不要部分の消去

スキャナで取り込んだ画像には気を付けていもホコリなどのゴミが紛れ込んでしまいます。
ここではその様なゴミを消す方法を紹介します。・・・でもそれではちょっと地味ですので、ゴミ消しをちょっと応用して、本来写真の中にある物から一部分を消してしまう事にします。
写真には「これがなければもっと良い写真なのに」と思う部分が出てくることがままあると思います。それは電柱だったり、ニキビの跡だったり、見事に開いたズボンのジッパー(笑)かもしれません。

なければ良いものは消してしまいましょう。こう言うことが簡単に出来るのが CG 、Photoshop の良いところです。



消すターゲットはこれ
今回はカメラではお馴染みの「デイト機能」の日付を消してみましょう。

左の写真は日付が入った右下隅の部分だけを切り出したものです。
日付が入るのはスナップ写真としては「ああ、これは何月何日にどこどこへ行った時の写真だっけ」と判るので便利な機能だとは思いますが、別に撮影日時を写真そのものに入れなくてもアルバムのどこかや写真の裏にちょっと書いておけば済む話ですし、写真を「作品」とするようなものに日付が入ってるって言うのはかなり「カッコわるーっ! ヽ( イдト)ノ」い話です(笑)
と、言うわけで今回のキミの使命だが、このデイト機能の日付を抹殺することにある。例によって君のマシン、もしくは Photoshop がハングアップしても当局は一切関知しない。成功を祈るっ!( ・・・別にハングアップする危険性はないだろ^^; )


スタンプツール
この作業にはスタンプツールを使います。これはブラシサイズ部分を選択範囲としてコピーし、ブラシの位置にペーストする機能です。ブラシツールでは描画色しか塗れませんが、スタンプツールは画像の一部そのものを塗る事が出来ます。

ここではスタンプツールのうち、[ コピー ( 調整あり ) ] と [ コピー ( 調整なし ) ] を使ってみましょう。
使い方と違いも一応・・・・
まずコピーしたい領域を [ ALT ] キーを押しながら指定します。
そしてペーストしたい部分をクリックして決定します。
ここまでは両者に違いはありません。このまま新たな点をコピーせず、別の位置にカーソルを動かしてクリックするとコピーありとなしでは違いが出てきます。

白と黄色のツートンの背景に赤い文字で「どりふてぃんぐうぇっぶ」と入力した画像を用意してみました。これにスタンプツールを使ってみます。
ブラシサイズは文字がちょうど収まる22Pixels、ブラシオプションでぼかしの開始位置は 100% に設定してあります。

コピー元になる始点は「ふ」の辺り。[ ALT ] キーを押して指定します。そしてその下、黄色い背景の1の部分をクリックしてみます。さらにマウスを動かして2の点をクリックしてみましょう。
調整なし 調整あり

調整なしは最初に [ ALT ] キーで指定した部分がそのままコピー&ペーストされます。
コピー元が固定されているために、欠けているエッジ状部分などを作り出すなどに向いています。

調整ありはコピーした点と最初にクリックした部分の「位置の差」が固定されます。
マウスを動かすとコピー元も移動するため、肌などのグラデーション状に変化している部分や比較的広い範囲を作り出す事に向いていると思います。


綺麗に仕上げるコツ
1.ブラシは小さめのものを使い、一気に仕上げようとしない。
急ぐと失敗しやすいです。はい、私の経験から言ってます(苦笑)
ブラシは小さめの物を使いましょう。例えば 20 Pixel のブラシを使えば1回で修正出来る場合、7 Pixel 程度のブラシで数回に分けて消す方が綺麗に仕上げられると思います。
大きめのブラシを使うと、消さなくて良い部分まで消してしまい、そこに違和感が出てしまい、修正した所をまた修正・・・と言う悪循環に陥ります。修正する部分は少ない方が違和感も少なくて済むものです。

2.使うブラシは [ ぼかしの開始位置 ] を 95〜98 と高めにする。
ブラシのぼかしが大きいと、ブラシのぼかし部分のコントラストが低くなってしまってこれが違和感の元になったりしますし、ぼかしが全くないとピクセルの流れのズレが目立ってしまいコピー元となじみにくくなる事が多いです。

3.修正の作業は画像を拡大して行い、全体とのバランスを見るためにこまめに等倍で表示させる。
基本は拡大しての作業ですが、拡大したままで作業を続けると等倍表示に戻した時に違和感が出る場合が多いようです。
こまめに等倍表示に戻して全体とのバランスを確認しながら作業を進めましょう。
慣れてくれば必要なくなりそうですけど、私はこの手の失敗がかなり多くて、何度もやり直しを・・・(^^;

4.コピー ( 調整あり ) を主に使い、コピー元の点をこまめに拾いながら修正する
消したい部分は他の部分から拾って消して行くわけですが、写真の修整の場合はコピー ( 調整あり ) を主に使い、コピー元を頻繁に更新していきましょう。
特に修正エリアが広い場合は要注意です。同じポイントから拾った部分が増えてくると、まるでパターンの様になってしまい、等倍表示してもムラの様に見えてしまうことが多いのです。
「似たような色だからコピー元は同じで良いや」では違和感の出てしまう元です。コピー(調整なし)では、カーソルの移動に合わせてコピー元も移動するので頻繁にコピー元を更新する必要が出てきて手間は掛かってしまいますが、この方が違和感無く仕上げやすいでしょう。


早速実践してみましょう
では始めましょう。修正する部分を拡大してみましたので見て下さい。
ここの部分はジャケットの袖なのですが、もっと拡大すると色と言うかピクセルの流れが矢印方向であるのが判ると思います。
修正はこの流れに合わせれば不自然さが無くなります。殆どの場合はピクセルの流れはもっと微妙な場合が多いのですが、1ドットがはっきり判る程度まで拡大表示することで掴み易くなるでしょう。
この流れを無視すると違和感が出やすく、修正したことがすぐに判ってしまいます。

それでは作業に入ります。修正後の画像はどうなるべきかを考えれば後は簡単です。
作業は地味で大変ですけど・・・(^^;

ではスタンプツールを使って消したい周辺部 ( 上下左右 ) などから明るさや色あいが似ている部分を探し、そこから拾って埋めていきます。
地味な作業ですが、300〜800% 程度の拡大表示をさせ、[ ぼかしの開始位置 ] を高めに設定した小さめのブラシを使い、コツコツと追い込む様に消していきます。ブラシのぼけて居る部分はコントラストが落ちますので、広い面積を修正するときにもあまり大きなブラシは使わない方がよいでしょう。

広い範囲を消す場合はこまめに等倍表示に戻して全体のバランスを見ながら進めるのが重要です。似た部分を拾って埋めていっても境界線状の部分がどうしても出来てしまう場合も有るかと思います。
そうした場合は、やり直す方がベターですが、どうしても上手くいかない場合はぼかしツールで両側から軽くぼかして行くと比較的違和感が薄らぎます。ただし、ぼかしツールを使うとそこだけコントラストが落ちて平板な印象になりがちで、それが違和感の出る元になります。ぼかしは最終手段にし、使うときもその適用量は出来るだけ少なくしましょう。



完成
修正前 修正後

左が修正前、右が修正後です。ぱっと見た目では修正したことが判らないと思います。

基本的にはスキャン時に紛れ込んだホコリや原稿の傷などを消す基本的なテクニックです。根気さえ有ればケンカしたときに破いてしまった彼氏の写真を綺麗に蘇らせるのは「ごめんなさい」って謝ってしまうよりも簡単かもしれません(笑)
さらにこれをちょっと応用すれば、写真の中に本来は存在しない物を出現させたり、だまし絵の実写版などアイディア次第で色々な効果が出せると思います。



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