
|
ハンガリーカトリック総本山のまちエステルゴムEsztergomの対岸はスロバキア領。第一次世界大戦で敗戦したハン
ガリーは、領土を3分の2も没収されてしまいました。対岸のまちシュトゥロボも元ハンガリー領、ハンガリー語表記で
Párkányパールカーニュ。現在でも多くのハンガリー系住民を抱え、彼らはハンガリー語で生活しています。
両国を結ぶマリア・ヴァレーリア橋は、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフと、シシィの愛称で知られる妃エリザベート
の間に生まれた、末の皇女の名前から付けられました。この橋は大戦で爆破されたまま、戦後55年間も放置され、そ の間は渡し舟が行き来していました。ようやく再建されたのが2002年10月のこと!パスポートは必要なものの、これ でいつでもわたることができます。もちろん日本人も!
橋の向こう側に出入国審査所があります。そして興味深いことは、徒歩で横断できること!
大抵の国境は自力で行けないような辺鄙な所にあって、陸路で越える場合、その国境は高速道路や山道の場合が
ほとんど。一般旅行者の場合、バスや自動車が渡河手段となります。徒歩で横断できる国境は珍しいのです。しかも、 このマリア・ヴァレーリア橋の場合、両方の町の中心地からも近く、土地の人も旅行者も気軽に渡ることができます。
ハンガリー人がスロバキア側に渡る一番の魅力は、その物価の安さ。安くておいしいスロバキアビール(0.5Lで約60
円)と異国の料理を楽しむのはもちろん、自家用車で横断する人の場合、実はガソリンを満タンしに行くのです。
反対に、スロバキア側の人は、いくら物価が安くても、手に入れられるモノには限度があります。首都ブラティスラバよ
り近いエステルゴムへ、モノを求めてやって来ます。エステルゴムには、原則年中無休24時間営業のハイパーマーケッ トがあるのです。
橋の開通以来、今まで以上にハンガリー人が食事に、買い物にやって来るようになり、シュトゥロボの街は、にぎわう
ようになりました。スロバキア通貨コロナより強い、ハンガリー通貨フォリントで買い物も可能な店があるくらいです。し かし、エステルゴムと異なり、観光地ではないので、ハンガリー語またはチェコ・スロバキア語ができない一般旅行者の 訪問では、不便を感じるかもしれません。
特に週末にもなると、橋の上は大渋滞です。最も気を付けなくてはならない日は、どちらか一方の国の祝日です。徒
歩横断者の検問ですら、30〜60分も並びます。
雄大なドナウ川とエステルゴム大聖堂を望みながら横断。検問はスロバキア側にあります。ハンガリー人とスロバキ
ア人はチラリとパスポートを見せるだけですが、その他の外国人はじっくりチェックされ、スタンプを押されます。
ブダペストからエステルゴムへはバスが便利。終点バスターミナルから橋まで徒歩20分。バスターミナルからは人の
流れに沿って行くと、まちの繁華街へ出る。すでにそこあたりから国境を示す案内標識あり。とにかくバスターミナルか らひたすらまっすぐ。国境通過後、シュトロボ市街へは、国境を出てすぐの突き当たり右へ徒歩2分行くと、まちのメイン ストリートの端へ出る。メインストリートは端から端まで歩いても4分ほど。
最新改訂2004年4月
|