第9回 私は新米コーダ〜序章〜





はじめに

正確に言えば、私はコーダではありません。夫がコーダで、その妻というのが本当でしょう。
でも、産まれた時からコーダであった夫にとって当たり前の事でも、中途コーダ(なんて言葉があるのかどうか…)の私にとっては不思議なことがいっぱい。

だから、新米コーダ。

こんな私が、日々感じた不思議なこと、大変なこと、そして調べてわかったことを記録していこうと思います。
あくまで主観で書かれたページですので、コーダを代表している訳ではありません。個人的意見・我が家でのケースと受け止めていただけると幸いです。
そして万が一、差別的・蔑称と思われる表現があったとしたら、ひとえに私の知識不足が原因です。掲示板にてご指摘いただくと幸いです。



次に

コーダって何?と思われた方もいるでしょう。というか、みんなそう思ってるかな。
私も最近本などを読んで知った言葉です。

コーダ  ろうの両親から生まれた聴児のこと、またはその家族構成。Coda=Children of Deaf Adultsの略

自分自身は聞こえる人でありながら、聞こえない人の世界で育つため、最初に覚えるのが音声言語ではなく手話だったりする事もあるそうです。
成長に従って、両親以外の人との交流から音声言語を身につけますが、習得が遅れるなどの問題もあるようです。
実際夫に幼少期の話を聞いてみると「自分は幼稚園で言葉を覚えた」と言っています。
性格的に内向的で、自分の考えを言葉にするのが苦手な人だなぁと思っていたのですが、どうやらそういった経験があっての事なのかもしれません。
一般の人よりは手話に通じている特徴があると思われているようですが、必ずしもそうとも言い切れないです。親の考え方や、思春期(反抗期)における両親との関わり方などによって、個人差があると思います。


私の考える両親との関わり方、夫との関わり方。
そして手話を学ぶにあたって調べたりした事、そして思った事。
そんな事を徒然、綴っていく予定です。
更新は不定期ですが、是非ともご覧くださいませ。



序章

嫁いで最初に思った事…「何かここのおうち、私のおうちと全然違うな〜!」

今まで私が生活していたリズムと、夫の家庭のリズムは明らかに違いがあって、嫁いでしばらくは戸惑うことしきりでした。
そういう事は、結婚した女性なら必ずひとつやふたつ…あるいはもっと心当たりがあるかもしれませんが。
コーダならではのエピソードがいろいろあります。少しずつご紹介できたらと思います。


まず最初に、ハード面。

当たり前ですが、電話はファクシミリです。
夫が成長してからもう1回線電話を引いたそうで、現在は2回線あります。
かなり昔に工事したらしく、当時はISDNなどのサービスがあったのかどうかわかりませんが…多分なかったか、あったとしても一般的ではなかったのだと思います。

そしてインターフォン。
もちろん「ピンポン♪」と鳴っても聞こえませんので、フラッシュベルという光の点滅で知らせる器具を取り付けています。
逆に音の鳴る器具がついていなかったために、私が嫁いでから増設してもらいました。
でも慣れるまでは、ピカッと光るとドキッとしました。今でもちょっと苦手です。

次にソフト面…家族でのコミニュケーションですが。
父と母は手話で会話します。夫と私は音声言語で会話します。
夫と両親は手話で会話します。
私と母は、手話まじりの音声言語で会話します。母は中途失聴者なので、多少聞き取りにくいですが声を出すことが出来ます。私は口を大きく動かし、母に唇の動きで伝えようとしています。
私と父は…私がまだ手話をはじめたばかりと言うこともあり、ほとんど会話が成り立ちません。母か夫がいないと、父とはやり取りできないのです。

そして一番強く感じた事は。

両親はいつも家にいません。毎日のように外出しています。
仕事が終わると家で夕食を取り、そのままどこかへ出かけていきます。帰りが深夜に及ぶことも多いです。
小学生の子供でもあるまいし、どこに行って何時に帰ってくるなんてあえて聞きませんが、本当にいつもいない。
これはたまたま両親が外出好きなのかと思ったら、そうでもないようです。
ある時は、家に何人もの人が訪ねて来る事があります。そして夜遅くまで、手話で会話を楽しんでいるようです。

たまたま読んだ本の中にも、やはりこのような事が書かれていて、あぁやっぱり!と思ったことがありました。
お互いの家を訪問しあったりするのはよくある事で、土日祝日以外で平日の夜でも行き来したりするそうです。

今でこそ、一般の家庭にファクシミリやパソコン、メール機能のついた携帯電話などが普及していますが。
やはりそういったモノで連絡を取り合うのは、もどかしさを感じるのでしょうか?


序章という事でかなり簡単に書きましたが、次回は「手話」というものを学ぶに当たって思った事を書こうと思います。

22 Feb 2004

written by Kazupyon



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