色調補正

デジタルカメラ・・・売れてますね。デジタルカメラのメリットは色々ありますが、最大のメリットと言えばパソコンとレタッチソフトがあれば修正が自分の手で出来る事でしょう。本来は撮影時に補正が不要になるような撮影をする方が良いのですが、我々素人では知識の面でも機材の面でもなかなかそう言うわけにもいきません。

ここでは明るさの補正のしかたについて紹介していきます。明るさはモノクロ、カラーを問わずビシっと決まっていないと綺麗な画像には見えないですからまさに画像管理の基本中の基本でしょう。





綺麗な画像&綺麗な画像データ、ヒストグラム
レベル補正をすると、画像データは大抵荒れてしまいます。「え?綺麗にする為に補正してるんですけど??」
そう、補正は綺麗に見せる為に行うのですが、「綺麗な画像データ」と「綺麗な画像」と言うのとは多少違います。
綺麗な画像ってのは見る人に依って多少の違いがあると思います。では綺麗なデータとは・・・?
  • 「シャドウからハイライトまで階調がある」
  • 「階調が連続している」
  • 「色が正しく再現されている」
と言うことだと思います。ただ、画像の内容に依っては画像にシャドウ部分が絵柄として存在しないとか、同様にハイライトが無い場合もありますし、意図的に特定の色を強くした画像などではこれらの全ての条件に当てはまりませんが、一般的にはこういう条件を満たしているものが基本的には「綺麗な画像データ」と言えるでしょう。
しかし、色の再現性はともかく、階調が連続してるかなどは、画像の見た目からではなかなか判断できません。その為に階調の様子など、その画像に関した情報を見ることが出来る機能があります。

それが「ヒストグラム」です。この後で紹介する [ レベル補正 ] で出てくるグラフもこれと同じ物です。

グラフの横軸は明るさ、縦軸はその画像の中にあるピクセルの多さを表現しています。写真の場合、ピクセルがシャドウからハイライトまで存在し、かつ変化の仕方が滑らなものが綺麗なデータと言えます。

逆に言えば、これでスキャナの性能を有る程度見ることが出来ます。数年前のスキャナではまるでウニの様にギザギザなグラフや、櫛の歯の様に一部のピクセルが欠けた画像しか出力できなかったものもあったのです。
最近はスキャナの性能もかなり高くなってきてるのであまり見かけなくなりましたが、数年前までは雑誌の比較テスト記事には必ずと言っていいほどヒストグラムが掲載されていたものです。
ヒストグラム


まずは明度の補正から
明度とは明るさの事なのですが、補正方法の [ 明るさ ] と区別するためにちょっと格好を付けて明度なんて言い方をしてますが、まずは明るさに関係してくる補正方法について触れていきます。

右のグラフを見てください。これは入力と出力の関係を表すグラフです。入力とは補正前、出力は補正された状態の事です。
グラフは真っ直ぐ右上がりになっていて、例えば入力が明るさが最小の0 ( 真っ黒 ) の所では出力も明るさ0になっていますし、明るさが最大の 255 ( 真っ白 ) の所では出力も明るさ 255 に、そして中間域でも常に入力と出力は同じ明るさになっています。つまり入力がどんな明るさであっても出力は同じ明るさ。これが無調整の状態です。

[ 明るさ ] [ コントラスト ] などを変更すると言うことはグラフがどの様に変化するのかを理解するとそれぞれのしくみと正しい使い方が判るようになると思います。
入出力グラフ -無調整-


 明るさ
明るさを上げるとグラフは左のような赤い線になります。
グラフの傾き方、つまり明るさの変化の仕方は変わりませんが、無調整のグラフと違うのは開始点が違う事です

明るさ0を入力したときに対応する出力を見てください。全体の 1/4 程明るい色になっているのがグラフから読めると思います。グラフの傾きはそのままですので、[ 明るさ ] を上げると画像全体の明るさがそのままそっくり足し算のように明るい方向にシフトされるのが判るでしょう。

そのままそっくり明るくシフトしていますので、出力されたものには明るさが 1/4 以下の部分はまったく存在せず、オリジナルの明るさ 3/4 以上の部分は全て「明るさの最大値」の 255 になってしまって、いわゆる「白飛び」を起こしています。
実際の画像を見比べると右下の草などにあったシャドウにしまりがなく、犬の背中や足などに元々あった明るい部分は真っ白に飛んでしまっています。スポイトツールで色を調べても階調 ( 明るさの違い ) が無くなっているのがわかります。

入出力グラフ -明るさ-
オリジナル 明るさを上げたもの
オリジナル画像 明るさを上げたもの
Orignal Photo by (c)Tomoyuki.U


 コントラスト
次はコントラストです。コントラストを上げるとグラフは右のようになります。

今度はグラフの傾き方が変わりました。無調整のグラフと比べてみると真ん中は同じ点ですが、明るい部分はさらに明るく、暗い部分はより暗く出力されることが判ると思います。

明るさを上げたときは明るさが全部足し算になっていましたが、コントラストを上げると Y=X だったグラフが明るさの中間点を中心にした Y=2X の様に変化量が変わるのです。

コントラストを上げると明暗がはっきりした画像に変化しますが、上げすぎると暗い部分は潰れやすく、明るい部分は飛びやすくなり、ざらついた画像になってしまいますので要注意。

入出力グラフ -コントラスト-
オリジナル コントラストを上げたもの
オリジナル画像 コントラストを上げたもの


レベル補正はちょっと高機能です
[ 明るさ ] [ コントラスト ] は大抵のグラフィックソフトに装備されている補正機能ですが、これはごく簡単な補正方法であり、出来ることの限界もかなり低いと言うのもおわかり頂けたと思います。
[ レベル補正 ] ではもう少し高機能な補正を行うことができます。デジカメで撮影した写真の明るさに関する補正ならこの [ レベル補正 ] で十分な補正を簡単に行うことが出来ると思います。

また、レベル補正ではヒストグラムを見て補正することが出来るのでどの程度補正すれば良いのかの目安が付けやすいと思います。

 ガンマ値
3つあるスライダのうちの真ん中で変更できるのがガンマ値です。

ガンマ値は中間域を中心に明るさを変化させます。[ 明るさ ] の補正では、明るくすると完全な黒の部分は無くなり、暗くすると白い部分は同様に無くなってってしまいましたが、ガンマ値は上げたり下げたりすると画像全体は明るくなったり暗くなったりと変化しますが、中間域を中心とした変化なので完全な黒や完全な白には変化がありません。

シャドウやハイライトはしっかりとしているのに画像全体を見ると暗い・・・とか言うときはここを変更すると綺麗に補正することができます。
どの補正もやりすぎは禁物ですが、ガンマ値を変化させすぎると ( 上げすぎでは白っぽくなり、下げすぎると黒っぽくなり ) 中間域のコントラストがやや低い画像になりがちです。

入出力グラフ -ガンマ値-
 シャドウとハイライトレベル
レベル補正ダイアログ スライダの左側の▲がシャドウレベル、右側の△がハイライトレベルのスライダで、これらはそれぞれシャドウ、ハイライトの基準に当たるものです。

▲をぐぐっと右に寄せてみましょう。[ 入力レベル ] の左側の数値が変化したと思います。この数値 20 になるところまでスライダを移動してみてください。画像は 0 〜 255 までの 256 段階の明るさがありますが、この▲を 20 まで移動するとその画像の 20 〜 255 の明るさの部分を 0 〜 255 の明るさとして置き換えられ ( 20 以下の部分があれば全部 0 になり ) ます。
この時、画像の見た目はどうなるかと言うと、元々 明るさ 20 のところが 0 として置き換わる訳ですから全体が引きずられて若干暗くなります。

ハイライトの基準は△を動かすことで変更できます。
これらを使うと狭い階調しかない画像 ( 本来あって欲しいシャドウやハイライトがなく、中間域ばかりに偏った画像のこと。見た目がシャキッとしない為か、俗に「眠い画像」なんて言われ方をします ) をシャドウからハイライトまでピクセルが分布した階調の広い画像にすることが出来ます。

わざと階調が狭くなるような補正をした画像を用意しましたので、それを使って実際に綺麗に見えるように補正をしてみましょう。本当は最初から階調の狭い画像を用意したかったのですが、適当なものが手元にはなかったので補正を逆手に使って無理矢理作り出してます。リサイズした事もあって最初からヒストグラムがちょっと荒れてますが余り気にしないでください(^^;
階調の狭い画像
階調の狭い画像 ↑ と、そのヒストグラム ↓
階調の狭い画像のヒストグラム
と、言うわけで左の画像がここでの素材です。

左の画像ですが、何となく「曇りの日にポケットカメラで撮りました」って雰囲気じゃありません?決して汚い画像とは思えませんが、綺麗とも言えない感じです。

では、ヒストグラムを見てみましょう。グラフの両脇に全くピクセルが存在していないのがよく判ります。
[ レベル補正 ] でこの画像をシャドウからハイライトまで広い階調の画像にしてみましょう。

レベル補正中


上の様に▲を画像の中で一番暗いピクセルのあるの位置に、△を同じように一番明るいピクセルのあるの位置にそれぞれ移動して階調を広げます。

この時、必ずしもグラフの両端にスライダを移動する必要はありません。一般的にはこうした方が良いですが、画像の内容にも依りますので、「絶対にこうしなさい」って訳ではありません。画像を見ながらケースバイケースで対応してください。

また、シャドウとハイライト、それぞれを補正すると中間域の明るさにも変化が出る場合があると思います。これは先ほど紹介した真ん中のスライダでガンマ値を変化させることで整えてください。

補正した物が右の画像です。
どうですか?全体的に締まった感じになり、若干白っぽさがあって不自然だった草や犬の毛などもかなり良い感じになったと思います。

補正後のヒストグラムを見ても広い階調にわたってピクセルが存在しているのが判ると思います。ただ、櫛の歯状にピクセルが欠落している部分がありますが、これは狭い階調を広くなるように引っ張ったからで、これは仕方がありません。

ヒストグラムは荒れてしまいましたが、画像の見た目には補正後の方が明らかに綺麗に見えると思います。プロならば見た目は当然、データ的にも高いレベルを要求されるのでしょうが、我々素人はこれだけ見た目が綺麗になれば十分ではないでしょうか?

Photoshop はプロ向けツールですので、この様な補正をしてもデータを荒れにくくする方法もありますが、それはもう少し後に紹介します。
補正した画像
補正した画像 ↑ と、そのヒストグラム ↓
補正した画像のヒストグラム


トーンカーブ
さて、明るさ・コントラストやガンマ値で適用される補正曲線は全体を同じように変化させる直線的な補正だったり、 Photoshop にプリセットされたものだけでした。ですから、中間域より明るい部分だけコントラストを高めたいとか、特定の明度域のみだけを補正したいなど、非常に細かい補正をしたいときは不向きでした。

トーンカーブはその様なプリセットされたものでは対応しきれない場合に威力を発揮します。
画像にマウスを載せれば、その画像から特定のピクセルの明るさを知ることが出来、それを元に補正することも出来ますし、パスの様な曲線だけでなく、鉛筆ツールで好きな曲線を作ることが出来るようになっています。かなり上級者向けの補正方法でしょう。
また、トーンカーブは RGB それぞれのチャンネルごとに別のトーンカーブを適用できますので、カラーバランスを変更したい時にも使うことが出来ます。

実際の補正やロゴ作りの時によく見かけるトーンカーブを幾つか紹介しておきましょう。

トーンカーブ1 S字型のトーンカーブ。これはコントラストを上げたいときによく使われます。[ 明るさ・コントラスト ] での補正と違い、シャドウの潰れやハイライトの飛びを起こさない様に補正したいときにはこの様な曲線を使います。 トーンカーブ2 これは中間域からシャドウに掛けての明るさを上げる補正です。中間域〜ハイライトには補正が掛かりません。でも、シャドウ域はデジカメやスキャナで作った画像の場合、ノイズが乗りがちですので、余り上げない方が良いでしょう。
トーンカーブ3 シャドウから中間域までは問題ないのに、中間域からハイライトまでの階調が狭い時にはこうします。画像の一番明るい点を探しだしてその点をハイライトに引き上げる様な補正です。 トーンカーブ4 ロゴなどでメタリック感を出したい時にはグラデーションにこの補正を掛けるのは定番のテクニックかもしれません。もっとぎらついた感じにしたいときはもう一つ山を増やしてW字状のトーンカーブにすると良いでしょう。


16bit カラーモード・・・ヒストグラムの荒れを抑える上級技
レベル補正の項で「補正を掛けるとヒストグラムが荒れる」と紹介しました。色調補正の他にもリサイズ ( 画像サイズの変更 ) や画像の回転などでもデータは劣化します。我々素人ではヒストグラムの荒れまで気を遣う必要はあまりありません。とは言え、夕焼け空など、綺麗なグラデーションのある画像の場合、画像を補正してヒストグラムが荒れるとグラデーション部分に縞状のムラなどが出現してしまうことがあります。この様なデータ的にも高画質を維持したい場合、補正時に 16 bit カラーモードを使うとヒストグラムの荒れを抑えることができます。

フルカラー画像は 24bit カラーとも言われます。それは RGB それぞれ 8bit ( 28で 256 ) の階調を持っていて、8 ( bit ) * 3 で 24bit と言うわけです。16bit カラーモードは一時的に RGB それぞれ 16bit ( 216=65536 ) の階調として扱うモードの事です。16 bit カラーモードでも補正すればヒストグラムは荒れてしまいますが、画像は最終的には 8bit カラーモードに戻す必要があります。戻すときに階調数が 1/256 になり、多少ヒストグラムが荒れていても平均化されてしまい、8bit カラーモードに戻ったときには櫛抜けなどの無い綺麗なヒストグラムになるのです。スキャナなどのスペックで「入力 12bit 出力 8bit 」などと書かれているのをよく見かけますが、これはこの 16 bit カラーモードと同じ仕組みで、原稿を 12bit ( 4096 階調 ) で取り込み、 8bit ( 256 階調 ) で Photoshop などに出力する仕組みです。スキャナ自体が補正しても 12bit で取り込んだ状態で補正して 8bit で出力しますから綺麗なヒストグラムの画像を出力することができるのです。

ただしこの 16 bit カラーモードは画像が統合されていないと使えませんし、 16 bit カラーモードでは色調補正の一部など、ごく限られた機能しか使用できません。



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