
      今一歩頭無にして冬介護        小鳩
      頭を上げて歩かう除夜の今をこそ    美代子
      歩き食ふ今川焼や獅子頭        秀彦
      徒歩き今度こそはと大晦日       小鳩
      今年酒就く頭領の大きな歩       百花
      頭に乗りて今川焼きを食べ歩く     小鳩
      今朝歩く出世頭とや神の留守      小鳩
      今市を跳んで竜頭を冬歩く       小鳩
      冬の遊歩道の今を頭が通る       小鳩
      枯野の頭今川餅を食べ歩き       小鳩
      枯園を今夜漫歩す石頭         小鳩
      今朝の春頭突きの年の歩みよる     百花
      散歩して今年も暮れる石頭       小鳩
      鶴歩く辛き今の世頭(ず)を振りて   小鳩
      冬譲歩今頃何を頭を傾ぐ        小鳩
      今落葉遊歩の人の頭に着地       小鳩
      進歩せし今の世あはれ頭を垂れる    小鳩
      新巻の頭や今生は歩を合はせ      百花
      今朝の冬ずいと頭を牛歩む       小鳩
      初日今再歩の姉の波頭         小鳩
      今市の馬頭観音牛頭(ごず)歩む    小鳩
      素頭で今を歩けり年の暮        美代子
      歩頭より星上がりくる今年かな     百花
      頭上歩くゑびす大国今宮宮       痾窮
      散歩して頭は何処今朝の冬       小鳩
      鴨歩く頭めぐらす月今宵        小鳩
      獅子頭町を遊歩す今昔         小鳩
      漫歩する坊主頭や今日の月       小鳩
      冬帝の今を竜頭は歩きけり       小鳩
      今年も頭を探し歩くかな         小鳩
      今様の頭(かうべ)の歩(あり)く十二月    秀彦
      去年今年頭ひとつを持ち歩く      百花


  ・60≪ 星・友・書 ≫

      書見星見友としゃべりぬ百花かな    小鳩
      友書脇火鉢に餅や星を見る       小鳩
      届かずも星友宛に賀状書く       小鳩
      星空に友書求めて捕鯨船        小鳩
      柚子湯して書をパラパラと星の友    小鳩
      友は書を共に星見るむじなかな     小鳩
      寒雀友書きばかり星と寝る       小鳩
      づくと友書は無けれども星月夜     小鳩
      寒林の書院星降り友は来ず       小鳩
      霜枯て友星と書を持て来たる      小鳩
      星友書冬眠せずに雪明り        小鳩
      星飛んでかな書を友に母ゐます     百花
      書を焚火火花の星や友温し       小鳩
      夜廻の友尻に書や星の降る       小鳩
      友橇に書を落とすなり星流れ      小鳩
      友と狩書言を忘れ星月夜        小鳩
      友書捨て星降る九年雪達磨       小鳩
      友布子着て書を閉じつ星眺め      小鳩
      書と友と闇汁食べて星を見る      小鳩
      煮凝の星空書きて友と喰う       小鳩
      星を見て友と書を見て冬籠       小鳩
      星が降る友と書を見て冬の宿      小鳩
      書初に友情と書く星一徹        痾窮
      友の「書」の何が何やら星月夜     痾窮
      友よりの封書速達寒の星        痾窮
      古書店のキラ星まみれ冬の友      痾窮
      荒星やぞくぞく友の請求書       痾窮
      はがき書き友と見入るや冬の星     小鳩
      友のゐる暗黒星雲賀状書く       百花
      冬の星友も書も無く不生哉       小鳩
      七福の友も書も在り星の元       小鳩
      ノロ菌や友の書を読め冬の星      小鳩
      句友だいじや書写山の北斗星      百花
      秋の古書聖夜の星の友来る       小鳩
      星凍つよ友の遺稿を書き写す      痾窮
      書置きに冬の星座を友とすと      痾窮
      叛の書と友軍の旗荒星へ        秀彦
      友情は星のかがやき夜長の書      百花
      友逝きて冬の星増ゆ書札繰る      美代子
      冬の星友と書架からながめをり     小鳩
      荒星や聖書のなかに友ありて      百花
      焚書して友星空を眺めけり       小鳩
      冬の星健筆友の遺書一行        美代子
      友垣の楷書の文字に星明り       小鳩
      友と書き一番星をみつけたり      小鳩
      お星様きらきら円友の書        小鳩
      流れ星竹馬の友の書の褪せて      百花
      友と書と何れを取らん星月夜      小鳩
      星合や茶飲み友達読書家で       百花
      友ありて一書のごとし冬星座      秀彦
      友来る書と荒星を携へて        百花
      友鶴に吉書燃え立つ星の国       美代子
      星砂に寝て友を待つとト書きせり    美代子
      友が欲しいと星の王子様日記書く    美代子
      友に書く賀状かの惑星にて待つと    美代子
      冬星や書淫の友の躁と鬱        美代子


  ・59≪ 言・国・米 ≫

      我も無く言国米やめでたけれ      小鳩
      国産みの言葉は神や米飾る       百花
      新米の治国の提言すさまじく      小鳩
      米を待つ俳句王国秋の言        小鳩
      米を食べ雀王子は不言かな       小鳩
      拉致言はぬ隣国洗ふドルと米      痾窮
      国費とは言はず餅米洗ふかな      痾窮
      火の番や出しやばりお米の国言葉    美代子
      国々へ散れる言葉や米の虫       百花
      国破れ残る言の葉米を噛む       小鳩
      夏の言国に散りしは米を喰       小鳩
      国思ふ秋は米獲り忘言す        小鳩
      布子着て米をこぼすや国言葉      小鳩
      冬の日や米口ごもり国言葉       小鳩
      寒鴉米を一瞥国言葉          小鳩
      国栖舞や米寿白寿の言挙げに      百花
      米占は言はずもがなの冬の国      秀彦
      古米食む孤児片言の母国語に      百花
      無言歌を国のはたてに小米雪      秀彦
      米国のジャズは素敵と言ひ残す     美代子
      新米食みお国訛りでものを言ふ     美代子
      国ざかひ米搗きバッタ言ひ寄るに    美代子
      新潟米言ひ値で買ひし国手かな     美代子
      新米の不言実行や国の春        小鳩
      預言者へ百米の憂国忌         百花
      上米をねだる言葉やお国の忌      痾窮
      国叱る言葉とてなし五万米噛む     痾窮
      言葉など凍る国にて米を喰       小鳩
      米ほろび国も言葉も秋の空       小鳩
      米の虫国や言葉に歯が立たず      小鳩
      言問いの国捨て米を冬流す       小鳩
      一言の米粒寒しこども国        小鳩
      国賓へ親米を言ふ冬の膳        百花
      言の葉に米喰う国やゆめの世に     小鳩
      米国のかつもどろみて言葉なし     小鳩
      夢をまた夢食う言葉米の国       小鳩
      妄言をかたるも夢よ米国の       小鳩
      米の夢それがまにまに国言葉      小鳩
      国光の甘き言葉や飯米後        小鳩
      言葉無く一国巡り米巡り        小鳩
      米の虫吾と同国不言かな        小鳩
      言魂のくに米の国からっ風       痾窮
      国破れ無言で米を搗くバッタ      痾窮
      石高と言ふ新米の武家の国       百花
      親米の驢馬の王様国思ふ        小鳩
      焼き米や大和の国のよき言葉      百花
      米原強霜国道で別れを言ふ       美代子
      米と生くお国言葉や亥の子餅      秀彦
      国体は神米と言ひ龍淵に        百花
      大和国一言主に米捧ぐ         小鳩
      米出来の国の指導は冬言葉       小鳩
      印度国タイ米食べて言葉無し      小鳩
      言の葉に米米クラブ夏の国       小鳩
      日本冬四季言ありて米の国       小鳩
      米国の言語道断万愚節         小鳩
      米投げる国でメリークリスマスと言ひ  美代子
      言ひ初は米国なまりアハピニュイヤ   百花
      米稔る国ひらがなでものを言ふ     美代子
      米国の言語渇けり雪は血に       秀彦
      新米と祝ぐ言の葉の国にをり      百花


  ・58≪ 門・止・朝 ≫

      朝蝉の止んで小さき影の門       百花
      知己の朝咳き止めよと門にゆく     小鳩
      朝門のすでに知己とや止まりぬ     小鳩
      朝霧や人立ち止まる天の門       百花
      朝な朝な門扉に止まる寒鴉かな     痾窮
      門罪の師を起す雪止まぬ朝       美代子
      小春日の時止まらず朝の門       小鳩
      咳止めの飴を朝から雷門        百花
      朝を待つ幼に止まる冬の門       小鳩
      山門の朝みそさざい止まりて      小鳩
      朝飯無傀儡師止る門の前        小鳩
      朝門を開け止りたる寒気かな      小鳩
      早朝の草門深し露止みぬ        小鳩
      魚止めの門前朝の魚激怒        小鳩
      新緑に朝日を止め凱旋門        百花
      朝しぐれ止みてはるかなにじの門    痾窮
      春は花朝の門には止まれず       小鳩
      門の朝夏ほととぎす鳴き止まず     小鳩
      秋は月門に止まり朝日無く       小鳩
      朝の門冬雪さえて止まらず       小鳩
      朝の門すずしかりけり旦止る      小鳩
      後朝の門に狐を止むるも        百花
      朝市で客止娘春の門          小鳩
      裸止め朝から茶飲み夏の門       小鳩
      野分止み朝青々と秋の門        小鳩
      朝の霜貧止まらず冬の門        小鳩
      朝の来る根源の門止まれず       小鳩
      うつし世は四門に止め朝寝かな     百花
      朝刊で発止と蠅打つ門徒かな      秀彦
      足止めてをろがむ朝雪の門       秀彦
      朝雨にででむし止まる門の隅      小鳩
      朝の町門に止まる都鳥         小鳩
      日短や月止まれよ朝の門        小鳩
      正門に止まるタクシー冬の朝      百花
      朝門の足音もなく血止草        小鳩
      大雪の朝門暗く降り止まず       小鳩
      猫の眼に止る小鳥来朝の門       小鳩
      雪山(せつざん)の門を徹りて朝止る  小鳩
      朝の眼のぶれ止りたる門のづく     小鳩
      早朝の門口に止め新豆腐        百花
      朝帰り門歯に止まる刻み葱       痾窮
      朝寒や足止め見上ぐ邪宗門       痾窮
      門閥の丁々発止今朝の秋        痾窮
      赤門や人生朝露停止なし        痾窮
      元朝や鬼門に止めたき人のあり     百花
      朝暗き門に止まる寒鴉         小鳩
      裏門に止まりをれば朝の月       小鳩
      寒の朝猫撃ち止る月の門        小鳩
      朝暝き門出で止る弟切草        小鳩
      草門に朝の蜻蛉の止りけり       小鳩
      鷲の目や兵士の止まる門の朝      百花
      風止みし朝門前雀羅を張る       美代子
      風門の音の止む朝蛍草         小鳩
      冬日朝蟇立ち止る羅生門        小鳩
      朝の門止まるわれに落葉かな      小鳩
      朝歩き止門札に初笑          小鳩
      酒止よ朝(明日)からよと門を出る   小鳩
      朝涼の体操止んで門の犬        百花
      大門に止まる凍月朝日桜        痾窮
      門出の朝まづ秋鰺に箸止めて      百花
      車止め冬の早朝門叩く         美代子
      冬の朝俳句入門止まるまま       小鳩
      冬門の鳥止り来る朝の粒        小鳩
      猫の朝門を出でれば冬止まる      小鳩
      冬の子の止まる朝の門を出よ      小鳩
      冬の朝月止まらず東門          小鳩
      朝焼け濃し立ち止まりては地獄の門   百花
      止め処もなくしぐるる朝の門黒し    美代子
      朝月の止まりをりし大手門        小鳩
      山門の朝月観れば秋思止む       小鳩
      われ愚人門に止まる朝の月       小鳩
      門ごとに朝日止まる淑気かな      百花
      朝寒や関門いつも終止形        痾窮
      朝顔や判断停止する肛門        痾窮
      関山の落葉止む門冬の朝        小鳩


  ・57≪ 鳴・曜・市 ≫

      市なかに鳴りもの火曜の三の酉     百花
      形見とて鳴海の市外曜日冬       小鳩
      鳴門市に何かのこさん初曜日      小鳩
      春は花鳴子市山に風曜日        小鳩
      市外鳴く山時鳥夏曜日         小鳩
      市街秋はもみじ葉鳴りゆく曜日     小鳩
      市民展日曜画家の靴が鳴る       百花
      鳴子網七曜架けて市実り来       小鳩
      七曜を美しく鳴く市鶯            美代子
      海市立つ天曜曜と鳴るさざなみ     百花
      曜の字の旧市街冬日鳴動す       秀彦
      京都市の鳴滝行事土日曜        小鳩
      市虎や白き日曜天地鳴動し       百花
      日曜の市の雀の子雷鳴止む       小鳩
      俳句にいろいろ蛙鳴蝉噪日曜句会に阿部完市もいたり   痾窮
      日曜の米研ぐお市鶴鳴かせ       美代子
      雪の宿曜(すくよう)歌垣市に鳴き合はす  秀彦
      雷鳴の火曜市長は野分中        小鳩
      日曜の古書市鳴門秘帖咳く       秀彦
      やはらかに市の蝉鳴くや土日曜     小鳩
      ブーツ鳴く市松模様七曜表       痾窮
      聖土曜市井の詩人鐘鳴らす       百花
      曜日問ふ蝌蚪鳴く声か市の施設     小鳩
      月曜は鳴海埠頭でカトレア市      美代子
      火曜日市川の海鳴り聞く        美代子
      水曜の市川海老蔵鳴物入        美代子
      木曜市モーツアルトの鳴り満ちて    美代子
      金曜の妻鳴海絞で市に立つ       美代子
      土曜日は門前市にて鳴子売る      美代子
      日曜日市谷にて雷鳴にあふ       美代子
      海鳴りの暮の夜市や七曜星       痾窮
      鈴鳴らす聖金曜日の市電かな      百花
      曜日無く空も市も鳴く月も無し     小鳩
      市価とある聖木曜日の皿鳴らす     百花
      日曜に鳴る靴音の市街秋        小鳩
      猫鳴いて旧都市灰の水曜日       百花
      七曜の鶺鴒歩く高鳴る市        小鳩
      雪靴が鳴る市民ケーンや月曜日     秀彦
      火曜日の場外市場時雨鳴る       秀彦
      闇市に霰高鳴る水曜日         秀彦
      木曜日市民プールに鳴く鴉       秀彦
      木菟鳴くや市川雷蔵金曜日       秀彦
      土曜日の市道に鳴子どよめきて     秀彦
      榾火鳴る門前市や日曜日        秀彦
      市振や海鳴り曜魄いなびかり      百花
      もみじ葉の鳴る市の土曜温かし     小鳩
      鳴神の火曜の警句冬市街        小鳩
      七曜の八風怒鳴るや冬九市       小鳩
      鳴りひそむ市ヶ谷辺り聖金曜      痾窮
      インコ鳴く市役所薔薇の日曜日     百花
      鈴鳴らし来るお市や冬の七曜会     美代子
      市松の帯鳴る棕櫚の日曜日       百花
      鳴子市の木曜雀不眠症         小鳩
      鳴門市に金曜ホール冬の海       小鳩
      日曜日悲鳴喜ぶ市職員         小鳩
      悲鳴聞く月曜日すわ冬市街       小鳩
      ゴミの鳴るうれしい悲鳴土曜市     小鳩
      ボロ市の熊田曜子や鞘鳴りす      痾窮
      市街地を外れ鶏鳴聖木曜        痾窮
      鬼首越へて鳴子市輪曜日        小鳩
      鳴かぬなら日曜市の焼き鳥に      美代子
      蛤を鳴かせ日曜市の朝         百花
      鶏鳴の日曜市や霜の音         秀彦
      鳴門市の恋猫土曜に目の回る      小鳩


  ・56≪ 谷・昼・父 ≫

      父の声を反魂草の昼の谷        百花
      昼谷に父が斧ふる冬木立        小鳩
      谷の雪華岳父と呼ばれたる真昼     秀彦
      炎昼の父の揺り椅子隠れ谷       百花
      けふの父武者でありけり昼の谷     美代子
      父を待つ渋谷の真昼クリスマス     百花
      谷風来昼父の傍胡蝶来る        小鳩
      夢の蝶父とも知らず谷の昼       小鳩
      父昼寝覚れば谷の蝶の夢        小鳩
      天の父よと谷底に昼を霞む       百花
      唐突に春の昼谷父さらう        小鳩
      昼の柿もぐ父真顔谷愁声        小鳩
      谷のぎす墓水飲んで父昼寝       小鳩
      初秩父胸の谷間に昼の酒        痾窮
      春昼の地獄谷父探しをり        美代子
      父のゐる秋の渓谷白昼夢        百花
      奥信濃谷昼父や桃の郷         小鳩
      昼寝谷父の声して不思議さよ      小鳩
      谷の父我と母とを鼓草         小鳩
      もみじ葉を昼の谷にて拾ふ父      小鳩
      次の世は父母妻と谷昼寝        小鳩
      父は谷足昼の晴夜の雪         百花
      谷の色昼の響きや父恋し        小鳩
      谷の風昼来て父も笑ひをり       小鳩
      谷川に遊び昼餉の父の笑み       小鳩
      プレイバック!谷行く父の青い昼    美代子
      雪の谷歩く父なり昼の夢        美代子
      谷啓に似た父でした昼蛙        痾窮
      炎昼や父ゆく我はふ谷の底       痾窮
      春昼うつうつ三谷小の父兄会      百花
      人生に父五里霧中谷の昼        小鳩
      無飾りの父の昼谷秋豊         小鳩
      父無闇常住昼間谷に飽く        小鳩
      雪の谷白昼父の書を得たり       秀彦
      昼暗き吹雪の谷の父である       秀彦
      父祖の谷地出でて真昼に吹雪けり    秀彦
      父とゐる昼の翳りや寒の谷       秀彦
      雪の谷無能な父として真昼       秀彦
      昼虹の谷に父似の木霊聞く       百花
      涸れ谷の昼の月見て父天心       小鳩
      父の顔気圧の谷や昼時雨        小鳩
      親父ギャグ昼に咆哮谷寒し       小鳩
      昼を盲て父よ谷間の曼珠沙華      百花
      真昼間の谷川岳よ父笑顔        小鳩
      秩父来て何故か昼寝の谷紅葉      小鳩
      父子草何故か冷遇昼の谷        小鳩
      谷越へて浜昼顔の父に会ひ       小鳩
      肌着まま父の昼顔谷笑ふ        小鳩
      父恋し谷わたりゆく昼の蝶        百花
      置き去りにせし昼顔や父の谷      秀彦
      白昼の書斎に父と谷空木        秀彦
      父子草真昼谷川雁詩集         秀彦
      異星人だつた父探す秋の昼の谷     美代子
      父の昼としのはじめのプロレス谷    小鳩
      ためしとて肌着で仕事父昼谷      小鳩
      おわりなき谷風吹きぬ父昼寝      小鳩
      父昼寝世のめでたさよ九谷焼      小鳩
      伊那谷の父の目に入る昼の月      小鳩
      春昼の谷風にゐて父の杖        百花
      谷紅葉父母の昼餉の無言かな      痾窮
      父母の谷間の冷気昼下がり       痾窮
      春の谷木石土いじる父の昼       小鳩
      夏の父昼は裸で谷仕事         小鳩
      昼雑煮父はドテラで谷笑顔       小鳩
      無造作に父の真昼の谷笑ふ       小鳩
      父祖の地や谷中の池の昼霞       百花
      百合を抱く厳父ではないか昼の谷    美代子
      父昼前谷春風に召されけり       小鳩
      父昼寝田舎物也谷の風         小鳩
      風の谷父はさらさら昼の月       小鳩
      父の山母の谷ある昼寝覚        百花
      朴な父山菜取りに倦み昼寝       小鳩
      谷渡る秋風真顔父の昼         小鳩
      昼夜と働く父に谷若葉           小鳩
      冬昼や家出の父は山谷にゐ       美代子
      父の日や山谷に昼の列をみて      百花
      谷紅葉昼の弁当父の夢         小鳩


  ・55≪ 弓・思・話 ≫

      弓の月思慕する昔話かな        百花
      冬西日西洋思想弓神話         小鳩
      腹話術口は秋思の弓形に        百花
      秋思史話覚悟の上の梓弓        小鳩
      梓弓栴檀の花思ふ余話         小鳩
      閑話休題弓偏の付く文字思ふ      美代子
      思話の夜弓月明かり蕎麦の花      小鳩
      秋の弓思ふ如くに話し往く       小鳩
      冬の弓思話のピシリと無一物      小鳩
      弓打の相思の話朝の虹         百花
      思念翔ぶヴィオロンの弓雪の夜話    秀彦
      弓矢折れ思う話は木下闇        小鳩
      思草弓うなだれて話枯る        小鳩
      思ひは弓話は弦の秋の暮        痾窮
      弓術は生業先祖の余話思ふ       美代子
      弓の跡思話光陰の小鳥去る       小鳩
      弓の子のつたなき思話よ赤のまま    小鳩
      春弓の思話のおくびの霞たつ      小鳩
      毛思想話せし君の弓に似し冬      秀彦
      小弓持つキューピッド神話思草     小鳩
      思ひ止め弓始する良き話        小鳩
      思話の弓真白き富士を射て通す     小鳩
      弓の前思話枯草の未生前        小鳩
      松茸の思ひ出話弓削神社        痾窮
      炉話深き列島は弓かと思ふ       秀彦
      ひきしぼる弓の思想と雪の話者     秀彦
      弓思ふ話育む冬市街          小鳩
      思話も無く弓射る人やすさまじく    小鳩
      思ひ込め弓で扇を射る話        痾窮
      神話なる弓月の君の春思かな      百花
      無話思想弓矢放ちて冬木立       小鳩
      思想散る弓矢も枯れて寓話かな     小鳩
      我話す思想の絶へし木の葉弓      小鳩
      弓を射る心に思ふ冬話         小鳩
      破魔弓や思ひのたけを立話       百花
      秋の弓思惑はずれ話外         小鳩
      大弓をきりりと禅話思草        小鳩
      炉話の虚子に弓引く思ひなど      痾窮
      愁思止め大弓絞る説話かな       小鳩
      和弓への思ひを茶話に神無月      百花
      思ひ回せり弓道部の冬の秘話      美代子
      くのいち悲話思慕する人へ弓をひき   美代子
      弓ヶ浜の砂洲思ふなり話すなり     美代子
      風の盆悲話思はせる胡弓音       美代子
      神のたそがれ情話秋思の弓ヶ浜     百花
      思川話途切れて弓張月         小鳩
      弓始日の本思ふ話など         小鳩


  ・54≪ 光・場・万 ≫

      逆光の現場写真や万年杉        痾窮
      月光のゴルフ場には万の風       小鳩
      露万朶棚場にまなこ光るもの      百花
      月光が万波を渡る仕場居かな      美代子
      幾万の子の苦は何ぞ光無く       小鳩
      雪の光十万億土退場す         秀彦
      湯治場は秋の光の万華鏡        痾窮
      万床の場所取り人へ花光る       百花
      光りたき万物冬の三幕五場       美代子
      光る夏万籟の風キャンプ場       小鳩
      場師(じょうし)来て光芒剪れり万年青の実   秀彦
      幾万の鱗光るや漁場の秋        小鳩
      万の稚魚の散らす光や養鱒場      百花
      ゆるやかに万博会場風光る       小鳩
      万葉の光のどかや葬斎場        痾窮
      万札へ場末の光冬に入る        百花
      万の魂光らせ霊場冴ゆるなり      美代子
      末枯の栄光万歳安酒場         痾窮
      戦場に光明ありと万愚節        小鳩
      万化やみ斎場の花光る風        小鳩
      水場あり万の光と麒麟草        百花
      万力の光り火事場の跡にあり      振り子
      光輪を負ひて場違ひ万燈会       百花
      万作の一枝に後光差す場にゐ      美代子
      万象の光場に受け冬を待つ       小鳩
      踊り場の万両にある光かな       百花
      鱈場跡喫茶「光」の万里子さん     秀彦
      光粒子冬霊場の八百万         秀彦
      万巻や霜の光の運動場         百花
      狂句こがらしの雑魚場は万の光かな   痾窮
      冬暮光万愚劇場国家哉         痾窮
      秋光の場外にゐて万馬券        百花
      万年の光年の磁場雪蛍         秀彦
      磁場に鳴る一万光年しまき雪      秀彦


  ・53≪ 毛・池・親 ≫

      池殿の親の毫毛頼朝忌         百花
      池の面へ綿毛親しく着地せり      美代子
      池上の親族控への間の毛皮       百花
      池の面の毛虫と云うを親しきと     痾窮
      親友が毛布包まる池袋         小鳩
      親芋の毛細血管池袋          小鳩
      毛髪に親月仰ぐ池袋          小鳩
      毛先秋親元離れ池袋          小鳩
      親戚も毛翅類なり池袋         小鳩
      親と呼ばるる不毛の人や池の月     秀彦
      池に影映せば不毛の親となる      秀彦
      池水の一毛呑みて秋親し        小鳩
      たんぽぽの綿毛が池へ親心       百花
      毛皮人池上線に親しめず        秀彦
      池に浮く羽毛冬日より親展       秀彦
      池田湖にゐる親の毛皮を身に纏ひ   美代子
      溜池や赤毛親子の秋日傘        百花
      毛皮着た親子と出会ふ池袋       痾窮
      池普請親の髪の毛骨も出る       痾窮
      毛筆の親展の文字秋の池        痾窮
      池水に月の兎親し毛玉つけ       小鳩
      親王の産毛池苑の十三夜        秀彦
      膝毛布硯の池に親しめる        百花
      親が月池の水澄む毛越寺        小鳩
      親権は毛頭も無し狐火の池       秀彦
      親と子の毛髪のいろ池茂る       百花
      毛先まで親しむ秋の五色池       小鳩
      池田屋と毛利敬親亀鳴けり       百花
      親猫の仔の毛繕い池畔         小鳩
      親閲や毛を以て馬を相す池の冬    美代子
      毛繕い親猫歩く池の秋         小鳩
      心字池の隅の親石毛虫焼く       百花
      毛細の親池の如母子草         小鳩
      親芋の毛穴の先の池を飲む       小鳩
      産毛より蓮池にあり親しかり      百花
      親雀毛遊びしてる池之端        小鳩
      親烏毛皮を借りて池之端        小鳩
      親鹿の毛髪さみし池之端        小鳩
      古池を毛穴に親し俳句人        小鳩
      池坊親子で詠う毛吹草         小鳩
      鶺鴒は池に毛氏の親衛隊        百花


  ・52≪ 西・知・半 ≫

      西王母秋の半夜を知恵の駒       百花
      西湖秋大鵬飛ぶと半知命        小鳩
      半弓の知行の西に弓始         小鳩
      西漢の知己おそろひの紙半かな     百花
      西窓に淡き半月知音くる        美代子
      半荘に知人を嵌めて西東        小鳩
      半身の知が泣くちちろ西へ行け     秀彦
      西域の半眼仏や知の木枯        秀彦
      知らぬまの三行半や西鶴忌       痾窮
      日は西に知恵者と言へど半端者     美代子
      西に時雨か空知原野を半ば過ぎ     秀彦
      半鐘は知道のほとり涅槃西風      百花
      半割の冷たき西瓜知覚在り       小鳩
      半生は西空知性無きがごと       小鳩
      西道に知恵の子踊る半夏生       小鳩
      半神のギリシャの知将西日見る     小鳩
      知己の朋西より手ぶら半ズボン     小鳩
      半月や西南戦争知命の死        百花
      西遊記知恵の半ばや仏の座       小鳩
      西方文殊知る半眼の猫に冬       秀彦
      西早稲田紅葉半分知恵豊        小鳩
      大西日半蔀下ろす知行院        百花
      知恵子行く西へ半歩の青田道      小鳩
      西東三鬼の半歩むかうは風知草     振り子
      西廻り世界半周地震の知を撒きに    百花
      明日知れぬ西国の花道半ば       小鳩
      道半ば明日在りと知る西日かな     小鳩
      西陣の半襟で添ひ知恵詣        百花
      半農の西日の知遇翁草         小鳩
      知恵ある子西日浴びつつ半纏着     小鳩
      知恵ある子半仙戯怖がる西方の     小鳩
      知られざる半跏思惟像秋西日      振り子
      知育とは半面教師(反面教師)西祭   小鳩
      西方の知や補陀落へ半月へ       秀彦
      半折へ知足と収め西行忌        百花
      智慧ある子西の水車の半日を      小鳩
      涅槃西風前後半歩の知を拾ふ      百花
      知恵足りぬ子らも半眼西日見る     小鳩
      知の庫に半獣神の秋西日        秀彦
      西方の半知半解赤とんぼ        秀彦
      西洋の知識を半分知ったかぶり     娘1
      知多半島 西に伊勢湾セントレア    娘1
      西高や知へ秋風の半世紀        百花
      無知なれど半袖西に鰯雲        小鳩
      知音来る小玉西瓜は半分こ       百花
      彼岸西風最高知恵者半眼に       小鳩
      西日見るめらめらと知る半世紀     小鳩
      蟷螂や知恵半端なり西明り       小鳩
      危き知半鐘鳴るや涅槃西風       小鳩
      半仙戯揺るる西方知恩院        小鳩
      知恵の輪のつぼみ半開西行忌      百花
      知者不言西洋メロン夜半の夏      小鳩
      言者不知西瓜食べ食べ半端かな     小鳩
      西郷どん半端じゃなくて知行合一    小鳩
      父無しや西日に炎える知多半島     美代子


  ・51≪ 公・色・線 ≫

      一線や公職姿色芋のくき        百花
      線細き公卿でありぬ色直し       美代子
      公子らの稜線を行く秋景色       小鳩
      公理系曲線多色やとうがらし      百花
      色かへぬ松公道の線迂回        痾窮
      公共放送の桜前線さくら色       百花
      公園の花色悪しく秋雨線        小鳩
      色鳥の電線音頭公民館         痾窮
      恋色の公爵夫人鉄線花         痾窮
      赤い色走る雷公導火線         美代子
      金色を線に隈どり公孫樹散る      百花
      公娼色町赤線秋思とぎれざる      百花
      色白の佳人公子を線描す        美代子
      公孫樹色なす沿線の理髪店       秀彦
      公転の軌線水色菊日和         百花
      色も無く、公線も無く、玉子酒     小鳩
      公達の隠す尾の線鯛に色        百花
      春の色蒲公英の花線うらら       小鳩
      線路端公園の薔薇色の燃え       小鳩
      秋色の公演の線蝶の舞う        小鳩
      車線凍公道走る色危険         小鳩
      新年に公色線の試し無し        小鳩
      秋色やG線上に小公女         振り子
      公人に線を離れし海胆の色       百花
      公平に線を見られず色草や       小鳩
      公孫樹散り色めいてゐる小海線     振り子
      腰の線色めく公主澄む水に       美代子
      公魚や明くる稜線黛色に        百花
      花の色線の公式花カンナ        小鳩
      春色の線の朧や公家絶ちぬ       小鳩
      風の色線のかそけし公民館       小鳩
      五色花線現れず公盲          小鳩
      色の花線変化して公慌て        小鳩
      公園の線香花火色哀れ         小鳩
      公道や線路色々虫の声         小鳩
      線分の公案解けず色草や        小鳩
      公道を分かつ白線色の秋        百花
      線香の色即是空公現祭         小鳩
      公園に線引く遊び色葉散る       痾窮
      公海に色々の線鳥渡る         痾窮


  ・50≪ 早・手・出 ≫

      早霜や野に後ろ手の骨出土       痾窮
      秋の朝早速手を出すあそぼかな     小鳩
      早昼や熊手あきんど出前取り      百花
      早行の手は乱されて萩出口       振り子
      手を合わす出羽三山に早苗植え     小鳩
      千早振る神の出納懐手         百花
      手の甲となりて出てゆく千早人      振り子
      芋煮会出でて手早き鍋奉行       百花
      手水鉢に早柿置いて出奔す       振り子
      手刀は早計だらう出開帳        美代子
      早梅や手中の一句出し惜しむ      百花
      秋晴れに早稲田に出かけ手本買う    小鳩
      節くれて冬には早き出家の手      秀彦
      手櫛から出す早世や雪女郎       百花
      早(はよ)遊べ表に出でて手を空に   小鳩
      団子出し早く月見を手鏡に       小鳩
      手鏡に映す月出る早稲の夜       小鳩
      早稲の夜手仕事励む月の出て      小鳩
      月の出て早乙女ひとり手に満ちて    小鳩
      手に満ちて秋早朝の出で歩き      小鳩
      出入り無く手入れも無しに早六十路   小鳩
      早六十路手向け出す花冬木立      小鳩
      冬木立手足も出ずに早枯れし      小鳩
      早枯れ死それも好いかな手足出す    小鳩
      手足出す早くて追えぬ走馬灯      小鳩
      出獄す早暁の気を双の手に       美代子
      早乙女や出番を待てる手力男      百花
      早寒の出前バイクの手打蕎麦      痾窮
      出来秋や手土産いらんと早よ帰れ    百花
      メトロ出て早冬なれば手を屈め     小鳩
      暮早しケータイを手に家出の子     痾窮
      手に満ちて溢れ出りけり早稲の水    小鳩
      早稲酒や後ろ手に出すお勘定      百花
      早春賦早乙女蓮華手鏡出        小鳩
      早稲刈るや手出ししたれば腰砕け    小鳩
      片手はみ出し早着の乳母車       美代子
      船や出づ手に早熟の月光界       秀彦
      早桃あり出さぬ手紙の溜まるまま    百花
      早起きであそぼ乱入手だけ出し     小鳩
      炒飯の手早く混ぜて月に出す      小鳩
      月が出る地球手早く回られぬ      小鳩
      月夜出ろ地球手早く逃げたりな     小鳩
      満月に手早く餅を出したりな      小鳩
      早稲酒を手酌で飲んで暴れ出し     小鳩
      思ひ出は手荒にもいだ早生の柿     痾窮
      老人の出句手早き初仕事        百花
      あ・そ・ぼ、手出しそこねて早三月   娘1
      早起きが出来ず仕事は後手後手だ    娘1
      奥の手を使えば早く出来るかな     娘1
      サービスの早出残業手当なし      娘1
      歩き出し早くも秋を手招けり      小鳩
      手庇に早雁出町柳着          痾窮
      早仕舞い月の出ほのと大手町      痾窮
      手の早い神も出雲に打ち揃い      痾窮
      早暁の手袋に出埃及記         痾窮
      早出の手で揉む懐炉生駒駅       痾窮
      早生柿に手を出す柿は盗むもの     美代子
      早引けや出山釈迦は春を手に      百花
      手をあらふ鶏声早き出でて秋      小鳩
      みぎ手みぎ足出して早打ち阿波踊    百花
      両手挙げ早く出て来いテロリスト    小鳩
      早や王手泣く子に出して柏餅      百花
      早秋や手拍子に鯉貌を出す       美代子
      出来秋の手形早々割りにけり      痾窮
      手焙に早い話が出尽して         痾窮
      早朝の出窓震わす手鞠唄        痾窮
      早や地虫出づその始終袖手して     痾窮
      手花火の最早と云へる光かな      痾窮
      早・手・出・ハンカチ王子秋高し     小鳩
      早乙女や出水心配手を合わす      小鳩
      早稲の香や昼出て揺らす手提げ鞄    百花


  ・49≪ 十・町・人 ≫

      人肌の恋ほし十月歌舞伎町       痾窮
      月を見る十哲町人武士乞喰       痾窮
      十薬や町医三人言違へ         痾窮
      望月や妾十人下町に          痾窮
      町明るし人家十棹の竹伐つて      百花
      十匹の蛾死すも町の人不浄       小鳩
      町の子の落人村に聞く十一       百花
      葬送の十人歩く冬の町         小鳩
      十人にひとりが受かり春の町      百花
      十夜念仏あの人連れて古き町      振り子
      バチバチと焚火十人凍土町       小鳩
      小町娘の十人句会我は死火山      美代子
      秋小野は十二単が町着人        小鳩
      十人のふところ愁思御徒町       百花
      町君の十人十色望の月         痾窮
      町角に十人寄れば秋の声        小鳩
      俳人の町うろうろす十二月       百花
      哲人が十分食える町の秋        小鳩
      老十人久太郎町てふ枯野         痾窮
      町に人の目覚めや八月十五日      百花
      いじめ人十人集う秋の町        小鳩
      十才の人格いまも町に雪        百花
      石十個積みつ町人秋河原        小鳩
      町の灯に烏合十人夕蛍         小鳩
      町とほき十坪の秋を人の言ふ      百花
      町内の今朝のすずしさ十人分だ     小鳩
      町の秋十人十色梨を食む        小鳩
      町を出て人跡未踏二十日月       小鳩
      十日町紬佳人の形見なる        美代子
      十返舎一九と町人栗を剥く       百花
      町なかにすさまじ人や十人も      小鳩
      新町や十五夜美人艶隠者        痾窮
      十五夜のあまねく裏町人生や      痾窮
      町に買ふ上達十訓人麿忌        百花
      十かぞへて町人から秋風になる     美代子
      十月夜町の火影も人恋し        小鳩
      二百十日の寺町一人二人かな      振り子
      長崎の嗚呼長崎の十人町        小鳩
      町に人魚十月の日を浴びてをり     百花
      俳壇じゃ十人並みも今小町       痾窮
      十日講町脈絡もなく人流れ       美代子
      十月流鏑馬町なかを人なかを      百花
      室町の十石舟で人運び         小鳩
      『十戒』を観て人日の歌舞伎町     痾窮
      人里は町とも違ふ三十三才       百花
      人麻呂の消えし町へと四十雀      振り子
      人波や二十日祝を町に出て       百花
      馬追が十字懸垂人形町         痾窮
      十日町へ大人一枚天高し        振り子
      パリの町十人寄ればボンジュール    小鳩
      すさまじや町金十一で人殺す      痾窮
      元町のかの人も消え十六夜       百花
      十勝町十人分の甘さかな        小鳩
      いたづらに人ひく小町十三夜      痾窮
      十日戎町に女人のあふれたる      百花
      町の子や人馴らしつつ十牛図      小鳩
      悪人づらして十六夜の町を出る     振り子
      枯葉散る町十全な人とゐて       振り子
      町てまり十とおさめて人はじめ     小鳩
      素十忌や町の顔てふ人のかほ      百花
      町を行く十字架背負い人天に      小鳩
      町にゐる百歳十人菊花展        百花
      十悪の人となりしか小町塚       小鳩
      人情の十万億土町はずれ        小鳩
      人の世の十町四方芒原         百花


  ・48≪ 汽・交・台 ≫

      浮灯台揺れて汽水に春の水       痾窮
      浮灯台春水交わる汽水域         痾窮
      灯台や汽水に交む春と冬        痾窮
      昨夜謝謝汽車早起交天台        小鳩
      台風後夜汽車止まりて交流会      小鳩
      月と汽笛交互にとどく絞首台      振り子
      汽水宿に旧交ぬくめあふ卓袱台    振り子
      天帝台覧夜汽車は霧と交際中      百花
      交易の汽船転覆台無しに        小鳩
      台本や汽車と案山子と交代す      百花
      縁台に駒打交わす汽笛の音      TAQT
      台座無指輪交換夜汽車婚        小鳩
      海の汽は天の足台交喙くる       百花
      汽笛かなカルスト台地交差して     振り子
      踏み台に汽車と銀河が交じりをる    百花
      お台場の交響曲や夜汽車上       小鳩
      外交の舞台へ冷ゆる汽車がゆく     振り子
      舞台かな夢の交わり銀河汽車      小鳩
      雲台上空秋の汽笛が交歓す       振り子
      交代す汽車を牽引お立ち台       小鳩
      交代す機関車リリーフお立ち台     小鳩
      交換す汽車といのちの台秤       振り子
      寝て交はし覚めて蒸汽の台所      百花
      台湾に汽笛行き交ふ秋の暮       振り子
      送り盆行き交ふ汽車の台車のみ     百花
      秋風と夜汽車の交差して楼台      振り子
      台風とアイロン交はす気と汽かな    百花
      露台より汽船ながめて気交感      小鳩
      二重舞台一銭蒸汽行き交ひぬ      百花
      交情や台詞のやうな汽笛鳴る      振り子
      汽と笛の交歓ありて台所        百花
      汽船はるか燈台と虹交はれば      振り子


  ・47≪ 戸・行・朝 ≫

      行人に納戸の裏の朝桜         百花
      戸を引けず 行ったり来たりの朝帰り  娘1
      二戸一の隣りの朝顔行列す       百花
      秋あはれ戸を開けしより朝行灯     百花
      露は朝の戸口を行き来して去りぬ    百花
      朝ぼらけ行く人もなき戸越かな     園を
      朝桜戸板に人の行き処         百花
      納戸に母この町を出れば朝顔      園を
      下戸の朝上戸の夜や西行忌       百花
      行く春やガラス戸越しの朝の海     百花
      春が行く朝日新聞戸に挟み       振り子


  ・46>≪ 雪・合・紙 ≫

      色紙の裏や雪夜の貝合せ        百花
      クリスマス 折り紙合わせ 雪の華   娘1
      かみ合わぬ手紙畳みて雪催       娘1
      合言葉は紙と鋏よ雪籠         百花
      紙吹雪 受けて合格 オメデトウ    娘1
      紙四手へ雪のまつはる合祀かな     百花
      紙切れの結婚合意雪もよひ       振り子
      紙皿に雪の礫や合コンは        振り子
      野は雪に合格通知の紙濡れて      振り子
      雪合戦ちり紙で鼻拭ひつつ       百花
      色紙で折る合作の雪だるま       振り子


  ・45>≪ 広・春・時 ≫

      初春や広島駅の時刻表         百花
      背広から時の洩れゆく春の暮      百花
      春の脳広きに時を忘じけり       百花
      青春は、広い未来のあった時      娘1
      小春日の広場はのんびり、昼寝時    娘1
      初背広 出社時間に春来たり      娘1
      春信と広重を馳す時雨かな       百花
      春菊の鍋に広ごる時の勢        園を
      広辞苑に春を探してゐて時雨      園を
      待春の広き座敷に古時計        園を
      春宵や広場真中に時計塔        百花
      広々と 春風のよに 時は過ぎ     娘1


  ・44>≪ 午・教・形 ≫

      弓形に午後の日があり教師の秋     百花
      調教に形良き汗の闘牛士        りゅう
      外形は日焼け教師の午睡かな      振り子
      正午より人形教室蝉時雨        なむ
      天牛の円形教室斬りまくる       りゅう
      形相の灼けて教鞭丙午         なむ
      胎教の午餐に首の無い人形       なむ
      調教の声うららかに三角形       振り子
      子午線の上仏教の春の午睡       振り子
      教科書の早弁の形午の刻        百花
      教室に午後の陽射しが四角形      娘1
      布教する異形の人よ午蔭の春      園を
      春の日の午後の教師の見目形      百花


  ・43>≪ 間・工・室 ≫

      工夫して作るすき間や冷蔵室      百花
      図工室の時間のとびら春きざす     振り子
      工業規格氷室山へと間者入る      百花
      室の花間男のする工夫かな       園を
      教師ゐて工芸室の空時間        百花


  ・42>≪ 高・矢・新 ≫

      矢の如し新宿高層ビルに霜       園を
      新玉の高天原の的矢かな        百花
      高額保険新規加入の矢が飛び来     百花
      新年も矢張り目標高すぎか       娘1
      新玉の矢ふふたりの後ろにゐ      百花
      新しき破魔矢や帯を高うして      百花


  ・41>≪ 元・心・晴 ≫

      冬晴や元素で解けぬ心理学       園を
      寒晴や元結を切る心持         百花
      晴着より元気はみだし屠蘇心地     百花
      曇のち晴の心やお元日         百花
      足元へ旗振る二日心晴れ        麻子


  ・40>≪ 強・弟・理 ≫

      弟へ強権発動節料理          百花
      強面の弟の無理年の際         痾窮
      無理強いに弟の泣く羽子板市      痾窮
      強権で四海兄弟無理がある       痾窮@無季
      義理強きことや白鳥弟子屈へ      百花
      強弱のある弟の鍋料理         振り子
      強北風や兄弟で出る理髪店       百花
      弟の強情屁理屈冬青空         園生
      強霜や弟の情姉の理知         園生
      賢弟の理論強力かまど猫        園生
      理屈抜きの弟子の強面空つ風      振り子
      弟子ひとり師ひとり強く理に結ぶ    百花
      門弟の理強し年の果          振り子
      無理強ひをマントに隠す義兄弟     振り子
      強飯を理解せぬまま舎弟かな      振り子
      弟が理数に強し熊穴に         百花


  ・39>≪ 楽・後・才 ≫

      先憂後楽後始末させる才        百花
      才なくて後の祭の楽隠居        痾窮@無季
      才藻や楽隠居後の不毛なる       痾窮@無季
      楽ありて後悔に才不用なる       痾窮@無季
      楽天家才あり後は考えず        痾窮@無季
      才人の落後世の常楽観す        痾窮@無季
      後にも先にも楽しめるのは才能だ    百花
      天才の後へ続いて失楽園        百花
      後宮の才女楽しも五七五        百花
      安楽椅子に才溺れしよ冬の午後     振り子
      文才は楽隠居につき後の月       振り子
      楽々と汚す才能まつりの後       振り子
      逸才は後方に天敵は楽茶碗に      振り子
      漫才の後の楽天冬銀河         園生
      指先で計る魚河岸細雪         園生
      楽才の後援会費また来てる       百花
      才媛の後姿や越天楽          百花
      後妻の才悲しきことを楽しくと     百花
      楽をする才覚あればと後走る      娘1


  ・38>≪ 魚・計・細 ≫

      大きめに計る魚拓や月細し       百花
      細君が計算している魚屋先       娘1
      白魚の細さで気にする体重計      娘1
      腰細の三十六計天使魚         百花
      人魚姫心細くて計り事         娘1
      計会の木魚が時を細分す        百花
      細目して魚眼レンズの計議かな     百花
      白魚に耳細心の計り売り        振り子
      細やかな魚でありし日体温計      百花
      魚の目の寸を細かく計り貼る      百花
      氷魚細しスリーサイズを計りゐて    百花


  ・37>≪ 絵・原・黄 ≫

      原潜の絵葉書大和黄落す        百花
      草原の黄色い烏子供の絵        百花
      絵の具溶き原っぱ黄色で染める冬    娘1
      絵に描いた餅は黄金か原始人      娘1
      原宿の黄落あぶな絵にもみぢ      園生
      向日葵や原色の黄の満ちたる絵     百花


  ・36>≪ 回・活・秋 ≫

      活蛸は回転寿司に秋急ぐ        園生
      秋の夜、活動的に回り道        娘1
      目が回る活字の海に秋一つ       娘1
      二回目の生活の暮るる秋思かな     百花
      秋の水回想録と活性炭         百花
      九回の裏を活きたり秋の空       百花
      回遊魚活き活き秋の水族館       百花


  ・35>≪ 海・帰・黒 ≫

      冬野から海へ帰らむ黒龍江(あむーるがわ) 園生
      黒ずむ苔帰化人の墓海へ向く      百花
      黒人霊歌海超えどこへ帰る       百花
      黒南風や北回帰線の海荒れて      百花
      黒点や海が炎に帰る時         百花
      黒海へ帰る海鼠の切り身かな      なむ
      帰りなんいざ黒潮にのる海鼠      痾窮
      ブイといふ黒潮牧場海猫帰る      百花
      帰燕はるか海をはなるる黒き粒     百花


  ・34>≪ 画・顔・古 ≫

      古シャツへ画きし蛙の顔うごく     百花
      顔に画くいのこずちかな古階段     麻子
      鬼の子の顔も画賛も古色なり      百花
      画期的太古の顔よ冬ざれよ      振り子
      天平の古墳壁画や春の顔        百花
      秋逝けば古画骨董のやうな顔      なむ
      古札の顔くちゃくちゃや画眉もなし   百花
      自画像やつぎつぎ顔の古ぶ秋      百花
      古顔の画商現れ小夜時雨        園生
      古刹名の画数多し猪の顔        園生
      紅顔の画の古びたる冬旱        園生
      古き良き時代の顔に小津映画      園生
      顔役の古傷冴ゆる画策や        園生
      顔彩の古き画布より冬の蝶      振り子
      古漬に点画の顔となりにけり     振り子
      晩秋や画帳に古き顔あまた      振り子
      画壇俳壇古き顔あり秋の風      振り子
      からす画いて顔七つある古巣かな    百花
      古顔の順に画室へ秋学期        なむ
      秋扇古画に顔氏らしきひとり      なむ
      温顔を古き画鋲でとめにけり      なむ


  ・33>≪ 角・記・考 ≫

      兎に角と、考え記して句のつもり    娘1
      考えの足りない記事に角が立つ     娘1
      先考の角帯のこと初日記        百花
      考察を記す駄菓子屋角に消え      麻子
      考へて角A記す大試験         百花
      記取ひとつ王より角と長考す      百花
      角巻に記憶思考の弛みけり       園生
      考古学の記述角張る神無月       園生
      街角考過ぎゆくものを記せば舞ふ    園生
      三角形に愚考を積んで日記閉ず    振り子
      ちり鍋や記憶の角に考現学      振り子
      考へる母の角てふ記号かな       百花
      秋思秋考して紙角力正統記       なむ
      一角獣出て春の夜の考古学       百花
      記紀いまだ考証ならぬ角煮かな     百花
      一角に記す長考菊芽吹く        麻子


  ・32>≪ 科・丸・近 ≫

      丸餅と大根の近さ科学の日       百花
      かぎりなく丸に近づくヒト科ヒト   振り子
      落葉とは近代科学の丸窓ぞ      振り子
      外科近く弾丸列車なつかしむ     振り子
      科斗文字と丸文字近親結婚す      百花
      教科書に水鳥泳ぐ遠近法        園生
      日の丸の冴えて科問ふ近代史      園生
      空想科学読本と焚き火近しき丸太小屋  園生
      冬近し日吉丸から科白もれ      振り子
      科学者の近くに冬の丸木舟      振り子
      近親を丸々芒で科学する       振り子
      更科や月と近目の丸眼鏡        百花
      山科も近江もまほろ丸き鷹       東人
      丸薬や近所の歯科の稲の花       百花
      科(とが)近く背なか丸めし囮番    隆
      主要五科近頃丸が鐘叩         百花
      科学者と云へば近眼(ちかめ)の丸めがね  園生


  ・31>≪ 遠・会・姉 ≫

      葬儀にて会ふ遠縁や十姉妹       百花
      姉妹とて遠けりゃ会えぬ冬隣      娘1
      姉の云ふ会陰裂傷遠花火        百花
      永遠の姉のマルタよ芋煮会       園生
      遠泳の姉へ手を振るお別れ会      百花
      遠方の姉に会釈や木守柿        麻子
      遠足の子の留守姉と会食す       百花
      遠き日の姉様人形菊の会        園生
      姉さんかぶり取つて会釈す遠白冨士   園生
      遠雷や恋人の姉と言うひと       園生
      会釈する姉に姉あり遠南風      振り子
      遠霞姉と名乗って会ひにゆく      百花
      芋煮会姉さの遠野物語         なむ
      ぎんなんの遠州姉小路一族ここに会す  なむ
      姉ヶ崎一家会長遠流土瓶蒸       なむ
      従姉妹会遠路の順に老けゆけり     なむ
      会員制なにやらへ姉遠蛙        百花
      会心の義姉とゐ並ぶ遠花火      振り子
      芋煮会の母郷遠しや姉の婚      振り子
      いわし雲遠野の姉の再会す      振り子
      遠くから長姉祖父に会いに行く    娘1
      遠縁の姉と密会ちちろ鳴く       天気


  ・30>≪ 京・牛・弱 ≫

      牛車より京ことば洩れ暑の弱音     百花
      牛後なる秋の微弱な京訛り       なむ
      牛馬肥えて弱化京大人文研       なむ
      牛頭馬頭に弱卒もゐて京の秋      なむ
      弱輩の牛鍋洗ふ京大祭         百花
      弱虫が牛喰ふ京の小晦日        百花
      か弱気に牛耳ることも京の秋       園生
      牛舌を弱火で煮込む京橋店       園生
      京ヶ瀬村牛の弱音を螻蛄が聴き      園生
      弱震の京浜地帯雌牛鳴く        園生
      牛乳に弱く北京の残暑かな       なむ
      京菜洗ふ強弱牛車ぎつしや秋      なむ
      夜長し北京に弱視の牛がいる      紫野
      東京に弱肩なるも牛鍋屋       振り子
      弱法師入りたる京や牛祭        百花
      左京区の牛丼半分弱夜寒        なむ


  ・29>≪ 園・歌・外 ≫

      開園に国歌外車を乗り付けて      百花
      月白や霊歌の外は草の園        園生
      落葉と凱歌の甲子園外野席       園生
      外は雨祇園てふ夢歌遊び         園生
      外来種満つる花園歌行灯        百花
      園まりを歌ふ外科医で露月の忌     なむ
      楽園の外を流るる秋の歌       振り子
      「枯葉」歌ふ園児もゐたり外厠    振り子
      歌女鳴くや公園墓地の内外で     振り子
      歌以外ならば園長捨団扇        なむ
      廃園に歌聖と外道秋の暮        媚庵


  ・28>≪ 夏・語・用 ≫

      夏休み用例ノートの語彙増やす     百花
      用向きは夏の命の愛語かな       麻子
      夏雲や用水池の鳥語聞く        百花
      鸚鵡がね用済み夏語「アイシテルアイシテル」 園生
      夏物語閉づれば秋の用水路       園生
      卑語乱用月は甘夏色の匂ひ       園生
      語呂語呂と夏の夕べの傘用意      百花
      夏過ぎて恋愛用語辞典買ふ       なむ
      夏負けや用ゐず残す季語の嵩      百花
      夏過ぎて用もないのに季語を引き    娘1
      夏期休暇気がつきゃ無用の単語かな   娘1
      用向きの単語を胸に夏羽織      振り子
      夏用の季語に手足をとられけり    振り子
      用水に月芸者小夏物語        りゅう


  ・27>≪ 雲・何・家 ≫

      雲越しに何の種蒔く我が家かな     百花
      家父長に連なる雲霞何処まで      園生
      あばら家の何に驚く雲の峰       痾窮
      何の家かは知らねども秋の雲      痾窮
      家代々何雲隠れ秋の暮         痾窮
      鰯雲何かを見つけ家鴨飛ぶ       麻子
      雲呑を何時まで茹でる海の家     きっこ
      月に雲何処の家にも車庫があり     百花
      いわし雲五家宝買ひて何処へか    りゅう
      雲水の家路何円鉢の子に        百花
      何気なく家を出歩き秋の雲       麻子
      何処かの星雲の前家二軒        百花
      画家すこし何かが足りぬ秋の雲    振り子
      いやちよつと家内が何で秋の雲     なむ
      雲上の貸家の家賃如何ほどや      百花
      幾何学の大家と出会う秋の雲      紫野


  ・26>≪ 岩・兄・羽 ≫

      渓流の岩場で羽を伸ばす兄       娘1
      羽衣や兄と隠れし夏の岩        百花
      若羽黒岩風が兄夏の鍋         なむ
      羽子板が岩ほど重し兄へやる      百花
      岩塩で兄のトマトに羽の生え      麻子
      羽根のなき兄貴が岩(ペテロ)や二千年  百花
      岩鼻で兄は手羽先月の客        なむ
      石雲や兄が羽前へおとと羽後      振り子
      石神の羽生へ虹や兄の婚        振り子
      石階に羽根もつ兄の涼しかり      振り子
      石神井と羽田の貴兄まで夕立      振り子
      兄の手で羽田がゆれた石あやめ     振り子
      石持や兄が母郷に羽根ひろげ      振り子
      岩に花父兄の付ける赤い羽根      百花
      兄関羽と慕ひて残照の岩に坐す     なむ
      灼くる岩貴兄も羽黒修験かな      なむ
      赤羽と小岩の兄が夕焼ける       なむ
      羽根交す岩壁花の兄のもと       百花
      兄妹の羽毛布団や岩の如        痾窮
      岩室に兄の羽毛があると言ふ      園生
      羽抜鶏兄と妹は岩戸裡         園生
      岩陰に羽散らす兄鶫罠         百花
      岩肌に兄が羽化する夏の月       痾窮

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