SL Zaurusはおもしろい!

 PA-9500を壊れるまで使い続けた後BTRONに転んでしまった(今でも好きなんですけど)私としては、どうしてもザウルスを買う気になれない。まぁ流行りモノに背を向けたい天邪鬼なだけとも言いますが、2002年についに現れたLinux搭載のザウルス「SL-A300」はそんな私の信念を打ち砕く魅力的な商品でした。ええ、発売日に速攻で買いましたとも(ちなみにSL-C700は予約してまで買いましたがな)。
 それ以来PDAとして普通に使いつつ(BrainPad TiPOが壊れて以来不自由してたのよ)、いろんな人の批判を横目で見ながら私なりにいろいろいじってました。その日々の中で得られた情報をご覧の皆様に提供しつつ、みんなで楽しもうというのがこのサイトの目的。万人向けゆえあまりシステムの深いところまでいじることはしませんが、参考になれば幸いかと。


このページにあるもの


qpeGPSとCFGPS2

 以前の私はGPSにはあまり興味がありませんでした。まず高かったことと、機器には座標しか表示されず紙の地図と照らし合わせる必要があったからです。それが最近になってノートPCと連携するようになり、それこそカーナビのように現在位置をPCの画面に描いた地図に表せるようになりました。でも、いつもサブノートPCを持ち歩く私であってもそれを使う気にはなれませんでした。やはりPCはGPSに求められるべきと自分の考える理想像からは機動性に劣っていたからです。
 が、アイ・ツー…というかモバイル専科通販の特価情報(だったと思うんだけど)でアイ・オーデータ機器CFGPSを見つけて以来、考えは変わりました。そう、今ならザウルスがあるではないか。機動性は抜群だし、SL-A300+CE-JC1なら電池の容量は無敵状態、SL-C700なら古いPC並みの解像度で広範囲の地図の表示ができるかも…。
 もちろんPDA対応のGPS受信機とはいってもSLザウルスに対応しているわけではありませんから「かくなるうえは作るか」と覚悟したのですが、探してみるとすでに使えそうなのがあるじゃないですか。接続実績はないけれど標準規格のようなものもあるようだし、これはいけそうです。

CFGPS2

 というわけで買ってきたのがアイ・オーデータ機器のCFGPS2。CFGPSに比べてスマートになり高感度になり価格が下がった商品です。地図ソフトもついていて、方法はともかく地図データだけを持ってくればザウルスでも使えそうな感じ。あ、MIザウルスは最初から対応ということになっていますね。CFカードに受信部がくっついているというよりは、GPS受信機にCFカード型コネクタがついているという表現が似合うかもしれないくらいの形をしています。SL-A300+コミュニケーションアダプタに接続してみたのが下の写真。

 なんともいい感じと申しましょうか。厚みもほぼSL-A300+CE-JC1と同じ、幅はやや控えめ(ちょっとスタイラスペンが出し入れしにくいんですが)。SL-C700のビュースタイルともいい感じになりますよ。

 さて、ここからはGPS初心者だった私からさらなる初心者のあなたへの情報。そもそも、GPSとはどんなI/Fでつながるものなのでしょう?これまでもいろいろな製品があって、PCカードとかUSBとかさまざまな接続形態があったのですが、実はどれもシリアル。PCカードとCFカードはモデムカードと同様の回路で、USBはUSB-シリアルコンバータで、また少し前にあったやつはまんまシリアルポートに、接続されていたのです。だから、CFGPS2にしてもザウルスにつっこんでみるとモデムカードと同様の認識をしてイネーブルされます(画面下の接続アイコンをタップするとモデムカードの接続先が表示されます)。
 接続方法はわかりました。ではそこを流れてくるデータはどうなんでしょう?実はこれもいろいろあるにはあるのですが、現在ではNMEA-0183と呼ばれるテキスト形式のフォーマットが事実上の標準になっているようです。GPSの森というひじょうに良いサイトがありまして、その中にあるNMEA-0183フォーマットのページを見ていただければどんなものかなんとなくわかるんじゃないかと思います。なお、GPS自身も全ての形式のデータを使っているわけではなく、またGPS対応ソフトも特定のデータしか使っていないようです。
 GPSを使う上では、測地系も重要になります。現在日本国内の測地系には日本測地系と世界測地系の二つがあります。測量法という法律の改正に伴い、それまで日本測地系で使っていたものを世界測地系に転換していくことになっています。GPSが出力する座標の測地系と使用する地図の測地系が合わない場合、現在位置が少しずれて指し示されることになります。CFGPS2は日本測地系で出力されるらしいので(法改正後だというのに)、地図もそうなるようにしておく必要があるわけです。

GARMIN

 私の場合は持ち運びのし易さからCFGPS2を買っただけですが、GPSといえばやはり世界的に有名なのはGARMINではないかと思います。ザウルスポッケにねじこんでという有名なサイトの掲示板にて得られた情報なのですが、GARMINとザウルスを接続する方法を簡単に説明しておきます。

 接続が確認されたモデルはGPSIIIというものですが、I/Fが同じなら他の機種でも同じでしょう。Specificationsを見てみるとNMEA-183とRS-232Cにて接続されるとあります。さて、問題はザウルスにどうやってRS-232Cの接続口を設けるか。
 ザウルスとPCデータのやり取りをするケーブルの接続口には確かにシリアルポートがあるのですが、残念ながらメーカーが正式に適合すると宣言したオプション品はありません。形状とか配列とかCE-170TSが使えそうなのですが(実際に使った人はいるのですが)、電源の入出力方向が逆なのでオススメしたくありません。
 そこで登場するのがラトックシステムのCF型シリアルカードREX-CF60。これならCFGPS2同様ザウルスからはモデムカードと同様の扱いとなりますので、特に設定をいじるでもなく使えるようになります(もちろんメーカーサイトには対応ともなんとも書かれていないのですが)。
 あとはこれまでGARMINを使ってこられた方なら問題はないでしょう。REX-CF60からはPC/AT標準のD-Sub9ピンオスコネクタが端にあるケーブルが延びていますので、それを接続するだけ。ボーレートとかはqpeGPSの画面から設定しますから、REX-CF60に対して何もすることはないはずです。

qpeGPS

 ありがたや、ザウルスコミュニティ。というわけで、探してみるとQtopia用のGPSソフトがありました。プロジェクトのホームページはこちら。そこからダウンロードのページをたどると三つのパッケージを落とせるようになっていますが、ここでは

を落とします。メッセージ類はみんな英語ですが、まぁなんとかなるものです。なお、zlibは他のソフトでも使われていることが多いので、すでに入っているという方は入れなくてもいいと思います。

 インストールしたら、動作確認。CFGPS2をスロットに入れて、qpeGPSを起動。すると、次のような画面が出ると思いますが、一番最初なのであまり心配しないように。

 このメッセージは書いてあるのはGPSとの通信不可ということですが、実際にはgpsdとの通信不可という意味です。qpeGPSはGUIを担当する本体とGPS受信機からのデータを中継するgpsdというデーモンとの組み合わせで動作します。このgpsdはqpeGPSから起動を指示されqpeGPS終了後にもメモリに居座るのですが、インストール直後とか再起動後はまだ起動されていないため通信に失敗してこうなるわけです。「再試行」か「無視」を選択して抜けてください。
 「再試行」を押すと、gpsdが起動しGPS受信機からのデータを受け取れるようになります。「gpsd:」とあるところの右のメッセージが緑になります。ただ、まだCFGPS2が正しく接続されてないので衛星捕捉には至っていません。
 ザウルスでのCFスロット増設シリアルポートは、ttyS3になります。そこで、「Args:」とあるところのデバイス名を「/dev/ttyS3」に書き換え、一度qpeGPSを終わらせて再び起動させます。
 何度か再起動したり「Args:」の右の欄でOKボタンを押したりとかが必要かもしれませんが、CFGPS2からのデータが正しく受け取れるようになると「GPS:」とあるところの右のインジケータが緑に変わります。本当はそこの「???」はデータフォーマットを表示するようですが、とりあえずこれで大丈夫のようです。
 まだ一箇所赤地のインジケータと「Lat:」「Lon:」という表示がありますが、これは衛星からのデータによる日付と座標になります。動かしているのが部屋の中なので、衛星がまだ捕捉できていません。
 一番下の欄は捕捉した衛星の信号強度を表します。09番だけ強力ですが、これは昼間の実験の情報が残っていたとか何か正しくないデータを拾っているようですね。

 ここまで動けばqpeGPSとCFGPS2との接続はOK。あとは正しい地図さえあればナビゲーションができるようになるはずです。

地図のインポート

 qpeGPS用に誰かが用意してくれた地図などないわけですから、どうにかして自分で用意しないといけないわけです。qpeGPSには地図のインポート機能がありますので、それを使うことになります。必要なのは縮尺のわかっているPNG形式の地図といくつかの座標です。せっかくですので、CFGPS2添付のSuper Mapple Digitalを使って地図データを作ってみましょう。

 まず、作成したい地域を表示させます。もちろん縮尺とかが好みになるように。

 次にメニューから[ファイル]→[インポートおよびエクスポート]を選択します。出てきたウィザードでは画像ファイルへのエクスポートを指定してください。ここでは固定サイズを選択しています。サイズも適当な大きさで。

 次にエクスポートする地図の中心を指定します。で、その際指定した中心の座標を何かにメモしておいてください。エクスポートされた地図は適当にザウルスドライブでアクセスできる場所に入れましょう。座標と縮尺をメモしてあればSuper Mapple Digitalは終了させてかまいません。
 次に、転送した地図をqpeGPSに認識させます。

 Fetchタブを開いて、「import map」をタップしてください。
 PNG形式の画像ファイル一覧が出ますので、目的のファイルを選択してください。下のラジオボタンはどちらでもいいですが、容量を気にするならばremove original imageを選択してもいいかと。
 すると、転送した地図が表示されます。FRITZとあるのは地図の指定方法の名前で、縮尺と中心座標があればそれで良きに計らってくれるモードです。
 座標は60進法で表されますが単位を入力するのが難しいこともあり、10進に直して入力します。latitudeが緯度、longitudeが経度のことです。
 これで認識されました。

いざ出陣

 地図も揃ったところで使ってみます。衛星をまともにつかまえて位置データを得られるようになるまで数分というところ。一旦座標が得られるようになったら、その座標に基づきそれを含む地図を自動的に選んで表示します。

 地図上の中央の十字が現在位置、緑の線が進行方向を表します。単純に最新位置と直前の位置とで作られるベクトルで方向を表示すると誤差でくるくる回ってしまうからか、ある程度の平均で決められているようです。このため、例えば電車などでかなりの速度で一定方向に移動したあと、それとは違う方向に歩いて移動するとかなり長い間電車で進んだ方向を指してしまう問題があります。なかなか直らない時は一度qpeGPSを再起動するのがいいでしょう。

※…上記のようにやればいいはずなんですが、なぜか現在位置が右上にずれてしまいます。Super Mapple Digitalと国土地理院の両方の地図を比較してみると、Super Mapple Digitalが北に1.4秒、東に1秒ほどずれた座標を示しています。確かに運用時にはそれだけのずれがありましたので、どちらかというと国土地理院の方が正確だということになります。当面は緯度・経度共にずれた分を減算して使用するか、下の方法で別の地図を使用してください。

国土地理院の地形図を使う

 地図にもいろいろあるわけで、いつも必ずSuper Mapple Digitalがあるとは限らず、あるいは地方の詳細地図が別の形で手に入ることもあるわけです。ここでは国土地理院のサイトからフリーで閲覧できる2万5千分1地形図をqpeGPSに取り込んでみることにします。

 まずは国土地理院のサイトから、全国の2万5千分1地形図を見る地形図閲覧システムへと辿り、目的の地域が表示されるようにしてください。

 次に、ザウルスショットで取り込みたい範囲の地図を指定してください(せっかくこの地図自体がPNGなのでそのまま転送したいところなのですが、大きすぎてメモリー不足メッセージが出たりimport mapが動作しなかったりします。地図は自動で切り替わるのですから適当に分割しましょう)。

 qpeGPSのimport mapにてザウルスショットで取り込まれる画像を指定してください。

 ここでは指定方法にLINEARを用います。これは地図の任意の二ヶ所の座標を指定するもので、
  • x1またはy1にカーソルを移動し
  • 地図上をタップして指定したいポイントにヘアラインカーソルを合わせ
  • long1に経度、lat1に緯度を入力
  • x2,y2,long2,lat2も同様
とします。

 上記画面で入力する座標は、地形図のページの地図上の目的のポイントをクリックすることで得られます。大きく出る座標は世界測地系の値ですので、注釈してある日本測地系の数値を採用します。

というわけで、うまく取り込まれました。

 そして動かしたのがこれ。

 トラックログ機能もあり、GPSソフトとして必要な機能は全て揃っていると言えるでしょう。まぁ日本語じゃないので自分でもよく間違えたりとかしますが、なんとか使えるかと。SL-C700でも一応動きますが、「VGAに最適化」を指定しないと一部画面が崩れます(gpsd設定とか)。これに対応するにはソースに手を入れないといかんでしょうね。


PDICビューワ

 MIザウルスには辞書があるのに、SLザウルスには別売りも含めて全然ない!(2003年春には出ますが)ということで作ってます。とりあえず予告ということで。画面はSL-C700の横モードですが、ちょっと縮小してあります。画面切り替えにも低解像度にも対応します。