東京通過思想 東北縦貫線(上野〜東京間線増)

2008.4.9 更新

 東北縦貫線とは 

・東北縦貫線とは
 現在、宇都宮・高崎・常磐線は上野、東海道線は東京駅を起点としているが、
 上野−東京駅間に複線を増設し、これらの各線を直結しようという計画である。


図:東北縦貫線整備計画


 東北縦貫線の概要 

 (1)上野−東京間に複線を増設
  現在、東海道線の線路は東京駅の神田寄り引上げ線まで、
  宇都宮・高崎・常磐線の線路は秋葉原まで留置線が延びている。
  この間に複線の新線を建設し、両者を直結させる。
  ただし神田駅付近は京浜東北線にぴったり近接して東北新幹線が通っているため、
  新設する複線は、東北新幹線の真上に建設される。
  詳しくは東京通過思想ニュースを参照
  上野−東京間はノンストップで、途中に駅は設けられない。
  秋葉原駅新設案もあったが、事業費の問題で採用されなかった。
  総工費300億円は全て自社負担。
  完成時期は当初2009年度末を予定していたが、2013年度までずれ込むこととなった。


 (2)完成後の運転形態
  東海道線と直通運転するのは、宇都宮・高崎線が主体とされている。
  常磐線は特急列車を中心に東京駅まで乗り入れるとされているが、
  快速の乗り入れの有無は、つくばエクスプレス対策の動向次第といったところだろう。
  最近は常磐線E531系にもグリーン車の導入が決定するなど、
  東海道線との直通にあたっての営業政策的な障害は取り除かれつつある。


 (3)品川地区車両基地の整理と再開発
  東北縦貫線にからみ、現在田町電車区に所属する東海道線電車を尾久などに集約することで、
  品川地区車両基地を整理し、跡地を売却し再開発に供することとなった。

 東北縦貫線の効果 

 (1)上野−東京間の混雑緩和
  現在この区間には山手線・京浜東北線しかなく、
  朝ラッシュ時には宇都宮・高崎・常磐線からの通勤客が
  上野でこの2線に乗り換えてくるため、首都圏でもトップクラスの混雑となる。
  東北縦貫線が開通すれば、上野−東京間に複線が1本増えることになり、
  大幅な混雑緩和が期待できる。
   混雑率予測 現在 約210%(2006年度) → 完成後 180%以下

 (2)乗換え解消による利便性向上と所要時間短縮
  北側から東京までの通勤客はもちろん、東京を越えて移動する乗客にとっても
  乗換えの手間の解消と、それに伴う所要時間の短縮が実現する。
  また、上野・東京両駅の乗換え客による混雑の解消にも役立つ。

 (3)車両運用効率の向上
  直通運転により、上野や東京で折り返す時間を省くことが出来る分だけ
  車両運用の効率化につながり、上野−東京間乗り入れによる運転時分増大を
  相殺することが出来る。(お釣りがくるかも…)

 東北縦貫線計画の進捗状況 
(☆のついた項目は、東京通過思想ニュースで詳しく取り上げています)

●2001年2月 都市鉄道調査委員会から調査報告 ☆
 宇都宮・高崎・常磐線の東京駅乗り入れに関する調査報告が、
 国土交通省・都市鉄道調査委員会により了承された。
 新線の建設方法や開通後の運転形態にも触れられている。
 詳しくは東京通過思想ニュースを参照

●2002年4月 JR東日本の2002年度経営計画に東北縦貫線が盛り込まれる
 2009年度末(2010年)完成を目指す。
 総事業費は300億円で、全額自社負担。

●神田付近住民より東北縦貫線重層高架に反対の声 ☆
 12月5日、東京〜秋葉原間の東北縦貫線重層高架建設計画に対し、
 神田駅付近の地元町会や商店街で作る
 「神田駅東地区整備協議会」は5日、
 JR東日本に対し撤回を求める申し入れ書を提出、
 石原都知事あてにも環境アセスメントなど工事にかかわる
 認可をしないよう申し入れを行なった。

●神田付近住民との調整が進展  ☆
 東北縦貫線建設に反対していた神田駅周辺住民との調整が今夏に進展し、
 着工への道筋が付いた。 (2005年9月29日付毎日新聞)

●開業時期が2011年度にずれ込み 近く環境影響評価 ☆
 東北縦貫線事業について近く都の環境影響評価手続きに入り、
 順調なら2007年度内着工、2011年度ごろの完成が見込まれることとなった。
 当初予定の2009年度末より約2年遅れる見通しだ。(2月24日建通新聞)

●2008年5月に工事着手、完成は2013年度に ☆
 いよいよ2008年5月より工事に着手する運びとなった。
 完成予定は2013年度。当初予定の2009年度末より約4年ずれこんだ。
 輸送形態についてはこれから詰めてゆく。
 (2008年3月 JR東日本公式)


 今後、解決すべき問題 

(1)車両をどうするか
 東海道線は113系が引退、宇都宮・高崎線・常磐線(中距離)も全列車のグリーン車組み込みが完了し、
 両線の直通に関する営業政策的な制約はほぼ解消した。
 但し常磐線の東海道乗り入れ区間が長距離に亘れば亘るほど、
 E531系交直流電車を更に増備する必要が生ずる。

(2)宇都宮・高崎・常磐線乗り入れ比率
 現在のところ、東海道線との直通は宇都宮・高崎線が主体で、
 常磐線は特急の東京駅乗り入れ程度にとどまることが想定されているが、
 宇都宮・高崎線は既に新宿経由で直通が実現しているのであるから、
 東北縦貫線は常磐線主体で、という声が高まることも予想される。
 つくばエクスプレス開業に伴う常磐線の乗客転移も、
 東北縦貫線開業後の輸送計画に影響を与える可能性がある。

(3)着席サービスへの対応
 現在、宇都宮・高崎線は上野、東海道線は東京で、始発列車への
 着席チャンスがあるが、東北縦貫線開業後は始発列車の激減が避けられない。
 平日夕方を中心にある程度の始発列車を確保するのが理想だが、
 東京駅はホームに余裕がないため、あまり多数の始発列車設定は難しい。
 本数のバランスを考慮すると宇都宮・高崎線はある程度上野始発が残るものと予想される。

(4)反対運動への対応 →解決
 トピックスにも記したとおり、神田付近住民から東北縦貫線の重層高架に対し
 環境問題の見地から反対の声が上がっていた。
 過去に国鉄と地元で東北新幹線の重層高架は建設しない、という覚書が結ばれた
 経緯があるためだが、地元との調整がつき、2008年5月工事着手の運びとなった。

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