パブ

Llangolen 運河沿いのパブ(午前中なのでまだオープンしていない)

イギリスにはパブというものがあって…なんて説明は不要であろう.しかしながらパブで飲食するのはちょっと難しい.一口に「パブ」といってもいろいろとあるからである.ロンドン辺りでのパブといえば,日本で言う居酒屋のように大人が集まって「飲む」ところが大半である.しかしながら運河沿いにある田舎のパブではだいぶ趣が違う.運河案内本によると,どこそこのパブには,なになに地ビールがある,あの料理は絶品だ,古い趣のある建物だ,とかいうだけでなく,子供歓迎とか(子供用)遊び場がある,なんていうのまで書いてある.そう書いていないパブでは子供は原則お断りだ.

田舎町を散歩や買い出しに行くと,レストランの類があまり目に付かない.あってもインド料理屋か,ピザなどイタリア系の軽食レストランが多い.でもパブはたいがいの町にはあるようだ.そう,田舎のパブはファミリーレストランでもあるのだ.子供歓迎のパブでは内部が2つに分かれていて,入ると「食事ですか?」と聞かれ,そうだと答えるとカウンターのない方の部屋に案内される.法律があるらしくカウンターに子供は近づくことも許されないらしい.庭のテーブルで食べることも可能だ.

Llangollen 運河沿いにある Jack Mytton パブの看板 天気が良かったので外でカレーを頂く.美味しい! 陸から来た客用のネオンの看板

ここからがパブの難しいところ.「案内される」と書いたが,ウェイトレスやウェイターがいないパブも結構多く,最初はどうすればいいのか分からないまま入り口に突っ立っていた.カウンターには必ず人がいるので,どうすればいいのか聞けば良い.さて料理であるが,メニューがあるような,ないような,これまたよく分からない.多くの店では店内に黒板があり,本日のお薦めがチョークで書いてあって,それが全てだったりする.ビールの注文も,無難なつもりでビターだかエールだかを1パイントとか言うと,これとそれとあれがあるがどれにするか,なんて聞かれてまたまた困ってしまうのである.

Stratford 運河沿いのパブ

ところで,イギリス料理は最低,と良く言われている.家内はイギリス贔屓なので林望氏の「イギリスは美味しい」なんて本を買ってくるのだが,読んだところでやっぱり美味しくないんだという感想しか持たなかった.しかし,運河の旅で多くのパブに行ってみて分かったのだが,イギリスって結構美味しいではないか.Wrenbury の Cotton Arms で食べた羊のロースト,Ellesmere の White Hart で出たグレービーソース,Jack Mytton パブで食べたカレーライス等々,どれも「いける」のである.パブ以外でも,ポーク(アップル)パイとか,見かけはパン生地で出来た巨大な餃子だか中身は日本のコロッケのコーニッシュパイは懐かしい味でとっても美味しい.そればかりではない.ボートで食べるために買ってきた野菜は日本で売っているのよりも見かけは悪いが味が濃い.ローストしただけの鶏肉も塩味だけで臭みもなくとっても美味である.

Wrenbury Mill ボートセンター近くにあった運河沿いのパブ.パブというよりはレストランに近い雰囲気を持つ.

これだけ美味しいものを発見すると,なんで「イギリスは不味い」なんていうことになったのだろう,という疑問が沸く.代表的なイギリス料理はパブでしか食べることはできない.しかし,パブは飲み屋とレストランの中間的な存在なのだ.イギリス人はそれを専門の料理店にまで発展させなかった(あるいは発展させる必要を感じなかった).だからフランス料理店とかはあってもイギリス料理店なんてものはないのではなかろうか.イギリスで美味しいものを食べるには田舎のパブにいくのが一番なのかもしれない.そうそう,運河は200年前に栄えたのだ.とすると運河沿いにあるパブは少なくとも100年以上は経っているのではないか.それだけ続いた店の料理が不味いはずはない.

さて,食べ終わった最後に支払となる,と書きたいが,これも店によって先払いだったり後払いだったりする.どうするのが正しいのか10軒以上のパブに行ったけど未だに分からない.

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