濾過について考える


バクテリアの種類
濾過について考えるのに、いきなりバクテリアの種類なんて話がでてきてなんだと思うかたがいるかも知れません。

アクアリウムにおいて【濾過】といった場合、主に物理濾過と生物濾過、そして活性炭等の吸着による濾過の事を指します。
そして魚にとって重要なのはゴミを取り除く物理濾過ではなく、有害な物質を分解する生物濾過なのです。
【活性炭等の吸着による濾過は バクテリアがある程度繁殖するまでの、一時的な補助と考えるべきでしょう。
まぁ バクテリアが少ない時点で、その効果はかなり有効なものではあります。】


生物濾過を行うのはバクテリアですから、濾過について考えるという事は、バクテリアの繁殖の事を考えるのが重要になってくるのです。
つまり、バクテリアの事、濾過の事は連係して考える事で、別々に考える事ではないのですが、連係して考えるに当たってバクテリアの事を知る事が重要だと考えます。
まぁ 私自身 生物学に詳しいわけでもなく、アクアリウムの経験も2、3ヵ月程度(笑)で、生物学に詳しいわけでもないのでたいした事は言えないのですが、水について考えるバクテリアについてで好気性のバクテリアについては述べてみました。
この好気性バクテリアの事は アクアリウムの濾過において重要な役割を果たしていて、忘れてはいけない事の一つなのですが、アクアリウムで重要な役割を果たすバクテリアは好気性のバクテリアばかりではなく、嫌気性バクテリアと呼ばれるものも重要な役割を担っています。

ここでは、バクテリアの種類についてもう少し述べてみたいと思います。



バクテリアには、独立栄養細菌と呼ばれるものと、従属栄養細菌と呼ばれるものがあります。
また、それとは別の分類方法として、酸素を必要とするか否かで3つに分けられていて、独立栄養細菌と従属栄養細菌それぞれに3つのタイプがあると考えられるので、合計6つのタイプがある事になります。
酸素を必要とするか否かによる分類は、
一つが、好気性バクテリアと呼ぶ、活動の為に酸素を必要とするタイプ。
もう一つが、偏性嫌気性バクテリアと呼ぶ、酸素があると活動できないタイプ。
もう一つが、通性嫌気性バクテリアと呼ぶ、酸素があっても無くても活動できるタイプです。

アクアリウムで有効な働きをするバクテリアには以下のようなものがあります。

  1. 残餌や糞、水草の枯葉等の有機物をミクロン単位の細かいサイズ(高分子有機物)に水溶化する通性嫌気性の従属栄養細菌の仲間。
  2. 水溶化された有機物(高分子有機物)を低分子有機物(アミノ酸など)に分解する好気性の従属栄養細菌の仲間。
  3. 低分子有機物(アミノ酸など)をアンモニア・二酸化炭素・水・リン 等の無機物に分解する好気性の従属栄養細菌の仲間。
    (1〜3のバクテリアの仲間は40°で最も活発に活動します)
  4. アンモニアを亜硝酸塩(NO2 -に変える好気性の独立栄養細菌の仲間で、ニトロソモナスと呼ばれるバクテリアの一属(一属ですから1つの種類を指している訳ではありません)。
  5. 亜硝酸塩(NO2 -を硝酸塩(NO3 -)に変える好気性バクテリアで、ニトロバクターと呼ばれるバクテリアの一属。
    (4,5のバクテリアの仲間は30°で最も活発に活動します)
  6. 還元作用【硝酸塩(NO3 -)を亜硝酸塩(NO2 -)に変える(戻す)】を行う偏性嫌気性の従属栄養細菌の仲間。
  7. 脱窒素作用【亜硝酸塩(NO2 -)を窒素ガス(N2)とアンモニア(NH3)に分解して窒素ガスを空気中に放出する】を行う偏性嫌気性の従属栄養細菌の仲間。

1〜3までのバクテリアの作用を、水草等が養分(肥料)を吸収できる形に分解する根粒細菌の働きとして説明される事が多いようです。
また、1〜3のバクテリアの作用で出来るアンモニア等は、魚が出す糞などにも含まれます。
つまり、1〜3のバクテリアの作用は、バクテリアと魚によって同時に進行すると考えてよいでしょう。
4,5のバクテリアの作用は、好気性バクテリアによる硝化作用として、熱帯魚飼育の入門書には大抵説明されています。
7,8のバクテリアの作用は、まとめて還元作用、または脱窒素作用と呼ぶ場合が多いようです。
また、7,8のバクテリアの仲間を活発に活動させる為に、メタノール等を栄養源として与えると良いようです。


バクテリアの繁殖
さて 前項で挙げたバクテリアを繁殖するにあたって、水槽、または濾過装置の中にどのような環境が必要なのでしょうか?

1〜5のバクテリア群は一連の硝化作用を行う為、最初に繁殖させなければ行けないバクテリア群です。
しかしこれらのバクテリアは、水槽に見合った濾過器を適切に設置してさえいれば 特に何もしていなくても、水槽の運転を開始してから1ヵ月半もたった頃には 熱帯魚水槽の維持に必要なだけのバクテリアが繁殖しているはずなので、以下の事に注意していれば特に気にする事はないでしょう。

6,7のバクテリア群は還元作用や脱窒素作用を行う為に、是非とも繁殖させたいバクテリア群ですが、アクアリウムにおいてその重要性に目が向けられてきたのは最近の事なので、繁殖の為の情報が好気性バクテリアに比べて少ないといわざるを得ませんが、繁殖の為には以下の事に気をつけると良いのではないかと思います。
1〜5の一連の硝化作用を行うバクテリアの内 1〜3のバクテリアは 水草を育成する時、肥料を吸収できる形にする為、底床の中にも繁殖させたいバクテリアです。
根粒細菌の働きとして説明される 1〜3のバクテリアの作用を効果的に行う事が水草を上手に育てる為に必要な事項の一つといえるでしょう。
もっとも、これらのバクテリアも底床を敷いてさえいれば 特に何もしなくてもある程度繁殖してくれるバクテリアです。
効果的に繁殖させる為には 水草を育てる根粒細菌を育てるで説明します。

バクテリアの維持
水槽を維持していく過程では、必要な管理作業や、予測しなかったトラブル等によってバクテリアの多くを失う事や、バランスを崩す(一部のバクテリアを大繁殖させ、その結果 必要酸素量を確保できなかったその他のバクテリアを減少させる等)事もあるでしょう。
ここでは、どのような場合に そういう事態が発生するのか、 また、そのような時にどのように対処していけばいいのか を考えていきたいと思います。

まず、バクテリアを失ったり、バランスを崩すのはどのような場合でしょうか?
今の私にわかる範囲で、以下に列挙してみました。

  1. 酸欠によって好気性バクテリアを失う
    • 二酸化炭素の過度の添加によって
    • 夏期の水温上昇によって


Last modified: Tue Jul 7 23:27:23 1998