効果をグラデーション状に

まずは右のロゴタイプを見てください。黒い背景に白い文字ですが、文字の下の方に行くに従って透明になっている様に見えます。  グラデーション状のロゴタイプ
実際は透明になっているのではなく、文字に白 - 黒のグラデーションが掛かっているのでそう見えるのです。こうしたグラデーションはよく見かけますね。今回はいくつかの効果をこの様なグラデーション状に出す方法を紹介します。




まずは基本的なところから
上にあるような簡単な2色のロゴタイプの作り方から。

背景は黒の単色、文字に使われる色も白と黒のグラデーションと言う一番基本的な設定です。

 グラデーション

  1. 新規ファイルを作ったら、まずは背景色の黒で塗りつぶします。
  2. 文字を入れます。( Photoshop5.5 以降ではラスタライズをしてください )
  3. 文字のレイヤーの [ 透明度の保護 ] にチェックを入れます。こうすると、文字以外の透明な部分には効果や色を塗っても無視されます。
  4. 文字のレイヤーに黒白のグラデーションを掛けます。左の図のように下から上へ向かって真っ直ぐ適用してください。真っ直ぐ適用しないとグラデーションの方向が曲がってしまいます。簡単に真っ直ぐ適用したいならば、情報パレットを表示して、それを見ながら方向を決めればやりやすいでしょう。ちなみに△Xが始点から現在マウスのある点とのX軸の差 ( 横方向の差 ) △Yが始点から現在マウスのある点とのY軸の差 ( 横方向の差 ) Aが始点終点での角度、Dが始点終点までの距離になります。真っ直ぐ上にグラデーションを掛けたいわけですから、△Xが0になるか、Aが 90.0°になるような位置にマウスカーソルを移動すれば OK です。
一回では思ったようにグラデーションが掛からないと思いますが、納得いくまで 4 の行程をそのまま繰り返して、最適なグラデーションの開始終了位置を探ってください。
 グラデーション状のロゴタイプ 選択範囲を解除したらこれで終了。これは流石に簡単だったと思います(^^;


背景は画像、文字をグラデーション状に透明にしていく
次は背景は単色ではなく画像を使い、白い文字を入れますが文字は白から透明へのグラデーションにしてみます。つまり、白い文字が徐々に背景画像に溶け込んでいくイメージです。基本的には前項のちょっとした応用なので、これもさほど難しくありません。
  1. 背景になる画像を開き、文字を入れます。色は何でもかまいません。バージョンやソフトに依っては画像そのものに文字が入ってしまう場合があります。その時は新規レイヤーを作り、そこへ文字を入れてください。
  2. 文字のレイヤーで [ 選択範囲 ] - [ 選択範囲を読み込む ] を行って、文字自体を選択範囲として読み込みます。
  3. 選択範囲はそのままの状態で文字のレイヤーを非表示にして、新しいレイヤーを作ります。
  4. 描画色を文字に使いたい色に設定して、グラデーションツールのオプションで [ 描画色から透明に ] を選び、前項と同じようにグラデーションを掛けます。ただし、今回は描画色から透明にですので、上から下へ向かって掛けてください。
  5. やり直したいときはキーボードショートカットの [ CTRL ] + [ Z ] でグラデーションを掛ける前に一端戻ってからやり直してください。そのまままたグラデーションを重ねると描画色がさらに加えられてしまいます。
  6. 選択範囲を解除したらこれで完成。
 グラデーション
完成品


文字の上の方は白で塗りつぶされていますが下の方に行くに従って透明になり、画像が見えていると思います。
上の画像が完成品です。小さくてよく判らない方はこちらをクリックすると大きい画像が見られます。

透明な選択範囲にグラデーションを掛けることに慣れてきたら、文字ツールの代わりに文字マスクツールを使うことでさらに行程を短く、スマートに処理することも出来ます。文字マスクツールは文字の形に選択範囲を作る為のツールです。
  1. 画像を開き、すぐに新しいレイヤーを1つ作ります。
  2. 文字マスクツールで文字を入れます。文字マスクツールでは文字の形の選択範囲が出来るだけですので、多少見づらいかもしれません。
  3. 後は先ほどの行程4から同じ処理をすれば完成です。こちらのやり方の方が選択範囲を作るためのレイヤー ( 文字のレイヤー ) が不要なので、手間もメモリも少なくて済むでしょう。


画像を徐々に透明に変化させる
ここまでは色を「塗る」と言う手法で透明に見せる方法でした。ここからはそれを応用して「塗る」とは逆の「消す」手法を使って透明に見せる方法を紹介します。

さて、画像を透明にする簡単な方法はいくつか有りますが、簡単なのは「画像の不透明度を落とす」と「消しゴムツールで消してしまう」でしょう。

不透明度を 60% に

 不透明度を 60% に
消しゴムツールで

 消しゴムツールで消して


左の「不透明度を 60% に」の画像は、レイヤーの不透明度を 60% に落としたもので、Photoshop の背景であるチェック柄が画面全体に渡ってうっすらと見えています。
右の「消しゴムで消した」方はブラシオプションで [ ぼかしの開始位置 ] を 0% に設定した大きめのエアブラシで消した物です。ブラシの中心は完全にチェック模様が見えていて、ブラシのエッジに近い方はうっすらとチェック模様が見えています。

このどちらも作品を作る際には「使える」技なのですが、今回の目的の「画像を徐々に透明に変化させる」と言うのには問題がありますね(^^;
左の画像はそもそも「徐々に不透明度が落ち」ていないこと。右の画像は徐々に不透明度が落ちてはいますが、大きいブラシを使っているので目的の形通りに切り出す事が難しい、小さいブラシを使うと不透明度 100% 〜 0% までの距離も小さくなり、透明度の変化量を調整しにくいことです。小さいブラシで二度三度と重ねて消せば出来ないことはありませんが、重ねて消すとなると消し残りがどうしてもムラになってしまいます。
あ、あまりに基本的なので忘れてましたが、「消す」方法がもう一つありました。全て選択 ( [ CTRL ] + [ A ] ) して、カット ( [ CTRL ] + [ X ] ) ・・・ほら消えた (・ 、・)v
・・・いや、別にからかってる訳ではありません、まじめな話です。[ 全て選択 ] や矩形選択ツール、なげなわツールなどでは 100% 選択されているか、0% つまり選択されてないかの2つしかないのです。先ほど不透明度を 100% から 60% 落としたように、選択範囲も 60% にしてカットすれば同じように出来るはずですし、エアブラシのボケ足の様な選択範囲が出来れば細かく透明度を決められるはずです。そんな事が出来るのでしょうか?・・・・はい、出来るんですよ (^^)

その名は「クイックマスクモード」です。これはマスク範囲をブラシで作る事が出来ると言う、ドラえもんの出してくれる道具並に便利なモードなのです。マスク範囲というのは選択範囲の逆で「選択しない範囲」のことです。 ちょっと注意が必要なのは「選択した」範囲が作られるのではなく、「選択されない」範囲が作られると言うことです。初心者のうちは選択範囲には慣れていてもマスク範囲と言われるとちょっと混乱してしますけどね。私なんて未だに混乱することが・・・(笑)
それでは早速クイックマスクモードに入って遊んでみましょう。

クイックマスクモードに入ってください。レイヤーパレットの色がグレーに変わりましたね?
鉛筆ツールで犬だけを塗ってみましょう。塗る色は黒です。すると・・・・

オリジナル

 オリジナルの画像
クイックマスクモード

 クイックマスクモードで犬だけ塗りつぶし
画像描画モード

 画像描画モードへ戻りました

クイックマスクモードに入って、犬だけを黒で塗りつぶしてみましたが、黒ではなく赤くなってしまいました ( 真ん中の画像 )。しかし、これが正常なのです。それではそのまま画像描画モードに戻ってください。選択範囲を示す破線が作られ、さらに先ほどブラシで塗った犬の部分だけが選択範囲から外れてます( 右の画像 ) 。

クイックマスクモードとは、マスク範囲を色の黒〜白のグレースケール画像で表す ( 作る ) モードです。
その他の特徴としては、矩形選択ツールでは選択されているかされていないかの2値ですが、クイックマスクモードではグレースケールの画像として扱うために選択の強さ 0 〜 255 の 256 段階で調節することが可能な点です。「選択されない範囲=マスク」をブラシなどを使って素早く作ることが出来るのでクイックマスクモード。なんかそのまんまって感じの名前ですね(笑)
ちなみに今塗った物 ( 左 ) はこんな感じのグレースケール画像 ( 右 ) として内部処理されてる訳です。
 クイックマスクモード
クイックマスクモード
 選択範囲をグレースケールで表現
選択範囲

初期設定ではマスク範囲を表す色は透明度 25% の赤色となっています。
初期設定色が赤なのは、黒〜白のグレースケールそのままで表現すると画像自体の明るさと干渉してしまい、使いにくいからでしょう。
当たり前のことですが、画像によってはマスク範囲を赤で表現されると使いにくい場合も出てきます。例えば人の肌などは赤で塗られてしまうと境界線が判りにくいです。こういったときの為に色や透明度の設定、色が付くのはマスクされる範囲か選択される範囲かを選べる様になっています。クイックマスクモードのボタンをWクリックすると、設定のダイアログが出てきます。
クイックマスクモードがどう言うものか、ぼんやりとでもおわかり頂けたでしょうか?(^^;



・・・と、言う事をふまえ、「画像を徐々に透明に変化させる」と言う本題に入ります。
矩形選択ツールやなげなわツールでは「選択されるかされないか」しかありませんでした。色で言えば真っ黒か真っ白かの2色しかないと言うことです。クイックマスクモードで作り出せるマスク範囲 ( 選択範囲 ) はグレースケール画像として扱われるのでグラデーションツールを使う事が出来ますし、ブラシを使って範囲を作れるので、なげなわツールでは大変な複雑な形の範囲も簡単に作ることが出来ます。さらには 50% のグレーで塗ることで選択範囲を 50% の強さで選択する事や、マスク範囲そのものにフィルターを適用させることだって出来るのです。

 オリジナルの画像 さて、この画像をクイックマスクモードを使って手を加え、画像を徐々に透明にしてみることにします。

画像を徐々に透明にする代表的な加工の「ビネットマスク」と呼ばれる加工をしてみましょう。実はビネットマスクはクイックマスクを使わなくても作ることが出来るのですが、まずは簡単な作例からと言うことで・・・(^^;

  1. 画像を開いたときは、画像は統合されている状態ですので、背景となっているレイヤーをWクリックして画像をレイヤー化します。


  2. 描画色を黒に設定したブラシツールで額縁の様に画像の周りだけをフリーハンドで気楽に塗っていきます。( 範囲だけを見易くするために画像は消してあります。) 多少曲がっても問題ありませんし、そのランダムさがまた良かったりするので気楽に気楽に。ただし、塗り残しは無いようにして下さい。クイックマスクモードですから塗った部分は赤くなります。ここで使ったブラシは [ ぼかしの開始位置 ] を 100% に設定したものを使っています。
 ぼかし量のイメージ
 ぼかし量のイメージ 額縁は左の画像の様な感じになりました。
ここで一端画像描画モードに戻り、[ 選択範囲 ] - [ 選択範囲を保存 ] を実行して、ここで作ったマスク範囲を保存しておきましょう。名称は何でもかまいませんが、ここでは「手作業マスク」とでもしておきましょうか。こうしておけば後で何時でもこのマスク範囲を呼び出すことが出来ます。
保存し終わったらそのまままたクイックマスクモードに戻り、次の行程に進みます。
  1. これに [ フィルタ ] - [ ぼかし ] - [ ぼかし ( ガウス ) ] を使ってぼかしを掛けます。このぼかしで透明へのグラデーションが作り出されます。マスク範囲を表す赤いエリアがかっちりとしたものからぼわっとしたものに変わり、赤の濃い部分や薄い部分が出来上がったと思います。
この時注意したいのが赤い部分が消したくない部分に多く掛からない様に注意してください。そう言うときはぼかし量を減らすか、手作業マスクをもう少し細い物に作り直して下さい。逆にぼかし量が少ないと半透明になる部分が狭くなってしまいます。この辺は試行錯誤で工夫してみて下さい。
ぼかす前のマスク範囲は保存されていますので、気に入らなかったら画像描画モードに戻って [ 選択範囲 ] - [ 選択範囲を読み込む ] で、読み込み元のチャンネルを先ほど設定した「手作業マスク」を指定、選択範囲は [ 新規に作成 ] で実行すればぼかす前の範囲を呼び出すことができますので、いくらでもやり直しが効きます。
 ぼかし量のイメージ
 ぼかし量のイメージ
  1. マスク範囲が出来上がったら画像描画モードに戻ります。選択範囲を表す破線が出ましたね?これをカットするのですが、この状態ですと画像の縁の部分がマスクされているので、そのままカットすると画面の中央部分が消えてしまいますので [ 選択範囲 ] - [ 選択範囲の反転 ] をして、画面の中央部分が選択範囲になるようにします。選択範囲の反転をしたら [ 編集 ] - [ カット ] を実行します。画像がマスク範囲の赤の濃さに応じた強さでカットされました。( 左の画像 )


  2. 現在の GIF や JPG では半透明は表現出来ませんので、背景になる画像 ( もしくは色 ) を入れなければなりません。新しくレイヤーを作って下に配置します。ここではこのページの背景画像を入れておきました。後は GIF や JPG などのブラウザで表示できる画像形式で書き出せば完成です。
 ぼかし量のイメージ
Orignal Photo by (c)Tomoyuki.U 

これで完成です。ここではページの背景画像を入れたのでページに半透明の画像が使われているように見えるでしょう?

今回はカットをして背景になる画像を見せる処理にしましたが、カットではなくぼかしを適用してみるのも面白いですし、これを全体の一つの行程として、さらに他の効果と組み合わせてみても良いと思います。範囲選択はそれ自体が何か効果を出すものではありませんが、応用が非常に効くのでフィルタの可能性をさらに広げるものと言えるでしょう。

例え何気なく撮ったスナップ写真でも、ちょっと一手間掛けるだけで写真集の1ページにでもしたくなる様な作品に変身するかもしれません。そして、その写真は今、あなたの机やハードディスクの中にひっそりと眠っているのかもしれませんよ?


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