92G7461
Date: 09/19/96
Plt.No. 00 Model M13
Assembled in Mexico
Manufactured for IBM by Maxi Switch

トラックポイントIIがついた101座屈ばね式鍵盤です。52G9658とキーの特徴は同じで,それにトラックポイントIIをつけた機種です。John C. Dvorak氏の記事によれば定価は125ドルであった模様です。ロゴは青です。5576-C01と同じくマウスのつなぎ口がありますが,位置が違い,右横側面ではなく背面についています。こっちの方が使いやすいと思います。鍵盤前面に52G9658と同様の排水口があります。これは42H1292式の簡略版ではなく,スイッチ構造全体を支える鋼板の上側から排水口に向けて,液体を逃がす道がつけられた本格的なものです。

92G7461の正面写真

日本の鍵盤趣味者の草分け的存在であられるのぐ獣氏のページでは,41G3576を最強のキーボードと賞賛されています。座屈ばね・防水構造・トラックポイントと3つ揃った本機もなかなかのものだと私は思います。ただ,キートップが外れないので手入れは面倒ですし,MexicoとかMaxi Switchと入っているところがマニア的には減点対象かもしれないですね。また,スクロールボタンがない点でSpace Saver keyboard II に機能的に劣ります。CAD系のお仕事に使う場合はトラックポイントIIだけだとツライので,USBマウスと併用という感じでしょうか。私は自宅ではこのように文章を書くだけですからマウスもスクロールボタンもなくて構わないです。なお,ドライバはThinkPad 600X用のを流用していますが何も問題ありません。

92G7461のマウスソケットの写真92G7461の裏面写真

enhanced 101系の伝統を受け継ぎ大変重くて大きいです。机が狭いので,時々10キーをノコギリで切り落としたい衝動に駆られます。10キーなし,キートップ着脱可,スクロールボタン付き,でもちろん座屈ばねだったら大ヒット商品になるのでしょうけどね。それでも,この重厚長大さがゆえにトラックポイントを触ってもキーと打ってもびくともしません。文字通り鍵盤という感じです。一度こういう鍵盤を使うと,他のはどうにも頼りなく感じられてしまいます。

キータッチは1391401と完全に同じと言って差し支えないと思います。経年変化でばねがやわらかくなったり,ロットによってわずかにぶれがあったりするかもしれませんが,本質的な相違が存在する証拠は私の知る限りありません。1988年製の1391401と比べ,本機はばねの残響音が抑え気味で好ましいですが,これは単に経年変化の範囲だと思います。キートップが外れない構造のためか,1391401などと比べてキーの裾があまり広がっていません。上からキーを眺めると,キーの間に1mmほどの隙間があるように見えます。意地悪く見れば多少貧相な感じもしなくもないです。

本機のトラックポイントIIは,Space Saver Keyboard IIのトラックポイントIVよりもハード的に感度が悪いです。感度最大,ポインタ最速で使っています。それでも私の持っている5576-C01より1割くらい感度がよい感触です。なお,5576-C01と本機を比べると,キータッチがまるで違います。C01は全体的に軽い打ち心地なのですが,明らかにばねの残響音が大きく全体的に質感に欠けます。



コードは取り外し不可です。平べったいコードです。なんとなくメキシコっぽいです(?)。IBMの昔の鍵盤はどれもコードが異常に重く,机の脇にPC本体,机の上に鍵盤,という配置で使おうとすると重いコードが自重で垂れ下がり,あまりよろしくないです。それに引き換え本機は適度に軽いコードで,私は気に入っています。

本機と大変よく似た機種に13H6705というのがあります。こっちは色が黒でThinkPad風であるためか,92G7461よりも人気があるようです。13H6705の方はLexmark製のものも確認されています。いずれもこの「メキシカン・コード」です。Maxi Switch だけがこのコードというわけではありません。後継機「On-The-Stick」がUnicompから購入できます。型番はUNI0486,定価99ドルです。Unicomp日本代理店のNeotecだと2001年8月時点で16800円となっています。個人で直接Unicompから買うと送料が40ドル取られますから,日本語のサービスを受けられることを考えれば,まあ妥当な値段と言えます。42H1292で見られるような筐体のプラスチックの問題があるかは未確認ですが,スイッチ機構だけをとってみれば,Unicompの座屈ばね鍵盤はIBMオリジナルのものと完全に同じキータッチであり,仮に私が今から新品を購入するつもりなら,なにかと問題の多いオークションには目もくれず,Unicomp製を買うでしょうね。

92G7461の青ロゴと二股コードの写真

ところでこのMaxi Switchという会社ですが,現在はLMSと社名が変わったようです。同社のWebサイトによれば,Lite-onグループの子会社であると書いています。台湾のメーカーです。ただ,LMSの本社はTucson Arizonaにあるようなので,もともとアメリカにあったMaxi Switch社が,台湾メーカーの傘下に入ったものと推測します。

2001年8月現在,新品入手はほぼ不可能です。Unicompにも在庫はなく,その後継機UNI0486のみの扱いです。ジャンク屋ではまず見たことはありませんので,どうしてもIBMロゴが欲しいというブランド志向の方は,ShopUなどの専門店か,オークションサイトを使うしかなさそうです。Yahoo Auctionsでもあまり見かけないですが,おそらく1万円台です。 大金を出そうとしている方は,スクロールボタンがないことや,筐体が巨大であることなどをよく検討された方がいいと思います。
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