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狩りをやる友人からもらったキジを解体する。
テーブルに新聞を敷きビニール袋の口を開けてそばに置く。
新聞の上に死んだキジを置く。
オスのキジで長い尻尾が立派だ。
目の周りが赤い。それを緑の羽毛が取り囲み、身体は細かく見事な模様の茶っぽい羽でおおわれている。
目を閉じてぐったりとしているキジを引き寄せ、お腹を上にする。
下腹の細かく、密に生えている羽を左右に分けて皮膚を出す。
●1●
カッターナイフの刃を3センチほど出して、皮膚にあてて引く。
羽をよく分けているつもりでも、羽の根っ子がカッターナイフの刃の邪魔をする。
左手の指先で皮膚を心持ち持ち上げ、羽の根の隙間に刃の先を当ててわずかに力をいれる。
手ごたえあり。
さらに指先に力を入れて刃を差し込み、ぐっと2センチほど引き降ろす。
OK.
皮膚の裂け目に両手の親指を差し込んで、上に裂いていく。羽根ごと皮膚がスーーとお腹の上まで剥ける。表皮の下、筋肉に到達するまで何重もの薄い膜になっている真皮を剥がしている。
首の上方と、翼の肘にあたるところと、足の羽毛が終わるところまでは簡単に剥ける。
顔のすぐ下で皮膚をむしってしまう。プラスチックのチューブのような食道と気管が一緒についてくる。翼が始まるところで皮膚と羽が頑丈にくっついてはがれないので、これも皮膚をむしって翼を残す。足は膝にあたるところで、皮膚をむしる。
羽毛を乗せた皮膚は背中部分だけつながり、コートを羽織ってる感じ。
●2●
キジのお腹を下にして裏返す。
背はお腹のようにスルスルはがれないので、カッターナイフで何重にもなった薄い膜をはがしながら皮膚を自由にする。脂肪が筋肉のすぐ上にこびり着いている。
中身を失った皮膚がよれよれと頼り無く手の中で踊る。
それをビニール袋へ。すぐにビニール袋に入れてしまえば、軽い羽毛が部屋中に舞わずに済む。
翼の羽は実に頑丈にくっついている。
翼の上部を覆う細かい雨覆い羽は簡単にむしりとれるが、長い風切り羽を引き抜くのはかなりの力を必要とする。
取り去った羽もビニール袋へ。
翼の羽を取り終わると、再びお腹を上にする。
ここまで来ると、死んだキジと言うよりは肉になってくる。
●3●
胸部は膨らみ、つやつやした赤っぽい筋肉に覆われている。ところどころ、鉛の弾を受けて小さく穴が開き、穴の周りは真皮が後退している。穴は血が古くなって黒ずんでいる。
骨のない腹部は急激に引っ込み、肉も薄い。
肛門にはさみを入れて、正中線にそって胸部まで切り分ける。
胸部の骨はちょっと力をいれれば、はさみで十分に切断できる。
胸の骨を押し分けると、卵型にきれいに納まっている内蔵が現われる。
砂肝が大きい。そのあたりを掴んで、指を後ろまで廻して持ち上げる。
お行儀よく畳まれていた腸がするすると伸びて、肛門に引っ張られる。親指と人さし指でつまんで引きちぎって腸を自由にする。
腸、砂肝、肝臓、胃袋は一緒に固まって取れたが、心臓と肺が体内に残っているのでこれも除去する。
心臓は円錐型、肺は真っ赤なスポンジ。
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空っぽになった体腔に空豆型の小指の爪ほどの大きさの小さい腎臓がちんまりと対になって残っている。これも除去する。
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頭と足を切り落とす。
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●4●
後は切り分けるだけだ。
普通のはさみで切断できる。
翼をきりとり、腿をはずし、胸肉、背肉を「マウス大」に切り分ける。
切り分けた肉を、水で、血のり、体内に残った鉛の弾、骨を切断した際にできた小さな破片等を洗いながして調理にそなえる。
たまねぎのみじん切り、ブタのひき肉腸詰め、月桂樹の葉、ローズマリーノ、塩と一緒にオリーブオイルで炒め、水とワインビネガーと砂糖少々を加えて弱火でじっくり煮込む「狩人風」が美味。黒オリーブも忘れずに。
合掌。
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