『和製漢字のレシピ』

 『和製漢字の辞典』のなかから、「食」に関わる文字を抜き出したものです。

 「食」に関する「事・物・手段」全てにかかる漢字を集める計画の新ページ『漢字のレシピ』のコンテンツとして作るものです。

ミニ参考書とコーヒーブレイクへ

  1. 【丼】 『説文』の「井」の隷書体と同形であり、「どんぶり」は国訓と考えられる。『学研漢和大字典』は「容器の中に食べ物のはいった姿を描いた象形文字。中国固有の丼(セイ)とは関係がない。」として国字とする。このような考え方にたてば、同形であっても意味的に中国のものと完全に異なる場合は、国字とされる可能性が高くなる。「椿(つばき)」など国訓とされる多くの文字について見直しが必要となるが、見直しが行われているようには見られない。「丼(どんぶり)」の字のみのようである。同書のハンディ版『漢字源』の最新版は同様の解説をしながら、国字とはせず、「日本語特有の意味」をあらわすマークをつけている。
  2. 【休−木+荏】 『皇朝造字攷』に「佐桃」とある。典拠とされる『新撰字鏡享和本』のほか『新撰字鏡群書本』・『新撰字鏡天治本』も木偏である。『皇朝造字攷』は木部の中に人部と注記してこの字を置く。何か別意があるのか、不明である。
  3. 【写−与+弓】 『名義抄(観智院本)』に「キル」とある。
  4. 【冷−令+太】 『世尊寺本字鏡』に「アラフ ソヽク」とある。「汰」の異体字か。
  5. 【羊+刀】 『音訓篇立』に「キル キサム」とある。
  6. 【匁】 『日本人の作った漢字』が『近世常用の漢字−雑俳『新木賊』の用字について−』から「もんめ」と引いて国字とする。韓国の漢字規格にもあり、『漢韓最新理想玉篇』は日本字とする。「文メ」の合字とされることもあるが、実際には「錢」の異体字として同様な字体が、中国・日本ともに存在しており、その一つと考えられ、国字ではない。その実例を示すと『正楷録』・『倭楷正訛』に[匁−(匁−勹)+人]が、『天正十七年本節用集』などに[狩−守++ヽ]がある。『中華字海』は『篇海』を典拠に[狩−守++ヽ]に似た字形を示し「同錢」とする。『書言字考節用集』にも『中華字海』に近い字形である。『中華字海』・『書言字考節用集』は、第2画が第1画を貫かず、第3画・第4画で「从」の字の旁に近い字形をとる点では似た字形である。『中華字海』の字形は第3画が構えの内外を貫き、第4画が構えの外にあり、『書言字考節用集』の字形は第3画が構えの中にあり、第4画が構えの内外を貫く点がやや異なる。『書言字考節用集』は、「イチモンメ」の「モンメ」の外、「イッカンメ」の「メ」にもあてられている。「錢」の旁が崩れて、『中華字海』が典拠とする『篇海』の字形となり、それが『書言字考節用集』の字形・『正楷録』などの字形を経て現在の「匁」になったものと考えられる。以上から「匁」は「錢」正確にはその旁からできた文字で、「文メ」の合字説・「泉(せん)」の字が崩れてできたとする説・国字説は誤りであることがわかる。『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「モンメ」とある。
  7. 【听】 「ポンド」の意の音訳字。『漢語大字典』は、『説文解字』を典拠に「笑貌」、『廣韻』を典拠に「口大貌」、『玉篇』を典拠に「仰鼻」、『正字通』を典拠に「同聽」とするが、ポンドの意の解説はない。『大漢語林』は、「ポンド(封度)。イギリスの貨幣、又重さの単位Poundのあて字。」として日本での用法とする。「吋」を参照。
  8. 【喰】 『龍龕手鑑』に「[殊−朱+食]音孫以飲澆[飯−反+卞]也 喰同」とあり、国字ではない。『漢語大詞典』などに『敦煌変文集』からの引用もあり、『中華字海』は「音餐同餐」とする。音のみ伝わっている文字とは異なる。なお意味的にも近く、国訓ともいえないであろう。
  9. 【叺−入+(句−口+言)】 『新撰字鏡』に「黍之反牛細j牛哨也牛乃尓介加牟」、『名義抄(観智院本)』に「[特−寺]ノニケカム」とある。「反芻する」意の国字。
  10. 【圦−入+本】 『音訓篇立』に「ハチ」とある。『国字の字典』は『法華三大部難字記』を引き「鉢」の意の国字とする。『名義抄(観智院本)』は「俗岸字」とするが、中国の佚書の影響ででもあるのだろうか。
  11. 【圦−入+{(知−口)△ヨ△丸}】 『永禄二年本節用集』に「イノコ」とある。「猪(いのこ)」の意の国字か。
  12. 【持−寺+希】 『国字の字典』が『新字源(旧版)』を典拠に「惜しむ」意の国字とする。典拠としているのは『新字源(旧版)』の「国字国訓一覧」であり、『国字の字典』自体『康煕字典』に同字があるとしているのであるから国字とすべきでなかった。『字鏡集白河本』に「アヒモノ」とある。
  13. 【持−寺+弄】 『現代漢和辞典』は「漢音呉音ロウ。原義は、もてあそぶ。」としながら、「せせる。つつく。ほじくる。」の意の国字とする。国訓とするところを国字と表示した編集上の錯誤か。『龍龕手鑑』に「[持−寺+弄] [持−寺+(峠−山)] 同上」とあり、『中華字海』には『集韻』を典拠に「同弄」とある。国字でないのは、いうまでもない。
  14. 【搾】 『大字典』に「〔慣〕サク サ 國字 シボル」とあり、『国字の字典』が国字とする。『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)にも「シボル」とある。『漢語大詞典』が宋代の文献を典拠に「同[村−寸+窄]」としており、国字ではない。『大漢語林』に参考として「この字は一般に国字とされているが、中国でも使われており、国字と判定する根拠はうすい。」とある。一見、適切な説明にみえるが、国字「鱈」は中国で簡化字までつくられ、使用されているが、この解説を当てはめると国字ではなくなるというおかしなことになる。その他の国字とされる文字や日本で生まれた用法も中国で使われていることは多い。中国で使われていると、国字や国訓でなくなるというおかしなことにならないために、日本で作られたものが中国でも使われるのか、中国本来の漢字が日本でも使われているに過ぎないのに誤って国字や国訓といわれているのかをはっきり解説する必要がある。この字の例でいえば、日本での使用よりも、中国での使用の方が古く、意味も同じであると解説する必要がある。
  15. 【枡】 『中華字海』が『宋史』を引いて人名用字とするが、日本の文字とは関係がないであろう。国字としてもよいと考えられる。
  16. 【栂】 木の名「つが・とが」の意の国字とされる。馬王堆漢墓ほかで「梅」の字の異体字として使われていることが知られているが、この用字法が日本へ入ってきていた痕跡は見られない(ただ「栴」と[村−寸+丹]で同様なことがおきており、完全になかったとも言い切れない。[村−寸+丹]参照)。別字衝突であろうが、国字ではなく、国訓とすべきであろう。『運歩色葉集』・『増刊下学集』・『大谷大学本節用集』・『天正十七年本節用集』・『堯空本節用集』・『両足院本節用集』・『易林本小山板節用集』・『和字正俗通』・『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「トガ」、『撮壌集』・『温故知新書』・『明応五年版節用集』『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』に「トカ」、『玉篇要略集』に「トカ ホ」、『拾篇目集』に「ヲホシイ」、『同文通考』に「トガ 木ノ名」、『正楷録』(倭楷)に「多革」、『國字考』に「トガ(中略)三才圖會云栂倭字関東曰豆賀関西曰止賀(下略)」とある。地名「栂尾」は、『天正十七年本節用集』・『弘治二年本節用集』・『両足院本節用集』に「トガノヲ」、『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』に「トカノヲ」、『大谷大学本節用集』に「トガノヲ(中略)茶ノ名所」とある。『撮壌集』・『運歩色葉集』・『増刊下学集』・『天正十七年本節用集』・『堯空本節用集』・『両足院本節用集』・『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』・『正楷録』(倭楷)・『和字正俗通』など、[栂−母+毋]のような字形になるものが多い。
  17. 【村−寸+用】 『森林家必携』に「ウメ・クスノキ」とあるが、典拠はない。
  18. 【桝】 『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「マス」とある。『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』に「三升桝勝鬨帳貫(さんじょうます みいりのちょうじめ)弘化3年11月初演」とある。(解説途中)
  19. 【{區−品+(粉−分)}+欠】 『国字の字典』が『慶長十五年本倭玉篇』を引き「飢(う)える」意の国字とする。『龍龕手鑑』にあり、国字ではない。
  20. 【泳−永+紫】 『篇目次第』に「ノリ」とある。「海苔(のり)」の意の国字か。
  21. 【燈−登+者】 『音訓篇立』に「ヤク」とある。「焼(や)く」意の国字か。
  22. 【燈−登+放】 『音訓篇立』に「イル イリホス」とある。「炒(い)る」意の国字か。
  23. 【燈−登+(尚+攵)】 『中華字海』964『音訓篇立』に「生音 コシキワラ」とある。(解説途中)
  24. 【日▽火▽者】 『国字の字典』が『伊京集』を引き「芥火(あくたび)」の意の国字とする。『大辭典』に「海人が藻芥(あくた)をかき集めて焚く火」とある。
  25. 【燈−登+煮】 『音訓篇立』に「ニル」とある。「煮」の異体字か。
  26. 【燈−登+{応−心+(瞿−隹+安)}】 『新撰字鏡』に「於縁反炊五穀也可志久又宇牟須」とあり、『国字の字典』が「蒸(うむ)す」意の国字とする。『音訓篇立』に「エイ音 カシク」、『篇目次第』に「エイ反 カシク 无」とある。いずれにも反切もしくは音注がある。「炊(かし)く」意の佚存文字か。
  27. 【瓧】 デカ(十)グラムの意の国字。『中華大字典』・『辭源』などが日本字とする。笹原宏之著『メートル法単位を表す国字の製作と展開』に「中央気象台でメートル法を表す記号を研究して1891年7月1日各気象台に通知し、気象観測の月報などに使い始めた」とある。小泉袈裟勝著『度量衡の歴史』・『日本メートル法沿革史』にも詳しい。
  28. 【瓦/ム】 『新撰字鏡天治本』に「与己ヘ」とあり、『国字の字典』が「横瓮(よこべ)。須恵器の一種」の意の国字とする。
  29. 【瓩】 キロ(千)グラムの意の国字。『メートル法単位を表す国字の制作と展開』に『日本建築辞彙』は、「[瓦+千]に作るが(中略)活字の制約やデザインによろう(下略)」とある。『漢韓最新理想玉篇』は韓国国字とするが中国と同じkwの意味で、日本がkgの意味で使い始めた方が両国より古く、国字である。立偏・米偏の単位を表す国字も両国に輸出され、使われたことがあるが、現在両国とも使われていない。「瓧」を参照。
  30. 【瓦/万】 ミリア(一万)グラムの意の国字。『中華大字典』が日本字とする。
  31. 【瓦/巳】 『新撰字鏡』に「万利」とあり、『国字の字典』が「椀(まり)。昔、水・酒などを盛った器。もい」の意の国字とする。
  32. 【瓲】 1トン(屯)の意の国字。「瓧」を参照。
  33. 【瓰】 デシ(1/10)グラムの意の国字。「瓧」を参照。
  34. 【瓱】 ミリ(1/1000)グラムの意の国字。「瓧」を参照。
  35. 【瓦/反】 『新撰字鏡天治本』に「万利」とあり、『国字の字典』が「椀(まり)。昔、水・酒などを盛った器。もい」の意の国字とする。『龍龕手鑑』に「音板瓦也又俗北官切」とある。国字ではない。『名義抄(観智院本)』に「音反 メガワラ」、『字鏡鈔』に「ヘン カハラ メカハラ」、『字鏡集白河本』に「ハン ヘン カハラ メカワラ」、『音訓篇立』に「香脱反 カハラ メカハラ」、『米沢文庫本倭玉篇』に「ヘン メガワラ」とある。『新撰字鏡天治本』も別の箇所には反切があり、「敗瓦也」などともしている。ほとんど漢字そのものであるが、「万利」とあるもののみが特殊である。他の字の注文が入り込んだというようなことはないのであろうか。
  36. 【瓦/太】 『新撰字鏡享和本』に「左奈介」とあり、『国字の字典』が「淺甕(さらけ)。底の浅いかめ」の意の国字とする。『難訓辭典』には「サナゲ 鈴の類(下略)」とある。『角川古語大辭典』に「さなき【鐸】大きな鉄製の鈴(下略)」とあり、同辞典に「【さなげ明神】」が「狭奈岐大明神(さなぎのだいみょうじん)に同じ」とある事からも、後者の説に信をおけるように思われる。
  37. 【瓦/火】 『新撰字鏡天治本』に「奈戸」とあり、『国字の字典』が「鍋」の意の国字とする。
  38. 【瓦/本】 『新撰字鏡享和本』に「奈戸」とあり、『国字の字典』が「鍋」の意の国字とする。
  39. 【瓸】 ヘクト(百)グラムの意の国字。「瓧」を参照。
  40. 【瓦/里】 『名義抄(観智院本)』に「未詳 サラゲ」、『倭名類聚抄(元和古活字那波道圓本)』に「本朝式云[瓦/里]佐良介今案所出未詳辨色立成云淺甕和名同上」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「サラケ」、『字鏡鈔』に「未詳 サラニ(マ?)」、『合類節用集』に「サラケ 又淺甕同 順倭名」、『難訓辭典』に『古名録(旧字体)』を典拠に「サラケ 底淺き甕」とある。『字鏡鈔』の注文は、「サラケ」の「ケ」の第1画がはっきりしないものを書写し、「サラマ」としたものか。(「マ」の古体には、「ケ」の第1画が無いもの、「ニ」と上下の長さが反対のものとよく似たものがある。)『和字正俗通』にもあるが注文がない。
  41. 1105a【花*瓦】 『名義抄(観智院本)』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』にやや崩れた字形で、「アフミカハラ」とある。

  42. 【瓦/長】 『新撰字鏡小学篇』に「弥加」、『名義抄(観智院本)』に「音長一音杖 ミカ モタヒ」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「ミカ」、『拾篇目集』に「モタヒ」とある。国字ではなく、[髟−彡+瓦]の動用字と考えられる。
  43. 【瓦/具】 『新撰字鏡享和本』に「豆保」とあり、『国字の字典』が「壺」の意の国字とする。
  44. 【甅】 センチ(1/100)グラムの意の国字。「瓧」を参照。
  45. 【瓦/泉】 『新撰字鏡天治本』に「波尓佐不」、『和字正俗通早大本』に「ツチタラエ」とある。[楾]・[瓦/樂]参照
  46. 【瓦/重】 『新撰字鏡天治本』に「毛太比」とあり、『国字の字典』が「甕」の意の国字とする。
  47. 【瓦/首】 『新撰字鏡天治本』に「与己ヘ」とあり、『国字の字典』が「横瓮(よこべ)。須恵器の一種」の意の国字とする。『字鏡鈔』に「ヨコヘ」とある。『名義抄(観智院本)』にもやや崩れた字形で「ヨコヘ」とある。
  48. 【瓦/高】 『新撰字鏡天治本』に「奈戸」とあり、『国字の字典』が「鍋」の意の国字とする。
  49. 【瓦/曽】 『名義抄(観智院本)』に「スエコシキ」とある。[曽+瓦]の動用字か。
  50. 【瓦/與】 『新撰字鏡天治本』に「与己ヘ」とあり、『国字の字典』が「横瓮(よこべ)。須恵器の一種」の意の国字とする。
  51. 【瓦/樂】 『新撰字鏡天治本』に「波尓佐不」とある。[楾]・[瓦/泉]参照。
  52. 【盗−次+飯】 『拾篇目集』に「モル」とある。『皇朝造字攷』に「母ル」とあり、『国字の字典』が「盛る」意の国字とする。
  53. 【眺−兆+感】 『名義抄(観智院本)』に「アラメ」とある。海藻の荒布(アラメ)の意の国字か。
  54. 【短−豆+息】 『名義抄(観智院本)』・『字鏡集白河本』に「ハカル」とある。『世尊寺本字鏡』にもやや崩れた字形で「ハカル」とある。
  55. 【碗】 『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)「ワン」とあり、『国字の字典』が国字とする。(解説途中)
  56. 【砲−包+霜】 『線音雙引漢和大辭典』に「アルセニツク [砲−包+比]石のこと又一つに[砲−包+比]霜石とも云ふ。」とある。『国字の字典』は『大字典』を典拠に国字とする。『線音雙引漢和大辭典』の解説は、『漢語大字典』が引く『玉篇』・『本草綱目』などの解説にほとんど同じである。中国の地名にも使われる。国字ではない。(解説途中)
  57. 【禾*米】 『新撰字鏡』に「毛知比」とあり、『国字の字典』が「餅(もちい)」の意の国字とする。『皇朝造字攷』も『新撰字鏡』を引き皇朝造字とする。『漢語大字典』・『中華字海』が漢代の碑などを引いて「同黍」とする。『名義抄(観智院本)』にも「黍」の俗とある。国字ではない。『世尊寺本字鏡』に「シヨ音 子力反 モチアワ アワ ケヒエ」とある。
  58. 【稼−家+(界−田+由)】 『世尊寺本字鏡』に「アハ」とある。「稗(ひえ)」の異体字か。
  59. 【稼−家+屑】 『国字の字典』が『大辭典』を引き「あらもと。屑米。こごめ」の意の国字とするが、『大辭典』が典拠とする『倭名類聚抄』 は『唐韻』を典拠とし、「先結反」と反切を示す。国字ではない。
  60. 【竍】 デカ(十)リットルの意の国字。笹原宏之著『メートル法単位を表す国字の製作と展開』に「中央気象台でメートル法を表す記号を研究して1891年7月1日各気象台に通知し、気象観測の月報などに使い始めた」とある。小泉袈裟勝著『度量衡の歴史』・『日本メートル法沿革史』にも詳しい。『日本人の作った漢字』に「漢字にその字形がある」とあるが、日本の国字を輸入したものである。
  61. 【竏】 キロ(千)リットルの意の国字。「竍」を参照。
  62. 【竏−千+弖】 『音訓篇立』に「ツカフ」とある。
  63. 【竕】 デシ(1/10)リットルの意の国字。「竍」を参照。
  64. 【竓】 ミリ(1/1000)リットルの意の国字。「竍」を参照。『日本人の作った漢字』に「漢字にその字形がある」とあるが、日本の国字を輸入したものである。
  65. 1332a 【竏−千+升】 『新大字典』に「国字 一リットル」とある。(解説途中)

  66. 【竡】 ヘクト(百)リットルの意の国字。「竍」を参照。
  67. 【竰】 センチ(1/100)リットルの意の国字とする。「竍」を参照。
  68. 【笠−立+刀】 『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「アヲヒエ 金銀薄具」とある。
  69. 【粉−分+(乢−山)】 『世尊寺本字鏡』に「ヒエ」とある。
  70. 【籾】 『国字の字典』が『和字正俗通』を典拠に「もみ」の意の国字とするが、『和字正俗通』の字形は、下に示したとおりである。『五音篇海』が『捜神玉鏡』を典拠に「音尼」とする。『名義抄(観智院本)』に「正(中略)チマキ カシキカテ [籾−刃+予 俗]」、『世尊寺本字鏡』に「チウ音 女救反 マウ音 モツ モミ 古籾[飯−反+刃] 雑也 粽也(下略)」、『有坂本和名集』に「モミ」、『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』に「モミ 米 音尼」、『正楷録』(倭楷)に「末密」とある。『皇朝造字攷』は『続日本紀』などの典拠を示すのみで読みや解説は付けない。『玄應一切經音義』・『新撰字鏡天治本』に『世尊寺本字鏡』と同様な注文があり、『五音篇海』と『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』に同じ音注があることを考えれば、「モミ」は国訓であろう。『運歩色葉集』・『大谷大学本節用集』・『和字正俗通』・『國字考』に「[籾−刃+刄] モミ」とある。「籾」と[籾−刃+刄]の中間的な字形で、『同文通考』に「モミ 穀也」とある。(解説途中)
  71. 【籾−刃+刄】 『運歩色葉集』・『大谷大学本節用集』・『和字正俗通』・『國字考』に「モミ」とある。『和爾雅』には、「倭俗ノ制字」として「モミ 殻ノ字佳」とある。「籾」の異体字にすぎず、国字とはいえないであろうが、和製異体字の可能性はある。「籾」参照。
  72. 【粐】 粐薪沢(ぬかまきざわ)は秋田県秋田市の地名。『JIS X 0208:1997附属書7(参考)区点位置詳説』に「『国土行政区画総覧』にあるこの地名がJISの原典典拠」とある。「すくも」と読む辞書もあるが、「粭」の読みをあてただけで、根拠のないものであろう。
  73. 【粉−分+化】 苗字に[粉−分+化]坂(けはいざか)がある。
  74. 【粉−分+太】 「糂[粉−分+太]」は「ぬかみそ。糂[粉−分+太]味噌の略」などの意で、『日本国語大辞典』が滑稽本『浮穴床』から「隣の糂[粉−分+太]の唐贔屓」と引いており、江戸時代にはさかのぼれる文字である。『大漢和辭典』は「タ 糂[粉−分+太]は、ぬかみそ。(下略)」として国字とはしていないが、典拠が無く、国字としなかった根拠は不明である。『漢語大字典』・『中華字海』などになく、国字と考えられる。
  75. 【粉−分+止】 『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「ウルシ子」とある。
  76. 【粉−分+穴】 『世尊寺本字鏡』に「子ムコクハシ ウルシ子 [粉−分+元]」とある。
  77. 【粭】 粭島(すくもじま)は山口県徳山市の地名。『JIS X 0208:1997附属書7(参考)区点位置詳説』に「『国土行政区画総覧』にあるこの地名がJISの原典典拠」とある。『難訓辭典』に「周防國都濃郡粭島(すくもじま)村」とある。
  78. 【粫】 『JIS X 0208:1997附属書7(参考)区点位置詳説』に「『国土行政区画総覧』にある福島県の粫田(うるちだ)がJISの原典典拠。ただし、現地(白河市)の役所によれば糯田(もちだ)」とある。「糯」は苗字では「うるち」とも「もち」とも読まれる。「粫」が誤字としても「糯田」が「うるちだ」と呼ばれた時期がある可能性は否定できない。
  79. 【粉−分+共】 苗字に[粉−分+共]田(すくもた すくもだ)がある。国字とされることがあるが、『漢語大字典』などが『説文』・『集韻』を典拠に「同[粉−分+工]」とする。[粉−分+工]は「陳臭米・赤米」の意で、「すくも」の意はない。国訓といえる。「すくも」と読む字では「粭・糘」は国字。
  80. 【粉−分+当】 苗字に[粉−分+当]形(あめがた)上[粉−分+当](かみまて)がある。
  81. 【粉−分+豆】 『音訓篇立』に「ハナハナ マメノナル」とある。『中華字海』が『篇海類編』を典拠に「音豆義未詳」とする。
  82. 【糀】 『異體字辨』に「カウジ」・『同文通考』に「カウシ [麹(旧字体)]也」、『和字正俗通』に「カウチ」、『國字考』に「カウシ」、『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「カウヂ」とある。『和字正俗通』には、「糀」に対応する漢字として[麥+(句−口+米)]があげられている。『異體字辨』は、四画の草冠である。
  83. 【粉−分+(総−糸)】 『新撰字鏡』に「作弄反去知万支」とあり、『国字の字典』が「粽(ちまき)」の意の国字とする。
  84. 【粉−分+定】 『新撰字鏡』に「定音 由須留」、『音訓篇立』に「テイ音 ユスル」とある。
  85. 【粉−分+武】 『世尊寺本字鏡』・『音訓篇立』に「イヒ ツヒ」とある。
  86. 【粉−分+亰】 『世尊寺本字鏡』に「ヌカ」とある。「糠(ぬか)」の意の国字か。
  87. 【糘】 『JIS X 0208:1997附属書7(参考)区点位置詳説』に「JISの典拠は広島県の祇園町西山本糘尻(すくもじり)」とある。『日本地図帖地名索引』に同県の糘地(すくもじ)、『国字の字典』に岡山県久米郡久米町大字桑下字糘山(すくもやま)がある。
  88. 【(稼−家)▽米▽古】 『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「ツク」とある。
  89. 【粉−分+雪】 笹原宏之著『文字から見た日本語らしさ』に「秋田県由利郡仁賀保町に小字「[粉−分+雪]田」があり、役場によると「もちだ」と読むので、「糯」という漢字の字体が変化したものと思われる」とある。また同書に「秋田県南秋田郡井川町に「[粉−分+雪]田」があり、役場によると「もちた」と読む」とある。
  90. 【粉−分+奥】 『有坂本和名集』札記が『天正四年本新撰類聚往來』から「ヲク」と引く。「早稲(わせ)」に対する「晩稲(おくて)」の意の国字か。
  91. 【罅−乎+呼】 千澄子・九原秀樹著『和食器基礎知識』に「[罅−乎+呼]〔ひび〕陶磁器に細かく入った亀裂(きれつ)。裂(ひび)とも書く。釉面のひびは貫入といい、胎土に入ったものを[罅−乎+呼]という」とある。ひびは普通には「罅」と書く。焼物用語あるいは個人的用字か。
  92. 【罪−非+方】 『篇目次第』に「カケタリ 无」とある。
  93. 【罪−非+〔圧−土+{鮎−占+(刊−干)}〕】 『日本魚名集覧』が『水産名彙』・『水産俗字解』などを引いて「サケ」とし、『水産名彙』を引いて「花[罪−非+〔圧−土+{鮎−占+(刊−干)}〕]魚(モウオ)」とする。『中華字海』などにないが、『本草綱目』に[罪−非]が4画になった字形である。『大漢和辭典』が引用するが、親字としては立項されていない。「花[罪−非+〔圧−土+{鮎−占+(刊−干)}〕]魚」についても『古事類苑』(動物部)が『重修本草綱目啓蒙』を引く中に4画の字形である。この字形をなんらかの段階で[罪−非+〔圧−土+{鮎−占+(刊−干)}〕]に誤ったのであろうか。国字でないことには間違いない。
  94. 【罪−非+(魚+思)】 『日本魚名集覧』が『水産俗字解』を引いて「鱸[罪−非+(魚+思)]魚 スズキ」とする。
  95. 【羊+五】 『音訓篇立』に「ヒツシ」とある。[翔−羽+互]の異体字か。
  96. 【草−早+(会−云+日)】 『国字の字典』が『天正十八年本節用集』から「[草−早+(会−云+日)][京+辛]子(からし)」と引き「芥子(からし)」の意の国字とする。
  97. 【草−早+宅】 苗字に[草−早+宅](ところ)がある。『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『弘治二年本倭玉篇』に「トコロ」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「タク トコロ コモル」、『玉篇要略集』に「トコロ タク」、『同文通考』に「トコロ [草−早+解]也一[草−早+(安−女+ヒ)]」、『國字考』に「トコロ 一作[草−早+(安−女+ヒ)]延喜式に見え(下略)」とある。
  98. 【草−早+(稼−家+丙)】 『新撰字鏡小学篇』に「和良」とある。
  99. 【草−早+補】 『国字の字典』が『本草和名』から「[草−早+補]陶(おおえびかずら)」と引き「葡萄(ぶどう)」の古名とし、国字とする。
  100. 【草−早+開】 『新撰字鏡享和本』に「開音山女也阿介比」とある。『国字の字典』が、『新撰字鏡天治本』を典拠に「木通(あけび)」の国字とするが、『新撰字鏡天治本』の字形は、[草−早+(門#井)]である。『弘治二年本節用集』に「道草 アケビ 或云山女」、『永禄二年本節用集』に「道草 アケビ 又云山女ト」、『堯空本節用集』に「道草 アケビ 又云山女又云木通」とある。[草−早+(門#井)]・「妛」参照。
  101. 【草−早+(門#井)】 『新撰字鏡天治本』に「開音山女也阿介比又波太豆」とある。草冠は、4画。[草−早+開]・「妛」参照。
  102. 【蝗−皇+万】 『名義抄(観智院本)』に「カキ」とある。「蠣」の異体字か。
  103. 【蝗−皇+孔】 『新撰字鏡小学篇』に「井又於布」とあり、『国字の字典』が「白貝(おう)。姥貝(うばがい)の古名」の意の国字とする。
  104. 【蚫】 『新撰字鏡小学篇』に「阿波比」とあり、『国字の字典』が「鮑」の意の国字とする。『有坂本和名集』に「アハヒ」また「アワヒ」、『運歩色葉集』に「アワヒ」、『米沢文庫本倭玉篇』に「アハヒ」、『元和三年板下学集』に「アブ」、『天正十七年本節用集』に「アワビ」、『弘治二年本節用集』に「鮑 アワビ 蚫 イ」、『永禄二年本節用集』に「長蚫 ノシ」、『同文通考』に「アハビ 石决明也」とある。『弘治二年本節用集』の注文の「イ」は、「蚫」が「鮑」の異体字であることをあらわしている。アワビの意の国字とされることが多いが、『字彙補』に「白交切」とある。『漢語大字典』・『中華字海』が『夢梁録』を引いて「同鮑」とする。意味も日中同じで、国訓ですらないと思われる。ただ「夢梁録の文章だけでは、蚫が鮑の意で用いられていることは、わからない。日本の意味から同鮑としたのかもしれない。」とする説もある。そうだとすると「あわび」は国訓ということになるのだろうか。
  105. 【蝗−皇+外】 『新撰字鏡小学篇』に「阿由」とあり、『国字の字典』が「鮎(あゆ)」の意の国字とする。
  106. 【蝗−皇+目】 『米沢文庫本倭玉篇』に「[蝗−皇+目][蝗−皇+羅] キサカヒ」とある。『国字の字典』は『文字のいろいろ』を典拠に「原始虫の名 もく」の意の国字とする。
  107. 【蛯】 『大字典』に「國字 エビ 海老とかき、エビと訓ず是より老と虫を合せ其義を示すか。渡島國茅部郡に蛯谷(エビヤ)村といふあり。」とある。蛯谷村は、茅部郡鷲ノ木村から明治8年に棒美・蛯谷古丹をもって分村して成立している。蛯谷古丹は、『角川日本地名大辞典』によると、江戸期から見える地名で、享保13年に最初の定住者があり、延享2年には蛯谷稲荷神社が創建されている。そのほかに江戸期から見える地名として、福島県相馬郡小高町蛯沢(当時は、蛯沢村)がある。このように地名としては、江戸期から見えるものの、節用集などで発見できない。字源説としては、『大字典』のものも否定できないが、節用集などで発見できないことからすると、「老と虫を合せ」作られたとするよりも、[蝗−皇+耆]の異体字としてできた可能性の方が高いのではなかろうか。「老と虫を合せ」作られたのであれば、江戸期に地名以外でももっと普通に見られ、節用集などにも登録されるはずであると考えられる。[蝗−皇+耆]・[蝗−皇+(老*目)]参照。
  108. 【蝗−皇+宅】 、『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「クラゲ」とあるが、『大漢和辭典』が『玉篇』などを典拠に「くらげ。水母。(下略)」とする。漢字そのものである。
  109. 【蝗−皇+州】 『名義抄(観智院本)』に「エヒ」とある。
  110. 【蝗−皇+西】 『新撰字鏡小学篇』に「衣比」とある。
  111. 【蝗−皇+吏】 『新撰字鏡小学篇』に「力比」とあり、『国字の字典』が「貝(かい)」の意の国字とする。
  112. 【蛤θ】 『大言海』に「ぐりはま([蛤θ])、又、ぐれはまといふ。江戸時代の初より行われし語にて、蛤の倒語なり。物事の喰違う意に云ふ。」とある。文字を回転させただけのことで、国字の範疇とは異なるものと考えられる。『小野[笠−立+愚][嘘−口+言]字盡』の「難字和解」にこの字がある。
  113. 【蝗−皇+辛】 『新撰字鏡享和本』に「尓志」、『名義抄(観智院本)』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「ニシ」、『米沢文庫本倭玉篇』に「ミツムシ」また「ヒ ニシ」、『慶長十五年本倭玉篇』に「シン ニジ」とある。苗字に[蝗−皇+辛]貝(にしかい)がある。
  114. 【刻*虫】 『国字の字典』が『皇朝造字攷』を典拠に「蚶(きさ)。赤貝の古名」の意の国字とする。
  115. 【蝗−皇+金】 『新撰字鏡小学篇』に「弥奈」とあり、『国字の字典』が「蜷(にな)の古名」の意の国字とする。
  116. 【蝗−皇+前】 『新撰字鏡小学篇』に「加支」とあり、『国字の字典』が「牡蠣」の意の国字とする。
  117. 【蝗−皇+(弓+曲)】 『米沢文庫本倭玉篇』に「マテ」とある。
  118. 【蝗−皇+(草−早+寺)】 『新撰字鏡小学篇』に「不奈」とあり、『国字の字典』が「鮒(ふな)」の意の国字とする。
  119. 【蝗−皇+耆】 苗字に[蝗−皇+耆]原(えびはら)・[蝗−皇+耆]沢(ひれさわ)がある。『増刊下学集』・『早大本節用集』に「エビ」とある。「耆」には、老人の意があるから、「老人のように腰の曲がった虫」の意で作られた国字か。[蝗−皇+(老*目)]は、[蝗−皇+耆]の異体字と推定される。「蛯」は、江戸期には地名にみられるものの、節用集などで発見できない。[蝗−皇+耆]の異体字としてできたものと考えられるが、地名以外では普通には使われていなかったのであろうか。「蛯」・[蝗−皇+耆]参照。
  120. 【蝗−皇+(老*目)】 『大谷大学本節用集』に「エビ [鮎−占+(蝦)−虫]又海老」、『天正十七年本節用集』に「エビ」とある。『大谷大学本節用集』に「耆」の異体字と考えられる[老*目]があり、「ヲキナ」とある。[蝗−皇+耆]が「老人のように腰の曲がった虫」の意で作られ、その異体字としてできたものか。国字には違いない。蛯・[蝗−皇+耆]参照。
  121. 【蝗−皇+都】 『新撰字鏡小学篇』に「豆比又加万女」とある。
  122. 【蝗−皇+副】 『新撰字鏡小学篇』に「万弖又阿波比」、『米沢文庫本倭玉篇』に「マテ」、『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「アハビ」とある。
  123. 【蝗−皇+細】 『新撰字鏡小学篇』に「弥奈」とあり、『国字の字典』が「蜷(にな)の古名」の意の国字とする。
  124. 【蝗−皇+短】 『拾篇目集』に「タコ」とある。
  125. 【蝗−皇+罪】 『新撰字鏡小学篇』に「阿波比」とあり、『国字の字典』が「鮑」の意の国字とする。『米沢文庫本倭玉篇』・『法華三大部難字記』に「キサヽ」とある。
  126. 【蝗−皇+鼠】 『新撰字鏡小学篇』に「不奈」とあり、『国字の字典』が「鮒(ふな)」の意の国字とする。『中華字海』が『集韻』を典拠に「同[蝗−皇+黍]」とする。国字ではない。
  127. 【蝗−皇+羅】 『新撰字鏡小学篇』に「加支」とあり、『国字の字典』が「牡蠣」の意の国字とする。『米沢文庫本倭玉篇』に「[蝗−皇+目][蝗−皇+羅] キサカヒ」とある。
  128. 【頭−頁+燕】 『日本大辭典言泉』に「[頭−頁+燕]豆(えんどう)」とある。
  129. 【超−召+面】 『慶長十五年本倭玉篇』に「メン ヨシ ヨクハシル トシ ハシル カンタチ」とあり、『国字の字典』が「よく走る」意の国字とする。『名義抄(観智院本)』に「除連除善二反(略)カムタチ」、『音訓篇立』に「メン音 コムキコ カムタチ」とある。国字ではなく「麪・麺」の異体字と考えられる。『慶長十五年本倭玉篇』の例は、国訓と考えられる。
  130. 【配−己+元】 『漢字の研究』に「サケノモト」とある。「酒母(さけのもと)」のこと。「日本の職人ことば事典」に「酒母づくりの担当責任者のことを上[配−己+元]廻り(うわまとまわり)という」とある。[配−己+元]には「生[配−己+元](きもと)」や工程を一部簡略化した「山廃[配−己+元](さんぱいもと)」などが有名であるが、「速醸[配−己+元](そくじょうもと)」がもっとも一般的で90パーセント以上を占める。
  131. 【配−己+井】 『新撰字鏡小学篇』に「須々呆利」、『音訓篇立』に「スヽヲリ」とある。
  132. 【配−己+因】 『新撰字鏡小学篇』に「万須々」とある。
  133. 【配−己+辛】 『法華三大部難字記』に「カラシ」とある。
  134. 【配−己+呑】 『名義抄(観智院本)』に「俗呑字」とある
  135. 【配−己+(上*石)】 『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「シラカス」とある。
  136. 【配−己+其】 『音訓篇立』に「アラカス」とある。
  137. 【配−己+胎】 『日本山海名産圖繪』に「醸酒[配−己+胎](さけのもと)」とある。酒の元となる酒の胎児と考えて酒と胎を省画合字させた国字か。
  138. 【配−己+鳥】 『名義抄(観智院本)』に「サケノスルメ ウマキサケ」とある。
  139. 【殿*酉】 『音訓篇立』に「モロミ」とある。

  1. 【(企−止+悲)*酉】 『篇目次第』に「タルキ 无」、『拾篇目集』に「[(企−止+非)*酉] シタルキ」、『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』に「[企−止+悲] シタシ」、『法華三大部難字記』に「[入*悲*酉] シタルシ」・「[入*悲] シタルシ」・「[配−己+(入*悲)] タル」・「[配−己+悲] シタル」とある。『国字の字典』は『伊京集』から「したるし」と引き国字とする。『龍龕手鑑』に「[念*酉] 於念切苦味也」とある。それぞれ国字ではなく、[念*酉]の異体字か。
  2. 【配−己+(盗−次+流)】 『辞書にない「あて字」の辞典』が「ソース」の項に、栗本鋤雲『暁窓追録』から「英にソーヅと名る[配−己+(盗−次+流)]あり、甚た我の醤油に似たり」と引く。
  3. 【銅−同+曲】 苗字に[銅−同+曲](いかり)がある。(最後から最初に変更しました)『新撰字鏡小学篇』・『新撰字鏡享和本』に「ナタ」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「ナヘ」、『字鏡鈔』に「燭 他曲反 アナ」、『字鏡集白河本』に「キヨク 他曲反 アフ」、『字鏡集寛元本』に「他曲反 カナ」、『音訓篇立』に「他曲反 ヒラナヘ カマ カナヘ」、『篇目次第』に「他曲切 カマ」、『米沢文庫本倭玉篇』に「カンナ」、『文教温故』・『倭字攷』に「クマデ」、『和字正俗通』に「イカリ」とある。
  4. 【銅−同+放】 『名義抄(観智院本)』に「カマ ホコ」とある。
  5. 【銅−同+春】 『名義抄(観智院本)』に「ハチ」とある。
  6. 【銅−同+復】 『新撰字鏡小学篇』に「不支」とあり、『国字の字典』が「吹き。鞴(ふいご)」の意の国字とする。
  7. 【銅−同+萬】 『名義抄(観智院本)』に「カナマリ」、『音訓篇立』に「クスリ」とある。『法華三大部難字記』に「カヽリ カナマリ」とあり、『国字の字典』が「金椀(かなまり)」の意の国字とする。
  8. 【銅−同+慈】 『新撰字鏡小学篇』・『音訓篇立』に「比留臼」とあり、『国字の字典』が「簸(ひ)る臼(うす)」の意の国字とする。『新撰字鏡享和本』には、「[銅−同+(磁−石)] 比留宇須」とある。
  9. 【銅−同+{(衣+皮)*風}】 『日本人の作った漢字』が『皇朝造字攷』を典拠に「フキ」と読み国字とする。この字の旁の[衣+皮]の部分は、『新撰字鏡』各本によれば『天治本小学篇』・『群書本』は「被」、『享和本』は「破」となっている。
  10. 【弟▽集▽攵】 『音訓篇立』に「ニハトリ」とある。
  11. 【飯−反+朱】 『世尊寺本字鏡』に「カフ マクサトスルニ」とある。馬の飼料「秣(まくさ)」の意の国字か。
  12. 【飯−反+希】 『国字の字典』が『皇朝造字攷』を引き「良(よ)い食(くら)い物(もの)」の意の国字とする。『中華字海』が『俗書刊誤』を典拠に「同飾」とし、『朝鮮本龍龕手鑑』が「音希」とする。『温故知新書』に「カサル」、『音訓篇立』に「シキ音 ケウ音 ケ音 ウルハシ カサル」とある。「[飯−反+芳]・[銅−同+芳]」などと同様に「飾」の一異体字にすぎず、『皇朝造字攷』の例は国訓といえる。
  13. 【飯−反+杏】 『拾篇目集』に「クサモチヒ」とある。
  14. 【求*食】 『國字考』に「アサル 求食の二字を合わせて一字につくれるなり 万葉集に求食の二字をあさるとよみたり 下学集云求食鳥求食蓋日本之俗世話也(下略)」とある。下学集からの引用によると、鳥が食を求めてアサル場合にのみ使う文字で、人や他の動物には使わないということか。
  15. 【飯−反+(及*皿)】 『世尊寺本字鏡』に「モル」とある。
  16. 【飯−反+音】 『世尊寺本字鏡』に「クラフ」とある。
  17. 【飯−反+(日*皿)】 「饂」に同じ。「[飯−反+(日*皿)][飯−反+屯]」の表記で、『増刊下学集』に「ウトン」、『早大本節用集』に「ウドン」『運歩色葉集』に「ウントン」、『新刊節用集大全』に「うんどん」とある。『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「[飯−反+昆][飯−反+屯] ウトン」、『明応五年版節用集』に「温[飯−反+屯] ウントン」、『大谷大学本節用集』に「「温[飯−反+屯] ウンドン 或作[飯−反+(日*皿)][飯−反+屯]」とある。
  18. 【饂】 [飯−反+(日*皿)]に同じ。国字とされるが、台湾・韓国の規格にもある。
  19. 【飯−反+眞】 『国字の字典』が『譬喩尽』から「[飯−反+眞]餉餅(しんこもち)」と引き国字とする。
  20. 【飯−反+尊】 苗字に[飯−反+尊](もたい)がある。
  21. 【食*單】 『篇目次第』に「スコシ」とある。
  22. 【飯−反+割】 『国字の字典』が『譬喩尽』を引き「割飯(わりいい)」の意の国字とする。
  23. 【飯−反+盡】 『国字の字典』が「飯(まま)」の意の国字とする。『中華字海』が『明史』を典拠に「同[販−反+盡]」とする。国訓と考えられる。
  24. 【鮎−占+入】 『易林本小山板節用集』に「エリ 取魚具」、『異體字辨』・『和字正俗通』に「エリ」、『同文通考』に「ヱソ 魚の名」、『正楷録』(倭楷)に「遠速」、『國字考』に「エソ 魚名」(典拠は『同文通考』)とある。漁具「エリ」の意が本来の意で、書写誤りで、「エソ」となり、魚名にも使われるようになったものか。『中華字海』には「音義待考。字出《ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とある。
  25. 【鮎−占+力】 『新撰字鏡小学篇』・『新撰字鏡享和本』に「佐比地」とあり、『国字の字典』が「鮫」の意の国字とする。『名義抄(観智院本)』に「サメ」、『世尊寺本字鏡』に「佐比目左地魚女」とある。『米沢文庫本倭玉篇』にもあるが、注文がない。『漢語大字典』に「魚名。也作肋」とあるが、典拠は各地の物産志であり、『中華字海』には「音泪一種体扁而細長的小魚」とあるが、典拠がない。中国のものは、中央では失われた文字が、方言文字として残ったものか。国字か否か難しいところである。
  26. 【鮎−占+(利−禾)】 『新撰字鏡小学篇』・『新撰字鏡享和本』・『新撰字鏡群書本』・『世尊寺本字鏡』に「左介」とある。『中華字海』が『集韻』を典拠に「音計。解剖」とする。『天文本字鏡鈔』・『永正本字鏡抄』・『字鏡集(龍谷大学本)』・『字鏡集(大阪府立中之島図書館蔵本)』に「ケツ サク」、『字鏡集寛元本』・『字鏡集(野口恆重編校合)』に「ケツ サク 左介」とある。「鮭」の意の国訓か。『難訓辭典』に『字鏡集』を典拠に「サゴ 魚の名。」とある。『大漢和辭典』も『字鏡集』を引き「国訓 さご。魚の一」とするが、確認できた『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集』の版本のいずれにも「サゴ」の記述はない。版本をご存じの方は、ご教示いただきたい。
  27. 【鮎−占+丁】 『運歩色葉集』に「[鮎−占+定]尾 チャウノヲ [鮎−占+丁]尾同」、『新刊節用集大全』に「[鮎−占+定]尾 ぢゃうのを [鮎−占+丁]尾同」とある。『大辭典』が『林逸節用集』から「土[鮎−占+丁] ドジャオ」と引く。『日本魚名集覧』は『水産名彙』・『湖魚考』を引いて「土[鮎−占+丁] ドジョオ」とする。エツコ・オバタ・ライマン著『朝鮮の国字と日本の国字』に「黒魚。いしのみ」の意の朝鮮の国字とある。『韓國固有漢字研究』にも(韓國の)國字とある。国字か否か難しいところである。或いはそれぞれの国字といえるのであろうか。
  28. 【鮎−占+十】 『大辭典』に「乾[鮎−占+十] カラスミ」とある。
  29. 【鮎−占+卜】 『名義抄(観智院本)』に「アユ」、『有坂本和名集』に、「アユ・ヒウ」、『世尊寺本字鏡』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集白河本』・『字鏡集寛元本』・『天正十七年本節用集』に「ヒヲ」、『篇目次第』に「ヒヲ 无」、『拾篇目集』に「[鮎−占+(休−木+卜)] ヒヲ」とある。『有坂本和名集』に「ヒウ」とあるのは、「ヒヲ」の誤りか。『国字の字典』は『伊京集』を引き、「氷魚(ひお)。鮎の稚魚」の意の国字とする。
  30. 【鮎−占+川】 『新撰字鏡天治本』・『世尊寺本字鏡』に「久知良」とある。「鯨」の意の国字か。
  31. 【鮎−占+子】 『大字源国字一覧』に「いななえぶな」とある。『漢語大字典』に「鯔魚別名」とある。『大字源国字一覧』には典拠がないため、詳しいことはわからないが、「いな、えぶな」とあるのを「いなヽえぶな」と見誤ったのであれば、「いな」・「えぶな」ともに「鯔」のことであるから、漢字そのものといえる。『合類節用集』にも「ヱブナ シ 鯔ニ似テ小也」とあり、このことが裏付けられる。
  32. 【鮎−占+丸】 『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』・『明応五年版節用集』・『天正十七年本節用集』などに「カマツカ」とある。『日本魚名集覧』が『水産名彙』・『水産俗字解』を引いて「カマツカ」とし、『水産名彙』を引いて「カワギス」とする。
  33. 【丸*魚】 『国字の字典』が西鶴の『諸艶大鑑』を引き「鼈」の意の国字とする。
  34. 【鮎−占+丈】 『世尊寺本字鏡』に「アメ」とある。[鮎−占+犬]の異体字か。
  35. 【鮎−占+(行−彳)】 『世尊寺本字鏡』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「カマツカ」とある。『篇目次第』にも「カマツカ 无」とあるが、旁が親字の字形と「干」の中間的な形をとる。
  36. 【魴】 『書言字考節用集』に「マナガツホ 魴[鮎−占+弗] コトヒキ」とある。(解説途中)
  37. 【鮎−占+引】 『和字正俗通』に「コノシロ」とあり、『国字の字典』が[鮎−占+祭]の意の国字とする。『天正十七年本節用集』に「[鮎−占+別] コノシロ」、『元和三年板下学集』に「[鮎−占+列] コノシロ」とある。「[鮎−占+引]」と「[鮎−占+別]」は『中華字海』などになく国字と考えられる。
  38. 【鮎−占+尺】 『拾篇目集』に「カマツカ」とある。
  39. 【鮎−占+片】 『新撰字鏡群書本』に、「鯰 奈万豆 [鮎−占+片] 上同」、『新修漢和大字典』に「なまづ」とある。[鮎−占+斥]・[鮎−占+行]参照。
  40. 【鮎−占+井】 『日本魚名集覧』が『水産名彙』を引いて「フナ」とし、『水産俗字解』を引いて「フナコ」とする。
  41. 【鮎−占+水】 『日本魚名集覧』が『水産名彙』を引いて「[鮎−占+水]魚 イナダ」とする。
  42. 【鮎−占+天】 『有坂本和名集』に「ヒウ」とある。「ヒヲ」の誤りか。
  43. 【鮎−占+支】 『名義抄(観智院本)』に「イルカ」とある。『国字の字典』が『和字正俗通』を引き「[鮎−占+予](かます)」の意の国字とする。
  44. 【鮎−占+(休−木+卜)】 『拾篇目集』に「ヒヲ」とある。[鮎−占+卜]の異体字か。
  45. 【鮎−占+月】 『弘治二年本節用集』に「烏賊 イカ ウゾク [鮎−占+月](中略)以上同」、『堯空本節用集』・『両足院本節用集』に「烏賊 イカ(中略)[鮎−占+月]同(下略)」とある。『中華字海』に「音未詳。一種体扁、无鱗、尖頭、短尾的魚」とあるが、典拠は、清代の『台湾澎湖志』であり、日本の方が古いので、国字としておく。
  46. 【鮃】 『新撰字鏡小学篇』に「布奈」、『世尊寺本字鏡』に「フナ」、『字鏡集寛元本』に「音平 魚名 フナ」とある。中国では「平目」の意であるから、国訓か。
  47. 【鮖】 『温故知新書』に「イシモチ」、『明応五年版節用集』・『永禄二年本節用集』・『米沢文庫本倭玉篇』などに「イシフシ」、『弘治二年本節用集』・『堯空本節用集』・『増刊下学集』・『早大本節用集』・『新刊節用集大全』に「イシブシ」、『文字ノいろいろ』(國字)に「かじか。杜父魚。」とある。
  48. 【鮗】 『新撰字鏡小学篇』に「巳乃志呂」、『易林本小山板節用集』に「コノシロ」、『同文通考』に「コノシロ [鮎−占+制]魚也」、『正楷録』(倭楷)に「可那矢路」、『和字正俗通』に「コノシロ」、『サカナの雑学』に「コノシロ ヒイラギ」とある。韓国の漢字規格にもあるが、『漢韓最新理想玉篇』は日本字とする。
  49. 【鮎−占+代】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き、「鯉」の意の国字とする。同書には「[鮎−占+古][鮎−占+代] 台湾カルムチ」ともあり、両字ともに漢字規格では台湾のみにある。『有坂本和名集』には「コチ」とあるのは、[鮎−占+伏]の字形を書き誤ったものか、あるいは読みの「コイ」を写し誤ったものであろうか。『中文大辭典』にはなく、『中華字海』には「音義待考。字出《ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とある。
  50. 【鮎−占+古】 『世尊寺本字鏡』に「己」、『有坂本和名集』に「アユ」、『法華三大部難字記』に「エユ」とある。後者は、「アユ」の誤りか。『日本魚名集覧』は『水産名彙』を引いて「ナマズ」とする。「鮎」の誤字か。『中華字海』が『金鏡』を典拠に「音姑。義未詳」とする。台湾文字にもある。国字ではないと考えられる。[鮎−占+代]を参照。
  51. 【鮎−占+尓】 『明応五年版節用集』・『弘治二年本節用集』・『堯空本節用集』・『両足院本節用集』に「イサナコ」、『同文通考』に「イサヾ」とある。『新刊節用集大全』には「いさなご」とあるが、字形は行書で[鮎−占+尓]、楷書で[鮎−占+爾]である。『龍龕手鑑』にあり、国字ではないと考えられるが、注文中にあるのみで、音義ともに未詳である。次項参照。
  52. 【鮎−占+(会−云+小)】 『元和三年板下学集』・『和字正俗通』に「イサヽ」とある。[鮎−占+尓]の異体字か。前項参照。
  53. 【鮎−占+尼】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「鰌(どじょう)」の意の国字とする。笹原宏之著『位相文字の性格と実態』に「鮨屋の湯呑みなどに列挙されているV名漢字の中には[鮎−占+尼](あまだい)など典拠の不明なものも含まれ、戯れでなければ位相文字である可能性がある。」とある。
  54. 【鮎−占+本】 『字鏡鈔』に「ハカラ」、『篇目次第』に「ハカラ 无」、『字鏡抄』に「ハカク」、『拾篇目集』に「ハカヲ」、『字鏡集寛元本』に「薄故反 ハカヲ」とある。
  55. 【鮎−占+弗】 『国字の字典』が『漢字の研究』を典拠に「鯖(さば)」の意の国字とする。『中華字海』が『玉篇』を典拠に「一種海魚」とする。国字ではない。
  56. 【鮎−占+氷】 『伊呂波字類抄(早川流石写)』に「[鮎−占+小] ヒヲ [鮎−占+氷] 今按俗之氷魚」、『有坂本和名集』に「ヒウ」とある。後者は、「ヒヲ」の誤りか。『倭字攷』に「ヒヲ 氷魚二合」とあるが、『日本人の作った漢字』は字形を[鮎−占+永]と誤る。[氷*魚]参照。
  57. 【氷*魚】 『世尊寺本字鏡』に「ヒヲ」とある。[鮎−占+氷]参照。
  58. 【汀*魚】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「潤目鰯(うるめいわし)」の意の国字とする。
  59. 【鮎−占+斥】 『日本魚名集覧』が『水産名彙』を引いて「ナマズ」とする。[鮎−占+片]・[鮎−占+行]参照。
  60. 【鮎−占+瓦】 『日本魚名集覧』が『水産名彙』・『水産俗字解』を引いて「カマツカ」とし、『水産名彙』を引いて「カワギス」とする。
  61. 【鮎−占+穴】 『国字の字典』が典拠不詳の「あなご」の意の国字とする。典拠をご存じの方は、御教示ください。
  62. 【鮎−占+辺】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「[鮎−占+免](にべ)」の意の国字とする。[鮎−占+邊]の異体字か。
  63. 【鮎−占+目】 『日本魚名集覧』が『水産名彙』・『水産俗字解』を引いて「カレイ」とする。『中華字海』が『海篇』を典拠に「音木義未詳」とする。国字ではない。
  64. 【鮎−占+立】 『国字の字典』が『伊京集』を引き「螺(つぶ)」の意の国字とする。『温故知新書』・『米沢文庫本倭玉篇』にも「ツフ」とある。広東語に「鯛」の意であり、『漢語大字典』が「鯛科魚的別称」とする。国字であるか否か難しいところである。
  65. 【鮎−占+戊】 『正楷録』(倭楷)に「以奈」とあり、『国字の字典』が「鯔(いな)」の意の国字とする。
  66. 【鮴】 苗字に鮴(ごり)・鮴谷(ごりたに ごりだに ごりや)がある。鮴崎(めばるざき)は広島県豊田郡東野町の地名。『易林本小山板節用集』・『書言字考節用集』・『和字正俗通』などに「ゴリ」とある。
  67. 【鮟】 『漢語大字典』が『集韻』を典拠に「魚名」とする。『字源』が国字とするのは誤りであるが、『中華字海』は日本から輸入された「鮟鱇」の用法でしか載せない。現行の用法に重点を置けば、限りなく国字に近いとはいえる。『大谷大学本節用集』に「クサル」とあるのは何に基づいたものであろうか。「鱇」・「鯱」を参照。
  68. 【鮎−占+伏】 『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集白河本』・『字鏡集寛元本』に「カマツカ」、『篇目次第』に「カマツカ 无」、『運歩色葉集』・『元和三年板下学集』・『早大本節用集』・『天正十七年本節用集』・『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』・『書言字考節用集』・『和字正俗通』などに「コチ」、『同文通考』に「コチ 一ニマテ」とある(『同文通考』の注文の内「一ニ」は「ひとつに」と読む。)。『新刊節用集大全』に、「[鮎−占+伏]王 こち」とあるのは、珍しい表記である。
  69. 【鮎−占+式】 『世尊寺本字鏡』に「アサチ ハエ」とある。『日本魚名集覧』が『水産名彙』を引いて「ウグイ」とする。
  70. 【鮎−占+成】 『易林本小山板節用集』に「ウグイ」、『書言字考節用集』に「ウグ井」、『同文通考』に「ウグイ [鮎−占+必]魚也」、『正楷録』(倭楷)に「胡古以」、『和字正俗通』に「イクヒ」とある。『旺文社漢和中辞典』に「もと[鮎−占+〔歳−小+{歩(旧字体)−止}〕]ケイの俗字」とあるが、『米沢文庫本倭玉篇』に「[鮎−占+(止*成)]ウクヒ」とあることを考えれば、頷けなくないことである。ということになれば、国字ではなく、[鮎−占+〔歳−小+{歩(旧字体)−止}〕]の和製異体字ということになる。
  71. 【鮎−占+行】 『新撰字鏡小学篇』・『新撰字鏡享和本』に「鯰 奈万豆 [鮎−占+行] 上同」とある。『新撰字鏡小学篇』は、[鮎−占+行]の字形がやや崩れており、『新撰字鏡享和本』は、「鯰」の注文中に含まれている。『新撰字鏡群書本』には、[鮎−占+行]の字はなく、「鯰 奈万豆 [鮎−占+片] 上同」とある。『名義抄(観智院本)』に「鯰(注文略) [鮎−占+行] 或用也 未詳」、『世尊寺本字鏡』に「ナマツ」、『字鏡集白河本』に「カウ 未詳」、『字鏡集寛元本』に「未詳 ナマツ」とある。『字鏡鈔』・『字鏡抄』にもあるが、「未詳」とのみある。[鮎−占+片]・[鮎−占+斥]参照。
  72. 【鮎−占+老】 『世尊寺本字鏡』・『拾篇目集』に「ヒシ」、『元和三年板下学集』に「[鮎−占+老]鱗 ウルカ」、『正楷録』(倭楷)に「伏落」、『書言字考節用集』に「ウルメ 未詳」、『同文通考』に「ボラ 鯔魚大ナル者」、『和字正俗通』に「ボラ ウルメ」とある。『倭字攷』は『和爾雅』・『続和漢三才名数』を典拠に「ボラ」とする。『和爾雅』には、「倭俗ノ制字」として「ボラ 鯔ノ字佳シ」とある。『日本魚名集覧』が『日本動物圖鑑』を引いて「トド」、『水産寶典』(大日本水産會編)・『水産名彙』・『水産俗字解』を引いて「ボラ」、『水産名彙』・『水産俗字解』を引いて「[鮎−占+巴][鮎−占+老]魚 アジ」とする。『角川古語大辭典』に「うるか【[鮎−占+條][鮎−占+(豚−月)]・潤香】鮎(あゆ)の腸。またはその塩辛(しほから)」とあり、『下学集』から「[鮎−占+老]鱗 ウルカ」と引く。他の表記法等、同書に詳しい。『大漢和辭典』には「ぼら おほぼら 鯔(イナ)の十分に成長したもの」とあるが典拠がない。
  73. 【鮎−占+色】 『伊呂波字類抄(早川流石写)』に「ナマツ」とある。「鯰」の意の国字か。
  74. 【鮎−占+地】 『新撰字鏡小学篇』に「波江又左女」とあり、『国字の字典』が国字とする。『世尊寺本字鏡』にも「波江 左女」とある。
  75. 【鮎−占+妄】 『日本魚名集覧』が『水産俗字解』を引いて「コノシロ」とする。
  76. 【鮎−占+羽】 『玉篇要略集』に「カレイ マウ」とある。(解説途中)
  77. 【鮎−占+光】 『日本魚名集覧』が『水産名彙』・『水産俗字解』を引いて「タチウオ」とし、『水産名彙』を引いて「カマス トビエイ アゴ」とする。『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「[鮎−占+予](かます)」の意の国字とする。『中華字海』が『直音篇』を典拠に「音市義未詳」とする。国字ではない。
  78. 【鮎−占+舌】 『日本魚名集覧』が『水産名彙』を引いて「サメ」とする。『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「鮫」の意の国字とする。
  79. 【鮎−占+赱】 『新撰字鏡小学篇』に「豆良」、『世尊寺本字鏡』に「ツクラ 豆良 [鮎−占+走]作歟」とある。[鮎−占+走]参照。
  80. 【鮎−占+聿】 『國字考』にあるが「訓例未詳」として読みをつけない。『日本魚名集覧』が『水産名彙』・『水産俗字解』を引いて「サケ」とし、『水産名彙』を引いて「シャケ」とする。『サカナの雑学』にも「サケ」とある。
  81. 【有+魚】 『名義抄(観智院本)』に「ムツ」とある。
  82. 【鮎−占+(又*友)】 『和字正俗通』に「イシモチ」とある。[鮎−占+(媛−女)]の字形で、『世尊寺本字鏡』に「イシモチ」とある。この字の異体字であれば、和製異体字ではあろうが、国字とはいえない。
  83. 【鮎−占+赱】 『世尊寺本字鏡』に「ツクラ 豆良 [鮎−占+走]作歟」とある。[鮎−占+走]参照。
  84. 【鯏】 『同文通考』・『國字考』・『倭字攷』に「アサリ」、『正楷録』(倭楷)に「阿索里」、『和字正俗通』に「イクヒ」とある。「アサリ」の意に関していえば、漢字本来の字形は、「蜊」であり、この字の和製異体字というべきで、国字とすべきではない。「イクヒ」とは、ウグイのことか。こちらの意味が先にできていれば、国字といえるかもしれないが、より詳しい調査が必要となる。
  85. 【鯑】 『易林本小山板節用集』に「[鮎−占+東]鯑 カドノコ」、『同文通考』に「鯑 カズノコ [鮎−占+東]鯑 カツノコ」、『正楷録』(倭楷)に「革事那可」とある。『日本魚名集覧』は『水産名彙』を引いて「ウルカ」とする。『新修漢和大字典』に「にしん」とあるのは何を典拠にしたものであろうか。『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「ハユ」とあるのは、「鮠(ハエ)」と音による通字か。『大漢語林』の解字に「会意。魚+晞省。晞は、かわかすの意味。鰊(にしん)のはらごを乾燥した食品、かずのこの意味を表す」とある。この説が正しいとすれば、「魚+希」は、字源俗解ということになるが、「魚+晞省」であるというのは、いかなる根拠に基づくのであろうか。
  86. 【鯒】 やや崩れた字形で『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『易林本小山板節用集』・『新刊節用集大全』・『合類節用集』・『書言字考節用集』・『和字正俗通』に「コチ」、『同文通考』に「コチ 魚の名」とある。『大漢語林』の解字に、「会意。魚+甬。甬(よう)の字の形に似た魚、コチの意味を表す。」とある。『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『合類節用集』・『同文通考』の字形は、[鯒−マ+ク]、『新刊節用集大全』・『書言字考節用集』・『和字正俗通』は、[鯒−マ+コ]であり、江戸期以前には、調査した範囲からは正確に同じ字形が見られず、明治以降に漢和辞典で整理され登録された字形とも考えられる「鯒」に基づき解字することが必ずしも正しいとは限らない。「鯒」の形と、甬の形からすると、あながち誤りともいえないが、よりふさわしい形の魚にこの文字が当てられなかった理由が不明で、より具体的な解明が必要であると考えられる。同じ大修館の漢和辞典でも『漢語林』・『大修館現代漢和辞典』の解字には、「会意。魚+甬。」とのみあり、うえの解説はなく、『大漢和辭典』・『広漢和辞典』・『大修館新漢和辞典』には解字自体ない。他社の主なものを見てみると、『字通』・『新明解漢和辞典』・『新字源』・『福武漢和辞典』には、親字として立項されてなく、『岩波新漢語辞典』・『新選漢和辞典』には解字がなく、『現代漢語例解辞典』は字解として国字とのみある。詳細は省略するが、『大漢語林』のように「甬」の字と魚の形を関連づけたものとして、『大字源』・『角川漢和中辞典』・『学研漢和大字典』・『漢字源』がある。『旺文社漢和中辞典』・『旺文社漢和辞典』・『旺文社漢字典』には「会意。魚と甬(痛いの省略形)とで、痛いとげのある魚の意。」とかわった解字をつけている。いずれにしても、[鯒−マ+ク]・[鮎−占+角]の字形を考慮に入れているものはなく、疑問である。[鯒−マ+ク]・[鮎−占+角]参照。
  87. 【鯒−マ+ク】 『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「コチ」・『合類節用集』に「コチ 字未詳」、『同文通考』に「コチ 魚ノ名」とある。この字の旁は、「角」の書写体で、字典体にすると、[鮎−占+角]となる。「鯒」・[鮎−占+角]参照。
  88. 2415a【鮎−占+角】 旁が書写体になった形で、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「コチ」・『合類節用集』に「コチ 字未詳」、『同文通考』に「コチ 魚ノ名」とある。「鯒」・[鯒−マ+ク]参照。

  89. 【鮎−占+(杢−木+比)】 『新撰字鏡小学篇』に「加豆乎」とある。
  90. 【鮎−占+赤】 『名義抄(観智院本)』に「タヒ」とある。『日本魚名集覧』が『水産名彙』・『日本動物圖鑑』・『岩波動物學辭典』を引いて「カサゴ」・『水産名彙』を引いて「モウオ」とする。『漢語大字典』・『中華字海』ともに清代の『南越筆記』を引き「赤魚、又名青松魚」とする。中国に古い典拠が見られないが、『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「シク」と音注がある。あるいは佚存文字であったものと同形の文字が『南越筆記』で使われたのであろうか。
  91. 【鮎−占+走】 『新撰字鏡小学篇』に「豆久良」、『世尊寺本字鏡』に「[鮎−占+赱] ツクラ 豆良 [鮎−占+走]作歟」、『黒川本色葉字類抄』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集白河本』・『拾篇目集』に「ツクラ」、『篇目次第』に「ツクラ 无」、『元和三年板下学集』に「スバシリ」、『同文通考』に「スバシリ 鯔魚ノ小ナル者」・『和字正俗通』(妄制)に「スハシリ」とある。『字鏡集寛元本』に「ツクラ [鮎−占+赱] 豆良 [鮎−占+走]作歟」とあるのは、『世尊寺本字鏡』の影響が考えられるが、親字が『世尊寺本字鏡』の[鮎−占+赱]から[鮎−占+走]になっているのにかかわらず、注文に「[鮎−占+走]作歟」をつけているのは誤りであろう。
  92. 【鮎−占+別】 『弘治二年本節用集』・『天正十七年本節用集』に「コノシロ」とある。[鮎−占+引]の異体字か。
  93. 【鮎−占+車】 『国字の字典』が西鶴の『諸艶大鑑』を引き「鯰(なまず)」の意の国字とする。
  94. 【鮎−占+兵】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「鮭(さけ)」の意の国字とする。
  95. 【鮎−占+克】 
  96. 【鮎−占+助】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「鱒の介(ますのすけ)」の意の国字とする。
  97. 【鮎−占+矣】 『国字の字典』が『魚類なぜなぜ辞典』を引き「河豚(ふぐ)」の意の国字とする。
  98. 【鮎−占+足】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「下足(げそ)」の意の国字とする。

  1. 【鮎−占+花】 『世尊寺本字鏡』に「直灰臣灰二反 ハエ」、『頓要集』に「ハエ」とある。「ハエ」には通常[鮎−占+危]の字があてられる。『名義抄(観智院本)』にある字も崩れてこの字に近づきつつある。『世尊寺本字鏡』の字形は、ほとんど[鮎−占+花]の形になっている。[鮎−占+危]から[鮎−占+花]ができ、別字と認識されて、「ほっけ」の意に用いられるようになったものであろうか。『日本魚名集覧』が『水産名彙』を引いて「ホッケ」『実験活用水産宝典』を引いて「アイナメ」、『新撰北海道史』を引いて「カスベ」とする。
  2. 【鯲】 『増刊下学集』・『易林本小山板節用集』・『和字正俗通』などに「ドヂヤウ」、『明応五年版節用集』に「トテウ」、『天正十七年本節用集』に「ドジヤウ」、『新刊節用集大全』に「どぢやう」、『同文通考』に「ドヂヤウ 泥鰌魚」とある。『日本魚名集覧』は『水産名彙』・『水産俗字解』などを引いて「ドジョオ」とする。『篇目次第』に「以周切 ユ反 ハエ」と注文に反切があるが、『中華字海』には「音義待考。字出《ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とある。
  3. 【鯰】 『新撰字鏡小学篇』に「奈万豆」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「ナマツ 似[鮎−占+追]而頭大也」、『黒川本色葉字類抄』に「ナマツ 似[鮎−占+追]大頭者也」、『元和三年板下学集』に「鮎 ナマツ 鯰 二字ノ義同ジ」また「鮎 アユ」、『増刊下学集』・『法華三大部難字記』に「ナマツ」、『拾篇目集』に「子ム反 ナマツ」、『米沢文庫本倭玉篇』・『玉篇要略集』に「子ン ナマツ」、『弘治二年本節用集』・『天正十七年本節用集』に「アユ」とある。『中華大字典』は日本字として「似鮎」、『漢語大字典』は『清稗類鈔』を典拠に「同鮎」とする。これからすると国字が中国に輸出されたとも見えなくもないが、『倭名類聚抄(元和古活字那波道圓本)』が漢籍『食經』を引用することも無視できない。『弘治二年本節用集』に「鮎 アユ(中略)鯰 同」とあるのは、本末転倒な注文である。
  4. 【鯡】 『ワープロ・パソコン漢字辞典』に「国字 にしん/卵はかずのこ」とある。同辞典には、別途国字を集めたところがあるが、そちらにはない。判断が揺らいでいたものか。『大漢和辭典』は、『集韻』を典拠に「はらご。海魚の名。」などとし、「邦」として「にしん。[青(旧字体)]魚」とする。「にしん」が、国字でなく、国訓であることはいうまでもない。『書言字考節用集』に「ニシン [鮎−占+建] ニシン 未詳」とある。『書言字考節用集』の注文の内[鮎−占+建]の後の「ニシン」は、実際には、「同」とあるが、読みの所にあるため「ニシン」とした。
  5. 【鯱】 漢和辞典は「シャチ」の意の国字としているが、古字書はそうではない。『米沢文庫本倭玉篇』に「ヒラメ」、『温故知新書』に「鮟鯱 アンコウノ」とある。『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』に「金鯱噂高浪(こがねのしゃちほこ うわさのたかなみ)明治35年1月初演」とある。「シャチ」は新しい読みか。
  6. 【虎/魚】 『倭字攷』が『東海道中膝栗毛』を引き、「シヤチホコ」とする。
  7. 【鮎−占+{(豚−月)*一}】 『天正十七年本節用集』に「ウルカ」とある。『角川古語大辭典』に「うるか【[鮎−占+條][鮎−占+(豚−月)]・潤香】鮎(あゆ)の腸。またはその塩辛(しほから)」とあり、『下学集』から「[鮎−占+老]鱗 ウルカ」と引く。他の表記法等、同書に詳しい。
  8. 【鮎−占+底】 『日本魚名集覧』が『岩波動物學辭典』を引いて「スケトオダラ」とする。
  9. 【鮎−占+長】 『新撰字鏡小学篇』に「波无」、『名義抄(観智院本)』・『世尊寺本字鏡』・『有坂本和名集』に「ハム」、『字鏡集白河本』に「チヤウ ハム」、『篇目次第』に「ハム 无」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「カマツカ カマス」、『書言字考節用集』に「カマス 未詳」・『和字正俗通』に「カマス」とある。
  10. 【鮎−占+果】 『拾篇目集』に「コヒ」とある。「鯉」の誤字か。
  11. 【鮎−占+垂】 (削除)『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「堅魚(かつお)」の意の国字とする。
  12. 【鮎−占+(網−糸)】 『国字の字典』が『和字正俗通』から「カラカコ」と引き「義々(ぎぎ)」の意の国字とする。ただ影印では「カラカコ」と判読しがたい。
  13. 【鮎−占+雨】 『易林本小山板節用集』に「キギフ」、『新刊節用集大全』に「きぎう」、『和字正俗通』に「ギヾ」とある。魚名「ぎぎ」の意の国字か。
  14. 【鮎−占+岩】 苗字に[鮎−占+岩]留(いわなどめ)がある。長野県安曇郡安曇村に字[鮎−占+岩]留(いわなどめ)がある。
  15. 【鮎−占+宛】 『国字の字典』が、サカナの雑学(こい)を引いて国字とする。『中華字海』が明の『常[徳(旧字体)]府志』を引き「同[鮎−占+完]」とするが、『名義抄(観智院本)』に「コヒ」とあり、国字か否か微妙なところである。
  16. 【鮎−占+苦】 『正楷録』(倭楷)に「法速」とあり、『国字の字典』が「はそ [鮎−占+時](はす)」の意の国字とする。『正楷録』は4画の草冠である。
  17. 【鮎−占+尚】 『世尊寺本字鏡』に「タカニ」、『字鏡集白河本』に「タナコ」、『篇目次第』に「タカマ 无」とある。『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「タナゴ」の意の国字とする。
  18. 【鮎−占+竺】 『日本魚名集覧』が『水産名彙』を引いて「カツオ」とする。『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「堅魚(かつお)」の意の国字とする。
  19. 【鮎−占+奉】 『名義抄(観智院本)』に「河ヒヲ」とある。「氷魚(ひお)」は鮎の稚魚のこと。
  20. 【鮎−占+(戻−大+犬)】 『日本魚名集覧』が『岩波動物學辭典』を引いて「[鮎−占+(戻−大+犬)]魚 ライヒイ」とする。『国字の字典』は「サカナの雑学」を引いて国字とするが、大辭典に「[鮎−占+(戻−大+犬)]魚・雷魚 臺湾泥鰌の臺湾名」とあり、台湾の文字と考えられるが、『中文大辭典』などにはない。
  21. 【鮎−占+苗】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「腸香(わたか)」の意の国字とする。
  22. 【鮎−占+近】 『日本魚名集覧』が『水産名彙』・『実験活用水産宝典』を引いて「ワカサギ」、『水産名彙』を引いて「チカ」とする。
  23. 【鮎−占+是】 『有坂本和名集』に「スハシリ」とある。[鮎−占+走]の誤りか。中国では、「なまづ」、日本では、「ひしこ」のこと。[鮎−占+走]により引かれてできた和製異体字というよりは、誤字の可能性の方が高い。
  24. 【{魚−(杰−木)+大}+{土*(木++寸)}】 「大相撲博物館」に所蔵されている明和二年十月場所の番付表に「[{魚−(杰−木)+大}+{土*(木++寸)}]ヶ洞岩右衛門」という力士名がある。この読みが判明しないとのことで諸書に引用されているが、翻刻が一様ではない。いずれも偏が「魚」になっているのは同じであるが、旁が種々異なる。『国字の字典』が「土」の下を「村」とするほか「付」とするものもある。また『古今大相撲力士事典』は旁を「寿」とする。[鮎−占+壽]の異体字とすれば「大魚」の意の漢字で強そうな醜名であるが、[鮎−占+時]の異体字とすれば「ハソ エソ」などのほかに「イハシ」の訓もあり、あまり強そうな醜名ではなくなる。いずれにしても確定的な読みはつけられていない。この番付表は一般公開されていないので、明朝体の制限の中で原本に最も忠実と考えられる字形を親字として掲げた。『世尊寺本字鏡』に「[鮎−占+侍] ハソ」とある。[鮎−占+時]の異体字[鮎−占+侍]で、「エソ」の意ではなく、旁の「侍」に引かれた勇ましい醜名であったのではと考えたいが、「鰯」の崩れた字形に見えなくもない。
  25. 【鮎−占+若】 『大字典』に「國字 ハエ ハヤ」とあり、『国字の字典』が「鮠(はえ)」の意の国字とする。『新大字典』に「国字 ハヤ ハエ」、『大漢語林』に「国字 わかさぎ。(中略)はや。はえ。(下略)」など国字とされることが多く、『漢韓最新理想玉篇』も「日本字 白魚」とする。『漢語大字典』が宋の『夢梁録』を典拠に「魚名、比目魚類、也作[笠−立+弱]」とする。国字ではなく、国訓と考えられる。『世尊寺本字鏡』・『字鏡集寛元本』に「ヒヲ ハエ」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』に「ヒヲ」、『字鏡集白河本』に「シヤク ヒヲ」、『拾篇目集』に「ヒヲ イワシ ハエ」、『元和三年板下学集』に「[鮎−占+異] ハエ [鮎−占+若] 上ニ同シ」、『同文通考』に「[鮎−占+異] ハエ [鮎−占+若] 並同」とある。『大漢語林』は解字で「音符の若がわかさぎの「わか」の読みを表す、日本的形声文字。」とするが、古字書の注文からすると、「わかさぎ」は、新しい訓であろうから、この解釈は成り立たないと考えられる。新しい解釈を示すときには、典拠を明確にすべきであるが、「わかさぎ。はや。はえ。」ともに典拠をつけていない。『有坂本和名集』に「魚偏」が無く、かつやや崩れた字形で、「若 ハヤ」、『篇目次第』に「[話−舌+若] ヒヲ 无」とあるのは、書写時の誤りか。[鮎−占+異]・[鮎−占+輩]・[鮎−占+(輩−非+北)][鮎−占+(輩−非+比)]参照。漢和辞典は魚部9画とするが、古字書の多くは8画である。補助漢字にあり、『JIS X 0221:1995ISO-IEC 10646-1:1993)』にもある。区点位置からすると9画であるが示されている字形は、3画の草冠で8画である(『大字典』も魚部9画としながら字形は8画である。)。当辞典では、漢字の正字意識に引かれた字形ではなく、歴史的に典拠のある字形による画数を採用し、魚部8画とした(部首で準拠した『大漢語林』の魚部9画を採用しなかった)。
  26. 【鮎−占+毒】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「皮剥(かわはぎ)」の意の国字とする。
  27. 【鰄】 『元和三年板下学集』に「カイラギ 刀ノ鞘ニ之ヲ用ユ日本ノ俗作所也又梅花皮ト云ウ也」、『和字正俗通』(誤義訓)に「ウク井」とある。(解説途中)
  28. 【鰛】 『漢語大字典』に「沙丁魚。魚綱鯡科。体扁側。小型魚類。是世界重要経済魚類(下略)」とあって鰯のことと考えられるが、同書が引く明代の『[門#虫]中海錯疏』には「鰛,似馬鮫而小,有鱗,大者僅三四寸」とあり、本来は鰯よりもなお小さい魚を指したものであろう。「鰮」参照。
  29. 【鰒】 『弘治二年本節用集』に「フグ 或作[鮎−占+(幅−巾)]」、『永禄二年本節用集』に「フク [鮎−占+富]イ」、やや崩れた字形で『字鏡鈔』に「フク アハヒ フクヘ」、『運歩色葉集』に「[鮎−占+(幅−巾)] フク 鰒 同」、『増刊下学集』に「フク」、『同文通考』(國訓)に「フクトウ フグ 河豚(フグ)也 鰒(ハク)ハ音薄石決明也」とある。『漢語大字典』が『説文解字』などを典拠に「石決明。又名鮑魚」、『本草綱目・鱗部・鮫魚』を典拠に「古代対沙魚的別称」とする。漢字本来の意味は、「鮑(あわび)」であり、「河豚(ふぐ)」の意に使うのは、『同文通考』にあるとおり、国訓である。『音訓國字格』を典拠に『倭字攷』に「[鮎−占+夏] フグ」とあり、『国字の字典』が「河豚(ふぐ)」の意の国字とする。「鰒」の異体字の一つにすぎず、国字ではない。[鮎−占+夏]参照。
  30. 【鰉】 『新修漢和大字典』に「ひがひ」とある。(解説途中)
  31. 【鮎−占+神】 海魚の一種「ハタハタ」の意の国字。苗字に[鮎−占+神](いなだ)がある。『大字典』に「鰰 國字 ハタハタ(名) [鮎−占+雷] 、雷魚、イナ。」とあるが、『国字の字典』が『大字典』を引き「燭魚(はたはた)」の意の国字とするが、字形と引用を誤り、「[鮎−占+神] ハタハタ(名)、雷魚、イナ。」とする。
  32. 【鮎−占+(腴−月)】 『篇目次第』に「ツチスリ 无」とある。『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』にもやや崩れた字形で「ツチスリ」とある。「ツチスリ」とは、魚の腹の肥えたところ「すなずり」のこと。偏を「魚」に変えて意を強めた「腴」の異体字であろうか。
  33. 【鮎−占+度】 『名義抄(観智院本)』に「音度皆鯉魚」、『世尊寺本字鏡』に「ト音 コヒ 皆鯉魚也」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「コイ」、『拾篇目集』に「コヒ」とある。『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』・『篇目次第』に「エヒ」とあるのは、誤りであろうか。
  34. 【鮎−占+毘】 魚名「ぎぎ」の意の国字。『明応五年版節用集』に「ギギ」、『易林本小山板節用集』に「ギギフ」、『同文通考』・『和字正俗通』に「ギヾ」とある。『拾篇目集』には「コン反 イヲノコ ハエ」とあり、[鮎−占+皆]や[鮎−占+異]などとの混乱が見られる。
  35. 【鮎−占+宣】 『新撰字鏡小学篇』に「波良加」、『倭名類聚抄(元和古活字那波道圓本)』に「[鮎−占+宣]魚 辨色立成云[鮎−占+宣]魚 波良可音宣今案所出未詳本朝式用腹赤二字」、『名義抄(観智院本)』に「音宣 未詳 ハラカ」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『伊呂波字類抄(大東急記念文庫本)』(一巻)・『合類節用集』に「[鮎−占+宣]魚 ハラカ」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集白河本』・『字鏡集寛元本』に「セン ハラカ エヒ」、『有坂本和名集』・『早大本節用集』・『大谷大学本節用集』・『天正十七年本節用集』・『法華三大部難字記』・『和字正俗通』に「ハラカ」、『撮壤集』に「ハラアカ」、『篇目次第』に「セン反 ハラカ 无」、『拾篇目集』に「セン反 ハラカ」、『玉篇要略集』に「ハラカ セン」、『元和三年板下学集』・『弘治二年本節用集』に「ハラカ 腹赤魚也」、『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』・『両足院本節用集』に「ハラカ 腹赤魚也(略)云櫻魚也(下略)」、『同文通考』に「ハラカ魚ノ名本朝式腹赤二字ヲ用」とある。
  36. 【鮎−占+室】 『大漢和辭典』に「國字 むろあぢ」とあるが、典拠はない。『中華字海』に「日本地名用字。〔[鮎−占+室]碆〕在高知県」、『中華大字典』は「日本字。魚名。似鰺」とある。
  37. 【鮎−占+(媛−女)】 削除。『世尊寺本字鏡』に「イシモチ」とある。
  38. 【鮎−占+咨】 『書言字考節用集』に「鯔 出伊奈 [鮎−占+咨] 同」、『國字考』に「ボラ 三才図絵云鯔俗用[鮎−占+咨]字」とある。
  39. 【鮎−占+段】 『サカナの雑学』に「アザラシ トド」とある。『国字の字典』は字形を誤ったうえに「トド」を「鯔」の成長したものとするが、「アザラシ トド」とあることから、海獣の「トド」のことであると考えられる。
  40. 【鮎−占+某】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「えい」の意の国字とする。
  41. 【鮎−占+要】 『世尊寺本字鏡』に「止不呼」とある。「トビウオ」の意の国字か。
  42. 【鮎−占+追】 『新撰字鏡享和本』に「[鮎−占+台][鮎−占+追]同勅文○○○反壽也老也佐女」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「イシフシ 音夷 伏石間也」また「[鮎−占+追]魚 フクヘ イフク」、『伊呂波字類抄(大東急記念文庫本)』(一巻)に「イシフシ 性伏汎在石間物也」、『有坂本和名集』に「イシフシ」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』に「イ イシフシ」、『篇目次第』に「イシフシ 无」、『拾篇目集』に「イシフシ チヽカフリ」、『玉篇要略集』に「イシフシ ツイ」、『元和三年板下学集』に「イシフチ」、『堯空本節用集』に「チヽカフリ ハリ」、『両足院本節用集』に「チヽカフリ」、『和字正俗通』に「フクラキ イシフシ」とある。『有坂本和名集』は、4画のしんにょうである。『字鏡集寛元本』には、「イシフシ チヽカフリ クラシ フクヘ」の読み、音注「イ」のほかに、「与之反」と反切もある。
  43. 【鮎−占+荒】 『運歩色葉集』・『天正十七年本節用集』・『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』にやや崩れた字形で「アラ」とある。
  44. 【鮎−占+{淵−(海−毎)}】 『サカナの雑学』に「カツオ」とある。
  45. 【鮎−占+(縁−糸)】 『米沢文庫本倭玉篇』に「ザツコ」とある。
  46. 【鮎−占+香】 あゆ。典拠未詳のNEC外字(拡張文字ではない)。典拠をご存じの方は御教示ください。
  47. 【鮎−占+(草−早+寺)】 『新撰字鏡小学篇』に「布奈」、やや崩れた字形で、『字鏡集白河本』に「トウ フナ」『拾篇目集』に「フナ」とある。
  48. 【鰯】 「いわし」の意の国字であるが、中国や韓国でも日本と同じ意味で使われる。両国の規格にあるが、『中華大字典』・『漢韓最新理想玉篇』は日本字とする。『名義抄(観智院本)』に「イハシ 未詳」、『撮壤集』・『元和三年板下学集』・『増刊下学集』に「イワシ」、『温故知新書』・『異體字辨』・『和字正俗通』に「イハシ」、『弘治二年本節用集』に「イワシ」また「[鮎−占+時]イワシ」、『永禄二年本節用集』に「イワシ[鮎−占+時]同(下略)」、『堯空本節用集』・『両足院本節用集』に「イワシ[鮎−占+時](下略)」、『同文通考』に「イハシ 鰛也」とある。『拾篇目集』には「イワシ」の訓のほか「ヒヤウ反」とある。中国の佚書の影響でもあるのだろうか。
  49. 【鰮】 『中華大字典』に「音未詳 魚名〔[門#虫]書〕鰮似馬鮫而小〔按日本動物學云鰮一名鰯屬(下略)〕」また「鰯 日本字 鰮魚一名鰯」とある。小魚の名であることのみ伝わっていた漢字を日本の用法により、日本字「鰯」の意に中国でも使うようになったということか。「鰛」参照。
  50. 【鰡】 『廣韻』に「力求切」とあり、国字ではない。大漢語林は「鯔を日本で鰡に書き誤り、のち中国でも認められた」とするが、『廣韻』や『廣韻』が典拠とした字書などが編纂される前にその様なことがあったのだろうか。『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「ナヨシ シ」、『玉篇要略集』に「ナヨシ リウ」、『元和三年板下学集』に「ナヨシ 或ハ名吉ト作ル」(名吉にはナヨシとフリガナされている)、『増刊下学集』・『天正十七年本節用集』に「ナヨシ」、『弘治二年本倭玉篇』に「リウ ウナキ ナヨシ」とある。
  51. 【鰰】 海魚の一種「ハタハタ」の意の国字。苗字に鰰沢(いなさわ いなざわ)がある。『大字典』に「國字 ハタハタ(名) [鮎−占+雷] 、雷魚、イナ。」とある。『国字の字典』は『大字典』を引き「燭魚(はたはた)」の意の国字とするが、字形と引用を誤り、「[鮎−占+神] ハタハタ(名)、雷魚、イナ。」とする。
  52. 【鮎−占+針】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「細魚(さより)」の意の国字とする。
  53. 【鮎−占+夏】 『音訓國字格』を典拠に『倭字攷』に「フグ」とあり、『国字の字典』が「河豚(ふぐ)」の意の国字とする。「鰒」の異体字の一つにすぎず、国字ではない。『堯空本節用集』に「フク [鮎−占+富]」、『新刊節用集大全』に「[鮎−占+夏]魚 あハび」、『書言字考節用集』に「石決明 アハビ [鮎−占+夏] 同」とある。『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』にもやや崩れた字形で、「アワヒ」とある。『新刊節用集大全』・『書言字考節用集』・『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』の用法は、「鰒」の漢字本来の意味であり、「フグ」は国訓である。「鰒」参照。
  54. 【鮎−占+郡】 『日本魚名集覧』が『水産名彙』・『水産俗字解』を引いて「アナゴ」とする。
  55. 【鮎−占+恵】 『新撰字鏡小学篇』に「左波」、『名義抄(観智院本)』に「アハヒ アヲサハ」、『世尊寺本字鏡』に「アヲサハ 左波」、[鮎−占+恵(旧字体)]の字形で、『同文通考』に「アヲサバ 魚ノ名倭名鈔所謂鯖也」、『和字正俗通』に「アヲサハ」、『大漢和辭典』に「國字 さば。あをさば。[鯖(旧字体)]。」、『広漢和辞典』に「国字 さば。あおさば。海魚の一。[鯖(旧字体)]。」とある。
  56. 【鮎−占+修】 『国字の字典』が『魚名博覧』を引き「[鮎−占+危](はや)」の意の国字とする。
  57. 【鮎−占+栗】 『世尊寺本字鏡』に「アハラ」とある。
  58. 【鮎−占+班】 『名義抄(観智院本)』に「アミ」とある。『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「醤蝦(あみ)」の意の国字とする。
  59. 【鮎−占+素】 『国字の字典』が『歌舞伎評判記集成・役者万石船』から「[鮎−占+素]走(すばしり)飛魚(とびうお)なんどを」と引く。
  60. 【鮎−占+(央*皿)】 『国字の字典』が『和漢三才圖會』を引き「義々(ぎぎ)」の意の国字とする。
  61. 【鱈】 『運歩色葉集』・『増刊下学集』・『早大本節用集』・『易林本小山版節用集』に「タラ」『明応本節用集』に「タラ 北國有之」、『新刊節用集大全』に「たら」とある。中国・台湾の漢字規格にもあるが、日本の国字を輸入したものである。中国には簡体字さえある。[鮎−占+(膤−月)]の字形で、『和爾雅』に「倭俗ノ制字 タウゲ 嶺ノ字ヲ用宜」、『書言字考節用集』に「タラ 和俗所用」、『異體字辨』・『和字正俗通』に「タラ」、『同文通考』に「タラ [口**大]魚也 按ニ朝鮮俗ニ大口魚ト名」とある。
  62. 【鱇】 『運歩色葉集』・『温故知新書』・『増刊下学集』・『合類節用集』などに「鮟鱇 アンカウ」とある。「鮟鱇(あんこう)」は海魚の一種。中国でもこの字を輸入して用いる。『天正十七年本節用集』・『大谷大学本節用集』・『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』・などに「アンカウ 有足魚也」とある。頭部の提灯状のものを足に見立てたものか。
  63. 【鮎−占+異】 『元和三年板下学集』などに「ハエ」、『同文通考』に「ハエ [鮎−占+若 並同]」、『和字正俗通』・『國字考』に「ハヱ」とある。[鮎−占+輩]・[鮎−占+(輩−非+北)]・[鮎−占+(輩−非+比)]・[鮎−占+若]参照。
  64. 【鮎−占+惟】 『新撰字鏡小学篇』・『世尊寺本字鏡』に「加豆乎」とある。『国字の字典』は、字形を誤って[情−青]を「巾」とする。
  65. 【鮎−占+鹿】 『国字の字典』が『新撰字鏡』を引き、「鰮(いわし)」の意の国字とする。『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「イルカ イハシ」、『拾篇目集』に「イルカ イワシ」、『米沢文庫本倭玉篇』に「ロク イルカ」とある。いずれも字形はやや崩れた形となっているが、同字に間違いない。『龍龕手鑑』に「力木切 魚名」とある。『米沢文庫本倭玉篇』の音が『龍龕手鑑』の反切に一致しており、影響が考えられる。国字ではない。
  66. 【鮎−占+細】 『和字正俗通』に「キス」とある。
  67. 【細*魚】 『拾篇目集』に「ウルリコ」とある。
  68. 【鮎−占+曽】 『運歩色葉集』・『増刊下学集』・『早大本節用集』などに「エソ」とある。『国字の字典』が『和字正俗通』を典拠に「狗母魚(えそ)」の意の国字とする。
  69. 【鮎−占+竟】 『新撰字鏡小学篇』に「加豆乎」とあり、『国字の字典』が「堅魚(かつお)」の意の国字とする。『中華字海』が蒲松齢の『日用俗字』を典拠に「[鮎−占+昌]魚的別種」とする。中国の典拠が新しいので、今のところ国字としておく。
  70. 【鮎−占+笠】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「堅魚(かつお)」の意の国字とする。
  71. 【鮎−占+麻】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「鱧(はも)」の意の国字とする。『中華字海』が李石『続博物志』を典拠に「音麻。同[蝗−皇+莫]」とする。国字ではない。
  72. 【鮎−占+桀】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「鮎」の意の国字とする。
  73. 【鮎−占+都】 『新撰字鏡』に「奈万豆」、『名義抄(観智院本)』・『世尊寺本字鏡』・『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』・『篇目次第』・『拾篇目集』に「ナマツ」、『字鏡集白河本』に「ト ナマツ」とある。
  74. 【鮎−占+乾】 『書言字考節用集』に「[鮎−占+昌] マナカツホ 和俗所用或[鮎−占+將]。或[鮎−占+乾]。並未詳」とある。『サカナの雑学』に「マナガツオ」とあるのは、『毛吹草』から「武蔵 ハタシロ筋鰹(中略)備前 [鮎−占+乾] マナカツヲ 紀伊 [鮎−占+乾] 筋鰹 肥前 [鮎−占+乾]」と引用する『古事類苑』(動物部十七 魚中)が典拠のようだ。
  75. 【鮎−占+(輩−非+比)】 『新撰字鏡小学篇』・『世尊寺本字鏡』に「ハエ 波无」とある。[鮎−占+輩]・[鮎−占+(輩−非+北)]・[鮎−占+異]・[鮎−占+若]参照。
  76. 【鮎−占+冨】 『増刊下学集』に「フク」とある。
  77. 【鰹】 『異體字辨』に「カツヲ」とあり、『国字の字典』が「堅魚(かつお)」の意の国字とする。『龍龕手鑑』に「古田切大[鮎−占+同]也」とある。国字ではない。『新撰字鏡天治本』に「古年反平大[鮎−占+同]則反伊加魚名」、『名義抄(観智院本)』に「音堅 カツヲ」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『法華三大部難字記』・『倭字攷』に「カツヲ」、『篇目次第』に「古田切 ケン反 カツヲ ヲホカツヲ」、『元和三年板下学集』に「カツウヲ」とある。
  78. 【鱚】 『倭字攷』に「キス」とあり、『国字の字典』が国字とする。『大漢和辭典』に「国字 きす。海魚の一。鼠頭魚。鶏魚。」、『広漢和辞典』に「国字 きす。海魚の一。南日本沿岸の砂底に産する。鶏魚。」とあるが、いずれも典拠はない。『字彙補』が『唐韻』を典拠に「與熹同」とする。国字ではない。中国でも日本での魚名「きす」の意を逆輸入して使っており、『漢語大詞典』など辞書によっては漢字本来の意味が載っていないこともある。
  79. 【鮎−占+(輩−非+北)】 『伊呂波字類抄(大東急記念文庫本)』(一巻)に「俗用也 未詳 ハエ」、『米沢文庫本倭玉篇』に「ハヱ」、『異體字辨』に「ハヘ」、『同文通考』に「ハユ 魚名」、『國字考』に「ハエ」とある。「鮠」に同じ。[鮎−占+輩]・[鮎−占+(輩−非+比)]・[鮎−占+異]・[鮎−占+若]参照。
  80. 【鮎−占+貴】 『米沢文庫本倭玉篇』に「ヱイ」とある。
  81. 【鮎−占+猶】 『日本人の作った漢字』が山田俊雄氏の『近世常用の漢字−雑俳『新木賊』の用字について−』から」「どじょう」と引いて国字とする。
  82. 【鮎−占+富】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「河豚(ふぐ)」の意の国字とする。『字鏡集白河本』に「[鮎−占+冨] フク 或云鰒」、『増刊下学集』に「[鮎−占+冨] フク」とある。
  83. 【鮎−占+開】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「すいたたき」の意の国字とする。
  84. 【鮎−占+閑】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「沙魚(はぜ)」の意の国字とする。
  85. 【鮎−占+集】 『名義抄(観智院本)』に「イ禾シ」とある。「鰯」の意の国字か。
  86. 【鮎−占+逮】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「目奈太(めなだ)」の意の国字とする。
  87. 【鮎−占+滋】 『国字の字典』が『魚名博覧』を引き「鮠(はや)」の意の国字とする。『漢字百話〈魚の部〉魚・肴・さかな事典 魚名博覧』は『おもしろいサカナの雑学事典』を引くが、[鮎−占+滋]は見あたらない。あるいは[鮎−占+(磁−石)]の引用誤りか。
  88. 【鮎−占+登】 『新撰字鏡小学篇』に「女久知良」、『法華三大部難字記』に「タチクチラ」とある。
  89. 【鮎−占+{澁−(沖−中)}】 『サカナの雑学』に「ほんまぐろ」とあり、『国字の字典』がを引き「本鮪」の意の国字とする。
  90. 【鮎−占+暑】 『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』・『天正十七年本節用集』・『易林本小山板節用集』・『和字正俗通』に「シイラ」、『合類節用集』に「シイラ 字未詳」、『書言字考節用集』に「シイラ 未詳」、『増刊下学集』には「シヒラ 倭字歟」、『同文通考』に「シイラ魚名」とある。『弘治二年本節用集』に「シイテ」とあるのは「シイラ」の誤りであろう。『国字の字典』は『和字正俗通』を典拠に「勒魚(しいら)」の意の国字とする。親字は、『大漢和辭典』にあり、e漢字により表示しているため、「者」に点があるが、古字書に見られる字形には点がない。画数は、点がない字形により、12画と数えた。
  91. 【鮎−占+署】 『古事類苑』(動物部)が、『書言字考節用集』から「九万匹 クマビキ 又云津字(ツノシ) [鮎−占+署] シイラ 未詳」、『物類稱呼』から「鮎−占+署 志いら(下略)」、『和漢三才圖會』から「[鮎−占+署] しひら くまひき」と引用する。『書言字考節用集』の字形は、[鮎−占+暑]が正しく、『古事類苑』(動物部)の引用は、正確でない。『国字の字典』は、『新字源(旧版)』(国字国訓一覧)を典拠に「勒魚(しいら)」の意の国字とする。『サカナの雑学』に「シイラ」とある。[鮎−占+暑]に同じ。親字は、『大漢和辭典』にあり、e漢字により表示しているため、「者」に点があるが、古字書に見られる字形には点がない。画数は、点がない字形により、13画と数えた。
  92. 【鮎−占+雷】 『サカナの雑学』に「カムルチイ。ハタハタ」とある。「カムルチイ」は雷魚のこと。「ハタハタ」の意の文字とは同形別字か。国字か否か難しいところである。
  93. 【鮎−占+遣】 『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』・『両足院本節用集』に「イシモチ」とある。国字[鮎−占+追]の異体字か。
  94. 【鮎−占+愛】 『拾篇目集』に「イシフシ」、『書言字考節用集』・『和字正俗通』に「ムツ」、『同文通考』に「[鮎−占+愛][鮎−占+郷] アイキョウ 魚ノ名」とある。やや崩れた字形で、『新刊節用集大全』に「あいきゃう」とある。(解説途中)
  95. 【鮎−占+跳】 『サカナの雑学』に「メクラハゼ」とある。
  96. 【鮎−占+鼠】 『サカナの雑学』に「サワラ」とある。
  97. 【鮎−占+蒸】 『国字の字典』が『饅頭屋本節用集』から「なしもの」と引き「塩辛(しおから)。魚醤(うおびしお)」の意の国字とする。
  98. 【鮎−占+新】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「公魚(わかさぎ)」の意の国字とする。
  99. 【鮎−占+閙】 『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「坊主吾里(ぼうずごり)」の意の国字とする。
  100. 【鼓*魚】 『名義抄(観智院本)』に「サクル」とある。
  101. 【鮎−占+豪】 『国字の字典』は『和字正俗通』から「[鮎−占+豪]魚(きす)」と引き国字とするが、『和字正俗通』は[鮎−占+細]に対応する漢字としてのせている。ただ『中華字海』などになく、『和字正俗通』の処理が適切か否かは疑問が残る。
  102. 【鮎−占+輩】 『和字正俗通』に「ハヱ」とある。[鮎−占+(輩−非+北)]・[鮎−占+(輩−非+比)]・[鮎−占+異]・[鮎−占+若]参照。
  103. 【鮎−占+{鼻−(自+田)+敬}】 
  104. 【鮎−占+(目*高)】 愛媛県伊予郡双海町にあるメダカの学校「[鮎−占+(目*高)]寿庵(こうじゅあん)」を川口寿雄校長と双海町地域振興課若松課長が造ったときに、川口校長が作った文字である。
  105. 【鮎−占+歸】 『日本魚名集覧』が『水産名彙』を引いて「フグ フクベ」とする。『国字の字典』が『サカナの雑学』を引き「河豚(ふぐ)」の意の国字とする。
  106. 【鮎−占+(頁+頁)】 『字鏡鈔』に「ナヨシ」、『法華三大部難字記』に「コノシロ」とある。
  107. 【鮎−占+(真+頁)】 『名義抄(観智院本)』に「ナヨシ」とある。
  108. 【鮎−占+(眞+頁)】 『サカナの雑学』に「スバシリ」とある。前項参照。
  109. 【鮎−占+願】 『世尊寺本字鏡』に「ツクラ」、『字鏡集寛元本』・『拾篇目集』に「ナヨシ」とある。『日本魚名集覧』が『水産名彙』『水産俗字解』を引いて「ナヨシ」、『水産名彙』を引いて「クチメ」とする。とする。『国字の字典』は『サカナの雑学』を引き「鯔(ぼら)」の意の国字とする。『字鏡鈔』に「イヨシ」とあるのは、「ナヨシ」の誤りか。
  110. 【鮎−占+(笠−立+幹)】 『サカナの雑学』に「ヤガラウオ」とある。
  111. 【鮎−占+(真+真)】 『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「ナヨシ」、『字鏡集白河本』に「テン ナヨシ」とある。
  112. 【鮎−占+贔】 『温故知新書』に「カイラキ」、『合類節用集』に「[鮎−占+贔]鬼(第1画の「ノ」が無い字形) カイラギ 未詳」とある。
  113. 【鮎−占+屬】 『日本魚名集覧』が『水産名彙』を引いて「アラ」とする。
  114. 【好−子+鳥】 『名義抄(観智院本)』・『法華三大部難字記』に「ミサコ」、『拾篇目集』に「ヲシ タカヘ」とある。『和爾雅』に「ウヅラノコ」とあり、『国字の字典』が「鶉(うずら)の子」の意の国字とする。
  115. 【鵈】 笹原宏之著『「JIS X 0208」における音義未詳字に対する原典による同定』に、JISの典拠として『国土行政区画総覧』から「福島県相馬市石上字鵈沢」が引かれている。同書に「後に訂正され[舶−白+鳥]と変わっており、誤記であったと見られる。役所担当課でも[舶−白+鳥]が正しいという。」とある。『拾篇目集』に[胴−同+鳥]で「ミサコ」と読んでおり、地名との関係も考えられる(この用例は「舟月」であろうか)。『新撰字鏡小学篇』に「止比」、『世尊寺本字鏡』に「ショ音 ヒハトリ ヒエトリ 止比」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集白河本』に「ヒエトリ ニハトリ」、『字鏡集寛元本』に「シヨ ヒエトリ ツクミ ニハトリ 止比」、『篇目次第』に「ヒエトリ 无」とある。『世尊寺本字鏡』・『字鏡集寛元本』に音注があるが、『中華字海』などになく、国字であろう。『大漢語林』・『漢語林』・『旺文社漢字典』は、「鳶省+職省」であるとして、「鳶職」の意の国字とするが、うえにあげた古字書の注文からすると、鳥の名「鳶」と考えるのが普通ではないだろうか。
  116. 【(又*双)+鳥】 『篇目次第』に「カモ 无」とある。
  117. 【舌+鳥】 『米沢文庫本倭玉篇』に「ケキ モス ヒハリ タトリ」とある。(解説途中)
  118. 【舌*鳥】 『世尊寺本字鏡』に「モス」とある。
  119. 【百+鳥】 『世尊寺本字鏡』に「モス」とある。
  120. 【束+鳥】 苗字に[束+鳥](うかい)・[束+鳥]浦(うのうら)・[束+鳥]飼(うかい うずらかい)・[束+鳥]川(うかわ)・[束+鳥]田(うずらだ)がある(『日本苗字大辞典』)。『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『天正十七年本節用集』に「ツクミ」、『元和三年板下学集』に「ツグミ」とある。『国字の字典』が『國字考』典拠に「鶫(つぐみ)」の意の国字とするが、『國字考』の字形は、[朿+鳥]である。『中華字海』に「一種鳥見《廣韻》。同[式+鳥]見《説文新附考》」とあり、[朿+鳥]は、「[束+鳥]的訛字見《字彙補》」とある。いずれにしても国字ではない。
  121. 【海*(老−ヒ+工)】 『法華三大部難字記』に「エヒ」とある。「海老」の合字としてできた国字の崩れた字形か。

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