QCad の概要 (このページの内容と CAD&CG の本文は関係ありません)

CAD&CG マガジン 2002 年 7 月号 P.21
是非、購入するか立ち読みしてください。
QCad は、スイスに住む弱冠 25 才の青年 Andrew Mustun 氏がプログラミングしている汎用二次元 CADです。http://www.qcad.org/index.php3?body=about&product=qcad

1999 年 10 月、氏はレーザーカッティングシステム ( CAM Expert ) から CAD 部分のみ独立させて QCad Project を作りました。
QCad は、開発当時から非商業利用なら無料で利用可能な CAD として提供を始めて、Linux のエラいさんに誘われて GPL ライセンスを取得。 Linux コミュニティーから歓迎されたそうです。

2001 年 4 月に、第一回スイス オープンソース コンペティションで 3 位を受賞しているそうです。

2002 年 4 月に、翻訳した日本語マニュアルが正式マニュアルとして QCad.org で公開されました。

2002 年 5 月に、韓国人の友人 mono と翻訳した韓国語マニュアルが正式マニュアルとして QCad.org で公開されました。

2002 年 5 月に、機械翻訳を使って翻訳した中国語マニュアルが正式マニュアルとして QCad.org で公開されました。ダウンロード版には ReadMe.html が含まれています。中国語に堪能な方はどうぞ内容を添削してください。

2003 年 1 月に、機械翻訳を使ったアラビア・ノルウェー語マニュアルが正式マニュアルとして QCad.org で公開されました。各国語に堪能な方はどうぞ内容を添削してください。( チェック中は Malay, Indonesian, Spanish, Portuguese, Italiano )

対応 OS:
Windows: Windows 95, 98, Me, NT, 2000, XP
PC-Unix: Linux, FreeBSD, Macintosh OS X 上記以外にも多数の OS 版が存在します。
MS-WindowsFreeBSDLinuxMac OS X

機能制限等の制約
GNU GENERAL PUBLIC LICENSE
インターネットで入手可能な CAD ソフトによくある期間限定や肝心かなめの印刷ができないといったバカバカしい機能制限は一切ありません。

機能の特徴:
  1. 多国語対応 ( 現時点で、19ヶ国語 )
    Czech, German, Spanish, Estonian, Euskera, Finnish, French, Galician, Greek, Hungarian, Italian, Japanese, Korean, Dutch, Polish, Portugues, Russian, Slovak, Chinese
    同じ図面に異なった言語を表示が可能・・・だと思います。(未確認)

  2. ホームページと同じ HTML 形式の各国語マニュアル
    圧縮版は、QCad.org で Get!

  3. Undo / Redo 機能、少なくとも 200 ステップ
    CAD に疎い人には分からんでしょうけど、これって、けっこうスゴイことです。
    日本一普及している jw_cad for DOS は、Undo 機能 ( って言えるのか? )が 1 回です。

  4. レイヤー機能 ( 日本語可 )
    レイヤー機能を持っているかどうかが、沢山の作図機能とともに、その CAD を実務で使えるかどうかの判断になりますよね。

    CAD 初心者向けにレイヤー機能を簡単に説明すると・・・
    プレゼンテーションなどで使う OHP フィルムを想像すると良いです。
    1 枚ごとに異なった図形や文字を描いておき、透かしてみると全部が重なって見えますよね。
    たくさん重なって見難くなったら、欲しい図形や文字の描かれているシート ( フィルム ) だけを抜き出すと、見やすくなります。
    レイヤー機能とは OHP フィルムの交換機能のようなものです。

    CAD 初心者が最初に CAD を扱う時に理解に苦しむのが、実はこの機能です。
    「CAD 図面が描けるぜっ」なぁんて言ってる実務経験者でも、この機能を使えない人は意外に多いです。

  5. 絶対原点と相対原点
    使い方を覚えると結構便利かも。

  6. スナップ機能、11種類ショートカット機能

  7. 他図面複写機能
    具体的には・・・、他図面の重ね合わせ・他図面の特定範囲のコピー&ペースト機能

  8. 入力: Micrstation ( dgn ), Drawing Exchange ( dxf ), HPGL ( plt,hpgl, inc ), fonts (cxf)
    出力: Drawing Exchange ( dxf ), EPS ( eps ), FONT (cxf)

    Unix では当たり前かもしれませんが、PostScript (EPS) への出力ができるのは Windows では、秀逸。
    印刷関係・出版業界などは、これのために高価なソフトを購入しています。

  9. 図形ライブラリー機能、ライブラリーの追加

  10. ズーム機能、9種類

  11. フォントの追加、新規作成

  12. 線の色数: 16色、線の幅: 9種類、線の種類: 5種類
    これよりも多い線種を持っている CAD で作成した DXF ファイルを読み込むと実線に化ける可能性がありますが、DXF ファイルの仕組みが分かっていれば対処は簡単です。

  13. 対応用紙サイズ: 43種類 ( 任意指定、可能 )

  14. 印刷機能
    当たり前のことですが、嬉しい機能です。
    図面上にはサンプルだとか余計な CAD ソフトの宣伝などは入りません。日本の CAD ベンダーも見習って欲しいです。

  15. 文字列の整形 ( 左寄せ・センタリング・右寄せ )、文字列の扇型配置
    漫然と DXF 変換をすると若干のズレが発生するかもしれません。
    特に、知識のない jw_cad ユーザーの場合。
    扇型配置は楽しめる機能です。

  16. 測定単位: 20種類。
    None, Inch ( インチ ), Foot ( フィート ), Mile ( マイル ), Millimeter ( ミリ ), Centimeter ( センチ ), Meter ( メートル ), Kilometer ( キロメートル ), Microinch ( マイクロインチ ), Mil ( ミル,1/1000インチ ), Yard ( ヤード ), Angstrom ( オングストローム ), Nanometer ( ナノメートル ), Micron ( ミクロン ), Decimeter ( デシメートル ), Decameter ( デカメートル ), Hectometer ( ヘクトメートル ), Gigameter ( ギガメートル ), Astro ( 天文単位,astronomical unit ), Lightyear ( 光年 ), Parsec ( パーセク )。

    測定単位の中で聞き慣れない Mil は集積回路の設計で用いる単位で 1 インチの 1/1000
    この辺りの単位の扱いは国内市販品も含めて国産 CAD とは、一日の長があると感じます。

    以前、CAD の作図範囲の限界を調べるためと、講義の話題の一つとして「建物〜太陽系〜光年」まで作図したことがありますが、可能だったのは AutoCAD だけでした。
    出力できなけりゃ話しにならん、と言うことで、国産 CAD は、まず最初に用紙サイズありき。縮尺はあとまわしです。
    なので、初心者 CAD オペレーターや現場を知らない経験の少ない実務者は、ラウンドナンバーの縮尺にはなっていない CAD 図面なんぞを描いて陰で笑われています。

日本語で使うにはどうしたらいいのか
QCad は多言語対応と言っても外国製ソフトです。
日本語表示が可能かどうか? 答えは OK。
メニューの日本語表示設定は後述します。MS-Windows, PC-Unix の設定を参考に揚げてあります。

図面への日本語入力は Dracad の文字の線分化や jw_cad の擬似文字化等の機能で得られる線分文字フォントを DXF ファイルで保存して規定のフォントファイルのスタイルにして、しかるべき手順で組み込めば可能。この方法は後述します。


もっと詳しい情報は ?
翻訳を始めるまで日本語マニュアルが存在しませんでした。
残念ながら QCad に関しては国内のインターネット情報からはこのページよりも詳しいことは得られないと思います。
何故なら、本格的な日本語環境は始まったばかりだから。
一年ぶりの追記です。
現在、リアルタイムな QCad 情報は Linux で CAD するぞー(続)です。
本日付けでは QCad for MacOS X のインストールの方法が話題にのぼっています。
( 03-Jul-2003 )

まとめ
一般的なコンピュータで稼動する PC-Unix の括りとして、よく知られている Linux がありますが、Linux より昔から PC-9801 や Macintosh で稼動する FreeBSD という OS も存在します。
※Linux は、Unix ではありません。Unix のソフトが動く Unix 互換 OS です。
PC-Unix とは、FreeBSD を始めとする BSD の名称が付いているものだと思っています。
ま、動けばどちらでも良いと思いますけど。(笑)
最近は Macintosh OS X 上で Unix が稼動するようになりました。
詳細はこちらから。証拠写真はこれ (10-May-2003)

・・・で、
何時間稼動してもハングアップしない安定性抜群のこれら PC-Unix と、まだまだ進化途中の・・・、今でも高機能の、無料の CAD システムは、時間をかけて作成中の図面の消失 ( 始業時からスイッチを入れっぱなしの MS-Windows では夕方に起きることが多い ) やバージョンアップ毎の出費 ( 使いきれない機能を持て余して、何を考えているんでしょうね ) への回答の一つではないかと思います。

SXF の件は、QCad.org に通知しましたが、将来対応してくれると嬉しいですね。
余談
  1. 日本語環境に対して、とても意欲的です。
    # 日本語フォントがもうすぐできるぞ!・・・と、プレッシャーを与えたから。(笑)

  2. CADを使っている人なら図面を 1 枚書き終わる頃には使えるようになっている・・・はず。

  3. 初めてCADを操作する人には操作が簡単なのでお薦めのCAD。

  4. 処理速度は、とても速い。

  5. 日本には国内シェアナンバー 1、無料の CAD の jw_cad 系のソフトが多数存在しますが、FreeBSD や Linux のような PC-Unix の分野で、QCad はナンバー 1 になるのではないかと期待しています。

    これまでに集積してきた jw_cad の有用な部品集は簡単に入手できます。( 有難いことです )
    jw_cad = 無料 = 誰でも使える = Internet 上の jw_cad 関連のデータを集める = DXF 出力する = QCad で読み込む = QCad のデータの出来あがり
    ※建築系では DXF 形式のデータを各種メーカーが無償提供しています。

  6. 線分数の限界: とりあえず、線本数 40 万本、50 MB の DXF ファイルを読み込めました。
    たぶん・・・、メモリー限界まで行くと思います。

今後のこと
jw_cad のパワーユーザーからすれば、まだまだ進化途中の CAD ソフトだと感じると思いますし、私自身も同じように感じます。しかし、進化途中だからこそ新機能が増えていく可能性があります。

jw_cad のバージョンアップ毎に一喜一憂 (?) した当時を思い出して、色々な要望を出して PC-Unix の世界でかつてと同じ気持ちを味わうのも面白いかもしれません。
そして、そういったことを実現できるのは、jw_cad のパワーユーザー達ではないでしょうか?