お母さん(P3B-F マザー)と娘たち(ドータカード)

初出 2000.02.07

ASUS P3B-Fの不思議を調査するために、PGA-SLOT1変換ボードを集めることにしました。とにかく、近所のパーツ屋を回って、手に入る限りのものを集めてきました。結局、今まで持っていたものとあわせて、9種類の変換カードを集めることが限界でした。

秋葉原や日本橋ならもっとたくさんの種類を集めることができるのでしょうが、安価な物とはいえ、9種類を集めるだけでも結構な出費になりました。これで十分です。

1 CARD1 メーカも型番も不明の物です。箱もなく、静電防止袋に入って売られていました。説明書はほとんどが中国語で一部英語です。
特徴は、PGAスロットの真ん中に当たる部分の基盤に穴があいていることで、説明書には、「増加CPU底部散熱的効果、尤其在超頻時、對CPU有更佳的散熱効用」と書かれています。なかなか笑わせてくれるわい。でもこの穴サーミスタをつっこむにはちょうどよさそうで、CPU裏面の温度測定の時は便利でしょう。でも、ダイ温度測定をしている者にとっては、あまり意味はありません。
このゲタ、FSB133MHzで安定するCeleron300Aが、なんとFSB112MHzでも立ち上がりませんでした。ゲタの耐性というにしてもひどすぎます。
2 CARD2 CARD2の箱 こんな箱に入って売っていました。面白いのは、箱の写真と中身が違うことです。これもメーカ、型番がわかりません。箱の左上には「PC 100」のロゴらしき物と、「SLOT 1 BRIDGE」の文字があります。これがメーカ名、型番ということはないですよね。
箱には、「Low noise & EMI emission」とも書かれていて、なかなか期待できそうですが...。とにかく作り自体は今回の9種類のうちで一番安物に見えます。特に端子部分はどう見てもチャチで他のゲタが金メッキしている中でこのゲタだけが亜鉛メッキの色をしています。
結局このゲタもFSB112MHzで起動しませんでした。
3 S370D ASUSのS370-Dです。本当ならプラスティックのカバーが基盤の周囲についていて、P3B-Fで使うと、プラスティックの爪がマザーのリテンションに引っかかり、抜け止めの機能を果たします。しかし、今回の実験ように何度もゲタを取り替える時には邪魔になるだけですので、はずしてしまいました。
しかし、このゲタは電解コンデンサを取り付けるためのパターンがずいぶん空いていますが、どうしてなのでしょう。
4 S370 ASUSのS370です。これもプラスティックのカバーをはずしてあります。上のS370-Dと見た目はそっくりですが、端子部分を注意してみてみると欠けている端子が目につくと思います。また、ソケットの上の部分のパターンも少し異なっています。
このゲタはB14、B15端子が有りません(配線されていないだけでなく、端子そのものがないため、ジャンパ配線もできない。)ので、今回の実験には使用しません。
5 MS6905D MSIのMS6905Dです。別に理由はありませんが、私が一番気に入っているゲタです。今回の9種類のうちで一番小さなゲタです。P3B-Fでこのゲタを使うと温度が異常になることが今回の実験の発端です。このゲタさえ正常だったなら、他のゲタがどんな異常を示そうとも気にはしなかったのですが。
このゲタの欠点は、ソケットと右側のジャンパポストが近すぎて、ヒートシンクの取り付けがやりにくいことです。
6 CARD6 やはりメーカ名、型番がわからないゲタです。箱もなく、静電防止袋に入って売られていました。お店の人の話では、FC-PGA河童にも対応しているそうです。
特徴は、基盤の左端にある4個の電解コンデンサです。その上に「C001 VER 3.0」とシルク印刷されています。これが型番なのでしょうか。
このゲタもソケット右側のジャンパポストのためにヒートシンクが取り付けにくくなっています。
残念ながら、B14、B15への配線が省略されています。しかたないので、SL-02Aと同じようにジャンパ配線を行いました。
また、このゲタはFSB133MHzではうまく動作せず、FSB129MHzが限界でした。
7 SL-02A SOLTEKのSL-02Aです。私が一番最初に買ったゲタです。取り付け方法が工夫されていて、プラスティックのカバーがマザーのリテンションにきっちり入るようにできています。B14、B15への配線がありませんでしたので、ジャンパ配線によってダイ温度測定に対応させました。
8 SL02A++ SOLTEKのSL-02A++です。FC-PGA河童に対応した、上のSL-02Aの改良型ということですが、外側のプラスティックカバーが同じであること以外は、別の基盤と考えていいでしょう。部品配置などはよく似た部分もありますが。こちらは、B14、B15への配線があります。
9 A-370 A-370の箱 こんな箱に入って売られていました。やはり箱の写真と中身が違います。箱にはでかでかと「Matrix」と書いてありますし、中に入っていた取扱説明書は「User's Guide A-370」と書いてありますので、Matrix製のA-370というゲタだと思います。
箱そのものには、「Celeron PPGA-S370 CPU Convertor」とありますが、黄色のシールが貼られていて、そこには「Coppermine CPU FC-PGA CPU 133MHz Ready」と書かれています。
プラスティックのカバーがSL-02A、SL-02A++と同じ物になっていますので、ちょっと見には間違えそうですが、基盤のパターン、部品配置は全く異なっています。B14、B15への配線はあります。

さて、これらのゲタを使用してP3B-Fで測定温度の異常の有無を確認してみました。結果は次のとおりです。

正常だった物 3、S370-D 8、SL-02A++ 9、A-370    
異常だった物 1、型番不明 2、型番不明 5、MS6905D 6、型番不明 7、SL-02A

なお、この結果はCeleronのみに言えることです。FC-PGA河童+SL02A++の組み合わせでは温度が異常になるという報告を複数の方からいただいています。
なぜ、Celeronで正常で、河童で異常になるかは不明です。

上の9種類のゲタの端子について、配線の有無を確認したものが下の表です。×のついているところが、配線のない端子です。なお、ここに書いていない端子は、すべてのカードで配線がありました。
一番上段の番号が、上の表のゲタの番号に対応しています。上に書いたとおり、1、2、5、6、7番がP3B-Fで温度異常、3、8、9番が温度正常、4番はB14、B15端子がないため確認不能です。
この表をじっくりと見比べてみたのですが、温度が異常になるゲタと、正常であるゲタの相違点がどこにあるのかがさっぱりわかりませんでした。
だってねぇ。1、2、5番と9番はほとんど同じだし、6番は8番とほとんど同じなんですよ。7番(SL-02A)と8番(SL-02A++)の比較なんか、改良型になってから配線されている端子が減っているんですよ。

  1 2 5 6 7 3 8 9 4 Celeron Coppermine   1 2 5 6 7 3 8 9 4 Celeron Coppermine
A9       ×     ×     TDI TDI B1 × × ×     ×   × × EMI EMI
A11       ×     ×     TDO TDO B2             ×     FLUSH# FLUSH#
A13 × × × ×   × × × × TESTHI TESTHI B7       ×     ×     TCK TCK
A15             ×     THERMTRIP# THERMTRIP# B10       ×     ×     TMS TMS
A16 × × × × × × × × × Reserved Reserved B12 × × × × × × × × × ? Reserved
A20             ×     FREQ# FREQ# B14       × ×       × THERMDP THERMDP
A21       × ×   ×     BP3# BP3# B15       × ×       × THERMDM THERMDM
A23       × ×   ×     BPM0# BPM0# B19       × ×   ×     BP2# BP2#
A24       × × × ×   × Reserved BINIT# B20 × × × × × × × × × Reserved Reserved
A25       × × × ×   × Reserved DEP0# B23       × ×   ×     PRDY# PRDY#
A27       × × × ×   × Reserved DEP1# B24       × ×   ×     BPM1# BPM1#
A28       × × × ×   × Reserved DEP3# B26       × × × ×   × Reserved DEP2#
A29       × × × ×   × Reserved DEP5# B27       × × × ×   × Reserved DEP4#
A31       × × × ×   × Reserved DEP6# B28       × × × ×   × Reserved DEP7#
A47 × × × × × × × × × Reserved Reserved B41 × × ×         ×   EMI EMI
A77       × × × ×   × Reserved BERR# B61 × × ×         ×   EMI EMI
A79 × ×   × × × ×   × Reserved A33# B76       × × × ×   × Reserved Reserved
A80 × ×   × × × ×   × Reserved A34# B78 × ×   × × × ×   × Reserved A35#
A88 × × × × × × × × × Reserved Reserved B79 × ×   × × × ×   × Reserved A32#
A113 × × × × × × × × × Reserved Reserved B81 × × ×         ×   EMI EMI
A116 × × × × × × × × × Reserved Reserved B100 × × ×     ×   × × EMI EMI
A117       × × × ×   × Reserved AP0# B109       ×       ×   Vcc5 Vcc5
B112 × × × × × × × × × Reserved Reserved
B114       × × × ×   × Reserved RP#
B115       × × × ×   × Reserved RSP#
B116       × × × ×   × Reserved AP1#
B118       × × × ×   × Reserved AERR#

本当に、時間と金がかかったわりには何も判明しませんでした。
P3B-Fの不思議については、結局解明に至りませんでした。中途半端で申し訳ありませんが、もうこれ以上の実験はごめんですので、これで終了とさせていただきます。あ〜ぁ、つまらんことをしてしまった。おそまつさまでした。

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