3 fev. 2001

2月2日はクレープの日?
Crepes de la Chandeleur

「2月2日はクレープを食べる日」
ある方よりゲストブックに寄せられたメッセージに触発され、早速調べてみました
やはりこれも宗教に基づくもので様々説は分かれますが、ちょっとしたお話として以下にご紹介します


フランスも他ヨーロッパのキリスト教の影響ある国々でも、祝日ではあるものの、休日にはなっていません
しかし宗教的祝いの日として
・「聖母マリア清めの祝日:
(La fete de la) Purification de la Vierge
・「キリストの奉献:
(La fete de la) Presentation de Jesus au Temple
・「蝋燭の祭り:
Fete des chandelles
の3つの名称が混在しています。(アルファベットはいずれもフランス語名称)


当時ユダヤの法の元、出産した女性は出産後のある期間(男の子を出産した際は40日間、女の子の場合は80日間)不浄であると見なされていました
現在のキリスト教にも通じますが、生まれたての赤ん坊は皆罪を背負っているものとされており、その罪を清めるため、儀式への参列、及び第一子は神へ捧げ、その罪を償うために1組のハトを献上する事が定められていました
マリアが儀式へと参上した際、かつて神から「死を迎える前に神の申し子に出会うであろう」とのお告げを受けたシモンという名の老人が居合わせており、マリアの胸に抱かれていたキリストを目にするなりそのお告げの子である事を悟って生まれて間もないキリストを腕に取り、「この子こそが人々を照らす明かりである」と叫びました

この事にちなんで教会に大蝋燭が捧げられ「蝋燭の祭り」と呼ばれるに至り、恩恵は教会で行われる洗礼式、埋葬の際等は勿論のこと、各家庭にも持ち帰られ、病人の部屋へ回復を願って持ち込んだり、嵐の際に雷から家を守る、更には夫婦間の危機をも救うと信じられていました
その他にも、元牧師・現家畜と畑の神とされるルペルクスを讃える祭日とされる2月15日(ルペルクス祭:Les Lupercales)と重ねて、現在も土地によっては蝋燭を手に行列が開催される事もあるようです

なお、5世紀に入ってから、キリスト教信仰が高まったヨーロッパにてこの日は“クリスマス(キリストの誕生)から40日目”、つまり2月2日と明確に定められ、現在ではマリアを讃える最も古い祝日とされています


さて、問題のクレープに話を移しましょう
古い書物によると、このクレープは「薄すぎても厚すぎてもならない」との事
何故この日にクレープを食べるのか?
これは陽光溢れる春にはまだ少し間のある1月から2月のこの時期にはよく使われる表現ですが、「丸く、明るい色をしており太陽を思わせる」ためであるとの説、
かつてのローマ教時代、農耕の女神プロゼルピーヌ(Proserpine)を讃えて作られていた小麦の練り物に似ているため、
5世紀中の同じく2月2日、ジェラス(Gelase)司祭がローマを訪れた巡礼者に与えていたガレットに由来する 等々、説はいくつかに別れ、特定は出来ないようです

ひとつ明らかなのは、現在言われている縁起かつぎのささやかな儀式
この日のクレープを焼く際、フライパンを持たない手には富を願ってコインを握り、上手に一つの手でクレープをひっくり返す事が出来れば、その年は健康に恵まれ幸せな年になるのだそうです
同じ様なもので、コインを握りもう片方の手でフライパンの杖に触れるだけでも良いという説もあります

この他、焼いたクレープを美味しく頂くのは勿論の事、切れ端をお財布に忍ばせると幸運をもたらす、そのクレープで顔をこすると害虫から身を守る事が出来る、農耕地では家畜に与えるとその繁栄を促す 等々のいわれも語り継がれています

丁度この時期は冬の厳しい寒さが1段落して順調に春へ向かうか、それとももっと冷え込み厳しい寒さになるかの境目の頃、縁起物に願いを寄せたくなるのは、主要産業が農業であった国ならではの事なのでしょう
他のあらゆる文化がそうであるように、宗教も人々の生活に取り入れられ、それぞれの土地で様々な形に順応して残り行くのでしょうね

ここでは主にフランスで語られる事、及びフランス語の文献を参照した内容を主体に記述しています

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