ベンチャー革命200675

                           山本尚利

タイトル: 北朝鮮ミサイル:日本国民をもてあそぶ玩具

 

1.北朝鮮ミサイル発射の狙い

 200675日、午前340分頃から早朝にかけて、北朝鮮から6発のミサイルが発射されたと報道されています。3発目がテポドン2号のようです。米国偵察衛星が、北朝鮮の長距離ミサイル、テポドン2号の発射台を撮影し、米国政府は5月下旬より、近々、テポドン2号発射実験が行われそうだと警告していました。その警告どおり、北朝鮮ミサイルが日本に向けて発射されたようです。米国時間の74日は独立記念日であり、その日に合わせたミサイル発射事件(祝砲花火?)のようです。現在のところ、6発のミサイルは日本海に着弾し、日本本土への被害はなさそうです。ヤレヤレ・・・。

 ところで、2002917日、小泉首相が、訪朝時にキムジョンイルと交わしたピョンヤン宣言(北朝鮮のミサイル発射実験凍結)に違反してまで、なぜ今、北朝鮮はミサイル発射実験を強行する必要があったのでしょうか。軍事専門家によれば、単に定期的なミサイルの作動確認実験とのこと。米国独立記念日に合わせた発射実験のタイミングを考えると、米国政府の北朝鮮への経済制裁に対する威嚇ではないかともいわれています。20059月、米国は6カ国協議にて北朝鮮への不可侵を約束していますが、今回のミサイル実験で、米国の真意を確かめようとしているという意見もあります。

 

2.日本国民をもてあそぶ米朝の八百長合戦

 ところで、筆者は、北朝鮮ミサイル発射の狙いを、上記マスコミ報道の額面どおりには受け取りません。なぜなら、筆者は2004年頃から、日本国家を翻弄する米朝関係は八百長合戦ではないかと疑っていたからです。(注1)

 筆者には、北朝鮮は米国のウラの意志に従って、意のままに動いているようにみえます。さて、一般論として、いかなる軍隊も平時において、その存在理由を正当化するためには、実在する仮想敵を必要とします。具体的に説明すると、旧ソ連の残した遺物、ならずもの国家、北朝鮮ほど、米軍の極東駐留を正当化できる貴重な存在はありません。1991年にソ連が崩壊したにもかかわらず、米国政府は米国民に対して、なぜ仮想敵国、ソ連脅威の消滅した極東(日本と韓国)に米軍を駐留させなければならないかを説明する必要があるのです。そのために、米国にとって、北朝鮮がソ連に代わる仮想敵国であり続けることが絶対に必要なのです。次に、米国政府は日本国民に対し、在日米軍の存在意義を誇示する必要があります。本音では、敗戦国家日本に必要以上の再軍備をさせないために、在日米軍の駐留が必要なのですが、このことは、日本国民にはもちろん、米国民にも言えない裏事情なのです。その意味で、米国にとって、平気でミサイルを打ってくれるキムジョンイル独裁国家の北朝鮮は絶対的な必要悪なのです。

 今回のミサイル発射も、1998年のテポドン1号の発射も、米朝のウラ外交ですでに話のついている八百長パフォーマンスではないかと疑われます。

 今回のミサイル発射のマスコミ報道を注意深く観察すると、ネタ元はすべて米国国防総省の発表にあることがわかります。日本政府は、米国国防総省の通報に従って、右往左往しているようにしかみえません。日本国家の国防がすべて米国におんぶにだっことはひどい話です。日本国家の政官エリートのだらしなさをみせつけられているようで、心底、不愉快です。

 

3.押し込み強盗に追い銭

 米国も日本も北朝鮮に人道支援と称して、世界食糧支援機関を通じて、毎年、食糧援助を行っています。(注2) つまり、日本政府は、われわれの血税で毎年25万トンの穀物(小麦やとうもろこし)を米国から買って、北朝鮮に援助してきたのです。われわれの援助した食糧は北朝鮮の餓えた子供ではなく、軍隊に横流しされているという報道もあります。たぶん間違いないでしょう。日米政府が贈った食糧で生きている北朝鮮軍は、本日、日本に向けてミサイルを発射しました。なぜ、日本国民は怒らないのでしょうか。

 われわれは北朝鮮にお金を払って、自分を脅してもらっているという構図が成り立ちます。これほどバカな話はありません。そこで『目には目を』ということになって、日本は緊急にミサイル防衛網の整備が必要となりました。日本は兵器の技術開発にまったく投資していませんから、ミサイル防衛システム(米国にとってはチュウブル品のPAC3)は米国から輸入せざるを得ません。まるで悪質なシロアリ駆除業者にだまされているような感覚です。(注3)

 

4.火事場ドロボーの活躍

 日本国民が北朝鮮ミサイル発射に腰を抜かしている隙間に、韓国の調査船が早速、竹島周辺の日本の排他的経済水域に侵入してきたようです。おまけに、中国も韓国に負けじと、尖閣列島周辺で、日本政府に事前予告もなく、勝手に調査船をウロウロさせています。

 一方、小泉首相は、引退直前、今年815日、靖国参拝決行をほのめかしています。小泉首相は、日本国の首相というより、ブッシュの忠実な部下とみなせば、その不可解な行動パターンがよく読めてきます。小泉首相は米国シナリオに沿って、日本、中国、韓国の位置する極東での『兄弟げんか』を演出しているにすぎません。(注4)

 小泉内閣はこれまで、どういうわけか北朝鮮への経済制裁を見送ってきました。(注5)拉致被害者家族の増元さんが『不思議だ?』と盛んに首をひねっていました。だからこそ、200675日、まさにミサイルが日本に向けて発射された当日の朝、イケシャーシャーと北朝鮮船籍、万景峰号は新潟港に堂々、入港予定だったのです。北のミサイルは、さすがに万景峰号には着弾しなかったですね。この日は日本海を万景峰号が航行しているから、まさか北はミサイルを打たないと日本側を油断させたのかもしれません。それにしても、小泉首相はなぜ、これほど、北朝鮮に甘いのでしょうか。その訳は、パチンコ狂の日本人から巻き上げたお金で、北朝鮮を生かしておきたいブッシュ政権の立場を慮っているのでしょう。ちなみに、小泉サポーターにとってもパチンコ・リースは大変おいしい商売だそうです。

 

5.ビルダーバーグ・オタワ会議の影響

 米国覇権主義者を闇支配する国際寡頭勢力は、200669日から11日、オタワで年次総会を開き、ブッシュ政権のイラン先制攻撃戦略に対し、強硬にノーを突きつけたと言われています。そういえば、619日にゴールドマンサックスのCEO、ヘンリー・ポールソンがブッシュ政権に財務長官として入閣すると唐突に発表されています。(注6)

 この時点で世界の流れが大きく変わったのです。ブッシュ政権は、ビルダーバーグ会議の決定で、大きな戦略転換を迫られているようです。ブッシュ政権にとって、北朝鮮は元々、イランに次ぐセカンドチョイスの獲物でした。筆者の悪い予感が当たりました。イランから北朝鮮へ、ワーグナーの双頭の鷲(米国寡頭勢力のシンボル)の眼がグルリと動いたのではないでしょうか。これは非常にやばい。

 下手をすると、われわれは極東で『兄弟げんか』をさせられる危険が非常に高まりました。(注4) 国際寡頭勢力は、日本の幕末時代にも、幕府軍と薩長連合軍を兄弟げんかさせて大儲けしようとたくらんだ歴史があります。ときの将軍、徳川慶喜はこの陰謀に気づいて、大政奉還を決断、日本国内の内戦を回避したと高く評価されています。

ところで、ポスト小泉の最右翼、安倍晋三氏が、20065月、キムジョンイルやブッシュ利権と闇でつながっているといわれる統一教会の合同結婚式(福岡市で開催)に祝電を打っていたという事実が、今後どのような波紋を広げるのでしょうか。また、北のミサイルは、民主党小沢一郎氏らが、中国の胡錦濤国家主席と会談した翌日に発射されたことも何か意味がありそうです。

 

注1:ベンチャー革命No.83『日米対北朝鮮:八百長の敵対関係』200465

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr083.htm

注2:ベンチャー革命No.82小泉政権の対米戦略をウラ読みする200464

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr082.htm

注3:ベンチャー革命No.169軍事・防衛技術の日本型MOT2005717

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr169.htm

注4:ベンチャー革命No.132アジア兄弟げんかの顛末記20041219

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr132.htm

注5:ベンチャー革命No.150双頭の鷲:北朝鮮経済制裁とライブドアの関連性2005219

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr150.htm

注6:ベンチャー革命No.199福井日銀総裁バッシングとポスト小泉シナリオ』2006621

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr199.htm

 

山本尚利(ヤマモトヒサトシ)

hisa_yamamoto@mug.biglobe.ne.jp

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/magazine-menus.htm