-97.9.8 快晴
「開陽台で逢いましょう!」

ナイタイ高原へと続く道
-ナイタイ高原へと続く道。
あくまでもひたすらにまっすぐな道。
どこまでも続く、夢の入り口。

「地平線にまで落ちる天の河、見えないッスよ!」

朝、すっきり晴れた空は、昨日のサイトー隊員との会話を
私に思い出させた。

サイトー隊員は、今日も開陽台に泊まって、
地平線まで滑り落ちるような天の河を探すのだろうか?

北海道に来て、雨知らずの私が行かなくては、その星空すら
見えず仕舞いなのではなかろうか???

・・・・・葛藤はまだ、私の中で鬩ぎあっていた。

         「行こう!」

シフトを勢いよく蹴り落として、バンディットのスロットルを大きく開けた。
もちろん南ではなく、開陽台のある東に向かってだ!

今更、開陽台に行ってもとっくに彼は撤収して、
どこかの地へと旅立ち、逢えない可能性もあるかもしれない。
気持ちだけが焦った、とにかく早く!近くへ!
なによりも「逢いたい、開陽台で!!!!!」


牧草ロール
うえの写真の場所から横を見ると、
牧草をロール状に巻いた物が点在する。
いかにも北海道的な景色に心躍らせる。


帯広より開陽台へは、一旦上士幌に戻って、
そこからR241に出るのが最短距離らしいので、
気残りだった「ナイタイ高原牧場」に出向く事にした。

ナイタイに続く道に踏み込めば、昨日とはうって変わった
「別世界」が広がりだした。
緑と蒼、そして白の「原色」の世界だ。

「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪」

思わずメットの下で叫んで、スロットルを更に煽った。
ワンテンポ遅れて体に加速感が伴い、酔いしれる・・・。



ナイタイ高原牧場にて
「ナイタイ高原牧場」にて
眼前に広がる緑の「十勝平野」とそれを優しく包む、
大きな大きな青い空・・・。
想像を遙に越えた、自然の持つダイナミックさに、
しばし見とれてしまう事うけあいなのだ。
ミラーに映りこむ大空
ミラーにも大きく写る「青い空」
走っていても青空が大きく写り込むので、大空が
私の味方になってくれたみたいで、とても嬉しい♪

エゾシカとの遭遇
「エゾシカ」と遭遇♪


函館から上陸した後に、すぐ富良野へ飛んだ時と同じように
移動に徹した為、途中の事があまり記憶に無い・・・。(笑)
我ながら「若かった」と思う・・・・・。(爆)

途中の「然別湖」や「足寄のフキ」、「オンネトーの湯の滝」
「弟子屈900牧場」・・・・etc
色々と行ってみたい場所がいっぱいあるのになぁ・・・(涙)

今、思い出されるのは、やっと開陽台の射程距離に入った、
「摩周湖」なのだ。


摩周湖第三展望台にて
「摩周湖第三展望台」にて
霧のない摩周湖は何ともいえない
不思議な色を、静かに湛えているのだ。
「霧の摩周湖」と呼ばれ、
「一年のうち300日は霧の中」とまで謳われる摩周湖。

ゆえに晴れた日の霧のない姿を目撃すりゃぁ、
婚期が遅れると言われ、有名。

そして私の時は・・・・。
写真が全てを語るように
「霧どころか雲一つない快晴!!!」
わっはっは〜!我ながら笑っちゃうよな〜!!!

「いや〜ん!お婿に行けな〜い♪」

と思わず口から出てしまうと、周囲の失笑をかってしまい、
真っ赤な顔で展望台から降りる私だった。
カムイッシュ島
カムイッシュ島まで見える程、くっきり晴れた摩周湖
いやいや、言い訳じゃないけれども、
すっきりした晴天の時の摩周湖は
吸い込まれそうな程の深い蒼色を湛えて
じっと眺めていても飽きる事がありません。

へ?い、いやいい訳じゃないですよ〜♪
開陽台の夕暮れ
「開陽台」の夕暮れ。
サイトー隊員と共に、待望の天の河に逢えるのか?
という期待と共に、孤独感が一層募ってきた瞬間。



そして待望の開陽台にたどり着く。

日本の東に位置する北海道、
その中でもここは東に位置してるので、日が暮れるのが、
本当に早い!夕方5時でこの有様だ。
観光は明日に廻して、「サイトー隊員」の姿を慌てて探す。

入り口の駐車場にはサイトーのエストレヤの姿は無い。
彼の装備すら知らないので、不安が募ってくる。

そしてテントサイトにて、テントを一目散に張り、
廻りを見渡すも、それらしき影すら見当たらない。
中には持ち主の到着を待つ無人のテントもある。

「すいません、エストレヤのサイトーって奴、
 こちらでみかけませんでしたかぁ?」

連泊してそうな人に聞いてみるも、
いい返事は返ってこなかった・・・。

「まさか、もうここにはいないのでは・・・?」

迫り来る夕闇が、更なる焦燥感を募らせた・・・。



仕方なく、独りで夕食を済ませ、食器を洗っていると、
先ほどの持ち主不明のテントの一つに「御主人」が帰ってきた。
しかし、暗くて顔の様子とかは全然分からない。
洗ってる食器を放り出し、その人に駆け寄っていって、懐中電灯の明かりをその人めがけて当てると・・・。
見慣れた、いつもの、人懐っこい笑顔が出てきた。

「えぇっ!タイチョー!!!何で!!!!!?」

再会を果たした2人の頭上に、地平線まで続く天の河は更に輝いた。

9/8 開陽台キャンプ場 テント泊