アケビ(木通)
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Last updated on 2007/12/24



 アケビの仲間には、アケビ、ミツバアケビ、ゴヨウアケビの3種類があり、葉で見分けられます。アケビは小葉5枚からなる掌状複葉で、小葉は楕円形で縁に鋸歯がありません。ミツバアケビは小葉が3枚で、縁に波状の大きな鋸歯があります。ゴヨウアケビは小葉は5枚ですが縁に鋸歯があり、アケビとミツバアケビの雑種と考えられています。3種類とも落葉性の蔓植物で、秋においしい実をつけます。

 次の写真は2001年4月12日に天下台山の東部墓園登山口付近で撮影したアケビの花です。1枚目の写真の、左下が雌花、右上が雄花です。

(写真はクリックすると大きくなります。)

 熟した果実をそのまま食べるほか、若葉をゆでて、おひたしやゴマあえ、漬け物などにします。ただし矢頭献一氏が「日本の野生植物(1963年)」の中で次のように書いておられるので、味の方は保障できません。

 「このつるの新芽も食用になり、なかなか珍味だと聞いていたので、早春おひたしにして食べたがいっこうにおいしくなかった。後で江戸時代の草本書を調べていたら、この芽の塩づけは京都鞍馬の名物だが、塩からいのみで味なしと書いてあった。」

 熟した中身を取ったあとの果皮は、挽肉か魚のすり身を詰めて、パン粉をつけてフライに揚げたり、そのまま煮付けたり、ゆでて胡麻、マヨネーズで和えたりして食べられます。未熟な果実をそのまま薄く切り、衣をつけて揚げたりもします(「日本薬草全書」より)。

 また木質のツルを輪切りにしたもの(木通)は、生薬として利尿などの目的で用いられます。

 

追記 (2001/11/17) 新芽の食べ方

 山形の島津憲一さんから、アケビの新芽の食べ方と味について、矢頭献一氏の著作(上述)とは異なった、次のようなご意見をいただきました。ありがとうございました。

 「正しい食べ方は新芽をひとつまみの塩を入れてゆで、ゆで上がったものは冷水で洗い、そのまま水に浸して一晩放置し、食べる時に水気をしぼり、醤油かだし醤油でいただきます。新芽の持つほろ苦さがおつであり、苦みを旨味として感じる事のできる第1級の貴重な味です。」

 

追記 (2006/04/19) ミツバアケビの花

 自宅に植えているミツバアケビの花です。暗紫色の傘を広げたようなのが雌花で、フジの花のように垂れ下がっているのが雄花です。両方ともアケビの花と比べるとかなり「小ぶり」です。

追記 (2006/10/22) 果実の比較

 我が家では4年前からアケビとミツバアケビを混植して生け垣にしています。今年初めてたくさん(100個ぐらい)の果実がなりました。アケビの果実は熟してくると緑色から白っぽく(淡紫色)になりますが、ミツバアケビは緑から赤紫に変わります。外皮が裂開したものから順に収穫して果肉(中身)だけをホワイトリカーに漬け込み、アケビ酒を作っています。比率は果肉100cあたり、ホワイトリカー(35%)200_gと氷砂糖10cです。

 次の写真の(a)はアケビ、(b)はミツバアケビです。写真(c)は右端の1個(赤紫色)だけがミツバアケビで他はアケビです。(d)は2001年秋に相生スポーツセンターの近くで採ったミツバアケビです。我が家のミツバアケビはこの果実の種子から育てたものです。 


(a)2006/10/12


(b)2006/09/30


(c)2006/10/12


(d)2001/10/11

追記 (2007/09/30) アケビ酒

 1年前に仕込んだ「アケビ酒」を飲んでみました。試飲に先だって、漬け込んだ果肉をろ過したのですが、これが結構大変でした。果肉成分がふやけて溶け出しており、自然ろ過ではろ過膜(ガーゼ布)があっという間に目詰まりしてしまいました。やむなくモロミから醤油を絞るときのように、ガーゼで作った袋に原液を入れて袋の口を閉じ、圧力を掛けて絞り出しました。

 ろ液の外観はやや黒っぽい褐色です。しばらくすると白っぽい沈殿物がかなり出来ました。ろ過布(ガーゼ)を通り抜けた果肉細片でしょう。水で3倍に割って飲んでみました。相当甘いだろうと予想していたのですが、「甘み」よりも「苦み」を感じました。たいていの果実酒は「酸味」と「甘み」を同時に感じるのですが、アケビ酒には酸味が無く、代わりに「苦み」があって、それが「甘み」とバランスしているように思えました。果実酒としては、一風変わった大人の味(?)といえるかもしれません。

 「苦み」の元は、たぶん黒い種子の周辺から溶出した成分でしょう。果肉を生食する際、種子をかじるとかなりの「苦み」を感じます。ろ液の外観が黒っぽいのも、種子から溶出した成分のせいだと思われます。果肉から種子を取り除いて、半透明ゼリー状の部分だけを漬け込んだら、苦みのないアケビ酒が出来るかも知れませんが、その酒は、果肉をバラバラにして漬け込むことになるので、ろ過に一層の手間がかかるように思われます。

 

追記 (2007/12/24) アケビの葉だけを食べる虫

 当サイトの「生きもの便り」の中に、もっぱらアケビ類の葉を食べる虫を2種類紹介しています。アケビコノハとアケビコンボウハバチの幼虫です。こちらをクリックするとそれらのページが直接開きます。  → アケビコノハの幼虫     → アケビコンボウハバチの幼虫
 


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