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 ▲RSR953がアルヒル桟道橋を進む(1997年撮影)

  昔話を一つ。タイでも週一回のスケジュールで蒸気機関車を運行していた時期があった。それは夢のような話だった。

  タイ国は国策として、1999年までアメージング・タイランドというキャンペーンを実施していた。その一貫として始められたタイ西部のカンチャナブリ駅ー〜ワン・ポー駅間を蒸気機関車の運行が2000年の春まで続いていたのだ。このページに登場する蒸気機関車NO,953は重油を燃料とする型のスティーム・ロコモーティブで日本がタイへの戦後賠償としてタイ国専用に設計・製作したモデル達の生き残りである。外見はD51を彷彿させるが、タイ国鉄(ロー・フォー・トー=R.S.R.)の線路幅の標準である1Mゲージに合わせて一回り小型化してある。


 ▲RSR953が戦場にかける橋を進む(1997年撮影)

  カンチャナブリー駅−ワン・ポー駅間と言えばタイの鉄道に興味のある方にはきっと分かってもらえるだろうが、ボギー大佐で有名な『戦場を架ける橋』の舞台である『クウェー橋』と木橋で名高い『アルヒル桟道橋(=サッパーン・タムグラセー)』を挟む区間であるので、豪華な舞台と演出は十二分に整っていた。

  戦場を架ける橋を渡った後はこれまた有名な『チョンカイの切り取り』を通過していた。旧日本軍が線路設置予定地をふさぐ大岩の中心を爆弾で無理矢理にえぐり取ったという史実がある名所だ。見れば確かに強引ではあるが、効果的に行ったものだと関心してしまう。


▲RSR953がチョンカイの切り取りを進む

  走る蒸気機関車というものは煙以外にもいろいろなものを吐き出すものだ。まずは客車の先頭で蒸気機関車を観察していれば小粒の熱湯が貴方の顔を襲うことになる。オマケに線路わきでカメラをかまえていれば、先頭の下部からホースが出ていて常時熱湯を吐き出しているのが見える。しかしそれはこの蒸気機関車が最高の調子であることの証明だ。

  蒸気機関車NO,953はやがてアルヒル参道橋入り口に着く。そこにも一応停留所がある。そこで再び汽笛を鳴らしてアルヒル参道橋を渡っている人間やバイクに列車の到着を知らせる。やがてアルヒル参道橋の上がクリアーになった段階で蒸気機関車NO,953はゆっくりと前へ進む。そこは木造の橋なので最徐行が必要だ。オマケにカーブしているので線路も脱線を防ぐために4本に補強されている。アルヒル参道橋から見えるクウェー川は線路から遥か下にある。かなりの高度差があるのでちょっと水をさわりに行こうとは思えない。


 ▲RSR953がアルヒル桟道橋を渡る(1997年撮影)

  蒸気機関車NO,953はアルヒル参道橋を渡りきった直後にもある停留所へ泊まる。そこで欧米人の観光客は列車からぞろっと降りてしまう。何故ならばその停留所からは終点のワン・ポー駅も見える距離にあるからだ。道程の99%が終わったことになるので仕方がない。しかし本来ならば良い物語は作者後書きまで読むように、ワン・ポー駅まで蒸気機関車に付き合って画竜点睛としたいものだ。ちなみに、停留所〜ワン・ポー駅間は乗車料金はディーゼル・ラーンにひかれた通常列車なら2バーツだ。

  蒸気機関車NO,953はワン・ポー駅に着く。大変にごくろうさまだ。機関士は炉の火を落とし、蒸気機関には不可欠の水を補給する。帰りは残念なことにワン・ポー駅には蒸気機関車の向きを変えるターン・テーブルがないために、蒸気機関車は後ろ向きに走ることとなる。機関士も大変だ。後ろを向きながら運転しなくてはならないのだから。


 ▲RSR953はワンポー駅で小休止(1997年撮影)

  蒸気機関車を客車につなぎ直し、十分に吸水した後は蒸気機関車も機関士も車掌さんも物売りのおばさんも、しばらくはワンポー駅で休憩だ。駅にある小さな食堂で昼食を取る。ただし蒸気機関車のお尻が列車の先頭になるので、ちょっとお茶目な帰り道となる。

  しかしこれも今は昔、である。タイ国鉄の話ではこの路線での蒸気機関車の運行の復活予定はないそうだ。やはり整備が追いつかない、とのことである。


 ▲RSR953とブーゲンビリア(1997年撮影)

  蛇足・・・・このモデルは戦前(1936年)に初納入された351〜78番のマイナー・チェンジ番にあたる。この元祖ミカド達はRSR幹線で貨物輸送に従事していた。何と言ってもD51直系なので、使い勝手は良かったようだ。おかげで、RSRは同タイプのパシフィックを日本へ追加発注することとなった。

RSR900シリーズと戦中モデルとの違いは351〜78番とボイラー上のサンドボックス・ドームが大型。

RSR900シリーズの前期(901〜940)と後期(941〜970)の違いはデフレクターの装備の有無。

RSR953はもともとウッタラディット機関区に所属する蒸気機関車で、1977年までは動態保存されていたらしい。1983年の段階では廃車されたいたが、スクラップ状態が良かったことからレストアを施され、現在ではRSR唯一のミカドとなった。RSR953は貨車の混成なしで客車を引くのはレストア後が初めて。

 

日本製ミカド953番のDATA

製造:1950年 来タイ:1950年 軸配置:1D1

軌間:1M 全長:19.0M  重量:57.6t 燃料:重油



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