コメットコラム: LI18NUX 2000 国際化仕様 (2000-05-28)

2000 年 5 月, Linux Internationalization Initiative (略称: LI18NUX) に 関して大きな動きが3つあった。

  1. LSB (Linux Standard Base) と共同で Free Standards Group を設立
  2. LI18NUX 2000 国際化仕様の公開レビューを開始
  3. LinuxWorld Expo@東京ビッグサイトでの PR 活動

Free Standards Group

ボランティアの活動と言えば聞こえはいいが,国際的な活動を行う上で, なんらかの資金は必ず必要となる。会議を行えば会議の場所の提供や 様々な準備が必要だし,参加者にしても交通費(場合によっては国際線のチケット), 宿泊費,会議日程およびその前後の移動時間にかかる人件費などが, それぞれの個人や所属する会社の持ち出しとなる。Web server や mailing list の運用に関しても,マシンの準備からメンテナンスまで,なんらかのコストがかかる。 さらに,標準は普及してこそ標準であり,広報宣伝活動は非常に重要で かつ労力やお金もかかる。そういったお金が動く活動をする上で, 法律上認められた団体でないと,少額であっても,企業からの資金の拠出, 寄付などが受けられなかったり,手続きが煩雑であったりする。 会社組織とすることは,こういった資金面の処理をやりやすくし, なおかつ組織運営をより公式な形で進められるというメリットがある。

非営利の会社あるいは組織を設立することは LI18NUX 内でもずっと 議論されてきたが,今回 LSB と共同で Free Standards Group という オープンソースの標準化を推進する組織を立ち上げることになった。 今後,様々な関連団体が Free Standards Group の名の下に集まり, より活動の幅を広げていくことを希望したい。

LI18NUX 2000 国際化仕様の公開レビュー

LI18NUX から出る最初の成果物となる LI18NUX 2000 の公開レビューが 開始された。仕様およびレビューの要領は,以下の Web サイトに情報が出ている。


URI: http://www.li18nux.org/

この仕様は,私がリーダーをつとめる I18N system architecture subgroup が中心になってとりまとめたものである。 今年の 2 月のニューヨーク会議の後から作業を開始し,LI18NUX 内部レビューを 開始する 4 月までの約2ヶ月間でなんとか形のあるものに仕上げることができた。 1月の日本でのアドホック会議や 2月のニューヨークでのプレス発表などで出した 国際化仕様のロードマップどおりのスケジュールとなっている。 スケジュールどおりとは言え,そもそも非常に厳しいスケジュール設定の中, 同じ会社内ではなく,様々な会社のボランティアの集まりでよくもここまでの 作業ができたものだと思う。これをオープンソースのパワーという視点で とらえて分析するのも面白いかと思うが,それは別の稿に譲ることにする。 何にせよ,よいメンバが集まったということが最大の要因であることは間違いない。 リーダーが少々いい加減なところもきっとよかったに違いない:-)

形はある程度できたとは言え,まだまだ不備も多いと思っている。 公開レビューの期間で,その不備を修正していく予定である。 この仕様自身は技術的に見て新しい内容はほとんどないと言ってよい。 しかしながら,市場に与えるインパクトは大きいと考えている。 オープンソース OS の広がりが大きくなればなるほど,ビジネス分野での 利用が広がれば広がるほどその価値は大きくなるはずである。 内容の詳細というよりも,目標,流れを作ること。これが重要である。

LinuxWorld Expo@東京ビッグサイトでの PR 活動

東京ビッグサイトで行われた LinuxWorld Expo では,LI18NUX もブースを構え, 参加企業の協力も得て,様々PR活動を行った。 Free Standards Group 設立, LI18NUX 2000 公開レビュー開始については, プレスリリース,プレスミーティング,コンファレンスでの説明を行った。 メンバーステッカーや,ワッペン,ポロシャツなど,会場のあちらこちらで LI18NUX の文字や地球を抱いた Tux が目についたことと思う。 コンファレンス,BOF ともに満席で,様々な活動もうまくいき, LI18NUX として,大成功の LinuxWorld Expo だったかと思う。

おまけ:LinuxWorld Expo のお楽しみ

会場でもらえるグッズの私の一番のおすすめは,やはり,テンアートニさんの 「オープンソース」。あの本物のソース,感動しました。 わけもわからず,かみさんにも好評の一品でした。
Linuxcare さんのバグ入りキャンディー,全部食べたのは私くらいか。 うーん,日本人への受けは今ひとつか。うちの子供には少しだけ好評。

ちなみにこれまでの子供へのおみやげで好評だったのは,ニューヨークの LinuxWorld Expo でゲットした,丸い帽子の上にプロペラがついていて, どらえもんの竹コプターみたいなやつ。 (言うまでもなく,ニューヨークの LWE 会場では, たくさんの大人がこれをかぶって歩いていました。) これが大好評で,持ってかえってしばらくはどこに出かけるにもかぶってました。 もちろん,道ゆく子供の視線も熱く注がれていました。 でも,どこにも売ってないのだ。

次回は,8月の LinuxWorld Expo in San Jose。 どんなグッズに出会えるか,これまた楽しみのひとつです。

末廣 陽一
Linux Internationalization Initiative
I18N system architecture subgroup


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