GIF

GIF フォーマットは CompuServe で生まれたフォーマット。
JPG 形式と並んでオンライン上でやりとりされる画像形式としては非常にメジャーな形式です。


特徴

■可逆圧縮を採用しているために BMP などの無圧縮形式よりファイルサイズが小さい。

■可逆圧縮を採用しているために一旦 GIF 形式にしてしまえば書き込み、保存を繰り返しても画質が劣化しない。

■最大 256 個の色パレットを持ち、1677万色のうちの 256 色が使える。

■イラストなどの色数が少ない画像に適している。(スキャナ取り込みのままは不向き)

■使われている色の1つを表示させない「透過色」に対応している。(CGビュアーなどでは透過はされない)

■複数の画像を1つにまとめ、順次表示するアニメーション化に対応。
  (GIF 89a では1枚ごとの表示位置、タイミングなど設定可能)

推奨用途 ファイルサイズの小ささ 圧縮方法 対応色数 ブラウザ表示
観賞用
(イラスト)
イラスト ○
写  真 ▲
可逆圧縮 2 〜 256 色
その他の特徴 インターレース表示 , 透過色 , アニメーション機能



GIF 87a と 89a

GIF 形式には大きく分けて2つの仕様があります。それは GIF87a と GIF89a の2種類です。
これはフォーマットが作られた年が違うためです。 87a は 1987年に、 89a は 1989年に策定されました。
Photoshop 4.0 が標準でサポートしているのは GIF 89a です。

GIFフォーマット
GIF 87a ( 1987 年仕様 ) GIF 89a ( 1989 年仕様 )
表示方式 ・・・・ インターレース & ノンインターレース
透過色のサポートなし 透過色のサポートあり
アニメーション機能に対応 アニメーション機能をさらに拡張

現在では単に GIF 形式と言えば一般には GIF89a を指します。
両者の違いは透過色とアニメーション機能で、 GIF89a は 87a の拡張 (上位互換) 規格になっています。
同じ静止画像を同じように GIF 87a と GIF 89a で保存してもファイルサイズは変わりません。

Photoshop 4.0 では GIF89a をサポートしているので透過色を設定することが出来ます。
ただし、Photoshop ではアニメーション機能はサポートされていません。
Photoshop 5.5 以降では ImageReady が同梱されており、アニメーション GIF にも対応しています。



インターレースって?

ノンインターレース インターレース
画像は一番上の部分から1ラインづつ記録されており、
表示の時も上から順々に読み込まれて行きます。
こちらがごく一般的なサブフォーマットです。
書き込み時にラインを飛び飛びで格納して行きます。
これにより全てのデータの読み込みが終了するより前に
全体のイメ−ジを掴み易くなります。
読み込み中画像の読み込み中 ( 25% )を
シュミレートしてみました。

ノンインターレース画像の場合、
25% を読み込んだ時点では
画像の「上から 25% の部分だけ」
が表示されるだけなので
全体がどんな画像かを判断
するのはは難しいです。
この例でもどんな画像かは判らないでしょう。

読み込み中同じ 25% でもインターレースでは
はっきりとしませんが、大体は判別
出来るでしょう。

ブラウザやツールでは
読み込まれていない部分を
補完して表示されるので、
読み込み中の状態が
このようには見えず、モザイク状に見えます。


ノンインターレース、インターレースのどちらも画像全ての情報としては同じですが、
ノンインターレースでは画像の上から順番に表示されるだけなので、読み込みがかなり進まないと
画像全体のイメージが掴みづらいのです。
それに対してインターレースでは全体がじわじわとモザイク状に表示されるので読み込みがさほど進まなくとも
全体のイメージが掴みやすくなっています。
僅かな差ではありますが、インターレースの方が体感的には読み込みが早く感じられる様になっています。
どちらで保存してもファイルサイズは変わりませんので、HP に置く GIF 形式は転送速度が低速なモデムでも
体感的に「待たされている」と感じにくいインターレースで保存する方が良いでしょう。


透過色って?

使用する色のうち、1色だけを透明色として、対応したアプリケーション上(ブラウザなど)ではその設定色を表示させないと言う設定があります。
Netscape Navigator などのブラウザの場合は画像とページの背景画像が重なる場合があるため、この設定をすることで様々な効果を出すことが出来ます。

普通のCGビュアーなどでは透明色の指定は特に意味が無く、対応していない場合も多いようですが。
透明色と言うのは、例えば・・・

サンプル この画像の青い部分を透明色に指定すると・・・透過色設定サンプルこうなります。

右の画像では背景の青い部分が消えて、ページの背景画像が見えるようになりましたね(^^)
透明色に対応していないCGビュアーで表示させると透明色を指定していない場合と同じ様に表示されますよ。

この設定を効果的に生かす注意点は・・・

1.透明にしたい部分は同じ色できっちり塗りつぶしておく。

RGB値がどれか1でもずれている場合は透明色とは認識されず、まだらに残ってしまったりします(^^;)

2.透明色に使う色は出来るだけ背景になる色や背景画像の色に近い色しておく。

この A と言う文字はフォントで作られた画像なのですが、アンチエリアシングが掛かっています。
文字の黒と背景の青の境界には微妙ですが黒と青の中間色が存在しています。
その中間色部分は透明色に設定した色とは違う色ですから 当然表示されてしまいます。
この例では黒に吸収されて判りにくく、一見すると明らかな失敗とは思いづらいのですが。
この注意点を守らないと画像自体に使われている色とページの背景色によっては境界線の色が
著しく目立ってしまう場合があります。例えば文字の色が白、文字の背景に明るい緑色だったらどうでしょう?

サンプル この画像の背景色の緑色を
透過色に指定してみましょう。
すると ・・・・
透過色設定サンプル ・・・こうなりました。(^^;
文字のエッジ部分に緑色が・・・・・
誰が見てもこれはひどいですね。
さて、何故こんな事になってしまったのでしょうか?その答えはアンチエリアシングと透過色にあります。
文字と背景の境界付近を
拡大してみました。
アンチエリアシングが掛かって
背景の緑でも文字の白でもない
部分が出来ているのが判ります。
アンチエリアシング   GIF で透過色に出来るのは1色。
  それも RGB 値での1色です。
  この画像の中の場合では
  背景色は点線の内側だけです。

  あらら、かなり緑に見える部分が
  残りましたね。

アンチエリアシング
アンチエリアシングは中間色を作り出しすことでギザギザ感を低減させる手法なのですが、その反対に
GIF の透過色は1色しか指定できないために取り残されてしまう部分が出てきてしまうためです。

HPなどで透過色を使う場合、その画像の背景になるのは背景色に指定した色ではなく、HTML で指定した色や
背景に指定された画像であるわけです。
同一、もしくは近い色にしておけば、たとえ取り残されてしまってもアンチエイリアス部分が
背景で使われる色との色に近いために、人間の目ではその差が判らずにごまかしが利き、
なめらかな線に見せる事ができます。
透明色は出来るだけ HTML の背景色や背景画像の色に近い色しておく。と言うのはこのためです。

アンチエリアシングの掛かってない(存在しない)画像ではこういったことは起きません。
そう言う画像の場合は、他で使われていない色であればどんな色を使ってもかまいません。

市販の素材集などでは、ページの背景色と事前に合わせて作れませんので、透過色を設定する場合は
ニュートラルグレー ( RGB それぞれ 128 のこの色 HTMLで使われる 16 進数ではそれぞれ 80h ) を
使うことが殆どです。
これは色彩がなく、明るさがちょうど中間なので、殆どの色に合わせやすいからです。
しかし、ページの背景色が白、もしくは黒の場合はやはり境界が目立ってしまいます(^^;
例えこの様な場合でも修正してある程度までは目立たなくすることは可能ですが、かなりの手間がかかります。
修正の仕方はリクエストがあれば 〜 何かを作る為のヒント 〜 のコーナーで公開したいと思いますが、
他人が作った GIF 画像素材を使う場合はページの背景色の方を変更する方が楽で現実的な方法だと思います(^^;



絵でファイルサイズが変わる?

GIF 形式はどう言う画像かでファイルサイズが他の画像より大きく違ってくるのです。
これは GIF 形式が画像を記録する際に、その内容を圧縮して書き込むフォーマットであることと、
その圧縮の方法、そしてパレットを使用している事がその理由です。

ファイルサイズに一番影響の出るのは使用パレット数(使用色数)です。その次は画像の内容になります。
パレットについてはこちらを参照して下さい。→パレットについて


横縞(311バイト)
横縞(311バイト)

縦縞(541バイト)
縦縞(541バイト)

市松模様(695バイト)
タイル模様(695バイト)




画像の内容によってのファイルサイズの違いを比較してみましょう。

使われている色数(パレット数)、それぞれの色が占める割合(各色25%)、
画像サイズ(100x100ドット)は全て同じにしてあります。

まず横縞の画像ですが、わずか311バイトと非常に良好なサイズに収まりました。
これを基準として比べてみましょう。

縦縞はファイルサイズは541バイトとやや大きくなっています。
単に 90 回転しただけでファイルサイズが変わってしまいました。
これは何故なのでしょう?

これは GIF が使っている画像情報の記録方法 (圧縮) に原因があります。

画像は1つ1つの色の点から出来ていますよね?
点は横方向に集まることで1つのラインになり、そのラインが何ラインも集まる事で
画像として成立しています。

BMPの場合は一番上の1ラインを記録するのであっても
「赤が 255 分の 0 、緑が255分の255、青が 255 分の0 の点」、その隣が
「赤が 255 分の 0 、緑が255分の255、青が 255 分の0 の点」、その隣が
「赤が 255 分の 0 、緑が255分の255、青が 255 分の0 の点」、その隣が
「赤が 255 分の 0 、緑が255分の255、青が 255 分の0 の点」、その隣が
・・・・・と、バカ正直に(笑)1つ1つの点の情報を記録しています。

これはこれで(人間様が理解する分には)割と分かり易いのですが、
データを読んでそれを表示するのは繰り返し作業が得意なパソコンくんですから余り意味はありません。それどころか、そんな記録方法では保存の為の情報量が非常に大きくなってしまいます(^^;

それに対してGIFは 色の情報を別にして、色に番号を付けておき、
「(パレット番号の)1番の色の点が100個」と記録してしまいます。

これは BMP でも GIF でも同じ状態を表しているとしても、情報の量としては
非常に少なく済みますね?
GIF はこの様に情報を圧縮して記録することでファイルサイズを小さくしています。

縦縞が横縞よりファイルサイズが大きくなったのはこの為です。
横縞は1つの横のラインを「緑の点が100個」で済むのに対して
縦縞は「緑の点が25個」「水色の点が25個」「赤の点が25個」「黄色の点が25個」
・・・・と記録されるので横縞よりややデータが大きくなるのです。

本当はこの説明通りでは無いのですが、ソフト開発者以外の方の場合は
  大体こう言うことをしているんだと思って頂くだけで十分です(^^;

それは更に複雑なパターンであるタイル模様の画像のファイルサイズが
更に大きく、横縞の倍のサイズになっていることを見ていただければ分かるでしょう。

GIF形式は横ライン上に同じ色が連続している場合にサイズは小さくなる
と言う特徴がこれでおわかり頂けると思います。
別の言い方をすれば1ライン上の右隣りでピクセルの色が全くの同一色には
なりにくい自然画像(写真)にはとても不向きで、シンプルなイラストには
非常に適しているフォーマットであると言えます。



アニメーションって?

授業中、教科書の隅に絵を描いてパタパタと見て暇を潰したことはありませんか?(笑)
アレと同じ事を GIF でやろうというのがアニメーションGIF です。
ちなみにアニメーションGIF とは「アニメーションGIF 規格」と言う物は存在せず、
アニメーションに適している機能を総称して一般にそう呼ばれているだけです。

さて、GIF89a では、1つの GIF ファイルの中に複数の画像を格納出来る様になっています。

TVは画像を1秒間に約 30 枚と言う高速で次々と表示させて、目の錯覚を利用して動いているように
見せかけています。
たとえ、映像が動いて居ない場合でもちゃんと1秒間に約 30 枚の画像を表示させています。
1秒間に何枚の画像を表示させるかと言う単位をフレームレートと言いますが、
TVの場合はフレームレートは常に一定です。映像的には動きがない場合も常に画像を更新させています。

アニメーションGIFでは、絵を次々に表示させて動いているように見せるのはTVなどと同様ですが、
画像データと言う物はテキストなどと比べ非常に大きい(重い)データです。
TVの様にフレームレートを固定してしまうと、オンラインでやりとりするには
膨大な枚数の画像が必要になり、ファイルサイズも膨大になってしまいます。
そこで、アニメーションGIFでは、このフレームレートを可変にすることで無駄をなくす事を考えました。
つまり、画像上に何か変化があるまではそのまま表示させ続けることで、より少ない枚数であっても
まるで動いているように見えるようにしたのです。
このためにコマごとに表示させている時間をミリセコンド ( 0.01 秒 ) 単位で指定する事が出来るようになっています。

また、格納する画像 (コマ) はすべて同じ大きさである必要はありません。
前のコマと画像に変化が少ない場合、変化のある部分だけを四角形で格納することも出来ます。
そのためにコマの表示位置を X軸 Y軸 で指定する事も出来るようになっています。

非常に使いでのある機能ですが、Photoshop ではこれらアニメーションの機能には対応していません。
Photoshop 4.0 では GIF89a の書き出しが出来ますが、出来る機能は GIF87a + 透過色 相当までです。

しかし、別に専用のアニメーション GIF 制作ツールが必要とは言え、アニメーション GIF 制作はさほど難しくありません。

つまり、Photoshop のレイヤー機能ですべてのコマに使われる絵を作り、それを適宜組み合わせて
一端1枚ずつBMP 形式で書き出し、それをアニメーション GIF 制作ツールで読み込んでいくか、
1コマずつ [ CTRL ] + C でコピー、アニメーション GIF 制作ツールで [ CTRL ] + V で貼り付けを繰り返し、
表示タイミングや表示位置などを設定して1枚の GIF ファイルにまとめてやれば良いのです。
つまり、絵自体は Photoshop で作り、アニメーション GIF として組むのはアニメーション GIF 制作ツールにと
2つのアプリケーションを組み合わせて使えば良いのです。

インターネットの様に電話回線を通してデータのやりとりをする場合、あまりファイルサイズが大きいと
読み込みに時間が掛かってしまうために敬遠されるケースもありますが、組み方の工夫次第では
JAVA や FLASH などより軽く、ブラウザのセキュリティの為の設定などに左右されないために、
多くの方が PLUG-IN 不要で見ることが出来て、HPに華やかさを加えるファイル形式だと思います。



ImageReady

現在の Photoshop には ImageReady が統合されていますので、こちらを使えばアニメーション GIF が作れます。
ユーザーインターフェースも Photoshop と同様になっていますので、割と取っつきやすいでしょう。
単にアニメーション GIF を組むだけでなく、ペイント機能もありますから、Photoshop を使わずに、ImageReady だけでアニメーション GIF を作ることも出来るでしょう。
上の項で「コマの変化のない部分だけ」を格納する事が出来ると書きましたが、ImageReady でも [ 最適化して保存 ]することで可能になります。
この最適化しての書き込みをすると、カットされた分ファイルサイズが小さくなります。
広く普及しているアニメーション GIF ツールではこの最適化機能を装備している物は意外と少ないので評価できます。
この ImageReady は Ver.1.0 の頃は単体で市販されていたツールですので高機能なのは当然なのですが。逆に言えば ImageReady 市販ソフトとして単体では売れなかったと言うことでしょうか?(^^;
アニメーション GIF を作るだけなら ImageReady と比べて廉価なシェアウエアが沢山ありますからね。





意外な注意点

まずは一つ目。
GIF 形式のアニメーション機能について、Netscape と I.E. では若干解釈が違うようです。

私が以前経験したトラブルは、Netscape で表示している場合では問題ないのに、I.E. で表示させると意図通りの表示をしないこと。コマの繰り返し表示を指示しているのにこれが無視されてしまい、勝手に止まってしまうことが有りました。

原因の詳細は・・・・不明・・・・( ̄▽ ̄;

色々調べたり出来る設定を色々変えて見て判ったことは繰り返し回数を「無限」にしたときだけ。
と、言うわけで、もし繰り返し表示がこの様な状況になってしまう場合は
繰り返し回数を指定することでとりあえず回避出来ます。
例えば3万回などに設定すれば Netscape でもI.E. でも意図に反して勝手に止まってしまうことは無いようです。
ただし、設定されている3万回の繰り返しが行われるとアニメーションは停止しますが、1サイクルが僅か1秒としても
3万秒では8時間以上になります。普通こんなに長時間表示することは無いでしょうから特に問題は無いでしょう。
無限に設定して上手く動かない場合が有ったら試してみてください。

あと、Netscape と I.E. で違うのはアニメーションの速度。
これは仕様の違いらしいのですが、I.E. の方が若干速度が速くなる様です。

ただ単にアニメーションをさせるだけならばさほど重要な違いではありませんが、何か他のテクニック ( META タグを使って自動的に他のページへ切り替える場合など ) と組み合わせる場合は注意が必要になるでしょう。

2つ目はコマごとのディレイタイム ( 表示時間 )について
コマを表示する時間は「設定なし」と、0.01 秒単位で設定できるような仕様になっています。
0.01 秒と言うのはかなり細かい時間です。MPG などの動画形式では 25 〜 30 フレーム/秒が一般的。
これを1コマ当たりの表示時間にすると 0.04 〜 0.03 秒です。
と、言うことは GIF 形式の方が1コマ当たりの表示時間は短いと言うことになり、
GIF 形式の方が動きが滑らかなアニメーションを作り出すことが出来るはずです・・・が、そうはいかないのです(笑)

MPG 形式では時間軸が絶対で、CPU のパワーや HD や CD-ROM からの転送速度が足らないなどの理由で表示が間に合わない場合は1コマ表示を飛ばして、間に合う場所から表示を再開する場合があります。いわゆる「コマ落ち」というヤツです。
しかし、GIF 形式はこういう手法は取っていません。
CPU パワーが足らずに表示に時間が掛かっても必ず全てのコマを表示します。
表示サイズが小さく、表示するマシンのパワーが十二分にあれば別ですが、大抵の場合は読み出して表示出来るまでの時間がタイムラグとなり、設定したディレイタイムより長めに見えてしまいます。

ですから、アニメーション GIF を作るときに、ディレイタイムの調整に神経質になっても意味がありません。


フリーソフトの少ない理由


このページの中のここ以降は私が独自に調べた範囲での記述です。正確ではない、もしくは明らかな間違いである記述が含まれている可能性が
他の内容に比べて非常に高くなっております。ご注意ください。
また明らかに間違った記述があればメールにてお知らせください。出来るだけ早急に修正、適正な対処をいたします。

「 Windows 系ソフト自体にフリーソフトが少ないじゃない」と言う意見もありますが^^;
GIF 画像を加工するツールにはフリーソフトが非常に少ないのをご存じでしょうか?
国産オンラインソフトの場合、1999 年の時点で数点しかなく、2000 年に入ってからはほぼ無くなったと言えます。

GIF 形式はデータを圧縮していますが、この圧縮( LZW )方法は UNISYS 社が特許を持っています。
GIF の圧縮方法を使用する際にはその特許に対しての使用料が必要になります。
つまり「 GIF 形式でファイルを扱うツールを開発したいなら、UNISYS 社にロイヤリティ(特許使用料)を
支払いなさい。」・・って事です。
これは市販品、シェアウエア、フリーウエアなどの販売や配布の形態を問わず適用されます。
フリーウエア作者が「市販ソフトやシェアウエアなどち違ってフリーウエアは利益を目的としていないの
だからロイヤリティの支払いを免除して貰えないか」と、個別に交渉したようですが、
支払い免除を認められたソフトは今のところ無いようです。

GIF の圧縮に関する特許は 1983 年、GIF フォーマットは 1980 年代後半に策定された古い物なのですが、
割と最近まで特許料に関して強く主張することはありませんでした。
それどころか、1995 年には非商用、非営利を目的としたソフトウエアについては許可や特許使用料の
支払いを要求しないともとれる旨の文書を公開していました。
ただし、これには条件があり、厳密には殆どのソフトウエアには適用されないはずだったのです。
しかし、大半の人は「 GIF はライセンスフリー」だと言う誤った解釈をしていたようです。
一部の組織・団体ではこの一般的な誤解についてユニシス社の立場を明言するように要求したようですが、
ユニシス社はそれに対して特にアクションを起こした事はなかったようです。

かくして当時のアメリカでの大規模ネットワーク CompuServe で作られたと言う背景や、
GIF が持つ優れた圧縮率や機能(今では最大 256 色はプアと言えますが、当時のマシン環境では十分な物でした)は
支持され、多くの人々に誤解されたままではありましたが GIF の書き込みが出来るソフトウエア(フリーウエア)が
多く作られ、インターネットの成立と共に GIF は世界中に普及しました。
また、そうした流れの中でもユニシス社もそれらのソフトウエアに特許料を要求することも無かった様です。
しかし、最近になってユニシス社は一転して特許使用料を徴収すると発表しました。
穿った見方をすれば「十分に普及するまで黙っていたけど、そろそろ収穫の時期だ」っていう風にも見えますね。
ただし、特許料は GIF の圧縮を行うソフトの開発者が支払うもので、そのソフトを使うユーザーは
直接特許料を負担する必要はありません。
シェアウエアや市販品の場合はその価格の中に含まれて居る(はず)です。



目標は開発者だけではない!

・・・と、あくまでもツールを使うユーザー側には GIF の特許に関する金銭的負担は無いと書きましたが
最近になってそれも場合によっては違ってきています。
ユニシスは LZW の特許権侵害を名目(?)にエンドユーザー側にもペナルティを課す事を明言しました。
GIF に関するライセンス契約を結んでいないツールを使って作ったと認められる GIF 画像を
HPなどで公開しているユーザーに 5000ドル
( 2000/2/10 時点のレートで約 52,500 円) の支払いを
求める場合がある
と公表しました。
確かに LZW 圧縮は優れた技術ですし、だからこそ特許を認められて居るわけです。
それを特許権を無視して勝手に使ったのであれば、特許使用料を請求するのはごく当たり前の行為です。
しかし、「 GIF はライセンスフリーである」と言う誤解を積極的に解こうとしなかったこれまでの背景と、
実際に GIF 形式の書き込みを行うソフトウエアの制作者に対して請求するのではなく、
エンドユーザーに対しての請求すると言うことはかなり強引と言うか、果たして法的に正しい行為であるか?
と言うことに関しては謎だと私は思います。また社会通念上もこのような行動も支持される物ではないと思います。
もし、請求前に警告を与えて改善があれば請求自体を取り下げる様でなければそれは
特許という強い権利を巧みに利用した詐欺ではないか?と思います。ちょっと言葉が行き過ぎかもしれませんが。

また、その画像が「ライセンス契約されていないソフトウエアで書き出された画像か?」を
判断する基準に関しては特に触れられていません。
画像自体から判断するしかないのでしょうが、そうなると書き出したソフトを判断する手段は2つかと思われます。

1.GIF のコメント機能から判断する?
GIF の規格にはコメントを埋め込む機能があります。ユーザーが特に設定せずとも保存時に
自動でソフトウエア名をコメント部分に書き込むソフトなどがあり、
それを見て判断するのかもしれません。
2.ソフト自体が独自で情報を格納している場合、そこから判断する?
GIF のコメント機能とは別に、画像の規格そのものには影響が出ないように
グラフィックソフトが独自に画像フォーマットを拡張し、そこに様々な情報を埋め込む場合があります。
例えば Photoshop で作ったサイズが小さい JPG 形式のファイルを「メモ帳」などの
テキストエディタで読み込ませて、その内容をじっくり見てください。
JPG 形式では本来あり得ない「 File written by Adobe Photoshop 4.0 」などと
Photoshop で作られた事を示す文字列が入っているのが確認できます。(5.0 以降は未確認)
また、一部のデジタルカメラの JPG 形式画像は拡張子は JPG ですが、
正式にはデジタルカメラメーカーが策定した EXIF 形式 と言います。
EXIF の場合は、撮影日時、撮影したカメラ名(ファームウエアのバージョン)など
撮影に関する記録が埋め込まれています。
これらのソフトやハードで書き込まれたデータは JPG の上位規格とも言うべき構造になっていて
画像としてのデータの互換性は保たれており、画像自体には特に影響が出ることは無いようになっています。
つまり、普通に画像を閲覧するだけではこのような情報は読み出すことは出来ません。
これらのデータ部分を基準に判断するのかもしれません。

しかし、Photoshop で書き込まれた GIF 画像をテキストエディタで読み込んでみましたが、
このような独自なデータは認められませんでした。
とは言え、これらのデータは普通は非圧縮状態で記述されているのが普通とは言え、
画像データ部分とまとめて圧縮して格納していると言う可能性もあります。
私はそれを確認するだけの知識はありませんし、特に追求する意味もなかったので未確認です。
GIF の書き出しでこのような処理をしているソフトが無いとは言えませんけれど(^^;

しかし、これらの方法を使って書き込んだソフトウエアが特定できる例はさほど多くないと私は思います。
つまり例えライセンス契約されていないツールで作られた GIF ファイルをHPで公開していたとしても
ユニシスがそれを判断出来るかはかなり謎です。

とは言え、今回の声明は、GIF 画像を営利目的に利用した企業に向けた物だと言われていますが、
ユニシスは非営利目的の個人のHPであっても「個人のHPに関してはライセンス料を徴収しない」とは言っていません。
HPを作る際にフリーウエアの GIF ツールを使っていた方は十分な注意が必要です。
そのような場合、PNG 形式の画像に置き換えるか、ライセンス契約を済ませたツールで書き込み直す
などの対策が必要でしょう。どちらにしてもHP管理者としては大変な話です(^^;


フリーじゃないの?

さて、話をフリーソフト開発者さんの立場に戻しましょう。
ユニシスのこの一連の声明には GIF の読み書きをサポートしているソフトを制作公開していた方々には
非常に大きいダメージだったようです。
特に元々利益を上げようと言う前提のないフリーソフトにも特許料の支払いが必要となってしまった上に、
その交渉は日本ユニシス社は一切タッチしておらず、唯一の窓口である米国 UNISYS 社と
直接行わなくてはならないために、言語の壁もあったためです。
そう言うツールの製作者は幾つかの選択を迫られることになりました。
1.使ってくれるユーザーの為に特許料を支払い、それに関する交渉を英語で行う。
2.フリーソフトの場合はシェアウエア化して著作権料をその代金で支払い、交渉を英語で行う。
3.開発と既存のソフト (バージョン) の公開を中止する。
4.GIF の書き出しをサポートしない。

選択肢1は滅私奉公ですねぇ。いくら趣味で作ってる方が多いとは言え、普通そこまでは出来ないでしょう。
もしそう言う方が居たら人ではありません。生き仏様です。もしそう言う方を見かけたら拝んでしまいましょう(^^;
ソフト開発の為のソフトも安くはないし、ソフトを作っていればどこからか湧き出てくるバグと戦い(笑)、
さらに安くはないであろう特許料まで払おうなんて私には逆立ちしても絶対真似出来ませんわ(^^;
選択肢2ですが、これもあまりなさそうなケースです。フリーソフトの作者さんは大抵「あくまでも趣味」であったり、
自分がフリーソフトのお世話になった恩返し、またはソフト開発のスキルアップを目的に作ってる方が多いです。
フリーソフト作者にスキルも志も高い方が多いのはこの辺りからでしょうね。本当に頭が下がります。
特許料が必要だからシェアウエアにする位であれば、最初からシェアウエアとして公開していたでしょう。

このために日本人のフリーソフト製作者の方の多くが3の開発の中止や、4の GIF を非サポート化してしまったようです。

私の使っていたアニメーション GIF 制作ツールもこの理由で開発と公開を中止してしまいました。
ただ、ソフトとしての完成度が高かった為か、公開を中止してから販売会社から市販化のオファーがあり、
作者さんとの話し合いの結果、現在は低価格の市販品として発売されています。非常にレアなケースですね。

ただ、低価格と言えども、非オンラインソフト化されたことで以前と比べて多くのユーザーの目に触れにくくなった事、
そして気軽に試して貰えなくなったと言うことは非常に残念だと私は思います。



混乱はさらに続く・・

さて、ここまではグラフィック関係のソフトの話でしたが、MicroSoft 社のとある発表で混乱はさらに拡大します。
GIF の特許は圧縮方法に関するもので、展開・復号(表示)に関した部分は含まれていません。
「表示(展開・復号)するだけのソフトウエアは GIF の特許権表示だけでロイヤリティ支払いは不要」
と言う解釈がありますが、これは正しくはないでしょう。展開・復号に関してもユニシスは特許出願中です。
( 特許・実用新案文献番号 特開平07-249996 )

さて、メールソフトなどでは添付ファイルの表示に I.E. コンポーネントと言う MicroSoft が作った
画像を展開して表示する為の部分を呼び出して表示させているものがあります。
これはソフトが独自にグラフィック表示部分を用意しなくて済んだり、ソフトウエアのサイズを小さく出来たりと
言うメリットがあり、よく使われていた方法だと思います。
この利用に関して MicroSoft は「 I.E. コンポーネントの GIF のライセンス契約はあくまでも
MicroSoft のソフトが表示する為だけである」という旨の声明を出しました。
I.E. コンポーネントの特許使用料はあくまでも MicroSoft のソフトのためであって、
外部のソフトが I.E.コンポーネントを呼び出して表示させる場合は個別に特許使用料の支払いが
必要であると言うことです。
これにより特許使用料を支払わないと特許侵害になる恐れが出てきたために公開中止にするソフトが相次いでいます。
このように混乱はグラフィックソフトだけでなく、その他のツールにも波及してきています(^^;

GIF の LZW 圧縮に関する特許の有効期限は出願から 20 年の 2003 年までと言うことですが、
有効期限が切れるまであと数年しかないと言うのにユニシスがこれだけ強い態度に出てきたのは、
LZW 圧縮についての特許が 2003 年以降も何らかの形でユニシスの金銭的利益になるのではないか?と
私は感じています。法律などにも疎いのでなんとなくですが(笑)
実際、米国ユニシス社には GIF の特許料徴収に抗議する団体などが行っていますし
あと数年間での GIF の特許使用料と企業イメージのどちらがユニシスの利益なのだろうか?を考えると
特許の有効期限が僅かあと 3 年程度を残す今ですから・・・・。10 年位あれば分かりますけどね。
過去の声明といい、最近の声明といい、どうもユニシスは一貫性のない、アバウトなアクションばかりですねぇ。
また、画像フォーマットと言う公共性や特許使用に関する窓口も、日本法人があっても米国ユニシスのみと言う
不親切さはソフト開発者ではなくともとても気になります。



GIF の明日はどっちだ ?!

今回の件で多くのソフト開発者やユーザーが GIF 形式から離れ、PNG 形式 に移行するのは間違いないでしょう。
PNG 形式は特許による制約もなく、ファイルサイズも GIF より小さくなることが多いと言うメリットだけでなく、
( PNG が表示できるのは最近のブラウザですから ) PNG 形式が普及するとフレーム未対応のブラウザが駆逐され、
過去の HTML の制約に縛られるケースが少なくなる・・・など、メリットは多いのですが、
今のところアニメーション機能が作れる環境が殆どない、有っても表示ができない
などの弱点があります。古いブラウザのユーザーは PNG 形式を表示するためにバージョンアップの
必要に迫られるのは言うまでもありません。

それに GIF を扱えるグラフィックソフトも市販品やシェアウエアなどで存続し続けるでしょう。
GIF が完全に廃れるかどうかは PNG の機能がいかに早く拡張されるかに掛かっていると言えます。
これで近い将来に PNG がアニメーション機能を正式サポートするようになれば一気にPNG が普及し、
古いブラウザを使っている人も激減するでしょう。
GIF の特許が切れる 2003 年より前に PNG がアニメーション機能を実装して GIF を駆逐すると同時に
過去の HTML の制約からも解放され、インターネットの新時代に突入するか、
それとも GIF が 2003 年に息を吹き返すか・・・?さあ、どちらでしょう?(笑)

・・・・・私はユニシス云々を差し引いても PNG が普及して欲しいです(笑)



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