ツバキ(椿)
Since 2001/03/25


 日本では「椿」と書いて「ツバキ」と読みますが、中国では「山茶」と書きます。「椿」は日本で作られた、いわゆる国字です。日本ではサザンカのことを「山茶花」と書きますが、中国では「山茶花」はツバキのことです。サザンカとツバキの違いについては、サザンカのページを見てください。  →サザンカ

 ツバキは古くから日本人に注目されていた植物のようで、「日本書紀」には天武天皇の3年(675)に吉野からシロツバキが献上された話があります。また正倉院には、金銀など五彩に仕上げたツバキの杖があり、女帝・孝謙天皇が天平勝宝4年(752)、東大寺の大仏開眼供養のさいに使ったと伝えられています。杉浦銀治氏の「世界の炭焼き日本の炭焼き」によると、太安万侶(723年没)の墓から出てきた炭はツバキ炭だったそうです。

 (写真はクリックすると大きくなります。)

 ツバキは、当地(相生市)の市木で、街のあちこちに植えられています。中でも関西電力相生発電所構内には160種4200本あり、年1回3月下旬、「ツバキ展」にあわせて一般公開されます。上の写真は、2001年3月23日に相生墓園で撮ったものです。  →「ツバキ展」を報じた新聞記事

 日本の代表的な野生種はヤブツバキとユキツバキです。ユキツバキは日本海側の多雪地帯に自生しています。ヤブツバキは足摺岬など太平洋岸の暖地に多い「赤いツバキ」で、種子からツバキ油をとります。ツバキ油は整髪用として知られていますが、食用や灯火用にも使われます。ツバキ油を灯火に使うと、その火の色が何ともいえず美しいといいます。ツバキ材の灰にはアルミナ(酸化アルミニウム)が多いので、伊豆大島あたりでは、媒染剤や釉薬として利用することも考えているそうです。

 私はツバキと聞くと「黒牛」を連想します。少年時代、生家の南側にピンクの花をつける大きなツバキの木が1本ありました。当時我家では農耕用に黒牛を飼っていたのですが、気候がよくなると牛は畜舎から出してもらい、ツバキにつながれて日光浴をしていました。その光景を思い出すのです。
 


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