ランチェスターの法則2


シェア占有の3つの目標

ランチェスターの法則は戦後に民需へ転用されました。
第一法則と第二法則を発展させて マーケットシェア(割合)の目標値 が出されました。
この公式は難しいので結果のみを書きます。

上限目標値 73.9%
これは「独占的寡占型」と呼ばれ、 首位が絶対安全、優位独占の状態 である。
シェアは多いほど良いのですが、 これ以上のシェアは取るべきではありません。
これ以上の顧客は特定メーカーの熱烈ファンだったりするので、シェアを上げることは困難で利益を生み出しません。また過度の独占は独占禁止法の対象ともなります。

安定目標値、相対的安定値 41.7%
単純に考えれば一位になるには過半数つまり50%以上のシェアを取る必要があると想像できます。
しかしランチェスター戦略モデル式からは首位独走の条件として41.7%の数値が導き出されました。
実質3社以上の戦いの場合は一位にこれに近いシェアがあれば二位は20%ぐらいで
わずかな差ということはありません。
41.7%以上のシェアを取ると、 業界の主流 になるばかりでなく、 独走態勢 に入ることが出来ます。
一般的には40%として使われている。
40%のシェアを取れば後は一気に独創状態になります。

下限目標値 26.1%
多数の企業が乱立する場合はまずシェアを分け合う形となります。
1位といっても低いシェアでは、その地位が不安定で、いつ逆転されるかわからない1位です。
この 安定、不安定を分ける数値 が26.1%です。
26.1%を越して、はじめてドングリの背比べから抜け出すことが出来ます。
トップが下限目標値に至っていなければ、まだシェア争いは決着していないとみてよい。


シェアと利益

一般に シェアが高いほど経営効率は高くなり利益が高く なります。
例1:ビール業界では1位キリンビール62%、2位アサヒビール20%で
   シェアが3倍ですが利益は6倍以上もあります。
例2:タイヤ業界1位のブリジストン47%は2位の横浜ゴムの2.4倍のシェアですが
   利益は14倍あります。
(注意:かなり古い資料なので現在とは異なります。)


シェア占有率の4つの型

分散型
・一位の企業が 26.1%(下限目標値) に達していない。
・各企業の差が √3の射程距離内
まだ勝負は決まっていなく、 逆転は容易 に行うことが出来る。

相対的寡占型
1位、2位、3位 の合計が 73.9%(上限目標値) 以上。
・ 2位、3位を合計すると1位を上回る。
・ 1位と2位と3位が√3の射程距離内。
3つ巴の戦いとなる。2位と3位が逆転可能な範囲なのでの争いが激化し、
1位 が漁夫の利を得て有利になることが多い。
2位と3位が 合併すれば逆転 できる。合併する最後のチャンスかもしれない。

2大寡占型
1位と2位 を合計すると 73.9%(上限目標値) 以上。
・1位と2位が√3の射程距離内である。
逆転可能な範囲なので1位と2位の争いが激化し、 3位 が漁夫の利を得られることもある。

絶対的寡占型
1位41.7%(安定目標値)以上
・ 1位と2位が√3の射程距離でない。
たとえ2位と3位が合併しても、逆転は起きない。
1位の独走体制となる。


練習問題

ゲーム会社の売上などを元に、ゲーム業界をランチェスター戦略で分析しなさい。



ゲーム業界のランチェスター分析

注意:以下の情報は2002年度です。
現在と大きな違いはないとは思いますが、同じではありません。

余暇の産業

総余暇市場は78兆5650億円であり、統計上は以下の区分に分かれる。
 観光・行楽(10兆9730億円)
 娯楽(50兆8780億円)
 趣味・創作(11兆5390億円)
 スポーツ(5兆1750億円)


アミューズメント産業

何をアミューズメント産業とするかは難しい所だが、無理矢理に以下のジャンルのみを
アミューズメント産業とすると以下のようになり約34兆円となる。
(映画やテレビは違うのか? という疑問はあるが・・・)

テレビゲーム(7050億円) (家庭用ゲーム)
アミューズメント施設(1兆370億円)
ゲームセンター(5530億円)
遊園地・レジャーランド(4840億円)

カラオケ(8900億円) 機器の開発、製造も含む

パチンコ(20兆8800億円) 機器の開発、製造も含む

ギャンブル(8兆2820億円) 競馬、競輪、宝くじなどの公営ギャンブル

家庭用ゲームとゲームセンターを合わせるとゲーム産業は1兆3千億円、
半端なので1兆円産業と言われている。
(なおゲームキャラクターの売り上げなどは含まれていない。)
しかし同じ娯楽であるパチンコに比べると遥かに狭い業界である。


他の産業との比較

他の産業と比較してみましょう。パチンコまで含めると巨大な産業です。

自動車 36兆4463億円
スーパー 16兆5965億円
外食 13兆2750億円
スポーツ 5兆1750億円


各社の実績

(ゲーム会社)
会社名売上高営業利益経常利益当期利益
SCE625,800百万円92,000百万円46,000百万円33,000百万円
任天堂462,502百万円84,697百万円192,247百万円96,603百万円
セガ242,913百万円−52,018百万円−52,736百万円−51,729百万円
コナミ171,480百万円38,645百万円36,427百万円21,781百万円
ナムコ146,554百万円−2,865百万円−3,477百万円−6,000百万円
スクウェア75,538百万円−2,922百万円−2,693百万円−3,160百万円
タイトー62,795百万円−559百万円−929百万円−2,150百万円
カプコン49,082百万円7,155百万円8,022百万円6,007百万円
エニックス45,265百万円20,333百万円20,475百万円11,248百万円
バンプレスト31,721百万円2,636百万円2,730百万円1,624百万円
アトラス22,867百万円−138百万円−424百万円−4,034百万円
コーエー20,077百万円7,073百万円7,606百万円4,133百万円
テクモ9,545百万円1,151百万円1,180百万円640百万円
ハドソン5,733百万円−1,043百万円−1,177百万円−3,632百万円


(パチンコ会社)
会社名売上高営業利益経常利益当期利益
アルゼ203,262百万円 73,063百万円 72,669百万円 10,703百万円
SANKYO129,548百万円41,539百万円43,241百万円23,050百万円
平和100,588百万円25,030百万円24,604百万円12,914百万円
サミー78,275百万円19,798百万円19,759百万円10,748百万円
高砂電器29,524百万円4,540百万円4,313百万円2,459百万円
マース19,774百万円4,650百万円4,593百万円1,810百万円

売上高
社業にて販売した製品、サービスの合計額。

営業利益
売上高から売上原価、販売費、人件費、一般管理費を差し引いたもの。
営業利益増減率は会社の成長率を見る一指標。

経常利益
営業利益から営業外の損益(投資での収入など)を加減した利益で、
毎期、継続的・反復的に発生する利益のこと。
企業の経営成績をもっとも反映する利益として重視される項目。

当期利益
税引き前利益から法人税・住民税を控除した最終利益を示す。
純利益、税引後利益、あるいは、損益計算書の最後の利益であることから最終利益とも呼ばれる。


(データはヤフーの株式情報より)



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