パキスタンの麻薬
マニア向け

大麻
原産地 中央アジア・西アジア(インド周辺)
呼名 マリファナ[全草を乾燥させたもの]
ガンジャ(ヒンディー語)
[花穂と結実部を樹脂参出物と共に固めたもの/マリファナと同等]
ハッシッシ(アラビア語)
[樹脂成分を濃縮したもので固体/液体/粉末あり]
チャラス(ヒンディー語)
[雌株大麻の上部及び葉からとった樹脂に香料を加えて粉末にしたもの/ハッシッシと同等]
ブッダスティック[竹串にガンジャを巻いて固めたもの]
グラス(英語)
バング(インド)・ダッカ(南アフリカ)・カンナビス(アラビア/イラン)・エスラー(トルコ)・マグルス(メキシコ)・ベイビー/メーリージェーン/スティック(アメリカ)
作用 麻酔・陶酔・幻覚・錯覚⇒トリップ
症状 禁断症状・依存症のレベルは中程度
後遺症 脳・神経・循環器系への障害及び発癌性
宗教との関連性 インドのバラモン教・ラマ教・マホメット教・ゾロアスター教・モロッコ/チュニジアの宗教・イランの古代宗教
パキスタン情報 チャラスの名でかなり有名な大麻。煙草のヘビースモーカーはチャラスに手を出すとも言われる。煙草・水煙草に混ぜて吸引したり、噛み煙草に混ぜて歯茎から成分を吸収するナスワーや、ハキームと呼ばれる伝統の薬剤師の間では医療薬としても使われているようだ。

飲酒を禁じられたイスラム教国であるパキスタンでは、煙草が一般的であることにも起因しているかもしれないが、『手に入りにくい酒よりもチャラス』という印象を受ける。また、新聞に掲載される麻薬密輸の記事では、数百キログラムは当たり前、トン単位の密輸も見受けられる。

パキスタンとアフガニスタン国境付近は大麻やケシの無法遅滞であり、テロリストは死を恐れないのも、この麻薬のせいかもしれない。また、資源の少ない彼らは、こういった麻薬を世界中に売りつけることで多大な収入を得て、武器を購入している。テロと戦うアメリカだが、この地域の麻薬はアメリカにどれほど流れていることだろう。冷戦でのアフガン兵の訓練といい、麻薬買収といい、アメリカがテロリストを育てているようなものだ。

アフガニスタンの南部においては麻薬大量栽培地域があり、この地域を統括する部族はアル・カイダですら安易に近づけないほど危険だといわれる。

2001年9月11日の同時多発テロをきっかけに、パキスタン北部への観光客の数は激減した。資源の無いこの付近では観光業が唯一の収入であった者も多く、彼らのとった行動は大麻・ケシの栽培だった。大金持ちになるためではない。彼らは1日1日を生活するための手段として、これらの栽培をするほかなかったようだ。

ナスワー体験談 パキスタン北部スワートに旅行したときのことだ。いたるところにすりこ木棒でなにかの葉っぱをすり潰している男達が、道端のいたるところにいて、彼らの前にはビニールの子袋入りで、疲れた緑色した繊維っぽい粉末が売られていた。

中には目を充血させてケラケラ笑っている貧乏そうな男が隣にちょこんと座っていることもあった。そのときはそれが何であるかわからず、勧められるまま、ビー球よりひとまわり小さな塊を自分でこねて作って、教えられたように右下の歯茎に押し込んでみた。

苦さだけが口に広がる。周りの男達がこちらを見て笑っている。しばらくすると、押し込んだあたりの歯茎付近で、脈打つのを感じた。それでもなにも起こらず、男達に挨拶してその場を発ったそのときだ。頭を動かすと、視点がその動きについてこない。学生の頃、酒を飲み始めたときのようなそんな感覚。

特に高揚感も無く、ただごった返すバザールを歩くにも、下を見て歩かないと足元がふらついた。そのふらつく様を感じて、これがナスワーの初体験かと思ってみると、楽しくなってきた。それが、ナスワーの成分によるものなのか、それとも初めて体験したことによる興奮だったのかわからない。

ハッシッシの語源 イスラム教の分派に、アサシン派という集団がいた。この集団が12-13世紀ごろ秘密暗殺団を組織していた。英語のアサシン(暗殺者)はこの言葉に由来し、さらにアサシン派が暗殺を実行する前に大麻で精神を麻痺させ、自らを高揚させていたことから、アサシンの音が変化してハッシッシという言葉が生まれた。

イスラム文化から切り離せないアラビアだが、大麻とのかかわりは深く、『アラビアンナイト』の一部も大麻の幻覚を描いたものとも言われている。

日本の麻 歴史は縄文時代までさかのぼるほど古く、衣類・食料や薬品として一般的に使われていた。地名としても北海道の大麻神社や東京の麻布等としてのこり、日本人と麻の文化は切り離させないものとも言われる。大麻取締法で厳しく制限されているが、煙草やアルコールとかわりない依存症であるにも関わらず、厳しく取り締まっていることに対して反発する団体すら存在する。七味唐辛子にもはいっている。

ケシ/アヘン
原産地: 地中海沿岸(推測)
呼名: 阿片:
(アヘン)
和名。日本とアヘンの歴史も古く、室町時代とも言われるが、アヘン中毒者は僅かに抑えられていた。ポルトガル人の手により青森に伝えられ全国に広まるにいたる。中国名の亜芙蓉がなまってアヘンになったことは言うまでもない。
亜芙蓉:
(アフヨン)
中国名。『芙蓉』は中国語で卵料理の語尾になる。イギリスの東インド会社が中国の茶を手に入れるために、亜芙蓉を輸出していたと言われる。その後、中国では18世紀頃、全人口の1割の人々が亜芙蓉を吸煙していたといわれる。
オピウム: ローマ時代名。オピウムの原産地と言われるギリシャ・ローマ・エジプトでは、古代からオピウムの栽培が盛んで、食用油・嗜好品・薬用として使われおり、アクセサリーや硬貨などにもその図柄が刻み込まれていた。
アフユーン: アラビア名。ペルシャ・トルコ・イランなどのアラビア半島付近の国々を原産地とする品種も多いアフユーン。うち、トルコはインドと共に現在の2大産地であり、国家管理の下で多く栽培されている。その他、エジプト・イラン・中国・ロシアなどが栽培地
ポピー: 英語名。ローマ時代名のオピウムを語源としており、欧米諸国にもポピーは後々19世紀になって広がっていく。ロンドンでも1900年代に入って売られるようになった。現在は、欧米でもポピーの栽培から製造・使用は固く禁じられている。
モルヒネ: 1805年偶然にドイツ人薬剤師がアヘンからモルヒネを抽出した。このあたりから、西洋医学は、中国の漢方薬やインドのハキーム等のように、自然物をそのままつかうのではなく、必要な成分だけを抽出する方向に向かった。なお、モルヒネという名前はギリシャ神話の眠りの神モルフェウスからとったものである。
ヘロイン: モルヒネに塩化アセチルを作用させできた、ジアセチルモルヒネをヘロインと呼ぶ。19世紀後半にドイツで医薬品として売り出される。薬理作用はモルヒネと同程度だが、麻酔性・鎮痛作用としては10倍以上と言われるため、中毒に陥りやすい。
香港ホワイト: ヘロインの良品質の麻薬で1960年代に日本でもブームを巻き起こした。水に溶けやすい。
レッドロック: ヘロインの粗悪品の一種でスプーンなどに水と共にいれて熱したものを注射する。水に溶けにくい。
スピードボール: ヘロインとコカインを混ぜた麻薬で、ミックスヘロインとも呼ばれる。
作用: 催眠効果・鎮痛作用・鎮咳・鎮静・陶酔・下痢止め
症状 禁断症状として、筋肉の激痛・骨の痛み・悪寒・不眠・異常な興奮・全身痙攣・湿疹とこれらによる精神異常
後遺症: 禁断症状による、凶暴性・自虐行為
宗教との関連性 栽培の歴史は古いが、じっさいに中毒者を出すにいたるのは後々のこと。宗教との関連性はあまり見いだせない。
パキスタン情報 地中海からインド中国にかけてアヘンが伝わっていくのだから、当然その中間に位置するパキスタンでもアヘンの栽培は行われていた。そして、現在もアヘンの栽培や、密輸の記事が新聞を賑わす。しかも、その重さは数キログラムから数トン。偽ナンバーをつけた、3トンのアヘンを積んだ軍トラックが2004年1月に検挙されたばかり。こんな記事は週に1度の割合。

ラホールの旧市街のある一角。道端でしゃがんで注射器に透明な液体を注入する男がうろうろとしている。恍惚な表情で、目は完全にいってしまっている。近くにあったトイレには使用済の注射器が壁に突き刺さっていたり、床に転がっていたり。この一帯は歓楽街にも近く、昼間であろうとも、外国人が1人で歩けば、ちらりと目のあった影のあるパキスタン人が近づいてきて、隣を歩きながら女やドラッグの話を持ちかけてくる。彼らは警察にばれないように、ある程度距離を置き、声を潜めて話をする。

協力隊員の隊員連絡所には小さな裏にはがあった。そしてそこにはケシ坊主があった。そのぐらいどこにでもありえるケシがパキスタンの現状。

アヘン戦争 欧米諸国によるアジアの植民地化が行われた時代、その勝者であるイギリスは、香辛料へのの興味から次第に中国のお茶に移っていく。そしてお茶の取引に使われたのがアヘンだった。専売権を握った東インド会社が、輸出用に大量生産していた。

アヘンが大量に入ってきて混乱をきたした清朝政府が1839年にアヘンに対する法律を作り、イギリスのアヘンを焼き捨てた。これがアヘン戦争。結末は3年後の1842年に中国の敗北。

これほどの事件を起す中国の茶は、インドのアッサム・ダージリン・ニルギリやスリランカの紅茶として現在も国内への消費量・国外への輸出量が多い。インド周辺諸国のチャエの文化もアヘン戦争なくしてははじまらなかった。

麻薬所持で逮捕暦ありの芸能人
研ナオコ 昭和52年:大麻
勝新太郎 任意:アヘン
カルーセル麻紀 平成13年:大麻
いしだ壱成 平成13年:大麻
尾崎豊 昭和63年:コカイン/覚せい剤
中島らも 平成15年:マジックマッシュルーム/大麻
岩城コウ一 昭和52年:覚せい剤
内田裕也 任意:大麻
美川憲一 任意:大麻
井上陽水 昭和52年:大麻
桑名正博 昭和52年:大麻
にしきのあきら 昭和52年:大麻
室田日出夫 昭和53年:覚せい剤
原田信夫 昭和53年:ヘロイン
清水健太郎 平成6年:覚せい剤etc
内藤やす子 昭和52年:大麻

アラビアの水煙草(シーシャ)