栗駒山を詠う

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冬の栗駒山
(2001.12. 桑畑付近から 菅原撮影)

駒峯は白鳥天に羽ばたくが如く御坐して沼倉の冬

目 次

        くりこま荘    義経公  古道

冬の栗駒山
119首

落葉の古道「湯道」を歩く
降り積もる落葉踏み分け行く先に金明水の清水ありけむ

新雪の栗駒山
ふるさとの山有難き美雪積む頃となりたり雪花は舞ふ

屋根にかかる寒月
寒き夜に昇る寒月寒々とくりこま荘の頭上で白し

11月で冬の面持ちのくりこま荘
遠からず雪に埋もれる山の宿眩しき朝に吐く息白し

磐井の里厳美渓より朝日をあびる栗駒山
アザマロもアテルイも見し駒嶽に一陽来復、日は昇り来ぬ
かつてこの大地と一族守らむと数多の人ら命落せり
日は昇り磐井の里に里人の朝げの煙りゆらゆら上る

道の駅反省会
目出度くもゑび餅食ひて燗の酒ぐいとぞあほり冬みちのくに

落日の栗駒山
夕映えの栗駒山に寄り添ひて黄金の雲の低くたなびく

栗駒の入日
晩秋の入り日眺めて西方の浄土想ゑば雁陽に向かふ

有明の月と朝日に映える栗駒山
残月は朝日に映えて白雪の栗駒山を眺めてゆきし

薄木トンネル
道行けば雪を頂く栗駒のぬっと現れ薄木トンネル

寒桜満開
木枯らしも栗駒おろしも寒桜の花散らすことおどけではなし

トンネルを出ると・・・栗駒山
いつになく穏やかなりし白雪の栗駒山の美姿に酔ふ

伊豆沼の落日
白鳥の影赤々と伊豆沼の水面に映る冬の夕暮れ 
伊豆沼よ永久に久遠に永遠に彼の地にありて水鳥を守れ
夕暮れの伊豆沼かなし白鳥の♪♪♪(八分音符)の如き影さへ
栗原の古沼に夜はまもなくと白鳥は鳴く声を限りに

仰ぎ見る栗駒山の白雪に春の息吹と書きたき朝(あした)
 

沼倉を冬将軍の襲い来て目覚めてみれば山白銀に

爺ちゃんと心ひとつに孫子まで餅付く頃や正月は来ぬ

桑畑種まき桜の雪化粧
豪雪のどかりと降って夜が明けて雪花咲かす翁桜かな

わが里の自慢となれば白銀の衣纏ひし栗駒山そ

栗駒山の雪化粧
栗駒の冬に魅せられ今日もまた足を運びし小深田の畦

栗駒山山岳指導隊の今年の活躍に感謝しつつ
栗駒山の無事を守りて2001年今年も暮れぬ

駒ノ湯は冷気も美味し湯に浸かりふと初恋の君思い出すかな

松倉の四季桜開花宣言
年三度散る桜花在りくりこまの判官森の麓辺りに
四季桜小雪舞い散る年の瀬に花を開くも何やらうれし
四季桜かくも健気に咲く訳を問いましければいかに答ゑむ
しみじみと冬の桜の健気さを判官森の麓にて見む
貴船社の判官殿に四季桜まずは手向けむ一枝折ても
くりこまに真白き雪の積もる頃、心和むや四季桜見つ
見上げれば年に三度の四季桜見事咲きたり寒風最中
幼く日ただぼんやりと眺めたる三度桜の冬誇らしき

初春の栗駒山
湧き出る雲もほどよく流れゐて栗駒山を初日満たせり
 

竜頭の滝
雪降れば白竜と化し竜頭の滝雄々しくも沢をば昇る
奥の道、息を切らせて来てみれば滝は見ゑずに白雪の降る

冬の栗駒山
ふるさとの栗駒山の白雪に朝日は映ゑて馬年明くる
あかね雲西の空にぞ棚引きてやがて夕映え元日暮れぬ

浮き世をば湯気に流して語り部の咄に浸る初春の宵
語り部の口からそっと雪女もれて窓辺を白きものゆく

2002年駒形根神社年明け
白き月、年を跨ぎて沼倉の里宮照らし二〇〇二年明くる 
月蒼く社の杜より聞こえ来る獅子舞の音の告げにし新年
冬の月社の杜を隈無くぞ光満たして新年は来ぬ 
冬の月わが天上に在りてこそ神の光と参道登る
 馬の年、御駒の美社うっすらと雪の化粧で若人の沸く
日の宮の参道照らす仄明かり氏子行き交い祈りは続く
馬年の祝いの席に凛として藁の天馬の威厳を見よや

雪止めばお山の精の幻が木々の間に間に浮かびては消ゆ
閑かさや夜明けの朝の白雪は絹の衣ぞ栗駒山の
閑かさや雪より外になき朝の光の中に白鷺の舞ふ

窓辺
恋人の帰還を待ちし乙女ごと観葉植物春来るを待ち

雪をけり親子で進む白き道、長閑なりけり、今日の栗駒 
 

夕暮れのくりこま高原
白雲が頂き隠す栗駒の山の夕暮れしずかに暮れぬ

夕暮れの底冷えきつき里山にちらりほらりと白雪の降る

夕暮れの時計台
東に丸き月出で山に生くきつねたぬきも寒月見むや

雪の花見事に咲きて駒ノ湯に冬至の宵は早も来にけり
駒ノ湯の日は西方の山の端に早も沈みて吹雪の冬至

樹氷とて燃え立つような橙の炎に見へて冬の夕暮れ

御沢橋砂防ダム
砂防ダム見る度思う人のエゴ岩魚の魚道何故確保せぬ
 

孤独なミズナラ
地吹雪も予期したことと涼し顔孤独に耐ゑて冬のミズナラ

桑畑にて
はらはらと雪の花舞ふ桑畑の彼方に白き駒峯浮ぶ
桑畑の種まき桜に雪華の見事に咲きて午年は来ぬ

駒峯は白鳥天に羽ばたくが如く御坐して沼倉の冬

名木桑畑種まき桜
雪ばかり降る夜は酒とふたりしてほろ酔いで見む雪の桜を

軒までの雪を友とし山里に生きし人らの心映ゑ嗣ぐ

吹雪の朝
くりこまの新雪辿り点々と狐親子の足跡のゆく

真冬日に餌を求めて白銀を踏みしめ行くぞ獣たちはや

露天風呂「雪ノ湯」を
雪の湯に君と入りせば人肌の駒の湯温し湯の花咲きぬ 

雪ノ湯に湯花咲きけり熱き湯に君と入りせば白雪の降る

初陽射す熱き雪ノ湯雪玉の二三個浮かし雪景色見む

雪晴れて雪ノ湯入れば朝陽射し光眩しき銀世界見ゆ

地吹雪の夜に
○長き夜はイワナ骨酒しみじみと窓ふる雪を眺め飲みたき

吹雪く夜は暖炉に揺り椅子設えて垂氷ロックでスコッチをやる

厳美の田園から須川を望む
○厳美から須川の白雪眺むれば伊治呰麻呂思い出し泣く 

太田川より栗駒山を望む

須川から達谷を通り北上川に注ぐ太田川は、普段はおとなしいが、一旦暴れ出したら止まらない悪路王の如き川である。確かによく見れば、河川改修されているとは言え、くねくねと大蛇が大河北上に水でも飲みに行くような荒々しさである。
冬枯れて草も黄金に染まりけり駒峯映す川面の輝き

大雪に見舞われた新世紀の新年の朝に
○除雪車は初陽(はつひ)もかすむ地吹雪の駒ノ湯温泉雪掻きて行く 

ブナの若木の強さに
○山渡る地吹雪すごき冬山のブナの若木の枝天に伸ぶ

栗駒山の束の間の青空に
雪晴れて青き空行く雪雲の長閑なるかな栗駒山は

岩魚守りの数又貞男氏に
イワナ守り数又翁の遺志は又その子受け継ぎ未来に通ず
何処より命は来たりイワナの稚魚(こ)命育む水の冷たさ
その子らは栗駒山に冬銀河溢るる如く生れ出づるなり
○奥山の暖なき小屋に一人居て稚魚守る人の手の暖かさ

                  ○生きる子と逝く子を分かつイワナ守り指に優しき陽の光射す
○大雪に小屋も埋もれイワナ守り汗ひとしきり雪を掻きをり
ねんごろの餌付け餌付けをくり返し子は守る人を親と思ふなり
守る人の餌杓の先を目がけ来て野生の子らは命の灯燃やす
守る人の心に触れば滔々と歌溢れ来てイワナを詠ふ
 

イワナ守り秘伝
一本の餌杓(じしゃく)の先に気を込めば野生の稚魚(こ)らは一点に集ふ

くりこまの樹木は健(つよ)し春待ちて寒さ凌ぎて奥山に居る

氷柱の行者滝
○行者瀑布長き氷柱の白髭は山の仙人生やす髭かも
自然とは無常なものぞ ふる里の瀑布崩れゐて滝壺を塞ぐ
 氷柱伸び崩れし岩にゲルニカの悲しみ浮かび行者滝冬

冬の行者滝
崩落の憂き目に会いし滝なれど健気なるかな一心に落つ

おづんつぁんの雪下ろし
「落ぢねでよ」屋根で雪掻く高倉の爺様に一言山の早春 

雪間からの栗駒山
ふるさとの雪間に浮かぶ駒嶺に言葉なくして立ち尽くしたり

くりこま荘から氷柱のある冬景色
早春の窓辺のそちこち氷柱垂れ天のふぐりと言ふ人可笑し

夜の栗駒銀座
雪深き春の栗駒小夜更けて狸眺めつ入る露天風呂

雪の中の耕英分校
○山の子は雪に抱かれ学ぶなり耕英分校雪晴れて朝
○山の子は幸せ者よ学舎の師を独り占め外吹雪くとも
くりこまに雪降り積もり 寄宿舎に師弟寄り添い耕英分校
雪降れど師の熱に触れ山の子は大教室には行きたがらず
○駒の湯に里っ子集い山っ子とへっぴり腰でスキーの稽古

夕暮れのくりこま荘
○ほのぼのとくりこま荘に夕日滲み冬の良き日は今暮れむとす
○夕空に幽かに見ゆる三日月は頼りなきかな冬の夕暮れ
山暮れて雲に霞みし三日月の空より白き粉雪の舞ふ
山暮れて空見上げれば飛行雲一筋見えて時計台鳴る
○一筋の飛行機雲はほろほろと宵に紛れて冬の星冴ゆ
駒ノ湯のくりこま荘の冬の日は名残惜しきぞ短に過ぎて

冬の裏沢渓谷
雪深き奧の裏沢凍てつきつ朝な夕なに清水流れる
山峡(やまかい)の真綿の如き白雪を踏みしめ行けば奧の裏沢
裏沢を清水流れるひもすがら生命(いのち)伝へる遺伝子のごとく
○氷(すがこ)張る奧の裏沢活き活きとイワナの子らは泳ぎて居るか
○山の春遠きに在れど山峡の奧の裏沢清水溢るる
白き道沢辺伝いに分け入れば清水溢るる泉の在りや
○渓谷の磐を抱ける白雪の隙間貫き若竹生えぬ
女瀑布から湯道の雪を踏みしめつ冬の旅人駒ノ湯に入る

雪掻きの後はひと風呂露天風呂酒など酌みて後は大の字 
栗駒の峰の白雪手に取りて口に含めば山河の味せり
年明けて白雪積もる判官の森に詣でて九郎と一献

 


 


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2005.1.8 /119