Copyright(C) 2003 みほこ(Mihoko)

Korsnäsセーター


 フィンランドのセーターで、土産物屋に並んでいるのは、アーティスト達のデザインセーターであり、 伝統的なものではない。 伝統的なセーターで、世界で一番知られているのがこのVaasaの南にあるKorsnäs地方に伝わるセーターである。
 実際、セーターはフィンランドの西岸部では作られていたが、その他の地域では小物のみである。 地域ごとに特徴的な模様がミトン等に使われている。この話はまた別の項で。
 セーターの本等を読んでいると、フィンランドは編物においても、西と東の接点であるという描写を 見かける。わかりやすく言うと、日本でも有名なノルディックセーターに東欧の色使いを加えたものが、 フィンランドテイストだということだ。


←縮小したらあまりに見づらくなったので、元の写真を用意しました。写真をクリック!
 通常サイズの大きさの写真を見て、可愛い!と思った女性へ。
 これは男性向きのセーターだったのである(私も講習を受けるまではしらなかった)。
 かつてこのセーターは、各家庭で作られ、村の祭事に着用された。私の勝手な推測だが、母親や妻が作るのがうまくて、 似合っている男性はかなりもてたのではないだろうか。「ユッシって伊達ねえ」なんてさ。

 このセーターが盛んにつくられた19世紀後半から20世紀にかけての絵画には、 このセーターを着用している男性が描かれたりしているのでかなり有名なものだったのだろう。

 このKorsnäsセーターもいくつかパターンがあるらしい。Korsnäs地域で、 集落ごとにパターンがあるという意味ではない。製作者が好んで使うパターンの組み合わせがあるということだ。 それゆえ、「ユッシがいつもと違うセーターを着ているよ。あれは、向こう隣のヤリの娘さん テイヤが作ったものでないか、あの二人は出来ていたのか!」なんてありえたのでは。ああ、下司な私。
 時代はかわり、今ではこのセーターも女性用に編まれる様になった。

  かぎ針編みと棒針編みを組み合わせている。写真のセーターでは赤い部分がかぎ針、白い部分が棒針で編まれている。
 少しだけ、模様について触れておく。先ほど個人によってパターンが違うと書いた。 たとえば、ある人はすそ模様の女の子の靴を緑色にしてみたり、といった具合である。 博物館でこのセーターを見たときにも、かぎ針編み部の地の色は赤系統の色、棒針編みの地の色は白と なっていれば何でもありという感じだった
 また、棒針編み部のこの模様は、ノルディックセーターのしらみ模様になにか共通するものがあるらしい。


 授業で私がやったことと言えば、試し編みである。  かぎ針編みの時には、すじ編みでどんどん編んでいく。引き抜き編みをして立ち上がりの一目をしない。これをしてしまうと、 見た目が縫い目のあるようになってしまう。だからぐるぐると一方通行に。


 セーターは筒に編んでいって、最後は袖のところや襟ぐりをほつけないようにミシンがけしてから、 切ってしまうのである。フェアアイルセーターの作り方をご存知の方なら私の言っている意味がわかると 思う。その後、襟ぐりや袖を編んで縫い付けるのである。特に袖の付け根は頑丈に縫いつける。こういう事から、 ああ、やっぱり男性向きのセーターだったんだなあと推測してしまう。


 このかぎ針編みの手法で、かつてはサスペンダーや、小銭要れなどの生活必需品も作られた。かなり 根気の要る仕事だ。見学したVaasaのpohojoismaan museoには巾1メートル以上もあるタペストリーなども 展示されていた。




質問はこちらまで Mail