28 avril. 2001



5月1日:メーデー
fete du travail



日本では英語のMaydayをカタカナにして「メーデー」と呼ばれる5月1日、世界のあちこちで様々な習慣を伴って、現在では「労働者の日」として知られています
元を辿ると、これまでにご紹介した1月からの数々の宗教行事同様、その由来は古代ローマ時代に春の到来を祝うものが発祥との説があります
春と共に花を司る女神“Florialia(フロリアリア)”を象徴とし、その像を花で飾り立てたのだそうです
フランス、シャロントゥ・マリティム(Charente-Maritime)では、現在も同名のお祭りが開催されています
こうして1月から行事を追ってみると、いかに「春」という季節が大切に思われていたかを、しみじみと感じさせられます

さて、こちらフランスでメーデーは「fete du travail:フェトゥ・デュ・トラヴァイユ」と呼びます
労働者の日であるのはここも同じ、しかしスト大国の面々も、この日は楽しげに行列行進をして自分たちの存在をピーアールします
それと同時に街の至る所に出現するのが、“ミュゲ:Muguet”ことスズランの花売り達
この日ばかりは誰もがスズランの花を販売して良いとされていて、中には子供まで小さなブーケを持って道行く人に声をかけていたりします(ベルギーも同様)
昨年の同日のこと、駅前を通りがかったら赤ずきんのような格好をした若い女性に呼び止められました
よくよく見てみるとそれは友人、勿論手には残り少なくなったもののスズランのブーケが入ったバケツをぶら下げています
「お祖母ちゃんの家で採ってきたの、ひとつどぉ?」
喜んで手をだしたら、今度は彼女の手が出てきて・・・「10フランね」 ・・・ちゃっかり者
バケツを2つも抱えていたところを見ると、この日の彼女の稼ぎはベビーシッターの学生アルバイトとは比較にならないものだったことでしょう
道端や勿論お花屋さんに沢山並ぶこのスズラン、自宅用に買う人も勿論居ますが、贈られた人は幸せな一年を迎えられると言われています
「純愛、幸福が生まれる」等の花言葉が与えられているようです

他国にも贈り物をしたり、それぞれに何やらいわれある草花や木を植えたり飾ったりする習慣があるようです
イギリスではメイ・ポール(May poll)なる花で飾られた大きく真っ直ぐな木(枝を払い落とした、鯉のぼりの竿のようなもの)を立て、それを中心に踊るという習慣があったとか今もあるとか

スズランという植物は、殆ど皆さん見かけた事ぐらいはあるでしょう
3月に新芽が出て花を付けるのは丁度このメーデーの頃、原産国について調べてみたのですが、ドイツだったり日本だったり、情報がバラバラで調べる程に分からなくなってしまいました

フランスに入ってきたのは中世の事、貴族に愛され、当時貴族・王族達が城を建てたここロワール地方に植えられたため現在もその名残で割と沢山の株が自然にも残っているようです
学名(ラテン名)は「Convallaria majalis」、「谷の百合」「5月の百合」等の仏語名があるのは、このラテン名convallisが谷、majalisには5月と百合という意味が含まれている事から
日本で一般的に言われている「×月×日の花」としては5月5日の花なのですが、10世紀頃から5月1日の花として知られるようになったのだそうです

小さく可憐な花ながらその香りは強く、香水の原料としても使われています
アナイス・アナイスという香水は確かスズランの香りをベースにしたものではなかったかしら?

手で触れる分には問題はありませんが、全草に強い毒を持っているため口にしないようにご注意下さい
また、どこかで見かけて摘み取る際には地上に出ている部分のみを摘み取るようにしましょう
肥えた土地の時々光が射し込む木陰を好んで生息し、地下茎で繁殖します
これを根こそぎ採ってしまうと、例え根が残っていても新しい芽を出すまでに1年半はかかると言われるので、勿論スズランに限りませんが自然界の恵みを分けてもらうには、必ず繁殖の妨げにならないように配慮しましょうね

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