ベンチャー革命200464

                           山本尚利

タイトル: 小泉政権の対米戦略をウラ読みする

 

1.小泉北朝鮮外交の矛盾点

小泉政権は、戦後まれに見る徹底した対米隷属主義政権であると筆者はみなしてきました。ところが、最近の小泉北朝鮮外交に矛盾点のあることがわかり非常に気になっていました。去る522日、小泉首相の再訪朝の直前、同首相はブッシュに電話を入れたと報じられています。この発表は、対国民アピールというより、北朝鮮や中国に対して、米国のお墨付きをもらっていることをアピールするためでしょう。訪朝前に、脱走容疑のかけられたジェンキンス氏への恩赦はないよと米国から釘を刺されていました。ラムズフェルド国防長官が恩赦を認めないとも報道されていました。ここまでは予想どおりでした。さて、それでは小泉政権の北朝鮮外交における対米戦略の矛盾点とは何でしょうか?(1)米国がノーといっているのに、それに逆らうかのように、小泉首相がわざとらしくジェンキンス氏に訪日を勧めたのはなぜか。小泉首相は就任以来、米国に対しては徹底したイエスマンであったのに・・・。(2)小泉首相は北朝鮮に対して、あまりに卑屈な低姿勢で、早期の日朝国交回復を目指しているようにみえる。米国は日本が北朝鮮と仲良くなるのは嫌うはずなのに・・・。今回の小泉北朝鮮外交に限って、一見、米国の意向に逆らっているようにみえます。さらに小泉首相が帰国後、米国はすかさず北朝鮮がリビアに核兵器技術供与していたと報じています。いかにも、小泉首相の北朝鮮外交に米国が冷水を浴びせているようです。この動きから、表面的には小泉首相は北朝鮮外交に限って、必ずしも対米隷属主義ではないかのように振舞っています。しかし、筆者は、どうもこの小泉政権の対米戦略を額面どおり素直に受け取ることができません。何かウラがあるような気がしてなりません。

 

2. 穿った見方は成り立つか

 さて米国にとって好ましい日朝関係とは何でしょうか。それは北朝鮮が日本に向けてミサイルあるいは核兵器を配備し、日朝間に軍事的緊張関係が持続されることでしょう。なぜなら、その方が、在日米軍の存在意義が成立するし、日本に、余剰の旧式迎撃ミサイルや偵察機を売りつけることができるからです。したがって、日朝が国交回復することは、米国として、できれば阻止したいでしょう。ただし、米国軍に極東防衛のゆとりがないのであれば話は別ですが、当分、そんなことはないでしょう。

 ところが、最近の北朝鮮は、米国の望むようになっていない。つまり北朝鮮が食糧危機で崩壊する危険があるのです。北朝鮮が崩壊してしまっては元も子もありません。米国の極東戦略が狂ってしまうのです。世界食糧支援機関によれば、北朝鮮の食糧不足は21万トンとのこと。そこで、米国はこれまでも、北朝鮮に毎年20数万トンの食糧支援(とうもろこしや小麦)をしているそうです。ただし、石油は禁輸していますが・・・。ところで、米国はなぜ、寄りよって、ならずもの国家の北朝鮮に食糧を支援してやっているのでしょうか。敵に塩を送るようなものです。もちろん、米国がただで人道支援なんかするはずがありません。そのわけは、北朝鮮国家を生かさず殺さずの状態にキープしたいからではないでしょうか。極東の軍事的緊張を維持するために・・・。ところで小泉首相は、周知のように、今年は米国に成り代わって、日本が25万トンの食糧支援をすると約束したのです。つまり、米国からとうもろこしや小麦を買って、北朝鮮にプレゼントするのです。まさに米国食糧支援の肩代わりです。なぜ今回は国産米ではないのかの謎が解けました。ちなみに、かつての金丸議員など自民党の対北朝鮮外交において国産米50万トン(1500億円)食糧支援の際は、農家の余剰米の政府買い上げで自民党の利権となったのです。こうして、日本を敵視する犯罪国家をわざわざ太らせてやっている。バカをみるのは、知らぬが仏の我々でしょう。日朝の緊張関係を維持するためには、北朝鮮国民が飢え死にして困るのは日本ではなくて、実は米国なのです。

 北朝鮮は、安否不明の日本人拉致被害者を絶対に日本に渡さない、渡す場合は、多額の経済援助(身代金)か食糧を要求し続ける。そうすれば、日本国民の北朝鮮への敵意が強められると同時に、米国の自己負担なしに北朝鮮は日本から経済援助が得られ、国力が維持されます。その結果、日朝の軍事的緊張関係が持続できる。つまり米国にとっては一石二鳥の願ってもない望ましい状態です。日本にとっては踏んだり蹴ったり。

 

3.小泉首相はなぜ靖国神社に繰り返し行くのか

 日本企業の中国進出には目覚しいものがあります。グローバル日本企業にとって、中国は貴重な潜在的有望市場です。日中関係を悪化させることは非常に困ります。ところが、小泉首相はわざわざ靖国神社に参拝して、中国や韓国を怒らせています。戦争遺族団体や宗教団体への義理立てもあるでしょうが、意図的に中国や韓国を挑発するかのような行為です。案の定、中国や韓国のみならず北朝鮮までも、小泉首相の靖国神社参拝を毎度、激しく非難しています。小泉首相の行為はグローバル日本企業にとっては決して好ましくないのです。日朝国交回復にもマイナスです。さて、極東において日本、韓国、中国、あるいは北朝鮮がお互いに仲良くなって一番困るのは誰でしょう。それは米国です。東アジア各国がEU諸国のように結束されるのは困るのです。このような観点から、小泉首相は、常に米国を喜ばすように動いているのではないかと推測することができます。とすれば、小泉首相が本気で平和的な日朝国交回復しようとしているかどうかは極めて怪しいといわざるを得ません。米国は、前述のように、米国の国益のために、日朝がこれまでどおり軍事的緊張関係を続けるように望んでいます。そのためには北朝鮮が崩壊しないよう国力を一定程度維持しておくことが望ましい。そして、日本からの経済援助で元気になった北朝鮮を適度に挑発したり、脅かしたりして、在日米軍基地にミサイルを向けさせておく必要があります。現実的には結局、北朝鮮ミサイルは日本に向けて配備されます。日本は米国の言いなりにならざるを得ない。他方、米国は日本政府をたきつけて、日朝国交回復と見せかけて、または人道支援と見せかけて、日本から北朝鮮に経済援助させる必要があるのです。北朝鮮軍が飢え死にしないように・・・。このような米国の日朝戦略に小泉政権は子羊のように従っているとみなすことができます。われわれ日本国民にとってはバカみたいな話ですが・・・。

 

山本尚利(ヤマモトヒサトシ)

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