
ベンチャー革命2004年5月9日
山本尚利
タイトル:世界私有化現象
1.経済の私有化から戦争の私有化まで
2004年5月5日付け朝日新聞に、ジョセフ・ナイ(ハーバード大学ケネディ行政大学院の学長)の投稿記事「米のパワー、不滅ではない」が掲載されています。その中で、非常に気になるフレーズがありました。「科学技術の発達が政府から国家の力を奪い、権力を拡散させる。すでに経済の世界では国境を越えた「私有化」が主役を演じている」というフレーズです。この中で筆者が非常に気になったのは「経済の私有化」です。世界経済のグローバル化とは結局、私有化ということなのか、と変に納得してしまいました。筆者は一瞬、ロスチャイルドやロックフェラー財閥による世界経済の私有化を連想してドキっとしました。ナイ教授の頭には具体的に何が浮かんでいるのかは想像するしかありませんが、米グローバル企業の活躍を、単に「経済の私有化」と呼んでいるかもしれません。確かにシティバンク、マイクロソフト、マクドナルドなどは世界中で活躍しています。たとえば、マクドナルドは共産国中国、万里の長城のふもとにまで進出しています。さてナイ教授のいう「私有化」に関して穿った見方をすれば、世界支配をもくろむ闇の権力は、底なしの資金力により、上記グローバル企業の株主になれば、闇からグローバル企業を自由に操れると思います。現在、世界で活躍しているグローバル企業はその出身国家の意思ではなく、その企業のオーナーの意思で動いているのは明白です。それがグローバル資本主義社会ですから・・・。さて、現在の米ブッシュ政権の中枢には、周知のように石油・軍事企業幹部出身者が大勢を占めています。石油・軍事企業のオーナーでもある闇の権力は大統領選挙のスポンサーとなる見返りに、政権中枢に息のかかった人材を送り込むことが可能です。米国の政治権力は、こうして事実上私有化されています。その結果、グローバル資本主義社会では、国家の軍隊ですら私有化することが可能です。もし、そうなれば、軍隊を有する国家は、ある勢力の私的目的で軍事力を行使することが可能となります。軍事力行使に際して、国益と私益をすり替えることはいとも簡単です。ちなみに、もし、筆者の仮説が正しければ、私有化されたブッシュ政権に強制されたに等しい日本の自衛隊のイラク派兵の大義とは、いったい何なのだろうとあきれてしまいます。ところで、前記のナイ教授は、国際テロリストの暗躍とは「戦争の私有化」であるとも表現しています。現在、世界で起きている戦争とは、国家対国家の伝統的戦争ではなく、私有化された国家軍隊と国際テロリストによる「戦争の私有化」が起きていることになります。戦争が私有化されると、われわれは敵と味方の区別がつかなくなります。戦争当事者は八百長戦争を起こすことも可能です。以上からナイ教授は、現在、世界中で経済が私有化され、マスメディアが私有化され、政治が私有化され、はたまた、戦争まで私有化されてしまったと嘆いていると読み取ることができます。欧米人にとって、ローマ時代の奴隷の決闘から西部劇の決闘まで、すべてがゲームなのです。もちろん、戦争も例外ではありません。この遺伝子は、260年の鎖国(戦争回避)を経験した日本人の遺伝子とは相当かけはなれているでしょう。いずれにしても、現代、お人好し日本人にとって、非常に恐ろしい社会が出現してしまったのです。筆者の個人的見解では、このようなモンスター社会の出現はすべて、1963年11月22日のケネディ大統領暗殺に端を発しているとみなしています。正義漢ケネディはかつて、このモンスターにマジで挑戦して殺された。(拙稿ベンチャー革命2004年4月6日「20世紀最大の謎:ケネディの暗殺」参照のこと)
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr068.htm
これ以降、歴代の米大統領はクリントンを含めて、モンスターに本気で挑戦することはなくなったと思います。そこで、40年前、無念の死を遂げた故ケネディ大統領があの世から、ジョセフ・ナイ(ケネディ行政大学院学長)の口を借りて、肥大化したモンスターに向けて、いい加減にしろと警告しているに間違いない!
2.イラク米軍虐待報道の黒幕
さて世界がモンスターに支配されていると仮定すれば、最近のイラク米軍虐待報道も誰かにコントロールされていることになります。なぜ、今この時期に、突然、ブッシュ政権に不利なニュースが連発されるのでしょう。イラク米軍の最高責任者、ラムズフェルド国防長官は、ついに謝罪表明しましたが、政治的圧力に屈して辞任することはしないと強弁しました。このことから、一連の虐待報道は、ブッシュ政権を窮地に追い込む反ブッシュ勢力が存在することを物語っています。この反ブッシュ勢力とは民主党でしょうか、筆者は違うと思います。イラク戦争を仕切っているブッシュ政権の背後には、複数の闇の権力の抗争(ゲーム)が存在すると思います。ひとつは、アラブ人に反米感情を募らせてテロを頻発させ、米軍の中東介入を永続化し泥沼化したい勢力の存在です。この勢力はイスラエル重視派と、企業利権重視派の二手に分かれるでしょう。アラブ人が怒れば、怒るほど、中東で戦争拡大を目論む勢力にとっては好都合です。今、米国が中東から撤退すれば、待っていましたとばかりに、その後に欧州利権が入り込むのは間違いないでしょう。その観点から米国の隠れた敵とは、本来イラクなんかではなく、実は欧州EUであるという見方もあるほどですから・・・。その意味でスペインの撤兵は米国の中東孤立を促進します。一方、世界経済の私有化を優先する勢力は、戦争ではなく、世界経済のカジノ化を求めます。もちろん、自分たちはその胴元ですが・・・。彼らにとっては、もうからない中東での戦争を早く止めて欲しい。そのためには、2004年11月以降、ブッシュ政権の続投は許さないはずです。さて、それではここでクイズです。今回の虐待報道は、戦争私有化勢力の仕業か、それとも経済私有化勢力の仕業か、どちらでしょうか。アラブ人を怒らせることを目的にするなら前者であり、ブッシュ政権を潰すことを目的とするなら後者でしょう。だから筆者は、そのどちらも可能性があると思いますが、個人的には、後者の経済私有化勢力の仕業であって欲しい。なぜなら、カジノ経済が再来しても、戦争激化で子供が死ぬよりましですから。経済私有化勢力にとって、アラブ人を含めて、世界の一般人は、利益を吸い上げるカモですから、むやみに人を殺すことはしないはずです。ついでに言えば、前者の戦争私有化勢力が、今後も引き続き、増長すれば、巨額の戦費を捻出するため、日本政府を恐喝して、またまた米国債を買わせることになります。もういい加減にして欲しい。イラク戦争費用を賄う米国債を日本政府が買い支えることは、結局、日本国民の郵貯・簡保や年金積立金が目減りすることになります。ちなみに穿った見方をすれば、イラク米軍にとっては、ほとんど役に立たない自衛隊のイラク派兵は、日本国内の嫌米反戦国民の注意をそらすための陽動作戦でしょう。さらに言えば、小泉政権があれほど年金改革をあせるのは、本心では米国債購入財源確保のためでしょうか。つまり親分ブッシュ政権内の戦争私有化勢力への仁義なのでしょうか??? これらの小泉政権による対国民モラルハザードの結果、近未来、日本国民の資産も誰かに「私有化」されるのでしょうか。われわれ一般国民にとっては、国民資産が、外人に私有化されるのがよいか、それとも、これまでどおり官僚に私有化されるのがよいか、どちらがマシかの消去法の選択でしょう。さて日本政府がせっせと買いこんでいる米国債は、いまや世界最大で最悪の不良債権です。欧州EU各国の政府首脳はいち早くそれに気づいています。彼らは日本のように、米国と心中したくないと思っているでしょう。頭脳明晰だが臆病な日本政府の一部エリート官僚も、蟻地獄に堕ちたと気づいているでしょうが、いまさら、ニッチもサッチも行かなくなっています。なぜなら、米国の経済崩壊は、ただちに日本の経済崩壊を意味しますから・・・。
3.どっちにころんでも損しない闇の権力
今年11月大統領選挙まで、ブッシュ続投勢力と、ブッシュ更迭勢力の抗争が激化するでしょう。しかしながら、彼らは、スリリングな賭けを楽しんでいる賭博仲間です。決して敵対しているわけではありません。ブッシュが勝つか、ケリーが勝つかを楽しんでいます。
政治を私有化している彼らにとって、共和党も民主党も自由にコントロールできるのです。たとえば、虐待報道は、一見、ブッシュに不利ですが、大統領選の前に、再び9.11レベルの事件を起こせば、ブッシュ支持率の復活を誘導して、ブッシュ再選の目は残されるのです。2001年、エンロン・スキャンダルで、ブッシュ支持率が危うくなったとき、9.11勃発により支持率90%まで奇跡的にリカバリーしました。これで闇の勢力は、ブッシュに恩を売ると同時に、恐喝するときの奥の手をもつわけです。だから逆に、ブッシュを本気で交代させる気なら、虐待報道とは比較にならない決定的スキャンダルを暴露することにより、ブッシュを蹴落とすことはいとも簡単です。米大統領候補なんて、今や完全に、お釈迦様の掌の内にあるのです。ブッシュは9.11テロのスキャンダルが暴露することを非常に恐れているはずです。スキャンダル暴露に怯えるお人好しのブッシュ・ジュニアは、そのうち自殺するかもしれません。育ちのよいブッシュ・ジュニアが時折みせる怯えた表情は、闇の権力にとっては不満でしょう。最近のブッシュの選手交代の動きは、闇の権力から単に、ブッシュが大統領アクターとして役者不足と思われているにすぎないからかもしれません。ノー天気の米国民も、闇の権力の存在をうすうす知っており、大統領選挙のみならずイラク戦争までも、まるで映画かスポーツを観るように楽しんでいるのです。だから闇の権力は、カリフォルニア州知事に当選させたアーノルド・シュワルツネッガーのようなスーパースターに映画の大統領ではなく、ホンモノの大統領を演じさせることもできます。こうして米国民は、闇の権力によって私有化されたマスメディアの演出する虚構と隠された現実の区別がつかなくなっています。
山本尚利(ヤマモトヒサトシ)
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