8 fev. 2001


2月〜3月:イースターにまつわるお話
その1:カーニバル



カーニバル「Carnaval」の語源は、「Carne lavare:肉をとりのける」という意味から来ており、節欲と悔改の期間として肉食を禁じるカレーム、及び、カレームを迎えるにあたり直前に肉を食べて良いとされるマルディ・グラ「Mardi-Gras」に先だって開催されます

かつては、エピファニと呼ばれる1月5日のイエスの公現祭から同カレームの初日までの期間行われていましたが、近年はイースターを前に迎えるカレームの開始日を最終日とし、グロテスクな仮装に身を扮しておよそ1週間〜20日続くお祭り騒ぎです

フランスではニースのカーニバルが唯一盛大なものとして残っています
(2001年は2月8日〜2月28日)今も全国の小学校では様々なテーマ(多くは自然をモチーフにしたもの)に沿って先生や親達の指導の元手作りした衣装や仮面を付けて周辺を練り歩きます
世界的に有名なイタリア・ヴェニスのカーニバルや、近年ホモセクシャルの祭典として祝われるというニュージーランドのパレード等も、起源は同じ所にあります
もっともニュージーランドのパレードは80年代にマルディ・グラの習慣に引っかけて発展したもののようですが

キリスト教が主流となる以前のローマ時代にも、実は既に同類の祭りが同時期に開催されていたとの話も残っています
それはおよそ1〜2世紀のこと、当時ローマ帝国では、1年の始まりは3月25日でした
このため、3月半ば頃、自然が目覚める春を踊りや祭り歌をもって祝い、同時に過ぎ去る年を追いやって新たな年を迎えるためにある神を擬人化し毛皮に身を包んだ男性がローマの街をめぐり、人々を棒で打ち(軽くでしょうね)一種の厄払いの儀式が行われていました
やがて153年(2世紀半ば)に新しい年の区切りが定められ、1年の始まりは1月1日に変更されたものの、春を迎える祭りとして以後もこのしきたりは残りました

原始社会から長らく人類が祝ってきた春の到来は、様々な形で今に跡を残しています
カーニバルもこうした流れを汲んでいる筈
最終日にはワラの人形を焼くのも古くからの伝統で、この人形が担う役割はどこぞの国のような恨みでは無く、冬からの目覚め、光溢れるシーズンへ向かう冬の終わりの象徴というポジティヴな犠牲なのだそうです

また、仮面の多くが現在もグロテスクだったり意味深な笑みをたたえていたりするのは、豊かであるかはかり知れない時期の収穫への不安と挑戦から来ているとの説があります
この仮面の表情に関する説は、秋の収穫を祝うハロウィーンにも通じる可能性もあるようですが、そちらについては後々、10月に入る頃またご紹介します

また、仮面の裏には、実はかつて厳しかった身分の違いの中、仮面を付ける事によって日頃の階級を越えて皆が平等に楽しむことが出来たとも言われています
一種の無礼講は現在も同じ、何かを振りかけられるかも分からないので(紙吹雪ならまだしも、小麦粉だったり水だったりだとか)、観光にお出かけになる際は、ラフなスタイルで着替えを持って挑まれた方が良さそうです

冬の厳しさを抜けて心地よく深呼吸したくなる春に向けて、更には自らに厳しさを求める節欲期間前のちょっとした乱痴気騒ぎが許されたこのカーニバルは、現在、賑やかで楽しいお祭りへと姿を変えて親しまれています

この時期に出回るお菓子は揚げ物が中心
ドーナッツ風生地(イースト発酵タイプとベーキングパウダー利用のもの、地方による)を小さく切って揚げた「メルヴェイユ」、それに似た類のものは、地方によって様々に変化があります
南部に行けば行くほどそのヴァリエーションは広がり、オレンジの花のエッセンスで香り付けしたものが主流のようです

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