運河旅行の手配

イギリス運河のためのボートのチャーターは、6ヶ月前から始める必要があると聞いていましたが、実際に私達が行動を起こしたのは4月に入ってからでした。それでもボートをチャーターできたのは幸運だったと思います。おおまかな手順は以下のようにになります。
  1. エージェントにパンフレットを請求する

  2. これは意外な程簡単でした。インターネットのホームページ経由でパンフレットを請求すると4〜5日で届きます。私達の場合、5月の連休直前に届いたので、連休はパンフレットを家族で見て過ごしました。

    Alvechurch ボートセンターのパンフレット。左側が取り寄せた2000年のもの。右側が10月になって送られてきた2001年のもの。来年も是非ということらしい。

  3. おおまかなルート(出発地)と日程を決め、希望するボートを2〜3リストアップする

  4. ルートとボートの選択は勝手が分からないので最初は非常に戸惑います。これに関しては別途詳しく説明しようと思います。
  5. エージェントから予約 OK が出たら、予約申込書に記入し郵送あるいは FAX する

  6. この時予約金が必要になります。
  7. 飛行機の予約
  8. ホテルの予約
  9. 2週間前までに残金を支払う
  10. 現地に出発

ルートの選択

パンフレットに載っている推奨ルートをベースに選択します。私達の経験から以下の事項を考慮することを勧めます。

チャーター代金

カナルボートのハイシーズンはやはり夏で、7月始めから8月末までのチャーター金額は最も高くなっています。ちなみに私達が8月に借りた Falcon クラス、Merlin 号7泊8日のチャーター代は1087£(税込み、約17万円)でした。同じ船を5月のゴールデンウィークに借りたとすると、チャーター代金は842£と2割程安くなります。

7泊のチャーター代1087£は一泊当たり155£になりますので、ロンドン辺りの B&B (100£程度)より若干高めの値段になります。けれども、カナルボートは移動可能で、それ自体がレジャーですので、B&B の宿泊代金に交通費や他のレジャー代金を加えることを考えると決して高いものではありません。

Alvechurch ボートセンターで最も高級な Warbler クラスのボート(6〜7人乗り)でも1849£(ハイシーズン)、一泊当たり264£です。少し程度を落とした Kingfischer クラス(8人乗り)のボートで1364£(同じくハイシーズン)、一泊当たり200£を切ります。

チャーター代金には、付加価値税、ディーゼル燃料代、プロパンガス代金、運河使用料などが含まれます。他に必要なのは一回の予約に対して35£の Damage Waiver で、これはボートの損傷に対する保険のようなものです。予約時に必要な予約金はボートのチャーター金額の27.5%です。支払いはクレジットカード(Visa、Master)が使えます。

ボートの選択

基本的には、同乗するグループの構成で間取りが決まり、ボートの大きさもほぼ決まってきます。私達の場合、3人家族ですので、3〜4ベッドあれば十分でした。最大級のボートでは10ベッド以上あるものもあります。もちろん、大きなボートになる程、レンタル料も上がりますが、人数(ベッド数)に比例するということにはなりませんので、大きなボートを大人数で借りる方が安上がりです。けれども、初心者が最大級のボートをいきなり借りると操縦が難しくなりますし、「船頭多くして...」という諺もあることですので、気心知れた仲間や家族で借りるのがいいと思います。

ベッド以外の装備では、温水シャワーと電子レンジが要チェックでしょう。私達が借りたボートのシャワーは、エンジンの熱で水を暖める方式でしたので、朝一番でシャワーを浴びようと思っても、一時間以上エンジンを回して温水を作らなければなりませんでした。ボートによってはエンジンではなく、プロパンガスで湯を湧かすものもあるようです。ロックが連続するとかなり疲れますので、電子レンジで用意できる食べ物があった方がベターでしょう。逆に、テレビはあまり必要はないと思います。アンテナをいちいち立てる必要があり、電波の状態もあまり良くありません。高級なボートになると皿洗い機が付いていたりしますが、私達は日本でも使ったことがないので必要性を感じませんでした。

私達のカナルボートの船尾部分。Cruiser Stern の様子が分かる。この写真はロックの水位が上がるのを待っているところ。私が右手で持っているのが舵棒(ティラー)。私の足下にエンジンルーム点検ハッチが見える。

ボートセンターのパンフレットを良く見ると、ボート毎に "Traditional Stern", "Semi-Traditional Stern" そして "Cruiser Stern" という区別があるのに気が付くと思います。 "Stern" (スターン)というのは船尾のことです。カナルボートは多くの船と同じように船尾で舵を取ります。Traditional Stern というのは船尾のオープンスペースが狭く、大人ひとりしか居ることできませんが、舵取りはボートの屋根に腰掛けて行います。逆に Cruiser Stern というのは大人3〜4人が居るスペースがありますが、舵取りはベンチに腰掛けて、あるいは立って行います。私は Cruiser Stern のボートを選びましたが、舵取りは大変疲れました。というのも、カナルボートは大変細長く、船尾のベンチに腰掛けて舵を引くと前がほとんど見えないのです。結局、一日中立って舵を引くことになってしまいました。逆に Cruiser Stern の利点は、皆で話しをしながら、あるいはお茶を飲みながら船を進めることができることと、エンジンルームの点検が比較的容易なことです。Semi-Traditional Stern というのは Traditional Stern と Cruiser Stern の中間です。

地図(運河図?)について

パンフレットにはおおまかなコースの紹介がありますが、詳細を知るには運河の旅専用の地図が必要です。最初の申し込みをする際、地図も購入することができます。地図といってもいくつか種類がありますので、以下に私達が購入した地図についてコメントしようと思います。(括弧内の値段は私達がボートセンターで購入した値段)
 

結局、Nicholsons Waterways Guide と Pearson's Guide の両方を購入し、見比べながら航行しました。どちらか一冊ということでしたら Pearson's Guide をお薦めします。Lockmaster Map は毎日の行程を書き込み、終わったら額に入れて部屋に飾るといいと思います。この3つの地図のいずれもイギリス全土をカバーしていないので、行こうとするルートから適切なものを選びます。
 

ラップワース連続ロックの部分を拡大する。「へ」の字がロックの記号。連続しているのが良く分かる。運河に掛かる橋とロックには全て番号が付けられており(橋は丸数字)、実際の橋やロックにも番号が書いてある。この図でナンバー26と28の橋が跳ね橋("Lift Bridge")になっているのが分かる。

保険について

チャーターするボートに関しては強制的に保険のようなものを支払わされます。が、対人対物の賠償、自分達のけがに関する保険については、ボートセンターのパンフレットには、イギリス在住の申込者に対してのみ扱っているとありました。日本でイギリス運河航行における損害保険はあるのでしょうか?損害保険会社に勤めている友人がいるので聞いてみたところ、そのような保険はないという返事でした。結局、私達は通常の海外旅行保険にのみ加入していきました。

ボートセンターへの行き方

ボートセンターに具体的にどのように行くかは、ボートセンターのパンフレットに書いてあると思います。問題は食料の買出しです。

私達が借りたボートセンターでは午後2時がボートの引き渡しでしたので、ロンドンを朝出発し、バーミンガムで昼御飯を食べ、若干の買出しをすることができました。本当はアルベチャーチの近くに宿を取り、タクシーで買出しをしてそのままボートセンターに行くことを企てたのですが、そうはなりませんでした。ロンドンの B&B(朝食付きの安ホテル)ならインターネットで予約が可能ですが、アルベチャーチの B&B は名前すら分かりません。ボートセンターに近くのホテルを紹介して欲しいと言ったのですが、そういうことはしていない、との返事でした。

バーミンガムでの買出しといっても、スーツケースを抱えてですから、たいした買い物もできません。という訳で、最初に停泊したキングスノートンで買出しに行き、また最初の夕飯は日本から持ち込んだレトルト食品でした。


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