ベンチャー革命200778

                           山本尚利

タイトル: 安倍政権を攻撃しているのは何者?

 

1.安倍政権、万事休す?

2007729日の参議院選挙を控えて、安倍政権への攻撃が一段と活発になってきました。20069月末に発足した安倍政権の失点の第一号は、米国の対朝外交の豹変による安倍政権の北朝鮮外交の頓挫(注1)でしょう。次に、安倍首相の任命した本間税制調査会長の愛人スキャンダル辞任(注2)、そして中川自民党政調会長の「米軍の広島、長崎への原爆投下は犯罪行為だ!」だという爆弾発言が挙げられます(注2)。続いて、久間防衛大臣の米国によるイラク戦争への批判(注3、注4)、そして、それに対する米国ブッシュ政権幹部の不快感表明、さらに仕返しするかのように、米国民主党主導による米議会における旧日本軍の従軍慰安婦反対決議の突発的噴出と、安倍首相の誤った対応(注5)、最後に極め付きは5000万件の年金記録不明という一大国家スキャンダルの暴露(注6)があります。このように、安倍政権には、これでもか、これでもかと立て続けにすさまじい逆風が吹いています。

さらに、この他にも、佐田行政改革担当大臣の事務所経費不正疑惑による突発的辞任、柳沢厚生労働大臣の「女性は子供を生む機械」という失言騒動、松岡農林水産大臣の利権疑惑、事務所経費不正疑惑に絡む自殺?(他殺説も根強い)が並行して勃発しています。まさに内憂外患とはこのことでしょう。

 ところが、75日まで延長されていた国会が閉幕し、あい前後して、各党が参院選をスタートさせた矢先、今度は、久間防衛大臣の「米軍の広島、長崎への原爆投下はしようがなかった」発言により突然の辞任騒動が勃発しました(注7)。その辞任騒動が収まるやいなや、他界した松岡大臣の後任に任命された赤城新農林大臣に、またも事務所経費不正疑惑が持ち上がりました。普通に考えれば、これで安倍政権は万事休すとなったかにみえます。

 

2.信じられない赤城農林大臣

松岡大臣は事務所経費不正疑惑で野党やマスコミから追い詰められたにもかかわらず、後任の赤城大臣の事務所経費も、松岡氏に負けず劣らず、立派な(?)不正支出疑惑を抱えていたとは、社会の一般常識では考えられないようなトンマな事態です。

よく、一度目の失敗は許されることもあるが、二度目の失敗は許されないといいます。安倍首相は農水大臣人事で、この許されない二度目の失敗をやらかしたことになります。

ところで赤城徳彦氏の祖父は、有名な政治家、赤城宗徳氏です。安倍総理の祖父、岸信介内閣時代の農林大臣を歴任したそうです。安倍首相の本音では、もともと、農水大臣に、成り上がりの松岡氏ではなく、自分と同類の血統のよい赤城氏を任命しようとする意志があったのでしょう。だから、松岡氏が不本意の他界した後、不用意にも、安倍首相は、後任大臣候補として赤城氏に打診したところ、同氏が快諾したので、自動的に赤城氏が後任の農水大臣に任命されてしまったのではないでしょうか。もし、それならば、赤城氏は、安倍総理から打診があったとき、松岡氏のケースと同様の事務所経費不正の発覚を恐れて、大臣就任を固辞すべきであったのでしょう。ところが、自民党政治家では超若い、48歳の赤城氏は若気の至りで、突然のタナボタに舞い上がってしまった。

安倍首相は、こうしてまたもや、危険な爆弾を抱え込んでしまった。そして、安倍政権を陥れようとする勢力は、絶好のタイミングで、赤城スキャンダルを暴露したということです。

 安倍首相は、200778日、日曜日の朝のテレビに出演、一生懸命、赤城氏擁護に奮闘していましたが、その表情は、意外にサッパリしていて、ハラをくくって居直っているかのようにもみえました。あれだけのすさまじい総攻撃に後手後手となっても、ケロっとしている安倍氏の神経は見上げたものです(笑)。

 

3.誰が、何のために安倍政権を追い込んでいるのか

 上記のような一連の安倍政権攻撃は、ただならぬものです。核武装推進の危険性を孕む安倍政権を善良なる日本国民が総攻撃しているのなら日本は健全な民主主義国家ですが、そうではありません。いったい誰が、何のために、このようなすさまじい攻撃を仕掛けているのでしょうか。実に不気味です。筆者は、200722日の拙稿メルマガ(注3)で、すでに、この危険な兆候を指摘しています。筆者の読みでは安倍政権は小泉親米政権の後継として、戦争屋系寡頭勢力の闇支援によって誕生したと思われますが、200611月の米国中間選挙以降、米国の覇権構造が、戦争屋(軍事・エネルギー系寡頭勢力)から銀行屋(国際金融系寡頭勢力)にシフトしてから、安倍政権はたちまち頓珍漢政権に陥ったとみなしています(注3)。そして安倍政権は何者かによって、すさまじい攻撃の対象となったと理解しています。さて戦争屋系寡頭勢力の対日スポークスマンとみなせる日高義樹氏(米国ハドソン研究所所属)は本年初頭より安倍政権を「汚れた内閣」とこきおろし、暗に脅迫しております(注3)。同氏の近著「アメリカの新国家戦略が日本を襲う」(徳間書店、20076月出版)によれば、日本は、中国と北朝鮮の核武装の脅威の増大に向けて、至急、軍事力(核武装を含む)を増強せよと進言しています。ところで安倍政権を攻撃している表のコマは、もちろん野党やマスコミですが、さてそれでは、その黒幕はいったい何者でしょうか。その筆頭はやはり(1)戦争屋である思います。だとすれば、それはなぜでしょうか。安倍首相は、核武装推進論者を演じているのに、なぜ戦争屋から攻撃されるようになったのでしょうか。そのワケは、安倍首相は、小泉前首相と違って、久間氏や松岡氏のような、対米面従腹背主義者を閣内に潜入させることを許したこと、そして日本の金融財政覇権を日本の愛国派金融官僚に奪回されるのを許してしまったことなどから、安倍首相の本性はカクレ対米面従腹背主義者ではないかと疑惑をもたれたからではないでしょうか。非親米の久間氏の失脚の後、小池百合子氏(小泉親衛隊のひとり)を防衛大臣に据えたことから、安倍総理は、ついに戦争屋に譲歩せざるを得なかったと思われます。この人事によって日本の防衛省は戦争屋の手玉にとられてしまうでしょう。それでは戦争屋は誰をポスト安倍に据えようとしているのでしょうか。近未来、米国で女性大統領が誕生すれば、日本でも女性首相を誕生させて、背後からコントロールするハラでしょう。小泉元首相の協力も得るでしょう。場合によっては小池氏と小泉首相を結婚させるかもしれません。

ところで安倍政権への攻撃者は、(1)戦争屋のほかに、(2)銀行屋系寡頭勢力、あるいは(3)日本の愛国派金融官僚集団(銀行屋系寡頭勢力のジャパンハンドラーの宿敵)、あるいは(4)自民党内の非親米派(対米面従腹背主義者を含む)が考えられます。その意味で、安倍政権は文字通り四面楚歌の苦境に追い込まれています。

 安倍政権に残された起死回生の勝算はただひとつ、北朝鮮拉致被害者の帰国劇サプライズ(注7)くらいでしょう。これが実現するかどうか不透明ですが、一か八の勝負にでて玉砕するしかありません。さて小泉首相がかつて仕掛けた、2005年の9.11郵政民営化選挙とは、その前の郵政民営化法案の参院否決という絶体絶命の崖っぷちに立たされたとき、衆院解散という暴挙で一か八かの勝負に出たことが国民をまんまと騙すことに成功し、一発逆転大勝利で奏功した先例といえます。

 お人好し日本人は判官贔屓なところがあって、窮地に立たされた人を見殺しできない甘さがあります。さらに野党第一党の民主党への信頼感がいまひとつ弱い。安倍首相のプロパガン ダ担当が、この日本人心理を巧妙に利用することに成功すれば、赤城スキャンダルを含む、一連のスキャンダルを禍転じて福となすことに成功するかもしれません。

 しかしながら、仮にもしそうであっても、安倍内閣がこれほど多くのスキャンダルを露呈させられて、なおかつ今度の参院選挙で自民党が惨敗しなかったら、日本国民の民主主義的価値観形成が、相変わらず、まったく不毛であることを意味しており、それはそれで大問題です。

 

注1:ベンチャー革命No.210『米国中間選挙:戦争屋から銀行屋へバトンタッチ』20061112

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr210.htm

注2:ベンチャー革命No.214『本間税調会長辞任と中川反米発言』20061221

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr214.htm

注3:ベンチャー革命No.220『汚れた政権?:安倍内閣』200722

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr220.htm

注4:ベンチャー革命No.222『チェイニー対久間の掛け合い漫才』2007224

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr222.htm

注5:ベンチャー革命No.226『日本を孤立に導く安倍首相の危険な日和見主義』2007415

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr226.htm

注6:ベンチャー革命No.231『社会保険庁:政権交代の生け贄か』2007526

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr231.htm

注7:ベンチャー革命No.232『久間防衛大臣:原爆正当化的発言のウラ読み』200772

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr232.htm

 

山本尚利(ヤマモトヒサトシ)

hisa_yamamoto@mug.biglobe.ne.jp

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/magazine-menus.htm