トウパス (Towpath) と犬

馬で曳く観光用カナルボート(Llangollen)

カナルボートはその昔,動力がなく馬で曳いていた.このため運河沿いには馬が歩いた道,トウパス,がある.現在のカナルボートはディーゼルエンジンで動くのでトウパスは不要ではあるが,ボートを停泊させる場所,釣り,散歩やジョギングの道として広く活用されている.アクアダクトがあるような風光明媚な場所では特に散歩する人が多い.散歩するのは人だけではない.犬の散歩を兼ねている人も多く見かける.犬好きなイギリス人は多いようだ.犬を載せているカナルボートも多く,借りるカナルボートに犬を同乗させることも OK である.イギリスの犬は皆躾が良い.朝夕の犬の散歩の時間帯は犬同士が接近することも多いのだが,リードなしでもちゃんと喧嘩をしないばかりか,関心の素振りも見せずに散歩するのには関心した.

トウパスは丁度いい犬の散歩道

ウェールズとの境近くにある運河沿いの Jack Mytton パブにいた犬は,2002 年の運河の旅で特に印象に残っている.我々が店に入っていくこうとすると,ちゃんと入り口まで案内する.店に入ると何故かその犬も一緒に店に入り,我々が料理を食べている間,おねだりをする訳でもなく,ずっと床に寝そべって何かを待っている様子なのである.食事が終わって店を出ようとすると,人の顔をじいっと見つめながら犬も一緒に店を出る.ボートに戻ろうとしていると,その犬はどこからか自分のおもちゃ(正式にはなんていうのか分からないが,綱のようなもので,犬が噛んで遊ぶもの)を持ってきて,庭の片隅に伏せをし,おもちゃを鼻先で我々のほうに「ちょい」と押しやるのである.どうやら「投げて」と言っているらしい.投げてやると大喜びで取りに行き,戻ってきては鼻先で「ちょい」とやるのである.あまりの可愛さに皆で順番にこれを繰り返すが,ずっとここで犬と遊んでいる訳にはいかない.これで最後と,思いっきり遠くに投げて,それっとばかりに皆でボートに急ぐ.途中,どうしたかと思って振り返ると,なんと,犬はもうお終いということが分かって,自分のおもちゃを仕舞いに行くところであった!

おもちゃを鼻先で我々のほうに「ちょい」と押して,遊んでというパブ犬.
<Yukiさん撮影>
この期待に満ちた表情!!
<Yukiさん撮影>
よく見ると牧羊犬(ボーダーコリー?)に似ている.
後ろに見えるのは,パブの庭に必ずあるタイプの椅子とテーブル.
<Yukiさん撮影>

話をトウパスに戻そう.トウパスには日本でも見かける「飼い犬の糞は飼い主が始末しましょう」みたいな看板をあちこちに見ることが出来る.看板があるということは,そうしない人が多いことを示している.日本での犬の散歩といえばビニール袋にスコップを持ち歩くのが常識になっているが,イギリスではほとんど皆手ぶらだ.イギリスの犬は躾が良いのだが,飼い主の躾は日本より劣るのである.町の近くの運河で面白いものを見つけた.運河沿いのトウパスに適当な間隔で柱が立っており,そこにゴミ箱のようなものがくくりつけられている.それは犬の糞入れなのだ.これを見たのは Whitchurch と Ellesmere だけであった.散歩に人気のトウパスには必ずといっていい程犬の落とし物が落ちていて,足下を良く注意して歩かないと「コンタクト」してしまう危険がある.

カナルボートを停泊させようとする時には必ず誰かがトウパスに飛び移る必要がある.決して不用意に飛び移ってはいけない.焦らずよ〜く確認してから飛び移ろう.

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