つまずきやすいポイント

ここでは初心者が特につまずきやすいグラフィック関連用語や機能、手法などに付いて解説します。



レイヤー

目の前にプリントされた1枚の写真があるとしましょう。これにペンで何か文字を入れたりしてみたいと思ってます。
写真に直接サインペンなどで文字を書いてしまっても良いのでしょうが、それでは文字を書いた後に文字の大きさや配置などを変更したいと思っても消すのは大変です。消そうとして写真を傷つけてしまうとも限りません。消すよりまたネガフィルムを持って写真屋さんに走ってプリントし直して貰った方が早いかもしれません(^^;
どっちにしても手間と時間が掛かってしまうのは必至。それだけの手間を掛けてやり直して、それがまた気に入らなかったら・・・ああ、そんな恐ろしい事は考えたくない〜(笑)

しかし、写真の上に透明な下敷きを置き、文字をその下敷きに書いたらどうでしょう?そうすれば文字だけの配置を変えたいのなら下敷きだけを動かせば良いですし、気に入らなかったらやり直しも簡単に出来るでしょう?
Photoshop でその透明な下敷きの役割をする物をレイヤーと言います。
透明な下敷きですから、何も描かれていない部分は下が見えますし、描かれている部分も消しゴムツールで消せば下が見えるようになります。

この様な背景画像に
レイヤーを追加して・・

文字を別のレイヤーに描画して
本来背景は透明ですが、
ここでは便宜上白にしています
重ねて表示させるとこうなります


 Photoshop 4.0 以降では文字ツールを使うと新規レイヤーが自動的に作られ、文字はその新規レイヤーに描画されます。



 文字のレイヤーの一部を消しゴムツールで消してみるとこうなります。
 別のレイヤーに描画されている雲の画像には何の影響もなく、
 文字だけが消えているのが判ると思います。
 レイアウトの変更なども非常に簡単に出来ます。

 レイヤーを使うと使用メモリやファイルサイズ自体は大きくなってしまうのですが、
 作業を細かい単位ごとに分けることが出来るので非常に便利な機能です。
 特に私のような初心者にはなくてはならない機能と言えます(^^;


例えば、イラストを描く場合は黒の輪郭線のレイヤーとベース色を塗るレイヤー、ハイライトのレイヤー・・・などとパート毎に細かく分けることで制作途中で何か失敗しまってもそのレイヤーだけを手直しすることが出来るので作業の効率が非常に良くなります。
やり直しの簡単に出来るデジタル処理ですが、レイヤーを使うことでさらに余計な手間を更に減らすことが出来ます。
ただし、レイヤーが増えるとファイルサイズも増大します。大きい画像を扱う場合はメモリの残量には注意しましょう。

チャンネルとは?

モニタで絵を表示する場合は R ( 赤 )、G ( 緑 )、B ( 青 ) の3色を混ぜて表現しています。
画像の R,G,B のそれぞれの要素別に 256 階調で情報を格納している部分がチャンネルです。
# CMYK モードの場合は CMYK ( シアン,マゼンダ,イエロー,黒 ) の要素別に保存されています。

チャンネルとアルファチャンネル チャンネルにはもう一つの使い方があります。 それは選択範囲の保存。
 選択範囲を256階調のグレースケール(モノクロ)画像として保存
 しておくことができます。
 例えば、加工している最中に「範囲指定部分を保存しておきたい」とか、
 作った範囲選択を複数のレイヤーに適用したいとか、
 選択範囲をそのままにしたまま作業を一時中断して
 ファイルをいったん保存したい時などに非常に便利です。

 また、この選択範囲はグレースケール画像として保存されていますので、
 選択範囲に様々なフィルタ効果を掛けたり、レイヤーの透明度を
 グラデーション状に落としたい時などは非常に便利です。

 ユーザーが作るチャンネルは、元からある画像のチャンネルと
 区別する為にアルファチャンネルと呼ぶ場合もあります。

 紙に描いた線画をスキャナで取り込んでイラストの主線にしたいときなどは
 チャンネルを使うと簡単に主線だけのレイヤーを作り出すことなどが簡単にできます。

DPI 値

DPI とはドット・パー・インチ( Dot Per Inch )の略で、「1インチ ( 約 2.54 cm ) 当たりのドットの密度」を表す単位のことです。
ホームページ ( 以下 HP ) 用などのグラフィックをモニタ上でのみ扱う場合は特に関係のない単位ですが、プリンターでの出力や、スキャナでの入力の際には必ず関わってくる単位です。

プリンターで印刷する時は1インチに何ドット ( ピクセル ) を納めるかの単位になり、スキャナで何かを取り込む際には1インチの大きさを何ドット ( ピクセル ) で画像データとして表現するかの単位になります。

3000 * 3000 ドット(ピクセル)の画像データが Photoshop 上にあるとします。これを印刷する場合、100dpi で印刷するのと 300dpi で印刷するのとではどう変わってくるのでしょう?

100 dpi の場合、3000 ドットの画像を1インチ当たり 100 ドットで表現する訳ですから割算をすれば 3000 ( ドット ) / 100 ( dpi ) = 30 ( inch ) として求めることが出来ます。
100dpi の場合 30インチ(約 76.2cm )の大きさとして印刷される事が分かります。同様に 300dpi の場合は 10 インチ(約 25.4cm )の大きさになります。
画像自体は同じでも dpi 値を大きく取ると 1 インチに沢山のピクセルを印刷する為に全体のサイズは小さくなりますが、ドットの密度が高いので画質は精細に、逆に dpi 値を小さく取ると全体のサイズは大きいですが、ドットの密度は低くなるので画質は荒くなる事がおわかりいただけると思います。

dpi 値を理解できれば画像をどのくらいの大きさで印刷したいか?、どの程度の精細さが必要か?からその時に必要な dpi 値をどの程度にすれば良いのかが判るでしょう。Photoshop の場合、画像の解像度は [ イメージ ] - [ 画像解像度 ] で何時でも変更することができます。
この時注意が必要なのは、印刷用データは [ 画像の再サンプル ] は特殊な事情が無い限りはしない事です。
再サンプルは画像のピクセル寸法を変えたい場合に使われます。モニタ上で表示する為の画像の場合は大きさを変えたいのならばピクセル寸法を変えるしか方法はありません。しかし、印刷する画像は解像度を変えればプリントサイズを変える事ができます。画像の再サンプルをして大きいプリントサイズ、高い解像度で印刷したいと思っても、例えば 500 ( ピクセル ) 四方の画像が持つ情報はそれ以上でもそれ以下でもありません。 再サンプルをして 1000 ドット ( ピクセル ) まで大きくしても、画像は元の 500 ドット ( ピクセル ) 四方のデータから補完されて大きくなっているだけです。画像自体が持つ密度までが上がるわけではありません。ですから大きく高画質で印刷したいからと言って画像のピクセルサイズを大きくしても、大きく高画質にプリントできるわけではありません。大きく高画質で印刷したい場合は大きなピクセル寸法の画像を用意するしかないのです。

さて、どの程度の DPI 値を指定すれば綺麗に印刷できるかは個々の環境やデータにも依存しますので断言出来ませんが、最近の「写真画質」を謳うプリンターをお使いの場合では ( 数少ない経験 (笑) から言えば ) イラストの場合で 150 〜 200dpi、同じく精細さが必要なイラストや写真を印刷したい場合で 200〜400dpi 辺りが適当なのではないでしょうか?プリンタの物理解像度は 1440dpi 程度まで上がっていますが、特殊な場合を除いて、400 dpi 以上に解像度を上げてもあまり得る物は無いような気がします。
確かに大きい画像を用意して高い DPI 値を指定すれば高画質で印刷出来ますが、無闇に大きい DPI 値を指定してもプリンターの能力が追いつかなかったり、人間の目では判別が付かないレベルになってしまい、印刷時間が余計に掛かるだけと言う場合が多いです。

逆に A2 などの大判印刷が目的の場合は DPI 値を大きく取ろうとすれば、必要な画像のピクセル寸法が巨大になってしまい、Photoshop などのアプリケーション上で扱いづらいので 100 〜 150 dpi 程度を前提に作るのが適当でしょう。
スキャナで画像を取り込む場合も取り込み時間はともかく、ファイルサイズが巨大になってしまい、やはり扱いづらくなりやすいので、原稿のサイズや求める緻密さなどを見極める必要があるでしょう。そう、印刷する為の画像は、描いたりスキャナで取り込む前から画像のサイズや出力時の解像度を念頭に置く必要があるのです。

ちなみに雑誌などの一般的な印刷物は 360dpi 程度で作られている事が多いようです。
商業印刷物とインクジェットプリンターとでは印刷方法が違うのですが、参考までに。

HP 用の画像の場合はいくつに指定すれば良いの?と言う質問が有りますが、
この項の最初でも述べた通り、HP 用などモニタで表示することが前提の場合は DPI 値は何も影響されませんのでデフォルト値の 72dpi で問題ありません。印刷を前提としたデータを HP 用にも使う場合は印刷用をマスターとして、画像の再サンプルで縮小した物を HP 用として別に用意すれば良いでしょう。

高画質で印刷する技?プリンター用紙

さて、DPI 値を上げれば緻密さが上がるので高画質で印刷できる訳ですが、DPI 値をむやみに上げてもあまり効果がないのは前述の通りですが、少しでも高画質で印刷したい場合は無闇に DPI 値を上げるよりも印刷用紙の質を上げた方が綺麗な印刷結果が得られると思います。
一般用途の印刷用紙は大別すると普通紙、ハイグレード( メーカーに依ってハイクオリティとも言う ) 用紙、光沢紙 ( 写真光沢紙、フォトペーパーなどとも ) とランクが分けられています。A4 サイズの場合、HQ 紙は 100 枚で千円前後、光沢紙は 20枚 ( ! ) で千円前後で売られていることが多いようです。
それぞれの違いは紙に使われているコーティングの差で、高価な紙ほど滲みにくく作られていて、プリンタードライバの設定と合わせることで、プリンターの力をより引き出してくれる様に作られています。
比較的高価な光沢紙ですが、その印刷結果は目を見はる物があります。普段は普通紙やハイグレード紙をお使いの方も、ここ一番綺麗に印刷したいと言うときは光沢紙を使ってみてはいかがでしょう?特に光沢紙は同じメーカーのラインナップの中で薄手の物と厚手の物が用意されている場合が結構あります。薄手の物はハイグレードとさほど厚みは変わりませんが、厚手の物は印画紙位の厚みがあります。厚手の光沢紙にデジカメで撮った画像を印刷するとまさに写真と遜色のない物が出来上がったりします。
特にプリンターメーカーが出しているメーカー純正用紙はそのメーカーのプリンターで印刷することを前提にコーティング層がチューニングされていますので、印刷用紙はメーカー純正品や推奨品を使うことが基本です。

中には様々なメーカーからプロ向けに発売されている用紙もありますが、入手が困難だったり「これがプリンター用紙の値段なのか?」と言うくらい高価だったりします(^^;
まあ、プロの世界をかいま見るのも面白いですが、個人ではプロ向けの用紙を使う必要は全くないでしょうね。

それよりも一風変わった用紙が非常に楽しいです。普通の用紙は白ですが、いくつかの用紙メーカーからは様々な用紙が発売されています。

・キャンバスペーパー

まるで油絵のキャンバスの様な用紙です。表面にある凸凹やにじみの為に、普通に写真を印刷するだけでまるで油絵の様な雰囲気が出ます。タペストリーなどを作るのに向いているでしょう。

・メタリックペーパー

まるで鏡のように光る銀色の用紙。インクジェットプリンターで画像の背景を白にした部分はインクが載りませんから銀色の質感が楽しめます。不透明度を若干落とした黄色にするとまるで金や真鍮の様な輝きが得られます。色にも因りますが、黒以外の色ですと大抵はメタリック感が楽しめる用紙です。裏面がシール状になっている物もあり、一部のメーカー製パソコンのケースに貼られているエンブレムを自作するのに最適でしょう。エンブレム表面の樹脂コートとメタリックペーパーがセットになったエンブレムキットや樹脂コート単体も、パーツショップやパソコンショップのサプライ品のコーナーでよく見かけるようになりました。エンブレムは小さいので 300dpi 程度の解像度で作ってもピクセル寸法はさほど大きくないので誰にでも気軽に作れるのが良いですね。

その他にも和紙風の用紙など色々な用紙が売られています。プリンターは年賀状作りにしか使っていない方、こういう変わった用紙で楽しんでみては如何でしょう?




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