東海交通最前線
伝説の「名古屋〜前橋」高速バス・名古屋ライナーを追う

北関東というと、名古屋に住む私にとっては遠いイメージがある。北海道や沖縄ほどではないが、東北や 九州あたりと同じような距離感を感じる最大の要因は、きっと直通する交通機関が無いからだと思う。こ の傾向は名古屋だけのものではなく、西日本全域において比較的強いのではないだろうか。そんななか、 名古屋と北関東をダイレクトに結ぶ高速バス「名古屋ライナー」が2002年4月19日に開設された。しかし、 このバスちょっと曲者で、開設当初からこの曲者高速バスの行方がバスファンの間で注目されたが、残念 ながら開設後わずか半年で「名古屋ライナー」は伝説のものとなり、「シルクライナー」(大阪・京都・ 名古屋〜群馬)に引き継がれることとなった。ここでは異例に次ぐ異例の連続だった、この伝説の高速バ スの軌跡を取り上げてみたいと思う。

第1章 伝説の「名古屋ライナー」の概要
第2章 「名古屋ライナー」から「シルクライナー」へ
第3章 2003年6月ダイヤ改正の概要・改善点


群馬行
時刻
停留所名古屋行
時刻
17:30名古屋駅
新幹線口
9:30
17:40金山駅南口9:20
21:50日本中央タクシー
富岡営業所
5:10
22:10藤岡I.C4:50
22:30日本中央
バスセンター
4:30
22:50n(エヌ)パー
キング日高
4:10
23:00前橋駅南口4:00
【名古屋ライナーの概要】
この高速バスは名古屋と群馬県前橋を5時間30分で結ぶバスで、群馬県に本社がある日本中央バスが運行を 担っていた。名古屋を出て、群馬県側最初の停留所が富岡であることから、東名・関越道経由ではなく、中 央道・長野道・上信越道経由の経路で、途中に中央道の恵那峡SAと上信越道の東部湯の丸SAで休憩をとって いたらしい。長野県を縦断するのが最短経路とはいえ、えらく遠回りしている。夏季なら長野県諏訪・岡谷 あたりから、同県小諸・佐久あたりまで一般道を走っても、所要時間は大して変わらないのではないかと思 われた。

【単独運営】
長距離高速バスの場合、起点と終点の事業者がタッグを組んで運営する形態が多いが、この路線は日本 中央バスの単独運行であった。単独運行でも、起点(もしくは終点)の事業者は乗車券販売や車庫の利 用などの提携を結ぶのが圧倒的である。しかし、名鉄バスやJR東海バスなどの名古屋のバス事業者は、 この高速バスの運行はおろか乗車券の販売すらしておらず、この路線運営には一切参加しなかったの だ。乗車券の販売は群馬の日本中央バスへの電話予約の他に、JTB・近ツーなど主な旅行会社でも販売して いたが、これを知る利用者は皆無に近い惨状で、名古屋側から問い合わせをする場合は、わざわざ群馬の 日本中央バス本社へ電話をかける必要があり不便であった。しかし、単独で名古屋へ乗り込み、名古屋と 北関東を直結した日本中央バスの積極性と功績については評価すべきであろう。

【発着地点】
単独運営のためか、名古屋からの長距離バスが発着する、名古屋駅近くのの名鉄バスセンター及び名古屋 駅バスターミナル(JR東海バス)からは発着しなかった。名古屋駅での乗降場所は、これらバスターミナ ルのある位置とまったく逆の位置である新幹線口(西口・太閤通口)から発着していた。その場所は名古 屋駅新幹線口の大通り沿いで名古屋駅のすぐそばにあり、路線バスのようなポールが立っているので何と かわかる。しかし、そこは普段、放置自転車に囲まれる位置にあり、バス停のポールを見失いかねない。 また、バスが停留所にやってくるのが1日4回(「名古屋ライナー」では名古屋駅・金山共に、1ヵ所で 群馬行き・名古屋行の双方が発着していた)のため、バス停周辺は常に違法駐車のクルマに停車位置を奪 われていた。したがって、大型バスである「名古屋ライナー」はバス停に接近できないことが度々あり、 第2通行帯に2重停車する格好で客扱いをすることもあった。「名古屋ライナー」は単独運行のためなの か、名古屋のバス会社の車庫は利用せず名古屋駅到着後から群馬行きとして出発するまでの時間は、名古 屋市中区・JR金山駅前の大型バス駐車場で待機し、運転士は金山駅前の某ホテルで休息していたという。

【謎のダイヤ編成】
曲者の極みは運行ダイヤの編成であった。群馬県前橋をなんと早朝4時に出発し、名古屋へ朝9時過 ぎに到着。名古屋を午後5時に出発し、前橋に深夜11時半に到着するという強行軍ダイヤである。乗 務員の泊り勤務を回避するなどのアイデアや、群馬側からはやや強引ながらも名古屋〜群馬の日帰りを 可能にしているなど、日本中央バス本拠地の群馬県側に便利な設定になっていたようだ。しかし、早 朝4時なんかにどれだけの人が前橋・高崎にやってこれたのだろうか。また、日付が変わる直前に高崎・ 前橋に着いても、そこから先への移動は困難であり、かつこの時間帯では何もできないと思う。クルマを 利用しない(もしくはできない)人にとって、このダイヤ編成は逆に不便だと思う。しかし、群馬側 の途中停留所に駐車場が(有料・24時間500円らしい)あるところ、パーク&ライドでのクルマ利用者を 獲得している模様。さすが、超クルマ社会である群馬県の企業らしい発想であった。

【名古屋からの利用法は?】
▼高崎到着(22:30)後の電車連絡
高崎駅発終着地(時刻)
上越新幹線23:22越後湯沢(23:53)
上越線22:48水上(23:49)
両毛線23:06桐生(23:48)
高崎線23:02籠原(23:34)
信越線23:03横川(23:36)
正直なところ、このダイヤでは名古屋から群馬及び北関東各地へのアプローチは難しかった。交通至便 な高崎に到着しても、すでに終電間際(22:30)であるため、高崎からの移動には限界があった(左表参 照・ダイヤは当時のもの)。したがって、現地在住の親戚・友人などの送迎などが無い場合は、レンタカ ーでも借りない限り群馬到着後の行動範囲は限られてしまう。また、宿泊を選択すると翌日朝に新幹線 で東京経由で行くのと費用は変わらなくなるため利用価値は失われる。「名古屋から利用したくても 利用できない」のが正直なところだった。しかし、何とかして利用することはできないだろうかと 思い、市販の「時刻表」をめくってみると意外な利用方法があった。この高速バスを利用して、高崎 から夜行列車で北日本へ向かう場合のアプローチに利用できたのだ。案の定、高崎の日本中央バスセンタ ーは高崎駅東口から400mほどのところに位置している (地図はこちら)ため、日本中央バスセンターからJR高崎駅への徒歩連絡は容易である。名 古屋発の高速バスが高崎に22:30到着するため、夜行列車への乗り継ぎが可能である。通年運行している 夜行列車は2本。まず、高崎23:21発の寝台特急「あけぼの」(青森行き)。特急料金や寝台料金がか かるが、乗換なしで快適に東北日本海側の主要地域へのアプローチに使える。青森乗り換えで北海道への アプローチも楽々可能だ。次に高崎0:58着・1:30発の「ムーンライトえちご」(村上行き)。こ の列車は、新潟方面へのアプローチに有効である。また、「あけぼの」と異なり「快速」列車のため、 「青春18きっぷ」が利用できる。旅行シーズンには私のような貧乏旅行者にも便利である(ただし、全車 指定席のため指定席券が必要)。この列車利用の場合、各駅停車の列車乗り継ぎが何度か必要ではあるが、 それでも何とかその日のうちに北海道に上陸することも可能である。だけど、こんなマニアックな使い 方する人は、ほとんどいないだろう。また、群馬から名古屋行を利用する場合のアプローチについて は、前述の上野行き「ムーンライトえちご」が高崎駅に3:36着であるため、高崎駅近くの日本中央バスセ ンター4:30発の名古屋行「名古屋ライナー」を利用することができる(なお、同じく前述の寝台特急「あ けぼの」上野行きは高崎5:15着であるため、青森・秋田方面からの乗り継ぎはできない)が、その他 の利用方法については、まったく想像がつかなかった。

群馬行
時刻
停留所名古屋行
時刻
22:30名古屋駅
新幹線口
6:50
22:50金山駅南口6:30
5:20日本中央タクシー
富岡営業所
23:30
5:40藤岡I.C23:10
6:00日本中央
バスセンター
22:50
6:20n(エヌ)パー
キング日高
22:30
6:30前橋駅南口22:20
7:10伊勢崎21:50
8:00桐生駅南口21:20
【開設当初の雑感】
開設当時、正直な感想として「名古屋をなめてる」と思った。なぜ、こんな運行ダイヤにしたのか 疑問を感じていた。もう少し、名古屋側の事情や需要を理解していなかった。名古屋駅〜金山を10分で移 動するなんて、たとえバイク便でも不可能である。名古屋駅新幹線口から則武本通2〜<環状線>〜中村 区役所〜<太閤通>〜笹島〜<名駅通>〜ナゴヤ球場駅前〜<山王通>〜古渡町〜<伏見通>〜金山とい う経路ではあまりにも無謀だ。名古屋側の利用者を獲得できるように工夫すれば、同社が運行している 「シルクライナー」(群馬〜京都・大阪)のように好調に推移するのではないかと見られた。やはり、夜 行の方が高速バスとしてのメリットを最大限に発揮できると思う。この場合、早朝に名古屋到着後、夜の 発車時間まで乗務員を名古屋で遊ばせる格好となり人件費が高騰するが、この方が利用者を獲得しやすい はずであり、利用者増加分の運賃収入で人件費を確保すれば良いだけである。このHPを作成した当時、 「名古屋ライナー」の改善案を左表に示してみた。これは「シルクライナー」同様、群馬県桐生まで路線 を延長してみたものだった。桐生延長の目的は群馬県東部へのアクセス確立であるが、同時にこれで栃木 県へのアクセスをサポートすることも可能になる。早朝到着のメリットを生かし、桐生からJR両毛線経由 で小山・宇都宮方面、または、同線途中の栃木から東武線乗り換えで日光方面へもアクセス可能である。 栃木県主要部へのアクセスに「名古屋ライナー」は使える。夜行列車・バス(東京経由)&新幹線乗り継 ぎでアクセスする、名古屋〜栃木間の運賃や所要時間を考慮すれば十分使える範囲内ではなかろうかと思 ったのだ。また、名古屋側の起終点を名古屋駅新幹線口から金山駅南口に変更するというのも一考であっ た。昼間に金山駅前で待機しているのだから、これで名古屋駅〜金山駅前駐車場までの回送が無くなり、 乗務員の休憩時間も30〜40分ほど延長することができたからだ。更に冒頭にも書いたが、長野県諏訪・岡 谷あたりから、同県小諸・佐久あたりまでは、一般道を走っても所要時間は大して変わらないのではない かと思われるだけに、この区間を一般道路経由にするのもいいと思った。雪の降る冬季は難しいが、安全 に通行可能なうちは一般道路を利用し、割高な高速道路料金を押さえることでコスト削減が図れるとみら れたからだ。

【名古屋ライナーへの期待】
この高速バス運行開始情報を知った情報源は、なんと「日本経済新聞」だった。名古屋で圧倒的シェアを 誇る「中日新聞」など在名メディアは、この情報を流すことは一切なかった。運行開始初日に朝日新聞名 古屋本社版で掲載があったが、なんと、それは日本中央バスが独自に載せた広告であった。また、 運行開始直前に発売された市販の「時刻表」2002年5月号には、この情報は掲載されていなかった。この バスを実際に見るまでは「ガセ情報」かと思うほど不安で仕方なかったのだが、名古屋駅へ行くと立派な バス停ポールが立っており、バスはちゃんと毎日運行されていた。ここまで存在感の薄いマイナー高速バ スの新規運行開始は、東海地方では珍しい部類だった。名古屋と北関東の間にどの程度の人の往来がある のか気がかりだったが、5月のゴールデンウィークの群馬行きは、15〜20名の乗車がある盛況ぶりだった。 その後も週末に時折名古屋駅新幹線口で「名古屋ライナー」を観察していたが、日曜日の群馬行きは10名 程度の利用があった。群馬側の一方的な利用が圧倒的ながら、ここまで利用があるとは驚きであった。日 経新聞(東京本社版)によると「乗車率が5割強であれば十分採算は合う」と開業時に日本中央バス副社 長は語っていたという。運行開始翌月から「JR時刻表」(交通新聞社)では時刻表が掲載されるようにな った(一方、JTB時刻表の方は2002年12月号まで未掲載のままだった)。名古屋側の需要発掘と利用者獲得 策を画策すれば軌道に乗るのかもしれない、と開設当時は単身で名古屋へ乗り込んできた日本中央バスの 高速バス「名古屋ライナー(名古屋〜前橋)」に期待していた。

ところが、ところが・・・である。


【僅か半年で「名古屋ライナー」は伝説に】
2002年10月11日にダイヤ改正が行われた。しかし、「名古屋ライナー」は同じ日本中央バスが運行して いる京都・大阪〜群馬を結ぶ高速バス「シルクライナー」に統合されてしまったのである。原因としては、 「名古屋ライナー」利用者の伸び悩みが挙げられる。平日は常に乗客数1ケタが続き、最も多い日曜日や 連休の最終日でも「名古屋ライナー」の乗客数(名古屋発)は、一般的に高速バスの採算ラインといわれ る乗車率50%(約20名)を下回る15名程度と低迷していた(乗客数は当方調査による)。利用しづらいダ イヤも問題だが、最大の盲点は名古屋側の需要を完全に無視していた。(群馬側の利用者しか獲得 できていなかった)ということであろう。運行初日の新聞広告についても、名古屋で7割ともいわれ る圧倒的シェアを誇る「中日新聞」ではなく、名古屋では少数派になる(名古屋ではシェア2位らしいが) 「朝日新聞」に掲載したことも、名古屋をあまりリサーチしていないことを露呈させた。

また、「名古屋ライナー」における運転士の激務については、全国の高速バスでも有数のものであったと いう。長距離高速バスの場合、運転士は2人で区間別に交代制というパターンもあるが、「名古屋ライナ ー」では、運転士は1人勤務であった。名古屋行が前橋を早朝4時に発車するので、運転士は遅くとも朝 3時までには出勤しているはずだ。名古屋に朝9時半に到着後、金山へ回送し休憩に入るのは10時を過ぎ る。群馬行が名古屋駅を夕方17時30分出発だから、金山からの回送は遅くとも17時までには出発せねばな らない。休憩時間は実質5時間ほどとみられる。名古屋から高速道路をひた走り、23時に前橋到着。車庫 入れ・残務整理などをしているうちに日付が変わってしまう可能性が高い。極めて単純だが、「名古屋ラ イナー」の担当運転士は実に20時間以上の拘束を強いられる。運転士の精神的・肉体的疲労があまりにも 大きいことも問題であった。

群馬行停留所京都・大阪行
昼行夜行昼行夜行
14:0021:00大阪OCAT14:009:30
15:0022:00京都駅八条口13:008:00
17:3023:45金山
総合駅
名古屋駅
太閤口
11:206:15
17:500:00名古屋駅
太閤口
金山
総合駅
11:006:00
21:404:40富岡(※)6:200:20
22:005:00藤岡I.C(※)6:000:00
22:305:30高崎バスセンター5:3023:30
22:505:50日高(※)5:1023:10
23:006:00前橋駅南口5:0023:00
23:106:10前橋バスセンター4:5022:50
23:256:25伊勢崎(※)4:3022:30
23:407:00桐生駅南口4:1022:00
23:55太田駅南口3:5021:30
0:007:25B.Tおおた3:4021:20
7:35太田駅南口
7:50足利市駅前21:10
8:05佐野市役所前20:55
8:20館林市役所20:40
8:30館林バスセンター20:30
【備考】
富岡=日本中央タクシー富岡営業所、藤岡I.C=ら
らん藤岡、日高=n(エヌ)パーキング日高、伊勢
崎=伊勢崎まちかどステーション広瀬、B.Tおおた
=バスターミナルおおた

【新生「シルクライナー」の仰天内容】
2002年10月11日から運行が始まった新生「シルクライナー」。すでに「名古屋ライナー」で名古屋のバス ファンをあっといわせた日本中央バスが、今度の新生「シルクライナー」でもその才能(?)を遺憾無く発揮 している。今回も異例中の異例や仰天内容が続々と見られた。最大の注目点はこのバス路線が大阪発、 京都・名古屋経由群馬行きであることだ。確かに高速道路網をみれば、名神高速道路が名古屋・京都 ・大阪を結んでおり、3都市をカバーすることは容易であるのはわかる。しかし、この3都市を1つのバ ス路線でカバーするとは思わなかった。関東地方をはじめ、東日本から名古屋・関西へ向かう高速バス路 線は数多くあるが、これまで名古屋・京都・大阪を1路線でカバーするものはなかった。発想が柔軟とい うか何というか・・・。とにかく、日本中央バスはやることがすごい。他にも特筆すべき点があった。

a.夜行便登場
これまで、名古屋便は名古屋の利用者にはとても利用しづらかったが、夜行便の登場で名古屋から北関東 へのアクセスが大幅に改善された。運賃や早朝到着するメリットは北関東へのビジネス・観光に活かすこ ともでき、「シルクライナー」の利用価値は高くなった。

b.路線延長
群馬側の終点は、以前は前橋であったが、新生「シルクライナー」昼便は伊勢崎・桐生・太田へ。夜行 便は更に足利・佐野・館林まで運行区間が延長された。夜行便については栃木県足利・佐野へも行くの で、その先にある宇都宮や日光へのアプローチにも十分可能でかつ便利である。

更に名古屋駅新幹線口が「名古屋駅太閤口」に、金山駅南口が「金山総合駅」、日本中央バスセンターが 「高崎バスセンター」にそれぞれ停留所名が変更なった他にも、過酷だった運転士乗務も2人勤務となり、 現場サイドの労務環境もなるなど、細かいところまで改善の手が加えられている。しかし、今回の改正に おける大阪発、京都・名古屋経由群馬行きという最大の特徴は同時に最大の弱点で、それに伴う問題点も いくつか浮上した。

a.ダイヤ通りの定時運行ができるのか?
最も心配された点である。まず、大阪なんば・OCATから京都駅八条口まで1時間で移動するのは、近 鉄バスなどが運行する夜行高速バスなどの実施例があるが、夜行の京都駅八条口〜名古屋駅・金山ま で1時間45分で移動するというのは前代未聞だった。いったい、名神高速を時速何kmで走破するつもりだ ったのか。昼行の名神ハイウェイバス(名古屋〜京都)超特急でも2時間20〜30分程度かかっている のに。仮に同区間ノンストップ、名古屋駅・金山〜名神一宮I.Cを下道から名神小牧I.C・名古屋高速経由 にしても、2時間を切るのがせいぜいだと思う。案の定、改正直後の金山総合駅で群馬行き夜行バスを観 察したが軒並み15分程度の遅れが生じ、ダイヤに余裕あるの昼行(群馬行)でも、改正直後に名古屋駅で 観察したところ30〜40分程度の遅れが生じていた。ダイヤにゆとりがまったく無いため少々の渋滞や交 通規制・事故が発生すると延着する可能性が高く、名古屋到着までに遅れたダイヤを取り戻すことも困難 だったとみられる。週末など2台以上で運行する場合、大阪から出発するバスは京都は寄るが名古屋 へは寄らず、京都発のもう1台が名古屋をカバーしているという未確認情報もある。名古屋の延着防止に ついては日本中央バスも考えたのだろうが、それでも定時運行ができないというのは、やはりダイヤに余 裕が無かったのである。

b.冬季・集中工事期の安全輸送問題
名神高速では、毎年冬になると滋賀県八日市〜岐阜県関ヶ原間で雪による交通規制が行われる。降雪によ る速度制限や通行止めという事態も珍しくない。そうなれば、群馬行きの名古屋到着にかなりの遅れが発 生する可能性がある。名古屋駅・金山両停留所共にバス停はポール1本だけ。酷寒で何も情報の無いとこ ろでいつやって来るかわからないバスをじっと待つという、想像しただけでもゾッとするようなことも起 こりかねない。日本中央バスもこのようなことを考慮してか、バス停には「緊急連絡先電話番号」を バス停に掲載しており、まさかの場合の応対に備えているようだが、それでも不安を完全に払拭するこ とはできない。名神高速の集中工事で群馬行の名古屋到着が1時間半以上遅れたということも実際にあっ たという。

c.停留所の安全面の問題
名古屋の2停留所(名古屋駅・金山)は屋外にポールが1本立っているだけ。夜行便の場合は日付が変わ る時間帯であり、停留所周辺の治安問題も気になる。乗客(特に女性など)の安全面に不安がある。金山 バス停の向かいにはコンビニがあるので若干いいが、名古屋駅太閤口バス停周辺は名古屋駅周辺でも特に 治安面でやや難ありの地域で、バス停周辺に風俗店はあれどコンビニなどの店は無い(少し歩けばあるが、 わかりにくい場所にある)。ホームレスも多いので夜はちょっと怖い。

群馬行停留所京都・大阪行
昼行夜行昼行夜行
15:0020:00大阪OCAT14:009:00
16:2021:10京都駅八条口12:507:50
19:2023:30金山
総合駅
名古屋駅
太閤口
10:205:15
19:5023:50名古屋駅
太閤口
金山
総合駅
10:005:00
0:004:00富岡(※)5:550:20
0:304:30藤岡I.C(※)5:2523:50
0:504:50高崎バスセンター5:0523:30
1:105:10日高(※)4:4523:10
1:255:25前橋駅南口4:3022:55
1:405:40前橋バスセンター4:2022:40
2:006:00伊勢崎(※)4:0022:20
2:256:30桐生駅南口3:3521:50
2:50太田駅南口3:1021:20
3:007:05B.Tおおた3:0021:10
7:15太田駅南口
7:35足利市駅前20:50
7:55佐野市役所前20:30
8:15館林市役所20:10
8:30館林バスセンター20:00
【備考】
富岡=日本中央タクシー富岡営業所、藤岡I.C=ら
らん藤岡、日高=n(エヌ)パーキング日高、伊勢
崎=伊勢崎まちかどステーション広瀬、B.Tおおた
=バスターミナルおおた
【2003年6月ダイヤ改正の概要】
新生「シルクライナー」は合理的な反面、問題が山積した高速バスだった。関東運輸局もよく認可したも のだと思うほど、運行側・利用者側双方に不便であった。名古屋での観察を続けていたが、乗客数も芳し くなかった。そこで2003年6月1日よりダイヤ改正を行った。

実態に合わせたゆとりあるダイヤ編成に
これは「名古屋ライナー」の頃からであったが、日本中央バスは実地走行試験もろくにしていないのでは ないかと思えるほど、現地の道路事情を把握していない無理なダイヤ編成を組む傾向にあった(同時に、 こんなダイヤで認可してしまう関東運輸局もどうかしている)。特に京都〜名古屋間を1時間45分で運行 する恐怖のダイヤはあまりにも無謀であった。今回改正の注目点は、まったく余裕の無いダイヤにゆとり を持たせて確実な定時運行を目指すようになったことである。前述の京都〜名古屋間は延着が日常茶飯事 だったためか、この区間の所要時間も2時間半程になっている。これで名古屋の2停留所の定時到着も十 分可能にした。また、群馬側でもダイヤが変更された。どうも、全体的に延着が目立っていたようだ。ま さか、群馬側まで無茶なダイヤ編成だったとは思わなかった。ダイヤ改正後、名古屋の2停留所では定時 運行どころか早着するようになった。ただ気になるのは、予約客が全員乗車したら発車時間前でも発車し てしまうことがある。乗車の際は発車時刻の15分前ぐらいには停留所でバスを待っておいた方が良さそう だ。

【結び】
謎の高速バス「名古屋ライナー」は、わずか半年で伝説となったが、新生「シルクライナー」は夜行便の 登場で「名古屋ライナー」よりも大幅に改善された。名古屋が途中経由地となったことによる、様々な問 題点も2003年6月ダイヤ改正で改善が見られ、使える高速バスになった。この高速バスが名古屋か ら北関東へ直通する唯一の交通機関として活躍する場は十分あると思う。今後は名古屋〜群馬の利用者を 徐々に獲得し、いつの日か名古屋発着群馬行きの高速バスが復活することを楽しみにしたい。

【参考】
日本中央バス
http://www.msksite.net/nipponchuo/
AERO ROAD
三菱自動車のHP。日本中央バスの軌跡と戦略が分かります。
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/FUSO/pr2001/0109/aero/
高鉄のページ・群馬・鉄道とバスの時刻表
http://member.nifty.ne.jp/takatetsu/bus/ncb/ncb.htm
2ちゃんねる運輸交通板「おい!いるのか?名古屋発群馬県行きバス!」
http://choco.2ch.net/test/read.cgi/traf/1022501437/l50

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