GTD

2012年2月25日

GTD とは

GTD とは、デビッド・アレン氏が著書 "Getting Things Done" で提唱した、仕事を遂行するための技術である。

ポイント

  • 仕事を上記フローチャートに従って処理する。
  • ここでいう「仕事」とは、ビジネスもプライベートもひっくるめたすべての「処理すべきこと」を意味する。
  • 頭の中の気になることすべてを頭の外のシステムに吐き出すことで、ストレスから解放されると考える。
  • 道具は PC でも紙でもなんでもよい。

フローチャート

in-box

「頭の中の気になることすべて」をどこかに吐き出す。それは手帳でも、プリントの裏紙でもよい。とにかく、「中期計画の大枠を考える」から「歯磨き粉を買う」までなんでも気にかかることを頭の中から追い出し、in-box に放り込む。

in-box の中身は定期的に処理され、常に空にされる。

行動すべき?

in-box から取り出された「それ」に対して、反射的に行動しようとせず、それはそもそも何なのかを考える。

今すぐ行動しなければならないようなものでなければ、以下の選択をする。

  • 捨てる。無視する。
  • 「いつか・もしかしたら」リストにメモする。
  • 資料として保管する。

次の行動はひとつ?

in-box の「それ」が行動すべきものであれば、1 ステップで実行可能か判断する。1 ステップで実行可能でなければ、プロジェクトとみなす。

「それ」をプロジェクトとみなした場合、「次の行動」を決定するためにプロジェクトについて以下のことをする。

  • なぜそれをするのか明らかにする。
  • どうなったら「達成した」とみなせるのか明らかにする。
  • 具体的な実行ステップを明らかにする。
  • 上記を整理する。
  • 以上から、次の行動を決定する。

「それ」がプロジェクトか否か迷ったときは、どちらかに適当に入れておけばよい。途中で、あるいはレビュー時に間違いに気が付いたら、選択しなおせばよい。

2 分以内にできる?

次の行動が 2 分以内に済むのなら、その場でやってしまう。これが GTD の強力な特徴の一つである。こうしたこまごまとしたことをすぐに片付けてしまうことで、もっと大きなことをする精神的余裕ができるという考えである。

自分でやるべき?

2 分程度ではできない場合、いきなり自分でやろうとは考えずに、まず誰かにまかせられないか考えてみる (「他人ができることを自分でするな」)。そうして、できるだけ自分固有の仕事にリソースを振り向ける努力をする (めんどくさいからじゃないよ)。

特定の日にすべき?

いよいよ自分で行動すべきと判断したとき、それを実行する日が特定されるならば、スケジュール帳やカレンダーなどに書き込む。

次の行動リストへ

ここまで来たら、行動をリストに入れ、適当なときに実行する。

週次レビュー

定期的に (標準的には週一で) システムすべて (in-box、プロジェクト、次の行動リスト、いつか・もしかしたらリスト) を見直す。必要があれば項目を移動したり、処理したりする。

実行について

GTD は実行の仕方については何も指示しない。特に、優先順位について何の指導原理もない。なぜなら、次の行動リストに入っているものはすべて重要な項目であるはず (そうでないものはいつか・もしかしたらリストにあるはず) なので、次の行動リストを次のように処理することなる。

  • 状況にあったものを上から順番に処理する。
  • エネルギーの状態や直観に従って処理する。
  • プロジェクトの進捗状況と納期を考えて処理する。

次の行動リストは、状況ごと、プロジェクトごとに分けておくと便利な場合がある。また、プロジェクトの工程管理は別途行う必要がある。

うまくいかないとき

うまくいかないときに考えられる原因。

  • 発生した仕事に対して反射的に行動している。一旦それをシステムにあずけるように習慣づける。
  • 「次の行動」が実行可能な形になっていない。プロジェクトとして捉えなおし、ブレイクダウンする。極端だが、「報告書を書く」を「PC の電源ボタンを押す」まで細かく分けてみる。
  • そんなに必要を感じていないものを「次の行動」に入れている。「いつか・もしかしたら」に入れなおす。
  • 道具が合っていない。極端な話、プリントの裏紙で仕事を管理しても構わない (なくさなければ)。
  • レビューを習慣化していない。

GTD には、「うまくいかなくてもかまわない」という大前提がある。うまくいっていなければ、定期的なレビュー時に修正すればよい。

正しい方法というのはない。GTD は ISO 9001 の品質管理システムのようなもので、それをベースに自分用のシステムを構築すればよい。

応用編

この仕組みを他のこと、たとえば電子メールの処理などに応用することもできる。その場合、「受信箱」が in-box になる。メールの内容が行動を呼びかけるものならば、その「仕事」を通常の GTD のシステムに放り込む。メール自体は捨てるか、資料として保管すればよい。そうして受信箱を常に空の状態にしておけば、目いっぱいのメールにうんざりすることはない。

参考文献

  • デビッド・アレン, "仕事を成し遂げる技術", はまの出版, 2001
  • デビッド・アレン, "ストレスフリーの仕事術", 二見書房, 2006